酒さと赤ら顔の違いと特徴
酒さ(しゅさ)は顔面に現れる慢性的な皮膚疾患で、特に鼻や頬を中心に赤みや毛細血管の拡張、小さな発疹(丘疹)や膿を伴うできもの(膿疱)などが見られます。中高年層に多く発症し、やや女性に多いものの、重症化して鼻が膨らむ“鼻瘤”は男性に多い傾向があります。
一方、「赤ら顔」は一時的な血行変化や皮膚の薄さによる赤みを指し、酒さの症状のひとつとしても見られますが、別の要因でも起こることがあります。
酒さ・赤ら顔の悪化を防ぐための工夫
酒さや赤ら顔は、さまざまな外的・内的刺激によって症状が悪化することがあります。日常生活において以下のポイントを意識することが、症状のコントロールにつながります。
– 紫外線対策(SPF30以上の低刺激性日焼け止め)
– 気温差の大きな環境を避ける
– アルコールや辛い食べ物を控える
– 洗顔・保湿は刺激を与えないよう丁寧に行う
– 睡眠・リラックスによるストレス管理
酒さ・赤ら顔の治療法について
酒さは慢性的な病気のため、完治が難しいケースもありますが、治療によって症状の軽減やコントロールは十分に可能です。赤ら顔も原因に応じて改善が見込めます。
代表的な治療方法には以下があります:
– 外用薬(メトロニダゾール、イベルメクチンなど)
– 内服薬(テトラサイクリン系抗生物質)
– 血管拡張に対するレーザー治療
– 敏感肌用のスキンケア製品への見直し
治療は一人ひとりの症状に応じて異なるため、皮膚科専門医による診断と定期的なフォローが重要です。
結論:酒さは一生治らないのか?
酒さは必ずしも一生治らないわけではありません。確かに慢性疾患ではあるものの、適切な医療と生活習慣の工夫によって、症状を日常生活に支障のないレベルまで抑えることができます。
重要なのは、症状が軽いうちから対策を始めることと、自己流での対応ではなく皮膚科での診察を受けることです。早期から正しい知識と治療に基づいた対処を行えば、快適な生活を取り戻すことが可能です。
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年東京大学医学部医学科卒業
- 2009年東京逓信病院勤務
- 2012年東京警察病院勤務
- 2012年東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年東京逓信病院勤務
- 2013年独立行政法人労働者健康安全機構横浜労災病院勤務
- 2015年国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務