ミラドライは再発する?効果の持続期間と再治療が必要なケースを解説

はじめに

ワキ汗や臭いの悩みは、多くの方が抱える深刻な問題です。特に夏場や緊張する場面で、ワキの汗が目立ってしまい、人前に出るのが億劫になってしまう方もいらっしゃるでしょう。

そんな多汗症やワキガの治療法として注目されているのが「ミラドライ」です。メスを使わない治療法として人気がありますが、インターネット上では「ミラドライは再発する」「効果が戻ってしまった」といった声も見られます。

この記事では、ミラドライの効果の持続期間や「再発」のメカニズム、そして再治療が必要になるケースについて、医学的な根拠に基づいて詳しく解説していきます。ミラドライの治療を検討されている方、あるいはすでに治療を受けて効果について不安を感じている方にとって、有益な情報をお届けします。

ミラドライとは何か

ミラドライの基本概念

ミラドライは、マイクロ波を用いた原発性腋窩多汗症(ワキの多汗症)の治療機器です。2015年に日本の厚生労働省から医療機器として承認され、アメリカFDA(食品医薬品局)からも多汗症、ワキガ、減毛の効果について承認を受けています。

従来のワキガ・多汗症治療では、メスを使って汗腺を直接除去する「剪除法(せんじょほう)」という手術が主流でした。しかし、この方法は傷跡が残る、ダウンタイムが長いなどのデメリットがありました。ミラドライは、皮膚を切らずに汗腺を破壊できるため、「切らない治療法」として注目を集めています。

ミラドライの作用機序

ミラドライは、5.8GHzの周波数を持つマイクロ波エネルギーを皮膚の上から照射します。このマイクロ波は、水分を多く含む組織を選択的に加熱する性質があります。

ワキの下には、汗を分泌する「エクリン汗腺」と、ワキガの原因となる「アポクリン汗腺」という2種類の汗腺が存在します。ミラドライのマイクロ波は、これらの汗腺が集中している真皮層から皮下組織にかけての深さに焦点を合わせて熱を発生させ、汗腺を破壊します。

治療中は、皮膚表面を冷却しながら照射を行うため、皮膚の表面はダメージを受けずに保護されます。この冷却システムにより、やけどなどのリスクを最小限に抑えながら、深部の汗腺だけを選択的に破壊することが可能になっています。

治療の特徴

ミラドライ治療の主な特徴は以下の通りです。

傷跡が残らない
皮膚を切開しないため、目立つ傷跡が残りません。

ダウンタイムが短い
手術に比べて日常生活への影響が少なく、多くの場合、翌日から通常の生活に戻ることができます。

治療時間が比較的短い
1回の治療は両脇で約60〜90分程度で完了します。

即効性がある
治療直後から効果を実感できる方が多いです。

ミラドライの効果はどれくらい持続するのか

臨床データから見る効果の持続性

ミラドライが厚生労働省やFDAの承認を得る際に提出された臨床試験では、治療後2年間にわたって効果の持続が確認されています。この試験では、治療後2年が経過しても、汗の量の減少効果が維持されていることが示されました。

実際、ミラドライ治療による1回の施術で破壊できる汗腺は、全体の約70〜80%とされています。残りの20〜30%の汗腺は治療の影響を受けずに残りますが、それでも多くの患者さんが日常生活に支障のないレベルまで症状が改善されます。

「半永久的」という表現の意味

ミラドライの効果は「半永久的」と説明されることが多いです。この表現には、きちんとした医学的根拠があります。

汗腺は一度破壊されると、基本的に再生することはありません。人間の汗腺の数は生まれた時から決まっており、成長期を過ぎると新しい汗腺が作られることはないとされています。したがって、ミラドライによって焼灼・凝固された汗腺が機能を取り戻すことは、原理的にはあり得ないのです。

臨床試験で2年間の効果持続が確認され、その後も破壊された汗腺が再生しないという原理から、「効果は半永久的に続く」と考えられているわけです。

シングル照射とダブル照射の違い

ミラドライの効果は、治療の方法によっても異なります。

シングル照射
ワキ全体に1回だけ照射する方法です。汗や臭いの減少率は約50〜55%程度とされています。

ダブル照射
同じ日に2回照射を重ねる方法です。汗や臭いの減少率は約70〜75%程度まで向上し、手術療法である剪除法とほぼ同等の効果が期待できます。

より高い効果を求める場合は、ダブル照射を選択することで、治療効果を最大化することができます。

「再発した」と感じる理由

再発ではなく「残存汗腺の活動再開」

ミラドライ治療を受けた後、「数ヶ月経ったら汗や臭いが戻ってきた」と感じる方がいらっしゃいます。しかし、これは厳密には「再発」ではありません。

治療直後は、ワキ全体が腫れている状態になります。この腫れによって、ミラドライの影響を受けなかった残りの汗腺も圧迫され、一時的に活動を停止します。そのため、治療直後は汗がほとんど出なくなり、「完全に治った」と感じられるのです。

しかし、術後1〜3ヶ月程度で腫れが完全に引くと、破壊されずに残っていた汗腺が圧迫から解放され、再び活動を始めます。これが「再発した」と感じられる正体です。

治療効果の正確な評価時期

ミラドライの治療効果を正確に評価できるのは、術後3〜6ヶ月後とされています。この時期になると、組織の腫れが完全に消失し、残存している汗腺が通常通り活動するようになるためです。

治療直後の状態は、腫れによる一時的な効果が上乗せされているため、その時点での状態が最終的な治療効果とは限りません。「治療直後は全く汗が出なかったのに、数ヶ月後に少し出るようになった」というのは、実は正常な経過なのです。

期待値とのギャップ

治療直後に「完全に汗が止まった」という劇的な効果を体験すると、その後に少しでも汗をかくと「再発した」と感じてしまう方もいらっしゃいます。

しかし、ミラドライは全ての汗腺を破壊する治療ではなく、70〜80%の汗腺を減少させる治療です。健康な人でも多少の汗はかきますし、残った20〜30%の汗腺からの発汗は正常な生理現象です。

日本皮膚科学会が策定した「原発性局所多汗症診療ガイドライン」でも、治療の目標は「汗を完全に止めること」ではなく、「日常生活に支障がない程度まで改善すること」とされています。

真の再発は起こるのか

破壊された汗腺の再生について

医学的には、一度破壊された汗腺が再生することは基本的にありません。ミラドライのマイクロ波によって焼灼・凝固された汗腺は、組織としての構造を失い、汗を分泌する機能を永久に失います。

ただし、非常にまれなケースとして、若年層の患者さんでは、年単位の長期間をかけて新たな汗腺が少し発達することがあるとの報告もあります。しかし、これは厳密には「再発」というよりも、成長に伴う生理的な変化と考えられています。

効果不十分と真の再発の違い

「再発」と混同されやすいのが、「初回治療で十分な効果が得られなかった」というケースです。

以下のような場合、治療効果が不十分になることがあります。

照射漏れ
汗腺の分布しているエリアに照射が十分に行き届かず、一部の汗腺が残ってしまうケース。

照射レベルの不足
出力や照射時間が不十分で、汗腺が完全に破壊されずにダメージを受けただけの状態。この場合、時間とともに汗腺が回復してしまう可能性があります。

適切な麻酔の不足
麻酔液の量や注入する深さが適切でないと、マイクロ波のエネルギーが汗腺に十分に届かず、効果が低下します。

これらは「再発」ではなく、初回治療の効果が不十分だったということになります。

自臭症との関連

ワキガで長年悩んでいた方の中には、客観的には臭いがほとんど感じられないにもかかわらず、ご自身では強く臭いを感じてしまう「自臭症」という状態の方もいらっしゃいます。

自臭症の場合、ミラドライで十分に汗腺を減少させても、「まだ臭っている」「再発した」と感じてしまうことがあります。これは心理的な問題が関与しているため、メンタル面でのサポートも含めた総合的なアプローチが必要になることがあります。

再治療が必要になるケース

2回目の治療を検討すべき状況

ミラドライは基本的に1回の治療で十分な効果が得られる設計になっていますが、以下のような場合には2回目の治療を検討することがあります。

初回治療で50%程度の改善にとどまった場合
シングル照射を受けた方で、さらに高い効果を望む場合。

汗腺の分布範囲が非常に広い場合
体質的に汗腺の分布エリアが広く、標準的な照射範囲では十分にカバーできなかった場合。

ワキガの症状が重度だった場合
重度のワキガの方は、残った20〜30%の汗腺からの臭いでも気になることがあります。

初回治療から数年が経過した場合
若年層で治療を受けた方が、成長に伴って汗腺がわずかに発達したと感じる場合。

2回目治療のタイミング

2回目の治療を行う場合、初回治療から少なくとも6ヶ月以上、できれば1年程度の間隔を空けることが推奨されています。

これは、初回治療の最終的な効果を正確に評価し、本当に追加治療が必要かどうかを判断するためです。また、組織の回復を待つことで、2回目の治療をより安全に実施できます。

再治療の効果

統計データによると、ミラドライを受けた患者さんのうち、2回目の治療を希望される方は全体の約3.9〜5%程度とされています。これは裏を返せば、95%以上の方が1回の治療で満足されているということになります。

2回目の治療を行うことで、残存していた汗腺をさらに減少させることができ、手術療法とほぼ同等の約80〜90%の減少率を達成できるとされています。

再発を防ぐためのポイント

クリニック選びの重要性

ミラドライの効果を最大化し、「再発」と感じるリスクを最小限に抑えるためには、適切なクリニック選びが極めて重要です。

ミラドライ認定医の有無
ミラドライメーカーから正式な認定を受けた医師が在籍しているかを確認しましょう。

治療実績の豊富さ
症例数が多いクリニックは、さまざまなケースに対応した経験があり、個々の患者さんに最適な治療を提供できます。

十分なカウンセリング
事前にしっかりと症状を評価し、現実的な効果について説明してくれるクリニックを選びましょう。

アフターフォローの充実
治療後の経過観察や、万が一効果が不十分だった場合の対応方針が明確になっているか確認しましょう。

治療方法の選択

クリニックによって、ミラドライの治療方法には違いがあります。

照射範囲
標準的な範囲だけでなく、必要に応じて広範囲に照射してくれるクリニックの方が、照射漏れのリスクが少なくなります。

照射出力
ミラドライは1〜5段階の出力設定が可能です。適切な効果を得るためには、患者さんの状態に応じて十分な出力(レベル4〜5)で照射することが重要です。

シングルかダブルか
より確実な効果を求める場合は、初回からダブル照射を選択することも検討できます。

適切な期待値の設定

ミラドライの効果について正しく理解し、現実的な期待値を持つことも大切です。

  • 汗が完全にゼロになるわけではない
  • 術後3〜6ヶ月で最終的な効果が安定する
  • 治療直後よりも少し効果が落ち着いたように感じるのは正常な経過
  • 70〜80%の減少でも、日常生活には十分な改善効果がある

これらの点を理解しておくことで、治療後の変化に対して適切に対処できます。

日本皮膚科学会のガイドラインが示す多汗症治療

原発性局所多汗症の診断基準

日本皮膚科学会が策定した「原発性局所多汗症診療ガイドライン」では、多汗症の診断基準が明確に定められています。

明らかな原因がないまま6ヶ月以上、局所的に過剰な発汗が認められ、以下の6項目のうち2項目以上が当てはまる場合、原発性局所多汗症と診断されます。

  1. 最初に症状が出るのが25歳以下
  2. 左右対称性の発汗がみられる
  3. 睡眠中は発汗が止まっている
  4. 週に1回以上多汗のエピソードがある
  5. 家族歴がみられる
  6. 多汗により日常生活に支障をきたす

ガイドラインにおける治療の考え方

同ガイドラインでは、多汗症治療について以下の基本方針が示されています。

患者主体の治療選択
治療は患者自身が希望する場合に開始されるべきであり、本人が困っていなければ治療の必要はない。

低侵襲性の優先
まず体への負担が少ない治療法から試し、効果が不十分な場合に段階的により侵襲的な治療を検討する。

部位に応じた治療選択
多汗の部位(腋窩、手掌、足底、頭部・顔面)によって推奨される治療法が異なる。

複数治療の組み合わせ
一つの治療法だけでは十分な効果が得られない場合、複数の治療を組み合わせることも検討される。

ミラドライは、腋窩多汗症に対する有効な治療選択肢の一つとして位置づけられています。

治療効果の評価

ガイドラインでは、多汗症治療の効果を評価する際に、単に汗の量だけでなく、患者さんのQOL(生活の質)の改善を重視しています。

発汗量が完全にゼロにならなくても、日常生活で困らなくなれば、それは十分に成功した治療と言えるのです。この考え方は、ミラドライの効果を評価する上でも重要な視点となります。

ミラドライ以外の治療選択肢との比較

剪除法(手術療法)

特徴
皮膚を切開し、直接目で見ながら汗腺を除去する方法。保険適用が可能。

効果
80〜90%の汗腺を除去でき、効果は半永久的。

デメリット
傷跡が残る、ダウンタイムが長い(通常1〜2週間)、術後の痛みや腫れが強い。

ボツリヌス毒素注射

特徴
ボツリヌス毒素を注射して、汗腺の活動を一時的に抑制する方法。重度の原発性腋窩多汗症には保険適用。

効果
投与後2〜3日で効果が現れ、4〜9ヶ月程度持続。

デメリット
効果が一時的なため、定期的な治療が必要。費用が継続的にかかる。

外用薬(塩化アルミニウム、エクロックゲルなど)

特徴
汗腺の出口を塞いで発汗を抑える外用薬。

効果
軽症〜中等症の多汗症に有効。エクロックゲルは保険適用。

デメリット
継続的な使用が必要。効果は使用を中止すると消失する。

イオントフォレーシス

特徴
微弱な電流を流した水に手足を浸して発汗を抑制する方法。保険適用。

効果
手掌・足底多汗症に有効。定期的な治療で効果を維持。

デメリット
腋窩多汗症には適応が難しい。継続的な通院が必要。

ミラドライは、これらの治療法と比較して、「半永久的な効果」「傷跡が残らない」「ダウンタイムが短い」という点で優れた選択肢となっています。

よくある質問と回答

Q1: ミラドライ治療は痛いですか?

治療前に局所麻酔を行うため、治療中の痛みはほとんどありません。麻酔注射時にチクッとした痛みを感じる程度です。治療後数日間は、筋肉痛のような鈍い痛みや腫れが残ることがありますが、鎮痛剤で管理できる程度です。

Q2: 治療後の日常生活への影響は?

治療当日は激しい運動や入浴を避ける必要がありますが、翌日からはデスクワークなど軽い活動は可能です。腫れや痛みは通常1週間程度で軽減します。重い荷物を持つなどの腕を使う作業は、1〜2週間程度控えることをお勧めします。

Q3: 保険は適用されますか?

ミラドライは自由診療となり、保険適用はありません。費用はクリニックによって異なりますが、両脇で30万〜40万円程度が一般的です。ただし、剪除法のように入院や長期の通院が不要なため、トータルコストで考えると必ずしも高額とは言えません。

Q4: 副作用やリスクはありますか?

一時的な副作用として、治療部位の腫れ、内出血、しびれ、知覚の変化などが報告されています。これらは通常、数週間から数ヶ月で自然に改善します。重篤な合併症は非常にまれですが、感染症や皮膚のやけどなどのリスクがゼロではありません。

Q5: ワキ汗が減ると代償性発汗が起こりますか?

代償性発汗とは、治療部位の汗が減った分、他の部位(背中や胸など)の汗が増える現象です。手術療法では時々見られますが、ミラドライでは破壊される汗腺の数が全身の数%程度と限定的なため、代償性発汗が起こることはほとんどありません。

Q6: ワキガと多汗症、どちらにも効果がありますか?

ミラドライはエクリン汗腺とアポクリン汗腺の両方を破壊できるため、多汗症とワキガの両方に効果があります。ただし、個人の症状の程度や汗腺の分布によって効果には個人差があります。

実際の治療の流れ

カウンセリング・診察

まず医師による診察で、多汗症やワキガの程度を評価します。症状の原因、治療の適応、期待できる効果、リスクなどについて詳しく説明を受けます。この段階で不安や疑問点をしっかりと解消することが大切です。

治療当日

  1. マーキング: 汗腺が多く分布している範囲を特定し、照射範囲をマーキングします
  2. 麻酔: 局所麻酔を注射します。麻酔が効くまで15〜20分程度待ちます
  3. 照射: ミラドライハンドピースを使って、マーキングした範囲に照射していきます。両脇で約60〜90分程度かかります
  4. 冷却: 治療後、患部を十分に冷却します

アフターケア

治療後は以下の点に注意します。

  • 当日は激しい運動や入浴を避け、シャワーのみとする
  • 患部を清潔に保つ
  • 処方された痛み止めや抗生剤を指示通りに服用する
  • 数日間は患部を冷却すると腫れや痛みが軽減される
  • 重い荷物を持つなどの腕を使う作業は控える

経過観察

治療後1週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月のタイミングで診察を受け、効果や副作用の有無を確認します。特に3〜6ヶ月後の診察では、最終的な治療効果を評価します。

ミラドライに関する最新の知見

治療技術の進化

ミラドライは2011年にアメリカで承認されて以来、治療技術や機器が進化を続けています。最新の機器では、より精密な温度管理や照射範囲の調整が可能になり、効果と安全性がさらに向上しています。

長期追跡調査のデータ

ミラドライの長期的な効果に関する研究も進んでいます。5年以上の長期追跡調査では、治療効果が長期間にわたって維持されることが報告されており、「半永久的」という表現の妥当性が裏付けられています。

日本における普及状況

日本でも多くの医療機関がミラドライを導入しており、年間数千人の患者さんが治療を受けています。治療実績の蓄積により、日本人の体質や皮膚に最適な治療プロトコルも確立されつつあります。

アイシークリニック上野院でのミラドライ治療

当院では、ミラドライ認定医による質の高い治療を提供しています。患者さん一人ひとりの症状や希望に合わせて、最適な治療プランをご提案いたします。

カウンセリングでは、治療の効果やリスクについて丁寧にご説明し、患者さんが納得された上で治療を受けていただけるよう心がけています。また、治療後のアフターフォローも充実しており、効果や経過に関する不安にもしっかりと対応いたします。

ワキ汗や臭いでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ

この記事では、ミラドライの再発に関する疑問について、医学的根拠に基づいて詳しく解説してきました。重要なポイントをまとめます。

ミラドライで破壊された汗腺は基本的に再生しない
一度破壊された汗腺が再び機能を取り戻すことは、医学的にはほとんどありません。効果は半永久的に持続します。

「再発」と感じるのは残存汗腺の活動再開
治療後3〜6ヶ月で腫れが引くと、破壊されずに残った20〜30%の汗腺が活動を再開します。これは再発ではなく、正常な経過です。

70〜80%の減少で十分な効果
全ての汗腺を破壊する必要はなく、70〜80%の減少でも日常生活に支障のないレベルまで改善できます。

効果不十分の原因
照射漏れ、出力不足、麻酔の不適切などが原因で、初回治療の効果が不十分になることがあります。

クリニック選びが重要
認定医が在籍し、豊富な経験と実績があるクリニックを選ぶことで、効果を最大化できます。

2回目の治療も可能
効果が不十分な場合、6ヶ月以上空けて2回目の治療を受けることができます。

現実的な期待値を持つ
ミラドライは「汗を完全にゼロにする治療」ではなく、「日常生活に支障がないレベルまで改善する治療」であることを理解しましょう。

ミラドライは、適切に実施されれば、多汗症やワキガに対して高い効果と長期的な満足度が得られる優れた治療法です。再発に対する不安がある方も、正しい知識を持つことで、より安心して治療に臨むことができるでしょう。

ワキ汗や臭いの悩みは、QOL(生活の質)に大きく影響します。一人で悩まず、まずは専門医に相談することをお勧めします。

参考文献

本記事は以下の権威ある情報源を参考に作成されています。

  1. 日本皮膚科学会「原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版」
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/dermatol/133/13/133_3025/_article/-char/ja/
  2. 日本皮膚科学会「原発性局所多汗症診療ガイドライン2015年改訂版」
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/dermatol/125/7/125_1379/_article/-char/ja/
  3. Mindsガイドラインライブラリ「原発性局所多汗症診療ガイドライン」
    https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00330/
  4. 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「汗の病気―多汗症と無汗症―」
    https://www.dermatol.or.jp/qa/qa32/q07.html

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

プロフィールを見る

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

プロフィールを見る