ミラドライのデメリットを徹底解説|治療前に知っておくべき注意点

ワキの多汗症やワキガ(腋臭症)に悩む方にとって、切らずに治療できるミラドライは魅力的な選択肢です。しかし、どんな治療にもメリットとデメリットが存在します。本記事では、ミラドライ治療を検討している方が後悔しないために、治療のデメリットや注意点について詳しく解説します。

目次

  1. ミラドライとは
  2. ミラドライの基本的な仕組み
  3. ミラドライの主なデメリット
  4. 治療直後に起こりうる副作用
  5. 長期的なデメリットと注意点
  6. 費用面でのデメリット
  7. 効果に関するデメリット
  8. ミラドライが向いていない人
  9. デメリットへの対処法
  10. 他の治療法との比較
  11. よくある質問
  12. まとめ

1. ミラドライとは

ミラドライ(miraDry®)は、マイクロ波(電磁波)を用いてワキの汗腺を破壊する医療機器です。2018年に厚生労働省から薬事承認を受けており、原発性腋窩多汗症の治療として正式に認められています。

従来のワキガ・多汗症治療では手術によって汗腺を切除する方法が主流でしたが、ミラドライは皮膚を切開せずに治療できる点が大きな特徴です。アメリカのFDA(食品医薬品局)でも承認されており、世界中で使用されている治療法です。

ミラドライが対象とする症状

  • 原発性腋窩多汗症:明確な原因がなく、ワキに過剰な発汗が見られる状態
  • 腋臭症(ワキガ):アポクリン汗腺から分泌される汗が原因で特有の臭いが発生する状態

2. ミラドライの基本的な仕組み

ミラドライがどのように作用するのかを理解することは、デメリットを把握する上でも重要です。

治療のメカニズム

ミラドライは5.8GHzのマイクロ波を照射し、その熱エネルギーによってエクリン汗腺とアポクリン汗腺を破壊します。マイクロ波は水分子に吸収されやすい性質があり、汗腺が多く存在する真皮深層から皮下組織浅層(約3〜5mm)を集中的に加熱します。

同時に、皮膚表面は冷却システムによって保護されるため、表皮への熱ダメージを最小限に抑えることができます。破壊された汗腺は基本的に再生しないため、効果の持続性が期待できるとされています。

治療の流れ

  1. ワキの毛を剃る
  2. マーキング(照射位置の印付け)
  3. 局所麻酔
  4. ミラドライ照射(両ワキで約60〜90分)
  5. クーリング(冷却)

3. ミラドライの主なデメリット

ここからは、ミラドライ治療における具体的なデメリットについて詳しく見ていきましょう。

3-1. 治療費が高額

ミラドライの最も大きなデメリットの一つが、治療費の高さです。

費用相場

  • 1回の治療:約30万円〜40万円
  • 2回目の治療:約20万円〜30万円

ミラドライは保険適用外の自由診療となるため、全額自己負担となります。重度の原発性腋窩多汗症で保険適用の手術を選択した場合、3割負担で数万円程度で済むことを考えると、経済的な負担は大きいと言えるでしょう。

クリニックによっては分割払いやローンに対応しているところもありますが、金利がかかる点も考慮する必要があります。

3-2. 痛みや腫れなどのダウンタイムがある

「切らない治療」とはいえ、ミラドライにもダウンタイムが存在します。

治療直後から数日間

  • ワキの腫れ(個人差がありますが、かなり目立つ場合も)
  • 痛み(鈍痛や圧迫感)
  • 内出血や赤み
  • しびれや違和感
  • 腕の動かしにくさ

特に腫れは多くの方が経験する症状で、腕を下ろした状態で目立つほど膨らむケースもあります。このため、治療後数日間は仕事や日常生活に支障が出る可能性があります。

ダウンタイムの期間

  • 強い症状:3日〜1週間程度
  • 軽度の症状(しびれなど):数週間〜数ヶ月

デスクワークなら翌日から復帰できることが多いですが、腕を大きく動かす仕事や力仕事の場合は、数日間の休みが必要になることもあります。

3-3. 完全に汗が止まらない可能性がある

ミラドライの効果には個人差があり、すべての方が満足できる結果を得られるわけではありません。

効果のばらつき

  • 汗の量が70〜80%程度減少するケースが多い
  • 完全に汗が止まらない場合もある
  • 初回治療で効果が不十分な場合、2回目の治療が必要になることも
  • 臭いは軽減しても、完全には消えない場合がある

日本皮膚科学会の資料によれば、ミラドライは多汗症の症状を有意に改善する効果が認められていますが、「完治」ではなく「改善」である点を理解しておく必要があります。

3-4. 局所麻酔による不快感や副作用

ミラドライでは、治療前に局所麻酔を行います。この麻酔注射自体にもいくつかのデメリットがあります。

麻酔注射の問題点

  • 注射時の痛み(ワキ全体に複数回注射するため、痛みを伴う)
  • 注射後の内出血
  • 麻酔薬によるアレルギー反応のリスク(稀)
  • 腫れの一因となる

麻酔注射の痛みについては、多くのクリニックで極細針を使用したり、麻酔クリームを併用したりするなどの工夫がされていますが、完全に無痛というわけではありません。

3-5. 代償性発汗のリスク

代償性発汗とは、治療によってワキの汗が減少した結果、他の部位(背中、胸、太ももなど)の発汗が増加する現象です。

ミラドライでは、交感神経を切除する手術(ETS手術)ほど代償性発汗のリスクは高くないとされていますが、ゼロではありません。一部の患者さんからは「ワキの汗は減ったが、背中や胸の汗が増えた」という報告もあります。

ただし、この現象のメカニズムは完全には解明されておらず、発生頻度も明確なデータがないのが現状です。

3-6. 皮膚の感覚異常が残ることがある

ミラドライの照射によって、ワキの皮膚に感覚異常が生じることがあります。

感覚異常の種類

  • しびれ
  • ピリピリ感
  • 知覚の鈍化
  • 触れた時の違和感

これらの症状は多くの場合、数週間から数ヶ月で改善しますが、まれに長期間続くケースも報告されています。神経が一時的にダメージを受けることで起こると考えられていますが、永続的な神経障害のリスクはかなり低いとされています。

3-7. ワキのしこりや硬結が残る

治療後、ワキの皮下にしこり(硬結)が残ることがあります。

これは、マイクロ波によって破壊された汗腺組織が体内で処理される過程で生じる炎症反応や線維化によるものです。多くの場合は数ヶ月かけて徐々に小さくなっていきますが、完全に消失するまでに半年以上かかることもあります。

まれに、しこりが長期間残存し、気になる場合は追加の治療や処置が必要になることもあります。

3-8. 再発の可能性がゼロではない

ミラドライで破壊された汗腺は基本的に再生しないとされていますが、以下のような理由で「再発」と感じるケースがあります。

再発と感じる理由

  • 治療で破壊されなかった汗腺が残っている
  • 治療範囲外の汗腺からの発汗
  • 一時的な改善後、徐々に症状が戻ってくる
  • 季節や体調による発汗量の変化

実際には「再発」というより「不十分な改善」や「照射範囲外からの発汗」であることが多いですが、患者さんにとっては期待した効果が得られなかったという意味で大きなデメリットとなります。

3-9. 治療後の運動制限

治療後は、一定期間の運動制限が必要です。

制限期間の目安

  • 激しい運動:1〜2週間程度控える
  • 軽い運動:数日間控える
  • 重いものを持つ動作:1週間程度控える

スポーツを日常的に行っている方や、身体を動かす仕事をしている方にとっては、この期間が生活に支障をきたす可能性があります。

3-10. やけどや水疱のリスク

ミラドライはマイクロ波による熱エネルギーを使用するため、施術の際にやけどのリスクがあります。

熱傷のリスク要因

  • 照射エネルギーの設定ミス
  • 冷却システムの不具合
  • 患者さんの皮膚の状態
  • 施術者の技術不足

重度のやけどは稀ですが、軽度の熱傷や水疱が生じることはあります。万が一やけどが生じた場合、適切な処置を受けないと痕が残る可能性もあります。

4. 治療直後に起こりうる副作用

治療直後に現れる副作用について、より詳しく見ていきましょう。

腫れと痛み

ミラドライ後の腫れは、ほぼすべての患者さんに見られる症状です。

腫れの特徴

  • ワキの下が膨らむ
  • 腕を下ろすと目立つ
  • 服を着ていても分かることがある
  • ピークは治療後2〜3日

痛みについては、多くの場合「ズキズキ」というよりも「重だるい」感じや「圧迫されている」ような感覚です。痛み止めでコントロール可能な程度のことが多いですが、痛みの感じ方には個人差があります。

内出血と変色

局所麻酔の注射やマイクロ波照射の影響で、ワキに内出血が生じることがあります。

内出血の特徴

  • 紫色や青紫色のあざ
  • 治療後数日で現れることが多い
  • 1〜2週間程度で徐々に消える
  • 黄色っぽく変色してから消失

内出血自体は特に心配する必要はありませんが、見た目が気になる場合は、半袖やノースリーブを避ける必要があるかもしれません。

腕の可動域制限

腫れや痛みの影響で、腕を上げたり大きく動かしたりすることが難しくなることがあります。

日常生活への影響

  • 洋服の着脱が困難
  • 髪を洗うのが辛い
  • 高いところのものが取りにくい
  • 運転が難しい場合も

これらの症状は通常、数日から1週間程度で改善していきますが、その間の生活に配慮が必要です。

5. 長期的なデメリットと注意点

長期的なしびれや感覚異常

多くの場合は一時的ですが、長期間にわたって感覚異常が続くケースもあります。

日本の医療機関からの報告では、数ヶ月から1年以上しびれが続いたケースも散見されます。これは、マイクロ波による熱エネルギーが周囲の神経に影響を与えた結果と考えられています。

ワキの色素沈着

治療後の炎症反応により、ワキの皮膚に色素沈着(黒ずみ)が生じることがあります。

色素沈着の予防と改善

  • 紫外線対策(治療後は特に注意)
  • 保湿ケア
  • 美白剤の使用(医師の指導のもと)
  • 時間の経過とともに自然に改善することが多い

汗腺以外の組織へのダメージ

ミラドライは汗腺を選択的に破壊する治療ですが、周囲の組織に全く影響がないわけではありません。

理論上は、血管、神経、リンパ管などにも微小なダメージが生じる可能性があります。これが長期的にどのような影響を及ぼすかについては、まだ十分なデータが蓄積されていない段階です。

6. 費用面でのデメリット

保険適用外による経済的負担

前述のとおり、ミラドライは保険適用外の自由診療です。

他の治療法との費用比較

治療法費用(目安)保険適用
ミラドライ30〜40万円なし
剪除法(手術)3〜5万円(3割負担)あり(重度の場合)
ボトックス注射3〜5万円(3割負担)/回あり(重度の場合)
塗り薬数百円〜数千円/月あり

重度の原発性腋窩多汗症と診断されれば、剪除法やボトックス注射は保険適用となります。経済的な負担を考えると、まずは保険適用の治療から検討するのも一つの選択肢です。

追加治療が必要な場合のコスト

1回の治療で満足できる効果が得られず、2回目の治療が必要になる場合があります。

2回目の治療は1回目よりも低価格に設定されていることが多いですが、それでも20〜30万円程度の追加費用が発生します。結果的に、合計で50〜70万円程度かかることになります。

医療費控除の対象になるか

ミラドライが医療費控除の対象になるかは、ケースバイケースです。

医療費控除の条件

  • 医師が必要と認めた治療であること
  • 美容目的ではなく、治療目的であること
  • 年間の医療費が一定額を超えること

原発性腋窩多汗症や腋臭症の診断を受けており、医師が治療の必要性を認めた場合は、医療費控除の対象となる可能性があります。ただし、最終的な判断は税務署が行うため、領収書や診断書を保管し、確定申告の際に相談することをお勧めします。

7. 効果に関するデメリット

個人差が大きい

ミラドライの効果には大きな個人差があります。

効果に影響する要因

  • 汗腺の数や分布
  • 皮膚の厚さ
  • 汗腺の位置(深さ)
  • 照射エネルギーの設定
  • 施術者の技術

同じ条件で治療を受けても、ある人は90%以上汗が減ったと感じる一方で、別の人は50%程度の改善しか感じないということが起こり得ます。

期待値とのギャップ

「ミラドライで汗が完全に止まる」という過度な期待を持って治療を受けると、失望する可能性があります。

多くの場合、汗の量は減少しますが、完全にゼロになるわけではありません。特に暑い季節や運動時には、ある程度の発汗が残ることを理解しておく必要があります。

臭いへの効果の限界

ミラドライはワキガの原因となるアポクリン汗腺も破壊しますが、臭いに関しても完全に消失するとは限りません。

臭いが残る理由

  • すべてのアポクリン汗腺を破壊できない
  • 皮膚表面の細菌叢は残る
  • 衣服に染み付いた臭いが残っている
  • 他の部位からの臭いと混同している

臭いの感じ方は主観的な要素も大きいため、客観的な評価が難しいという側面もあります。

8. ミラドライが向いていない人

以下のような方は、ミラドライが適していない、または慎重な判断が必要です。

妊娠中・授乳中の方

妊娠中や授乳中の方へのミラドライの安全性は十分に確立されていません。

胎児や乳児への影響が完全には否定できないため、この期間の治療は避けるべきです。出産・授乳が終わってから治療を検討しましょう。

ペースメーカー使用者

心臓ペースメーカーや除細動器を使用している方は、ミラドライの電磁波が機器の動作に影響を与える可能性があるため、治療を受けられません。

特定の薬を服用している方

以下のような薬を服用している場合、治療に影響が出る可能性があります。

  • 抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)
  • 免疫抑制剤
  • ステロイド薬の長期使用

これらの薬を服用している場合は、必ず医師に相談し、休薬の可否や代替治療について検討する必要があります。

ワキに金属製インプラントがある方

ワキの近くに金属製のインプラント(骨折治療用のプレートなど)がある場合、マイクロ波によって金属が発熱し、やけどのリスクが高まります。

ケロイド体質の方

ケロイド体質の方は、治療後の炎症反応によってケロイドが形成されるリスクがあります。

切開しない治療とはいえ、組織にダメージを与える治療であるため、ケロイド体質の方は慎重に判断する必要があります。

過度に期待している方

「完全に汗が止まる」「絶対に再発しない」など、現実的でない期待を持っている方は、治療後に失望する可能性が高いです。

ミラドライの効果と限界を正しく理解し、現実的な期待値を持つことが重要です。

9. デメリットへの対処法

ミラドライのデメリットを完全になくすことはできませんが、適切な対処によって軽減することは可能です。

治療前の対処法

十分なカウンセリングを受ける

治療前に医師と十分なカウンセリングを行い、以下の点を確認しましょう。

  • 自分の症状がミラドライの適応かどうか
  • 期待できる効果と限界
  • 起こりうるデメリットや副作用
  • アフターケアの内容
  • 追加費用の可能性

複数のクリニックで相談

可能であれば、複数のクリニックでカウンセリングを受け、説明内容や費用を比較することをお勧めします。

スケジュールの調整

治療後のダウンタイムを考慮し、大切な予定の前は避けるようにしましょう。

避けるべき時期

  • 結婚式などの重要イベント前
  • 大切なプレゼンや会議の前
  • 夏のピーク時期(腫れが目立ちやすい)
  • 長期休暇が取れない時期

治療後の対処法

アイシング(冷却)

治療後は、医師の指示に従ってワキを冷却することで、腫れや痛みを軽減できます。

アイシングの方法

  • 保冷剤をタオルで包んで使用
  • 1回15〜20分程度
  • 1日に複数回行う
  • 直接肌に当てないよう注意

処方薬の適切な使用

医師から処方される痛み止めや抗生物質は、指示通りに服用しましょう。

圧迫・固定

治療後は医療用のサポーターなどでワキを圧迫することで、腫れを抑えることができます。

安静と生活の工夫

  • 腕を高く上げる動作を避ける
  • 重いものを持たない
  • 締め付けの強い服を避ける
  • 十分な睡眠をとる

経過観察と定期受診

治療後は定期的に医師の診察を受け、経過を観察してもらいましょう。

異常な症状(強い痛み、発熱、膿の排出など)が現れた場合は、すぐに医師に相談することが重要です。

10. 他の治療法との比較

ミラドライ以外にも、多汗症やワキガの治療法は複数あります。それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。

剪除法(手術)

メリット

  • 保険適用(重度の場合)
  • 確実性が高い
  • 汗腺を直接目で見て除去できる

デメリット

  • 傷跡が残る
  • ダウンタイムが長い(1〜2週間)
  • 手術のリスク(感染、血腫など)
  • 再手術が困難

ボトックス注射

メリット

  • 低侵襲
  • ダウンタイムがほぼない
  • 保険適用(重度の場合)
  • 施術時間が短い

デメリット

  • 効果が一時的(4〜9ヶ月程度)
  • 定期的な施術が必要
  • 臭いへの効果は限定的
  • 繰り返しの費用負担

外用薬(塩化アルミニウムなど)

メリット

  • 最も低侵襲
  • 費用が安い
  • 保険適用
  • 自宅で使用できる

デメリット

  • 効果が限定的
  • 毎日の使用が必要
  • 皮膚刺激のリスク
  • 臭いへの効果は弱い

イオントフォレーシス

メリット

  • 非侵襲的
  • 副作用が少ない
  • 繰り返し使用可能

デメリット

  • 効果が限定的
  • 定期的な治療が必要
  • 時間がかかる
  • ワキには適用しにくい

ビューホット(他の高周波治療)

メリット

  • 切開不要
  • ダウンタイムが比較的短い

デメリット

  • ミラドライと同様のデメリット
  • 保険適用外
  • やけどのリスク
  • エビデンスがミラドライより少ない

11. よくある質問

Q1: ミラドライは痛いですか?

A: 治療中は局所麻酔をするため、強い痛みはありません。ただし、麻酔注射自体の痛みはあります。治療後は数日間、鈍痛や圧迫感が続くことがあります。

Q2: 仕事は翌日から復帰できますか?

A: デスクワークなど、腕をあまり動かさない仕事であれば翌日から復帰できることが多いです。ただし、腫れや痛みの程度には個人差があるため、可能であれば数日間の余裕を持つことをお勧めします。

Q3: 効果はすぐに実感できますか?

A: 個人差がありますが、多くの場合、治療直後から発汗の減少を実感できます。ただし、腫れが引いてから最終的な効果が分かるまでには1〜3ヶ月程度かかることがあります。

Q4: 2回目の治療が必要ですか?

A: すべての方に2回目が必要なわけではありません。1回の治療で満足できる効果が得られる方も多くいます。効果が不十分だった場合のみ、医師と相談の上で2回目を検討します。

Q5: 治療後、ワキ以外の部位の汗が増えますか?

A: 代償性発汗のリスクはゼロではありませんが、ミラドライでは比較的低いとされています。ただし、個人差があるため、絶対に起こらないとは言い切れません。

Q6: 妊娠・出産後に治療を受けられますか?

A: 授乳が完全に終了していれば、治療を受けることができます。妊娠の予定がある場合は、医師とよく相談しましょう。

Q7: 男性でも受けられますか?

A: もちろん受けられます。ミラドライは性別に関係なく効果があります。ただし、男性の方が毛が濃い分、治療前の剃毛に注意が必要です。

Q8: 若い人でも受けられますか?

A: 基本的には成人が対象ですが、思春期の重度の多汗症やワキガで悩んでいる場合、親の同意のもとで治療を受けられることもあります。医師とよく相談しましょう。

12. まとめ

ミラドライは、切らずにワキの多汗症やワキガを治療できる革新的な方法ですが、さまざまなデメリットも存在します。

主なデメリットの再確認

  1. 高額な治療費(30〜40万円)
  2. ダウンタイムの存在(腫れ、痛み、運動制限)
  3. 効果の個人差(完全に止まらない可能性)
  4. 副作用のリスク(感覚異常、しこり、やけどなど)
  5. 代償性発汗の可能性(他部位の発汗増加)
  6. 保険適用外(全額自己負担)

治療を成功させるために

ミラドライのデメリットを理解した上で治療を受けることが、後悔しないための最も重要なポイントです。

治療前のチェックリスト

  • デメリットとリスクを十分に理解している
  • 現実的な期待値を持っている
  • 経済的な負担を受け入れられる
  • ダウンタイムに対応できるスケジュールを確保している
  • 信頼できる医師とクリニックを選んでいる
  • 他の治療法との比較検討をした

最後に

ミラドライは適切な患者さんに対しては、非常に有効な治療法です。しかし、すべての人に最適な選択肢というわけではありません。

まずは皮膚科や美容外科の専門医に相談し、自分の症状や生活スタイル、経済状況に合った治療法を検討することをお勧めします。また、保険適用の治療法から試してみるという選択肢もあります。

多汗症やワキガは、適切な治療によって改善できる疾患です。デメリットも理解した上で、自分に合った治療法を見つけていきましょう。


参考文献

本記事の作成にあたり、以下の信頼できる情報源を参考にしました。

  1. 日本皮膚科学会「原発性局所多汗症診療ガイドライン 2023年改訂版」
    https://www.dermatol.or.jp/
  2. 厚生労働省「医療機器の承認情報」
    https://www.mhlw.go.jp/
  3. 日本美容外科学会(JSAPS)「美容医療の安全性に関する情報」
    https://www.jsaps.com/
  4. 日本形成外科学会「腋臭症・多汗症の治療に関する情報」
    https://www.jsprs.or.jp/

※本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の治療法を推奨するものではありません。実際の治療については、必ず医師の診断と指導を受けてください。


アイシークリニック上野院について

アイシークリニック上野院では、患者さま一人ひとりの症状とご要望に合わせた適切な治療法をご提案しております。ミラドライをはじめとする各種治療について、経験豊富な医師が丁寧にカウンセリングを行います。治療のメリットだけでなく、デメリットやリスクについても正直にお伝えし、患者さまが納得して治療を選択できるようサポートいたします。

ワキの多汗症やワキガでお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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