陰茎のイボ:種類・原因・治療法を徹底解説

はじめに

陰茎にイボのようなものができて不安を感じている方は少なくありません。デリケートな部位であるため、誰にも相談できず一人で悩んでいる方も多いでしょう。しかし、陰茎にできるイボには様々な種類があり、その多くは適切な治療で改善が可能です。

この記事では、陰茎にできるイボの種類、それぞれの特徴、原因、診断方法、治療法について詳しく解説します。正しい知識を持つことで、不安を解消し、適切な対応ができるようになるでしょう。

陰茎にできるイボの主な種類

陰茎にできるイボ状の病変には、大きく分けて以下のような種類があります。

1. 尖圭コンジローマ(性器イボ)

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって引き起こされる性感染症の一つです。最も一般的な陰茎のイボであり、多くの方が心配されるのがこのタイプです。

特徴

  • カリフラワー状、鶏冠状の形態をした淡紅色から白色のイボ
  • 複数個が集まって発生することが多い
  • 大きさは数ミリから数センチまで様々
  • 痛みやかゆみを伴うことは少ないが、時に違和感を感じることがある
  • 陰茎の亀頭、冠状溝、包皮、陰茎体部など様々な場所にできる

原因 尖圭コンジローマの原因は、主にHPV 6型と11型です。これらは性行為を通じて感染します。HPVは非常に一般的なウイルスで、性的に活発な人の多くが一生のうちに一度は感染すると言われています。

感染してからイボが現れるまでの潜伏期間は、通常3週間から8ヶ月程度で、平均すると約3ヶ月です。免疫力が低下している時期に発症しやすい傾向があります。

感染経路

  • 性行為(膣性交、肛門性交、オーラルセックス)
  • 皮膚と皮膚の直接接触
  • 稀に母子感染(出産時)

コンドームの使用である程度予防できますが、コンドームで覆われない部分での感染もあり得るため、完全な予防は困難です。

2. フォアダイス(脂腺)

フォアダイス(Fordyce spots)は、陰茎にできる小さな黄白色の粒状の病変で、実は病気ではなく生理的な現象です。

特徴

  • 直径1~3mm程度の小さな黄白色の粒
  • 陰茎の体部や亀頭の縁に多数並んで現れる
  • 表面は滑らかで、盛り上がりは少ない
  • 痛みやかゆみなどの症状は全くない
  • 思春期以降に目立つようになることが多い

原因 フォアダイスは、皮膚の表面近くにある脂腺(皮脂を分泌する腺)が目立って見えるものです。通常、脂腺は毛穴と一緒に存在しますが、陰茎の皮膚では毛がない部分にも脂腺が存在し、それが目立って見えるのです。

これは異常ではなく、成人男性の約50~80%に見られる正常な解剖学的変異です。健康に害を及ぼすことはなく、他人に感染することもありません。

3. 真珠様陰茎小丘疹

真珠様陰茎小丘疹(Pearly penile papules)は、亀頭の冠状溝に沿って並ぶ小さな丘疹で、これもまた生理的な現象です。

特徴

  • 1~2mm程度の小さな白色から肌色の丘疹
  • 亀頭の冠状溝に沿って1列または2列に規則正しく並ぶ
  • 真珠のような光沢がある
  • 痛みやかゆみなどの症状はない
  • 20代から30代の男性に多く見られる

原因 真珠様陰茎小丘疹の正確な原因は完全には解明されていませんが、毛包や腺組織の変化によるものと考えられています。成人男性の約10~30%に見られる正常な解剖学的変異で、病気ではありません。感染性もなく、健康に害を及ぼすこともありません。

4. 伝染性軟属腫(水イボ)

伝染性軟属腫は、ポックスウイルスの一種である伝染性軟属腫ウイルスによって引き起こされる感染症です。

特徴

  • 直径2~5mm程度の半球状の光沢のあるイボ
  • 中央にへそのようなくぼみがある
  • 白色から肌色で、表面は滑らか
  • 通常、痛みやかゆみはない
  • 数個から数十個できることがある

原因 子供に多い感染症ですが、成人でも性行為を通じて陰部に感染することがあります。免疫力が低下している人や、アトピー性皮膚炎のある人に発症しやすい傾向があります。

5. その他のイボ

上記以外にも、陰茎にできるイボ状の病変には以下のようなものがあります。

尋常性疣贅(イボ) 手足にできる一般的なイボと同じもので、HPVの別の型(主に1型、2型、4型)によって引き起こされます。陰茎にできることは比較的稀です。

ボーエン様丘疹症 HPVの高リスク型(16型など)による病変で、褐色から黒色の平らなイボ状の病変ができます。悪性化のリスクがあるため、注意が必要です。

その他の皮膚病変 脂漏性角化症、皮膚線維腫、血管腫など、イボのように見える様々な良性の皮膚病変が陰茎にできることもあります。

イボの見分け方

陰茎のイボを自己診断することは困難ですが、以下のような特徴から、ある程度の推測は可能です。ただし、確定診断には必ず医療機関での診察が必要です。

形状による見分け方

カリフラワー状・鶏冠状 尖圭コンジローマの可能性が高いです。複数個が集まって発生し、表面が不規則な形をしています。

小さな粒が規則正しく並んでいる 真珠様陰茎小丘疹やフォアダイスの可能性があります。特に冠状溝に沿って並んでいる場合は真珠様陰茎小丘疹、陰茎の体部に散在している場合はフォアダイスの可能性が高いです。

中央にくぼみがある 伝染性軟属腫の特徴的な所見です。

色による見分け方

淡紅色から白色 尖圭コンジローマに多い色です。

黄白色 フォアダイスの特徴的な色です。

白色から肌色で真珠様の光沢 真珠様陰茎小丘疹や伝染性軟属腫に見られます。

褐色から黒色 ボーエン様丘疹症など、注意が必要な病変の可能性があります。

発生時期による見分け方

性行為後しばらくして発生 尖圭コンジローマや伝染性軟属腫などの感染性のものの可能性があります。

思春期以降から徐々に目立つようになった フォアダイスや真珠様陰茎小丘疹など、生理的なものの可能性があります。

症状の有無による見分け方

痛みやかゆみがある 何らかの炎症を伴っている可能性があります。尖圭コンジローマでも時に違和感を感じることがあります。

全く症状がない フォアダイスや真珠様陰茎小丘疹など、生理的なものの可能性が高いです。ただし、尖圭コンジローマも無症状のことが多いため、症状がないからといって安心はできません。

診断方法

陰茎のイボの診断は、専門医による視診が基本となりますが、必要に応じて以下のような検査が行われます。

視診

医師が直接目で見て、イボの形状、色、分布、大きさなどを確認します。多くの場合、視診だけで診断が可能です。特に経験豊富な専門医であれば、視診によって高い精度で診断できます。

ダーモスコピー検査

皮膚用の拡大鏡を使って、イボの表面構造をより詳しく観察します。特に小さな病変や、診断が難しい病変に有用です。

酢酸加用試験

尖圭コンジローマが疑われる場合、3~5%の酢酸を病変部に塗布します。尖圭コンジローマの場合、数分後に白色に変化します。ただし、この検査は特異度が低く、他の病変でも白色化することがあるため、あくまで参考所見として用いられます。

組織生検

診断が困難な場合や、悪性の可能性を否定できない場合には、イボの一部を採取して顕微鏡で詳しく調べます。局所麻酔下で行われる小さな処置です。

HPV型判定検査

尖圭コンジローマの診断が確定した後、または悪性化のリスクを評価するために、HPVの型を調べることがあります。高リスク型HPV(16型、18型など)の感染がある場合、より慎重な経過観察が必要となります。

血液検査

梅毒など他の性感染症との鑑別や、免疫状態の評価のために血液検査を行うことがあります。

治療法

陰茎のイボの治療法は、その種類によって異なります。

尖圭コンジローマの治療

尖圭コンジローマは自然に消退することもありますが、放置すると大きくなったり数が増えたりすることがあるため、治療が推奨されます。

外科的治療

  1. 凍結療法(液体窒素療法)
    • 最も一般的な治療法の一つです
    • 液体窒素(マイナス196度)を用いてイボを凍結破壊します
    • 通常、1~2週間ごとに繰り返し行います
    • 痛みを伴うことがありますが、麻酔は通常不要です
    • 治療後に水疱ができることがあります
    • 再発率は約20~30%です
  2. 電気焼灼法
    • 電気メスを使ってイボを焼き切る方法です
    • 局所麻酔下で行われます
    • 比較的大きなイボや数が多い場合に適しています
    • 一度の治療で完全に除去できることが多いです
    • 治療後に痂皮(かさぶた)ができ、数日から1週間程度で脱落します
  3. レーザー治療
    • 炭酸ガスレーザーなどを用いてイボを蒸散させます
    • 局所麻酔下で行われます
    • 出血が少なく、傷跡が残りにくいのが利点です
    • 治療費が高額になることがあります
  4. 外科的切除
    • メスを使ってイボを切除します
    • 局所麻酔下で行われます
    • 大きなイボや、組織検査が必要な場合に選択されます
    • 縫合が必要な場合もあります

薬物療法

  1. イミキモド(ベセルナクリーム)
    • 免疫を活性化させてウイルスを排除する作用があります
    • 週に3回、就寝前に患部に塗布します
    • 自宅で使用できる利点があります
    • 効果が現れるまでに数週間から数ヶ月かかります
    • 皮膚の発赤、びらん、痛みなどの副作用が起こることがあります
    • 治癒率は約50~70%です
  2. ポドフィロトキシン(コンディロックス)
    • イボの細胞分裂を阻害する作用があります
    • 3日間連続で1日2回塗布し、4日間休薬するサイクルを繰り返します
    • 自宅で使用できます
    • 効果が比較的早く現れます
    • 皮膚の発赤、びらん、痛みなどの副作用が起こることがあります
  3. その他の外用薬
    • トリクロロ酢酸、5-フルオロウラシル軟膏などが使用されることもあります

治療法の選択

治療法の選択は、イボの大きさ、数、場所、患者の希望などによって決定されます。一般的には以下のような考え方で選択されます。

  • 小さく数が少ない場合:凍結療法または外用薬
  • 大きいまたは数が多い場合:電気焼灼法、レーザー治療、または外科的切除
  • 患者が自宅での治療を希望する場合:外用薬
  • 確実に一度で除去したい場合:電気焼灼法、レーザー治療、または外科的切除

再発予防

尖圭コンジローマの治療後も、体内にHPVが残っている可能性があるため、再発することがあります。再発率は治療法によって異なりますが、約20~30%と報告されています。

再発予防のためには以下のことが重要です。

  • 治療後も定期的に経過観察を受ける
  • 免疫力を高めるため、十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動を心がける
  • ストレスを溜めない
  • パートナーも検査・治療を受ける
  • コンドームを使用する(完全な予防ではありませんが、リスクを減らせます)

フォアダイスの治療

フォアダイスは生理的な現象であり、健康に害を及ぼすものではないため、医学的には治療の必要はありません。しかし、美容上の理由で治療を希望する方もいます。

治療法

  1. レーザー治療
    • 炭酸ガスレーザーなどを用いて除去します
    • 局所麻酔下で行われます
    • 複数回の治療が必要なことがあります
    • 保険適用外のため、費用が高額になります
  2. 電気焼灼法
    • 電気メスを使って除去します
    • 局所麻酔下で行われます
    • 保険適用外のため、費用が高額になります

注意点

  • フォアダイスは病気ではないため、治療は保険適用外となります
  • 治療後に瘢痕(傷跡)が残る可能性があります
  • 完全に除去することは困難で、再発する可能性もあります

多くの医師は、特に若い方に対しては、フォアダイスは正常な所見であることを説明し、治療を急がないことを推奨します。

真珠様陰茎小丘疹の治療

真珠様陰茎小丘疹も生理的な現象であり、医学的には治療の必要はありません。ただし、美容上の理由で治療を希望する場合は、フォアダイスと同様の方法で治療が可能です。

伝染性軟属腫の治療

伝染性軟属腫は自然に治癒することもありますが、他人への感染や自己接種(自分の他の部位への感染)を防ぐため、治療が推奨されます。

治療法

  1. 摘除法
    • ピンセットでイボを一つ一つつまみ取ります
    • 最も確実な方法です
    • 痛みを伴うため、局所麻酔のクリームを使用することがあります
  2. 凍結療法
    • 液体窒素を用いてイボを凍結破壊します
    • 複数回の治療が必要なことがあります
  3. 硝酸銀の塗布
    • イボの中心に硝酸銀を塗布して化学的に破壊します

その他のイボの治療

尋常性疣贅、ボーエン様丘疹症など、その他のイボについても適切な治療法があります。特にボーエン様丘疹症は悪性化のリスクがあるため、早期の治療が重要です。

予防方法

陰茎のイボ、特に感染性のものを予防するためには、以下のような対策が有効です。

HPV感染の予防

HPVワクチンの接種

HPVワクチンは、尖圭コンジローマの原因となるHPV 6型・11型や、子宮頸がんなどの原因となる高リスク型HPVの感染を予防します。日本では現在、男性へのHPVワクチン接種も可能になっています。

  • 9価HPVワクチン(シルガード9)が最も広範囲のHPV型をカバーします
  • 接種は通常、3回(0、2ヶ月後、6ヶ月後)行います
  • 性交渉開始前の接種が最も効果的ですが、性交渉経験がある人でも一定の効果があります

コンドームの使用

コンドームの使用は、HPV感染のリスクを減らすことができます。ただし、コンドームで覆われない部分からの感染もあり得るため、完全な予防にはなりません。

パートナーの数を制限する

性的パートナーの数が多いほど、HPVに感染するリスクが高くなります。

定期的な検査

性的に活発な人は、定期的に性感染症の検査を受けることが推奨されます。早期発見により、早期治療が可能になります。

一般的な予防策

清潔を保つ

陰部を清潔に保つことで、感染のリスクを減らすことができます。ただし、過度な洗浄は皮膚のバリア機能を損なうため、適度な清潔を心がけましょう。

免疫力を高める

十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動など、免疫力を高める生活習慣を心がけましょう。ストレスの管理も重要です。

傷をつけない

陰部の皮膚に傷をつけると、そこから感染しやすくなります。過度な自慰行為や、激しい性行為には注意が必要です。

よくある質問

Q1. 陰茎のイボは必ず性病ですか?

いいえ、陰茎にできるイボのすべてが性病というわけではありません。フォアダイスや真珠様陰茎小丘疹は生理的な現象であり、病気ではありません。ただし、尖圭コンジローマや伝染性軟属腫は性行為を通じて感染する可能性があります。自己判断は困難なため、専門医の診察を受けることが重要です。

Q2. イボができたら、必ず治療が必要ですか?

イボの種類によって異なります。尖圭コンジローマや伝染性軟属腫は、他人への感染や病変の拡大を防ぐため、治療が推奨されます。一方、フォアダイスや真珠様陰茎小丘疹は生理的なものなので、医学的には治療の必要はありません。ただし、美容上の理由で治療を希望することは可能です。

Q3. 尖圭コンジローマは完治しますか?

尖圭コンジローマの治療によってイボ自体は除去できますが、体内に残ったHPVを完全に排除することは困難です。そのため、治療後も再発する可能性があります。ただし、多くの場合、免疫力によって数年以内にHPVは排除されると考えられています。

Q4. パートナーに感染させてしまいますか?

尖圭コンジローマや伝染性軟属腫など、感染性のイボの場合は、パートナーに感染させる可能性があります。イボが見つかったら、性行為を控え、早めに専門医を受診しましょう。また、パートナーにも検査・治療を受けてもらうことが重要です。

Q5. 自分で市販薬を使って治療できますか?

陰茎のイボに対して、自己判断で市販薬を使用することは推奨されません。イボの種類によって適切な治療法が異なり、不適切な治療は症状を悪化させる可能性があります。必ず専門医の診察を受けて、適切な治療を受けましょう。

Q6. 何科を受診すればよいですか?

泌尿器科、皮膚科、性病科などが適切です。男性の場合、泌尿器科を受診するのが一般的です。また、性感染症専門のクリニックでも診察・治療が可能です。恥ずかしさから受診をためらう方も多いですが、専門医は日常的にこのような症状を診ているため、安心して受診してください。

Q7. 治療費はどのくらいかかりますか?

治療費は、イボの種類、治療法、病変の数や大きさ、保険適用の有無などによって大きく異なります。尖圭コンジローマや伝染性軟属腫などの病気の治療は保険適用となりますが、フォアダイスや真珠様陰茎小丘疹の治療は美容目的とみなされ、保険適用外となることが一般的です。具体的な費用については、受診する医療機関に事前に問い合わせることをお勧めします。

Q8. イボができたら、がんの可能性はありますか?

ほとんどのイボは良性の病変ですが、まれに悪性の病変や前がん病変(ボーエン様丘疹症など)のこともあります。特に、褐色から黒色の病変、急速に大きくなる病変、出血しやすい病変などは注意が必要です。がんの可能性を否定するためにも、専門医の診察を受けることが重要です。

Q9. 一度治療したら再発しませんか?

イボの種類によって再発率は異なります。尖圭コンジローマの再発率は約20~30%と報告されています。これは、治療によってイボ自体は除去できても、体内にHPVが残っている可能性があるためです。再発予防のためには、免疫力を高める生活習慣を心がけ、定期的に経過観察を受けることが重要です。

Q10. フォアダイスは思春期になったら自然に消えますか?

フォアダイスは思春期以降に目立つようになることが多く、自然に消えることはほとんどありません。ただし、加齢とともに目立たなくなることはあります。フォアダイスは正常な解剖学的変異であり、健康に害を及ぼすものではないため、特に治療の必要はありません。

受診のタイミング

以下のような場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

  • 新しいイボができた
  • イボが急速に大きくなっている
  • イボの数が増えている
  • イボから出血する
  • イボに痛みやかゆみがある
  • イボの色が変わってきた
  • パートナーに同様の症状がある
  • 不安や心配がある

陰茎のイボは、多くの場合、適切な治療で改善が可能です。一人で悩まず、専門医に相談することが大切です。

医療機関選びのポイント

陰茎のイボで医療機関を受診する際は、以下のようなポイントを考慮すると良いでしょう。

専門性 泌尿器科や皮膚科、性感染症専門のクリニックなど、陰茎の疾患に精通した医療機関を選びましょう。

プライバシーへの配慮 デリケートな問題なので、プライバシーに配慮した診察室や待合室がある医療機関が望ましいです。

治療オプション 複数の治療法を提供している医療機関であれば、患者の状態や希望に応じた最適な治療を選択できます。

説明の丁寧さ 病状や治療法について、わかりやすく丁寧に説明してくれる医師を選びましょう。

アフターケア 治療後のフォローアップ体制が整っている医療機関が安心です。

生活上の注意点

陰茎にイボがある場合、または治療中・治療後の場合は、以下のような点に注意しましょう。

性行為について 感染性のイボの場合は、治療が完了するまで性行為を控えるか、コンドームを使用しましょう。ただし、コンドームでも完全な予防にはならないことを理解しておく必要があります。

清潔の保持 患部を清潔に保ちますが、過度な洗浄や刺激は避けましょう。温水で優しく洗い、清潔なタオルで拭くようにします。

患部への刺激を避ける 治療中や治療直後は、患部への摩擦や刺激を避けましょう。きつい下着は避け、通気性の良い綿の下着を選ぶと良いでしょう。

免疫力の維持 十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動を心がけ、免疫力を高めましょう。ストレスの管理も重要です。

定期的な自己チェック 治療後も定期的に自分で患部をチェックし、再発の兆候がないか確認しましょう。

パートナーへの配慮 感染性のイボの場合は、パートナーにも検査を受けてもらうことが重要です。お互いの健康を守るために、正直にコミュニケーションを取りましょう。

心理的サポート

陰茎にイボができると、多くの方が強い不安やストレスを感じます。

恥ずかしさや罪悪感 性器の問題であるため、恥ずかしさや罪悪感を感じる方が多いです。しかし、陰茎のイボは決して珍しいものではなく、多くの男性が経験する問題です。専門医は日常的にこのような症状を診ているため、恥ずかしがる必要はありません。

パートナーへの伝え方 感染性のイボの場合、パートナーに伝えることは重要ですが、どのように伝えるか悩む方も多いでしょう。正直に、落ち着いて、医学的な情報とともに伝えることが大切です。必要であれば、一緒に医療機関を受診することも検討しましょう。

不安への対処 不安が強い場合は、医師やカウンセラーに相談することも検討しましょう。正確な情報を得ることで、不安が軽減されることも多いです。

まとめ

陰茎のイボには様々な種類があり、その多くは適切な治療で改善が可能です。

重要なポイント

  1. 自己判断は避ける:イボの種類を自己判断することは困難です。必ず専門医の診察を受けましょう。
  2. 早期受診が大切:イボを見つけたら、恥ずかしがらずに早めに医療機関を受診しましょう。早期発見・早期治療により、より良い結果が得られます。
  3. 適切な治療を受ける:イボの種類によって適切な治療法が異なります。専門医と相談して、自分に合った治療法を選択しましょう。
  4. 予防が重要:HPVワクチンの接種、コンドームの使用、免疫力の維持など、予防対策を心がけましょう。
  5. パートナーとのコミュニケーション:感染性のイボの場合は、パートナーにも検査・治療を受けてもらうことが重要です。
  6. 定期的なフォローアップ:治療後も定期的に経過観察を受け、再発の早期発見に努めましょう。

陰茎のイボで悩んでいる方は、決して一人ではありません。専門医に相談することで、適切な診断と治療を受けることができます。不安や心配がある場合は、ためらわずに医療機関を受診しましょう。

参考文献

  1. 日本性感染症学会「性感染症 診断・治療ガイドライン 2020」 http://jssti.umin.jp/pdf/guideline-2020.pdf
  2. 日本皮膚科学会「皮膚科Q&A」 https://www.dermatol.or.jp/qa/
  3. 厚生労働省「性感染症に関する情報」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/index.html
  4. 国立感染症研究所「性器ヘルペスとHPV感染症」 https://www.niid.go.jp/niid/ja/
  5. 日本泌尿器科学会「泌尿器科疾患の診療ガイドライン」 https://www.urol.or.jp/
  6. 日本産科婦人科学会「HPVワクチンに関する情報」 http://www.jsog.or.jp/modules/jsogpolicy/index.php?content_id=4

※ 本記事の内容は2025年10月時点の医学的知見に基づいています。最新の情報については、専門医にご相談ください。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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