小鼻の赤み完全ガイド|原因・対策・治療法を皮膚科医が解説

はじめに

鏡を見るたびに気になる小鼻の赤み。メイクで隠そうとしても時間が経つと目立ってしまったり、人と話すときに視線が気になったりと、多くの方が悩んでいる肌トラブルの一つです。

「なぜ小鼻だけが赤くなるの?」「これって治るの?」そんな疑問を抱えている方も少なくありません。実は、小鼻の赤みには様々な原因があり、それぞれに適した対策や治療法があります。

この記事では、小鼻の赤みの原因から具体的なセルフケア方法、医療機関での治療オプションまで、皮膚科医の視点から詳しく解説していきます。あなたの小鼻の赤みの原因を見極め、適切なケアを始めるための参考にしていただければ幸いです。

小鼻の赤みとは?基礎知識

小鼻の赤みの特徴

小鼻の赤みとは、鼻の両側にある膨らんだ部分(小鼻)が赤く見える状態を指します。医学的には「鼻翼部の紅斑」と呼ばれることもあります。

この部位は顔の中でも特に以下のような特徴があります。

皮脂腺が多い 小鼻周辺は顔の中でも特に皮脂腺が密集している部位です。そのため、皮脂分泌が活発で、毛穴が目立ちやすく、様々な肌トラブルが起こりやすい場所といえます。

毛細血管が豊富 小鼻の皮膚は薄く、その下には豊富な毛細血管が走っています。何らかの刺激や炎症によって血管が拡張すると、赤みとして表面に現れやすいのです。

刺激を受けやすい 鼻をかむ、触る、メイクやクレンジングでこするなど、日常的に刺激を受けやすい部位でもあります。また、紫外線も当たりやすく、環境的な負担も大きい場所です。

赤みの程度と種類

小鼻の赤みは、その程度や範囲によっていくつかのタイプに分類できます。

軽度の赤み わずかにピンク色がかっている程度で、メイクで十分にカバーできる状態です。疲れているときや乾燥しているときに目立つことがあります。

中等度の赤み はっきりとした赤色で、小鼻全体が赤く見える状態です。コンシーラーなどを使ってもカバーしきれないことがあります。

高度の赤み 濃い赤色や紫がかった赤色で、小鼻だけでなく鼻全体や頬にまで広がっているケースもあります。炎症が強く、痛みや熱感を伴うこともあります。

小鼻が赤くなる主な原因

小鼻の赤みには、様々な原因が考えられます。一つの原因だけでなく、複数の要因が重なっていることも少なくありません。ここでは、代表的な原因について詳しく見ていきましょう。

1. 脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎は、小鼻の赤みの原因として最も多い疾患の一つです。

特徴 皮脂分泌が盛んな部位に起こる慢性的な炎症性疾患で、小鼻のほか、鼻の脇、眉間、額の生え際、耳の後ろなどにも症状が現れます。赤みだけでなく、細かいフケのような鱗屑(りんせつ)を伴うことが特徴です。

原因 マラセチアという真菌(カビの一種)が関与していると考えられています。マラセチアは健康な皮膚にも常在していますが、皮脂が多い環境で増殖し、皮脂を分解する際に生じる遊離脂肪酸が皮膚に刺激を与え、炎症を引き起こします。

ストレス、睡眠不足、ビタミンB群の不足、季節の変わり目なども悪化因子となります。特に冬から春にかけての乾燥する時期や、汗をかきやすい夏場に症状が悪化しやすい傾向があります。

見分け方

  • 赤みと同時に、細かい白いフケのようなものが付着している
  • かゆみは軽度から中等度
  • 慢性的に繰り返す
  • 洗顔後に一時的に改善するが、すぐに赤みが戻る

2. 酒さ(しゅさ)

酒さは、顔の中心部に赤みや毛細血管の拡張が起こる慢性疾患です。

特徴 30代以降の女性に多く見られ、小鼻だけでなく鼻全体や頬、額にも赤みが広がることがあります。「赤ら顔」と表現されることもあり、欧米人に多い疾患ですが、日本人でも増加傾向にあります。

原因 はっきりとした原因は解明されていませんが、血管の異常な拡張反応、皮膚のバリア機能低下、ニキビダニ(デモデックス)の増殖、遺伝的要因などが関与していると考えられています。

悪化因子としては、アルコール、香辛料などの刺激物、温度変化、紫外線、ストレス、特定のスキンケア製品などが挙げられます。

見分け方

  • 持続的な赤みと、一時的にさらに赤くなる「フラッシング」
  • 毛細血管が透けて見える(毛細血管拡張症)
  • 熱感やヒリヒリ感を伴うことがある
  • ニキビのような丘疹や膿疱ができることもある(酒さ様皮膚炎)

3. 接触皮膚炎(かぶれ)

化粧品やスキンケア製品、洗顔料などによる刺激やアレルギー反応で小鼻が赤くなることがあります。

原因 刺激性接触皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎の2種類があります。

刺激性接触皮膚炎は、化学物質や物理的な刺激によって誰にでも起こりうる反応です。強い洗顔料、アルコール含有の化粧品、摩擦などが原因となります。

アレルギー性接触皮膚炎は、特定の物質に対する免疫反応で、個人差があります。香料、防腐剤、金属、植物エキスなど、様々な成分がアレルゲンとなりえます。

見分け方

  • 特定の製品を使い始めてから赤みが出た
  • 赤みだけでなく、かゆみ、腫れ、ヒリヒリ感を伴う
  • 原因物質の使用をやめると改善する
  • 小鼻だけでなく、製品が触れた部分全体に症状が出る

4. 毛細血管拡張症

皮膚の表面近くの毛細血管が拡張し、赤い線状や網目状に見える状態です。

原因 先天的な要因、加齢による皮膚の薄化、長期間の紫外線曝露、ステロイド外用剤の不適切な使用、酒さの一症状として現れることなどがあります。

一度拡張した血管は自然には元に戻りにくく、慢性化しやすいのが特徴です。

見分け方

  • 赤い糸のような線が見える(糸状の血管拡張)
  • 網目状や樹枝状のパターン
  • 押すと一時的に白くなり、離すとすぐ赤みが戻る
  • 炎症症状(痛み、かゆみ、熱感)は通常ない

5. ニキビ・毛嚢炎

毛穴の炎症によって小鼻が赤く見えることもあります。

特徴 毛穴に皮脂や角質が詰まり、アクネ菌が増殖することで炎症を起こします。小鼻は皮脂分泌が多く毛穴も目立ちやすいため、ニキビができやすい部位です。

細菌感染による毛嚢炎の場合は、毛穴に一致した小さな膿疱ができ、その周囲が赤くなります。

見分け方

  • 赤みの中に白ニキビや黒ニキビ、赤ニキビがある
  • 触ると痛みがある
  • 毛穴が目立つ
  • 脂性肌の傾向がある

6. 乾燥による赤み

皮膚のバリア機能が低下し、刺激に敏感になることで赤みが生じます。

原因 過度な洗顔、保湿不足、空気の乾燥、加齢による皮脂分泌の減少などが原因となります。乾燥によって皮膚が薄くなり、毛細血管が透けて見えやすくなることもあります。

見分け方

  • 赤みと同時に、カサカサ感やつっぱり感がある
  • 洗顔後に特に赤みが目立つ
  • 冬場や乾燥する季節に悪化する
  • 小じわが目立つ

7. 摩擦や物理的刺激

日常的な習慣による物理的刺激も赤みの原因となります。

原因 頻繁に鼻をかむ、無意識に鼻を触る癖、メイクやクレンジングでの強いこすり、洗顔時のタオルでの摩擦などが積み重なると、慢性的な炎症を引き起こします。

見分け方

  • 特定の行動後に赤みが悪化する
  • 皮膚がややごわついている
  • 炎症が軽度で、刺激を避けると改善傾向にある

8. その他の原因

アトピー性皮膚炎 アトピー性皮膚炎の方は、顔全体の赤みの一部として小鼻も赤くなることがあります。強いかゆみと乾燥を伴い、季節や体調によって症状が変動します。

日光皮膚炎 強い紫外線を浴びた後に一時的に赤みが生じることがあります。日焼けによる炎症反応で、数日で改善することが多いですが、繰り返すと慢性的な赤みにつながることがあります。

全身疾患の一症状 稀ですが、膠原病などの全身性疾患の一症状として顔面に赤みが出ることがあります。小鼻以外にも頬や額に蝶の羽のような形の紅斑が出る場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

セルフケアと予防法

小鼻の赤みを改善し、予防するためのセルフケア方法をご紹介します。ただし、症状が重い場合や改善しない場合は、自己判断せず医療機関を受診することが大切です。

適切な洗顔方法

優しく洗う 小鼻は皮脂が多いため、ついゴシゴシと強く洗いがちですが、これは逆効果です。摩擦は炎症を悪化させ、バリア機能を低下させます。

洗顔料をしっかりと泡立て、泡で優しく包み込むように洗いましょう。特に小鼻周りは指の腹を使って、円を描くように優しくマッサージします。すすぎも丁寧に行い、洗顔料が残らないようにしましょう。

洗顔料の選び方 敏感肌用、低刺激性の洗顔料を選びます。香料、着色料、アルコールなどの刺激成分が含まれていないものがおすすめです。

脂漏性皮膚炎が疑われる場合は、抗真菌成分を含む洗顔料が有効なこともあります。ただし、使用前に医師に相談することをおすすめします。

洗顔の頻度 1日2回(朝・夜)の洗顔が基本です。洗いすぎは必要な皮脂まで取り除いてしまい、かえって皮脂分泌が増える悪循環を招きます。

保湿ケア

保湿の重要性 乾燥は皮膚のバリア機能を低下させ、刺激に敏感になります。また、乾燥による角質の肥厚が毛穴詰まりを引き起こすこともあります。

洗顔後はすぐに化粧水で水分を補給し、その後、乳液やクリームで蓋をして水分の蒸発を防ぎます。

保湿剤の選び方 セラミド、ヒアルロン酸、グリセリンなどの保湿成分が配合されたものを選びましょう。赤みやかゆみがある場合は、無香料・無着色の低刺激性製品がおすすめです。

オイリー肌の方は、油分の少ないジェルタイプやローションタイプでも十分な保湿効果が得られます。

特別なケア 週に1〜2回、保湿パックを使用するのも効果的です。ただし、刺激を感じる場合はすぐに中止してください。

紫外線対策

日焼け止めの使用 紫外線は炎症を悪化させ、毛細血管拡張や色素沈着の原因にもなります。日焼け止めは1年中使用しましょう。

SPF30〜50、PA+++以上のものを選び、2〜3時間おきに塗り直すことが理想です。敏感肌用の日焼け止めや、ノンケミカル(紫外線吸収剤不使用)のものを選ぶと刺激が少なくなります。

その他の紫外線対策 日傘、帽子、サングラスなども併用しましょう。特に10時から14時の紫外線が強い時間帯は、可能な限り直射日光を避けることが大切です。

生活習慣の改善

食生活 ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛などの栄養素は、皮膚の健康維持に重要です。バランスの取れた食事を心がけましょう。

特に脂漏性皮膚炎の予防には、ビタミンB2(レバー、納豆、卵)やビタミンB6(まぐろ、かつお、バナナ)の摂取が推奨されます。

逆に、過度な刺激物(辛い食べ物、アルコール、カフェイン)は血管拡張を促し、赤みを悪化させることがあるため、控えめにしましょう。

睡眠 十分な睡眠は皮膚の再生に不可欠です。睡眠不足はホルモンバランスを崩し、皮脂分泌の増加や免疫力の低下を招きます。

できるだけ規則正しい生活リズムを保ち、質の良い睡眠を7〜8時間とるようにしましょう。

ストレス管理 ストレスは自律神経のバランスを乱し、皮膚の状態にも影響を与えます。適度な運動、趣味の時間、リラックスできる時間を意識的に作ることが大切です。

やってはいけないこと

触らない・掻かない 無意識に鼻を触る癖がある方は要注意です。手には多くの細菌が付着しており、触ることで炎症を悪化させたり、新たな感染を引き起こしたりします。

かゆみがあっても掻かないように我慢しましょう。どうしても我慢できない場合は、冷やしたタオルを当てるなどして対処します。

角栓を無理に取らない 毛穴パックや指で押し出すなどの行為は、皮膚を傷つけ、炎症や色素沈着の原因になります。角栓は適切な洗顔と保湿で自然に排出されるのを待ちましょう。

自己判断でステロイド外用剤を使わない 市販のステロイド外用剤を顔に長期間使用すると、酒さ様皮膚炎や毛細血管拡張症を引き起こすことがあります。顔への使用は医師の指示に従ってください。

医療機関での治療法

セルフケアで改善しない場合や、症状が重い場合は、医療機関での専門的な治療が必要です。皮膚科では、症状や原因に応じた様々な治療法が選択できます。

内服薬治療

抗真菌薬 脂漏性皮膚炎の治療に使用されます。マラセチアの増殖を抑えることで、炎症を改善します。イトラコナゾールなどが処方されることがあります。

抗生物質 ニキビや毛嚢炎、酒さの炎症性病変に対して処方されます。テトラサイクリン系やマクロライド系の抗生物質が一般的です。

ビタミン剤 ビタミンB2、B6、B12などが処方されることがあります。特に脂漏性皮膚炎では、これらのビタミンの補給が有効です。

漢方薬 体質改善を目的として、清上防風湯、十味敗毒湯、桂枝茯苓丸などが処方されることがあります。西洋医学的治療と併用することで、より効果が期待できる場合があります。

外用薬治療

ステロイド外用剤 炎症を抑える効果が高く、様々な皮膚疾患に使用されます。顔には弱めのステロイドが使用され、短期間での使用が基本です。

医師の指示通りに使用することが重要で、自己判断での長期使用は避けなければなりません。

非ステロイド系抗炎症外用剤 タクロリムス軟膏などがあり、ステロイドの長期使用が懸念される場合に選択されることがあります。

抗真菌薬外用剤 脂漏性皮膚炎に対して、ケトコナゾールやルリコナゾールなどの外用剤が使用されます。

メトロニダゾール外用剤 酒さの治療に使用される外用薬で、炎症を抑え、ニキビダニの増殖も抑制します。

過酸化ベンゾイル ニキビ治療に使用される外用剤で、殺菌作用とピーリング効果があります。

光治療・レーザー治療

IPL(光治療) 広域の波長の光を照射し、毛細血管拡張や赤みを改善します。ダウンタイムが少なく、複数回の施術で効果を実感できます。

Vビームレーザー(色素レーザー) 赤色に反応する波長のレーザーで、拡張した毛細血管を選択的に破壊します。酒さや毛細血管拡張症の治療に効果的です。

ロングパルスYAGレーザー 深部の血管にも作用し、赤みの改善に有効です。IPLやVビームで効果が不十分な場合に選択されることがあります。

ケミカルピーリング

酸性の薬剤を塗布して古い角質を除去し、皮膚の代謝を促進します。ニキビや毛穴の詰まり、軽度の赤みに効果があります。

サリチル酸マクロゴールピーリング、グリコール酸ピーリング、乳酸ピーリングなど、肌の状態に合わせて選択されます。

イオン導入・エレクトロポレーション

ビタミンCやトラネキサム酸などの美容成分を皮膚の深部に浸透させる治療です。赤みや炎症後の色素沈着の改善に効果が期待できます。

注意すべき治療のタイミング

妊娠・授乳中 一部の内服薬や治療法は、妊娠中や授乳中に使用できないものがあります。必ず医師に申告してください。

他の疾患の治療中 他の病気で薬を服用している場合は、相互作用の可能性があるため、医師に伝えることが重要です。

よくある質問(Q&A)

Q1: 小鼻の赤みは完全に治りますか?

原因や程度によって異なります。接触皮膚炎や一時的な刺激による赤みは、原因を取り除くことで完全に治ることが多いです。
一方、酒さや毛細血管拡張症は慢性疾患のため、完全に治すことは難しい場合もあります。ただし、適切な治療とスキンケアで症状を大きく改善し、良好な状態を維持することは可能です。
脂漏性皮膚炎も再発しやすい疾患ですが、適切なケアと治療により、症状のコントロールができます。

Q2: 市販の薬で治療できますか?

軽度の赤みであれば、市販の保湿剤や低刺激性のスキンケア製品で改善することもあります。ただし、以下の場合は医療機関を受診することをおすすめします。

  • セルフケアを2週間以上続けても改善しない
  • 赤みが徐々に悪化している
  • かゆみや痛み、熱感を伴う
  • 赤みの範囲が広がっている
  • ニキビや湿疹を伴う

市販のステロイド外用剤を顔に使用することは、副作用のリスクがあるため避けるべきです。

Q3: メイクで隠しても大丈夫ですか?

基本的には問題ありませんが、以下の点に注意しましょう。

  • 低刺激性、ノンコメドジェニック(毛穴を詰まらせにくい)のコスメを選ぶ
  • カバー力を求めて厚塗りせず、薄く均一に塗る
  • 帰宅後はできるだけ早くメイクを落とす
  • クレンジングは優しく行い、摩擦を避ける

炎症が強い場合や痛みがある場合は、一時的にメイクを控えることも検討しましょう。

Q4: 食事で気をつけることはありますか?

バランスの取れた食事を基本としつつ、以下の点を意識しましょう。

積極的に摂りたい栄養素

  • ビタミンB群(皮脂分泌の調整)
  • ビタミンC(抗酸化作用、コラーゲン生成)
  • ビタミンE(抗酸化作用)
  • 亜鉛(皮膚の再生)
  • オメガ3脂肪酸(抗炎症作用)

控えめにしたい食品

  • 過度なアルコール
  • 刺激の強い香辛料
  • 糖質や脂質の過剰摂取
  • カフェインの摂りすぎ

ただし、厳しい食事制限はストレスの原因にもなるため、過度に神経質になる必要はありません。

Q5: 季節によって赤みが変わるのはなぜですか?

季節による温度や湿度の変化、紫外線量の違いが影響します。

乾燥により皮膚のバリア機能が低下し、刺激に敏感になります。暖房による室内の乾燥や、屋外との温度差も赤みを悪化させることがあります。

春・秋 花粉やハウスダストなどのアレルゲンが増える季節で、アレルギー体質の方は症状が悪化しやすくなります。

紫外線が強く、汗や皮脂の分泌が増えるため、炎症が起こりやすくなります。ただし、湿度が高いため乾燥による赤みは軽減される場合もあります。

季節に応じたスキンケアの調整が重要です。

Q6: ストレスは赤みに影響しますか?

はい、大きく影響します。ストレスは自律神経のバランスを乱し、以下のような影響を与えます。

  • 血管の収縮・拡張の調整機能の低下
  • ホルモンバランスの乱れによる皮脂分泌の増加
  • 免疫機能の低下
  • 睡眠の質の低下

ストレス管理は、小鼻の赤みだけでなく全身の健康のために重要です。

Q7: 子供も小鼻の赤みになりますか?

子供でも小鼻の赤みは起こります。原因としては以下が考えられます。

  • アトピー性皮膚炎
  • 乾燥
  • 接触皮膚炎(よだれ、食べ物、ティッシュの刺激など)
  • 鼻をかむ、こするなどの物理的刺激

子供の皮膚は大人よりも薄くデリケートなため、早めに小児科や皮膚科を受診することをおすすめします。

Q8: 遺伝しますか?

酒さやアトピー性皮膚炎には遺伝的要因があることが知られています。家族に同じような症状の方がいる場合、発症リスクが高くなる可能性があります。

ただし、遺伝的素因があっても必ず発症するわけではなく、環境要因や生活習慣も大きく影響します。適切なスキンケアと生活習慣で予防や症状の軽減が可能です。

医療機関を受診するタイミング

以下のような場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。

緊急性が高い症状

  • 急激に赤みが広がっている
  • 強い痛みや熱感がある
  • 水疱や膿が出ている
  • 発熱を伴う
  • 顔全体が腫れている

受診を検討すべき症状

  • セルフケアを2週間以上続けても改善しない
  • 症状が徐々に悪化している
  • 赤みが小鼻以外にも広がっている
  • かゆみが強く、日常生活に支障がある
  • 何度も繰り返す
  • 見た目が気になり、精神的なストレスを感じている

小鼻の赤みは、適切な診断と治療により改善できる場合が多いです。一人で悩まず、専門医に相談することが大切です。

まとめ

小鼻の赤みは、多くの方が経験する一般的な肌トラブルです。その原因は、脂漏性皮膚炎、酒さ、接触皮膚炎、毛細血管拡張症、ニキビ、乾燥など多岐にわたります。

まずは適切なセルフケアから始めることが重要です。優しい洗顔、十分な保湿、紫外線対策、生活習慣の改善を継続しましょう。ただし、セルフケアで改善しない場合や症状が重い場合は、自己判断せず皮膚科を受診することをおすすめします。

医療機関では、原因に応じた内服薬や外用薬、光治療・レーザー治療など、様々な治療オプションが用意されています。専門医による正確な診断と適切な治療により、多くのケースで症状の改善が期待できます。

小鼻の赤みは、見た目の問題だけでなく、肌からのSOSサインでもあります。正しい知識を持ち、適切なケアを続けることで、健やかな肌を取り戻しましょう。

当院では、小鼻の赤みをはじめとする様々な肌トラブルに対して、一人ひとりの症状や肌質に合わせたオーダーメイドの治療を提供しています。お悩みの方は、お気軽にご相談ください。


参考文献

  1. 日本皮膚科学会「皮膚科Q&A」 https://www.dermatol.or.jp/qa/
  2. 日本臨床皮膚科医会 https://www.jocd.org/
  3. 厚生労働省「的確な医療機関等の受診について」 https://www.mhlw.go.jp/
  4. 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター https://www.ncgm.go.jp/
  5. 日本アレルギー学会 https://www.jsaweb.jp/

※本記事は医学的情報を提供するものであり、個別の診断や治療を保証するものではありません。症状がある方は、必ず医療機関を受診してください。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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