ジュベルック(Juvelook)完全ガイド:次世代スキンブースター治療の全て

はじめに

美容医療において、肌の若返りや美肌効果を目的とした治療法は日々進歩を続けています。その中でも近年、特に注目を集めているのが「ジュベルック(Juvelook)」という次世代型の注入治療です。

ジュベルックは、従来のヒアルロン酸注射とは異なるアプローチで肌の悩みにアプローチする革新的な治療法として、美容大国韓国で開発され、現在では世界各国で注目されています。その自然な仕上がりと長期間持続する効果により、多くの患者様から高い評価を得ています。

本コラムでは、アイシークリニック上野院の医療コラムとして、ジュベルックの基礎知識から施術方法、効果、安全性に至るまでを包括的に解説いたします。美容医療をご検討中の皆様にとって、有益な情報を提供できるよう心掛けておりますので、ぜひ最後までお読みください。

ジュベルックとは

基本概念

ジュベルック(Juvelook)は、JUVE(若さ・生気・活力)とLOOK(外見・表情)を組み合わせた造語で、その名前の通り肌に若々しさと活力を与える次世代型のスキンブースター製剤です。

韓国のVAIM社によって開発されたこの製剤は、単純に肌にボリュームを与えるのではなく、肌本来が持つ再生能力を活性化させることで、自然で持続的な美肌効果をもたらします。

従来治療との違い

従来のヒアルロン酸注射は、ゲル状の物質を注入することで物理的にシワを埋めたり、ボリュームを補うことが主な目的でした。一方、ジュベルックは「肌育」という概念に基づき、患者様自身の肌が持つコラーゲン生成能力を高めることで、内側から美しい肌を作り上げていく治療法です。

この違いにより、ジュベルックは以下の特徴を持っています:

  • 自然な仕上がり
  • 長期間持続する効果
  • 周囲に気づかれにくい段階的な改善
  • 複数の肌悩みへの同時アプローチ

ジュベルックの成分と作用機序

主要成分

ジュベルックは、主に2つの重要な成分から構成されています:

1. ポリ乳酸(PDLLA:Poly-DL-lactic acid)

ポリ乳酸は、ジュベルックの核となる成分です。この成分には以下の特徴があります:

原料と安全性

  • トウモロコシ、ジャガイモ、サトウキビなどの天然でんぷんから抽出されたエキスを原料とする
  • 生体適合性に優れ、医療用縫合糸や糸リフトにも使用される安全性の高い素材
  • 最終的に水と二酸化炭素に分解され、体内に残留しない

構造的特徴

  • 球状粒子で内部が網状構造になっており、生体になじみやすい
  • 従来のPLLA(スカルプトラなど)とは異なる構造により、副作用リスクが低い
  • 周囲組織への刺激が少なく、肉芽形成やしこりの形成リスクを軽減

2. 非架橋ヒアルロン酸

ジュベルックに含まれる非架橋ヒアルロン酸は、以下の役割を果たします:

  • 即効性のある保湿効果
  • 肌の水分保持能力の向上
  • PDLLA効果発現までの間の美肌効果維持

作用機序

ジュベルックの作用機序は、以下のステップで進行します:

ステップ1:注入と初期反応(施術直後~数日)

  • 非架橋ヒアルロン酸による即時的な保湿効果
  • 注入による軽微な炎症反応の開始

ステップ2:線維芽細胞活性化(1~3週間後)

  • PDLLAによる線維芽細胞の刺激
  • コラーゲンとエラスチンの生成促進開始
  • 創傷治癒過程の活用

ステップ3:継続的効果発現(1~6ヶ月)

  • 持続的なコラーゲン生成
  • 肌のハリ・弾力の段階的改善
  • 毛穴の引き締まりやニキビ跡の改善

ステップ4:長期効果維持(6ヶ月~2年)

  • 新生コラーゲンによる肌質改善の維持
  • PDLLAの徐々の分解と吸収
  • 自然な肌の若返り効果の継続

ジュベルックの効果・適応症

主要な効果

1. 肌のハリ・弾力改善

メカニズム ジュベルックによって活性化された線維芽細胞は、コラーゲンType I、III、エラスチン、ヒアルロン酸を産生します。これらの成分は肌の構造タンパクとして重要な役割を果たし、肌に自然なハリと弾力をもたらします。

効果の特徴

  • 段階的で自然な改善
  • 肌全体のトーンアップ
  • 小顔効果(軽度のリフトアップ効果)

2. ニキビ跡・クレーター改善

対象となるニキビ跡

  • アイスピック型ニキビ跡
  • ローリング型ニキビ跡
  • ボックスカー型ニキビ跡
  • 軽度から中等度のクレーター

改善メカニズム コラーゲンの新生により、凹んだ組織が徐々に押し上げられ、肌表面が滑らかになります。また、異常な瘢痕組織の改善も期待できます。

3. 毛穴の引き締め

効果的な毛穴の種類

  • 開き毛穴(主に頬部)
  • たるみ毛穴
  • 詰まり毛穴(軽度)

作用メカニズム 肌のコラーゲン増加により、毛穴周囲の皮膚が引き締まり、毛穴が目立たなくなります。

4. 小じわの改善

対象となるしわ

  • 表情じわ(軽度)
  • 乾燥じわ
  • 首のしわ
  • 目周りの細かいしわ

5. 肌質改善

総合的な美肌効果

  • 肌のキメ改善
  • 赤ら顔の改善
  • 色素沈着の軽減
  • 肌の透明感向上

適応症例

以下のような症状・悩みをお持ちの方に適応があります:

年齢関連の変化

  • 加齢による肌のハリ・弾力低下
  • エイジングサインの初期症状
  • 肌のたるみ(軽度から中等度)

ニキビ後遺症

  • ニキビ跡の凹凸
  • 色素沈着を伴うニキビ跡
  • 瘢痕組織

毛穴の悩み

  • 開き毛穴
  • 黒ずみ毛穴
  • たるみ毛穴

その他の肌トラブル

  • 肌のざらつき
  • 肌のくすみ
  • 軽度の赤ら顔

施術方法の種類

ジュベルックの注入方法には、患者様の症状や希望に応じて複数の選択肢があります。

1. 医師による手打ち注入(局所注射)

特徴

  • 医師が直接注射針を使用して、気になる部位にピンポイントで注入
  • 最も精密な注入が可能
  • 患者様の状態に合わせた完全オーダーメイド治療

適応

  • 特定部位の集中治療
  • ニキビ跡の局所治療
  • しわの部分的改善

使用針

  • 通常30G~32Gの極細針使用
  • 痛みを最小限に抑制

メリット

  • 高い治療効果
  • 副作用リスクの最小化
  • 医師の技術と経験を活用

デメリット

  • 施術時間がやや長い
  • 費用が高めに設定される場合が多い

2. 水光注射による注入

特徴

  • 5~9本の極細針を持つ専用機器を使用
  • 顔全体に均一に薬剤を注入
  • 真皮浅層から中層まで均一に到達

適応

  • 顔全体の肌質改善
  • 毛穴の全体的な引き締め
  • 肌のハリ・弾力の総合的向上

メリット

  • 均一な注入が可能
  • 施術時間が短い
  • 比較的リーズナブルな価格設定

デメリット

  • ピンポイントの治療には不向き
  • 機械の設定により効果に差が出る場合がある

3. ポテンツァによる注入(ドラッグデリバリーシステム)

特徴

  • マイクロニードルRF技術を使用
  • 高周波エネルギーとジュベルック注入の併用
  • ドラッグデリバリーシステムによる効率的な薬剤浸透

作用機序

  1. マイクロニードルによる微細な創傷形成
  2. 高周波による熱刺激
  3. 創傷治癒過程とジュベルック効果の相乗効果
  4. コラーゲン生成の促進

追加効果

  • 皮脂腺の収縮作用
  • 血管新生の抑制
  • より強力な線維芽細胞活性化

適応

  • ニキビ跡の改善
  • 毛穴の引き締め
  • 肌のハリ・弾力改善
  • 複合的な肌トラブル

メリット

  • 高い治療効果
  • 複数の作用による相乗効果
  • ダウンタイムが比較的短い

デメリット

  • 費用が高め
  • 軽度の熱感を伴う

4. ダーマペンとの併用

特徴

  • マイクロニードリング後のジュベルック導入
  • 創傷治癒反応とジュベルック効果の組み合わせ

効果

  • ニキビ跡改善効果の向上
  • 毛穴引き締め効果
  • 肌のテクスチャー改善

治療回数と効果の持続期間

推奨治療スケジュール

初回治療シリーズ

標準的なプロトコル

  • 1ヶ月間隔で3回の施術
  • 各回の注入量:2~4cc(部位・症状により調整)
  • 治療期間:約3ヶ月

効果発現のタイムライン

  • 1回目施術後:即効的な保湿効果
  • 2回目施術後(1ヶ月後):軽度の肌質改善
  • 3回目施術後(2ヶ月後):明らかな効果実感
  • 3回目施術から1~3ヶ月後:最大効果到達

メンテナンス治療

頻度

  • 初回シリーズ完了後:6~12ヶ月ごと
  • 個人の代謝や生活習慣により調整

メンテナンス治療の重要性

  • 効果の持続
  • 加齢による変化の予防
  • より良い結果の維持

効果の持続期間

短期効果(1~3ヶ月)

  • 非架橋ヒアルロン酸による保湿効果
  • 軽度の肌質改善
  • 毛穴の引き締まり開始

中期効果(3~12ヶ月)

  • コラーゲン生成による肌のハリ向上
  • ニキビ跡の改善
  • 明らかな肌質変化

長期効果(12~24ヶ月)

  • 持続的なコラーゲンリモデリング
  • 自然な肌の若返り効果
  • 総合的な美肌効果

効果に影響する因子

個人的因子

  • 年齢(若年層ほど効果発現が早い)
  • 肌質・肌タイプ
  • 生活習慣(睡眠、食事、運動)
  • 基礎疾患の有無

治療関連因子

  • 注入方法の選択
  • 注入量・注入深度
  • 医師の技術・経験
  • アフターケアの遵守

環境的因子

  • 紫外線曝露
  • ストレスレベル
  • 喫煙・飲酒習慣
  • スキンケア習慣

副作用とダウンタイム

一般的な副作用

軽度の副作用(ほぼ全例に発生)

赤み

  • 出現時期:施術直後~24時間
  • 程度:軽度から中等度
  • 対処法:冷却、保湿
  • 持続期間:数時間~3日程度

腫れ

  • 出現時期:施術直後~48時間
  • 特徴:注入部位の軽度な膨張
  • 対処法:冷却、頭部挙上
  • 持続期間:1~5日程度

注射痕

  • 外観:針穴による小さな赤い点
  • 持続期間:1~3日
  • 対処法:清潔保持、メイクによるカバー

中等度の副作用(一部の患者に発生)

内出血

  • 発生頻度:10~30%程度
  • 出現部位:注入部位
  • 色調変化:赤紫色→黄色→消失
  • 持続期間:1~2週間
  • 予防策:抗凝固薬の一時中止、注入技術の向上

むくみ

  • 発生頻度:15~25%程度
  • 持続期間:2~7日
  • 対処法:リンパマッサージ、水分摂取調整

軽度の痛み・違和感

  • 性質:チクチク感、ツッパリ感
  • 持続期間:1~3日
  • 対処法:鎮痛剤の内服(必要時)

稀な副作用(1%未満)

硬結・しこり

  • 発生原因:過剰注入、不適切な注入深度
  • 対処法:マッサージ、ステロイド注射
  • 予防策:適切な注入技術、経験豊富な医師による施術

アレルギー反応

  • 症状:発疹、かゆみ、腫れ
  • 対処法:抗アレルギー薬投与、症状に応じた治療
  • 予防策:詳細な問診、必要時パッチテスト

感染

  • 発生頻度:極めて稀
  • 症状:発熱、強い痛み、膿形成
  • 対処法:抗生剤投与、適切な創傷管理
  • 予防策:無菌操作の徹底、術後ケア指導

施術方法別ダウンタイム

手打ち注入(局所注射)

  • ダウンタイム期間:1~3日
  • 主な症状:軽度の赤み、注射痕
  • 特徴:最も短いダウンタイム
  • 日常生活への影響:最小限

水光注射

  • ダウンタイム期間:1~5日
  • 主な症状:赤み、腫れ、針跡
  • 特徴:広範囲だが浅い注入のため軽度
  • メイクでのカバー:翌日から可能

ポテンツァ

  • ダウンタイム期間:3~7日
  • 主な症状:赤み、腫れ、軽度の熱感
  • 特徴:高周波による追加の炎症反応
  • 注意点:日焼け厳禁、保湿重要

ダウンタイム中の注意事項

当日の注意事項

  • 注入部位を触らない
  • 激しい運動を避ける
  • 長時間の入浴を控える
  • 飲酒を控える
  • メイクは翌日から

1週間の注意事項

  • 紫外線対策の徹底
  • 十分な保湿
  • サウナ・岩盤浴を避ける
  • マッサージ・エステを控える
  • レチノール系化粧品の使用中止

2週間の注意事項

  • ケミカルピーリング治療の延期
  • レーザー治療の延期
  • その他美容施術の延期

ジュベルックと他の治療との比較

ヒアルロン酸注射との比較

項目ジュベルックヒアルロン酸注射
作用機序コラーゲン生成促進物理的ボリューム増加
効果発現段階的(2~4週間後)即時効果
持続期間1~2年6~12ヶ月
自然さ非常に自然技術により差あり
適応症肌質改善、ニキビ跡しわ、ボリューム不足
副作用リスク低い中程度

スカルプトラとの比較

項目ジュベルックスカルプトラ
主成分PDLLA + ヒアルロン酸PLLA
粒子形状球状・網状構造不定形
副作用リスクより低いしこりリスクあり
効果範囲肌質改善中心ボリューム増加中心
注入技術比較的容易高い技術要求

リジュラン注射との比較

項目ジュベルックリジュラン
主成分PDLLAポリヌクレオチド
作用機序コラーゲン生成細胞再生促進
効果発現2~4週間1~2週間
持続期間1~2年6~12ヶ月
適応ニキビ跡、毛穴小じわ、ハリ

ボトックス注射との比較

項目ジュベルックボトックス
対象肌質、ニキビ跡表情じわ
作用機序コラーゲン増加筋肉弛緩
効果範囲広範囲対応特定部位
併用可能性高い高い
自然さ非常に自然技術により差あり

安全性について

承認状況

国際的承認

  • 米国FDA承認:皮内注射用として承認済み
  • 韓国MFDS(旧KFDA)承認:美容医療用途で承認
  • CE マーク取得:欧州での安全性認証

日本での状況

  • 厚生労働省未承認医薬品
  • 医師の個人輸入による提供
  • 医師の裁量と責任による使用

安全性データ

臨床研究結果

多数の臨床研究において、ジュベルックの安全性と有効性が確認されています:

  • 韓国での臨床試験:16名の被験者を対象とした研究で、明らかな副作用なく効果を確認
  • 長期追跡調査:2年間の追跡調査で重篤な副作用の報告なし
  • 組織学的検討:真皮層でのコラーゲン・エラスチン増加を組織学的に確認

安全性プロファイル

  • 重篤な副作用:報告例極めて少数
  • アレルギー反応:発生頻度1%未満
  • 長期的影響:特記すべき問題なし

品質管理

製造基準

  • 国際的なGMP基準に準拠
  • 厳格な品質管理システム
  • ロットごとの品質検査

保存・取扱い

  • 適切な温度管理
  • 無菌環境での取扱い
  • 使用期限の厳格な管理

適応・禁忌について

適応となる患者様

年齢

  • 推奨年齢:20歳以上
  • 最適年齢:25~60歳
  • 高齢者:個別判断(皮膚状態による)

症状・状態

  • 肌のハリ・弾力低下
  • 軽度から中等度のニキビ跡
  • 毛穴の開き・たるみ毛穴
  • 小じわ・ちりめんじわ
  • 肌質改善希望
  • 自然な仕上がり希望

心理的適応

  • 現実的な期待値を持つ方
  • 段階的改善を理解される方
  • 継続治療への理解がある方

禁忌(施術を受けられない方)

絶対禁忌

  • 妊娠中・授乳中の方
  • 重篤な免疫疾患をお持ちの方
  • 出血傾向のある方
  • 注入部位に活動性感染症がある方
  • ケロイド体質の方
  • 製剤成分に対するアレルギー歴のある方

相対禁忌(医師との相談が必要)

  • 糖尿病(血糖コントロール不良)
  • 自己免疫疾患
  • 抗凝固薬服用中
  • ステロイド長期服用中
  • 精神的疾患
  • 美容医療への過度な期待

一時的禁忌

  • 発熱時
  • 体調不良時
  • 皮膚に炎症がある時
  • 他の美容治療直後
  • 日焼け直後

慎重適応(特別な配慮が必要)

高齢者

  • 代謝の低下による効果発現遅延
  • 皮膚の薄さによる副作用リスク
  • 併存疾患への配慮

若年者

  • 過剰治療の防止
  • 適応の厳格な判断
  • 将来への影響考慮

アレルギー体質

  • 詳細な問診
  • 必要時パッチテスト
  • 慎重な経過観察

費用について

価格設定の要因

注入方法による違い

治療方法により価格帯が異なります:

手打ち注入

  • 1cc: 25,000~40,000円程度
  • 2cc: 45,000~70,000円程度
  • 3cc: 65,000~100,000円程度

水光注射

  • 全顔(3cc): 40,000~80,000円程度
  • 初回割引: 20,000~50,000円程度

ポテンツァ併用

  • 1回: 50,000~120,000円程度
  • 機器使用料が追加される

追加費用

麻酔費用

  • 表面麻酔: 2,000~5,000円
  • 局所麻酔: 追加費用の場合あり

初診・再診料

  • 初診料: 2,000~5,000円
  • 再診料: 1,000~3,000円
  • カウンセリング料: 無料~3,000円

コストパフォーマンス分析

治療総額(初回シリーズ)

  • 標準的なコース:3回で120,000~300,000円
  • 高品質治療:3回で200,000~400,000円

他治療との比較

年間コスト比較(効果持続期間考慮)

  • ジュベルック: 100,000~200,000円/年
  • ヒアルロン酸: 150,000~300,000円/年
  • レーザー治療: 200,000~400,000円/年

長期的メリット

  • 持続期間の長さ
  • 複数症状への同時効果
  • メンテナンス頻度の少なさ
  • 自然な仕上がり

支払い方法・プランニング

支払いオプション

多くのクリニックで以下の支払い方法を提供:

  • 現金一括払い
  • クレジットカード決済
  • 医療ローン
  • 分割払い

コースプラン

  • 3回セット割引
  • 年間契約割引
  • リピーター割引
  • 紹介割引

施術の流れとアフターケア

施術前の準備

初回カウンセリング

問診・診察(30~60分)

  1. 症状・悩みの詳細確認
  2. 治療歴・既往歴の聴取
  3. 現在の使用薬剤確認
  4. 皮膚状態の詳細診察
  5. 治療プランの提案
  6. リスク・副作用の説明
  7. 費用・スケジュールの説明

施術前指導

1週間前から

  • レチノール系化粧品の使用中止
  • ピーリング治療の避行
  • 日焼けの注意

3日前から

  • 抗凝固薬の調整(医師相談)
  • サプリメントの確認
  • 体調管理

当日

  • ノーメイクでの来院推奨
  • 体調確認
  • 同意書への署名

施術当日の流れ

1. 最終確認・準備(15分)

  • 体調・肌状態の確認
  • 治療部位の最終決定
  • 写真撮影(治療前記録)

2. 洗顔・消毒(10分)

  • クレンジング・洗顔
  • 消毒・清拭
  • 注入部位のマーキング

3. 麻酔(必要時:30分)

  • 表面麻酔クリームの塗布
  • 待機時間の確保

4. 注入施術(20~60分)

手打ち注入の場合

  • 極細針による丁寧な注入
  • 部位ごとの適量調整
  • 患者様の反応確認

機械注入の場合

  • 機器設定の調整
  • 均一な注入実施
  • リアルタイムでの効果確認

5. 施術後処置(10分)

  • 冷却処置
  • 注入部位の確認
  • 止血・消毒

アフターケア

当日のケア

帰宅まで(院内)

  • 30分程度の安静
  • 副作用チェック
  • 冷却継続

帰宅後(~24時間)

  • 注入部位を触らない
  • 冷却継続(断続的に)
  • 激しい運動を避ける
  • 長時間入浴を控える
  • アルコール摂取を控える

翌日以降のケア

1週間

  • 紫外線対策の徹底
  • 十分な保湿
  • マッサージ・エステの回避
  • サウナ・岩盤浴の回避
  • 激しい運動の制限

2週間

  • 他の美容施術の延期
  • レチノール系化粧品使用再開の医師相談

経過観察スケジュール

1週間後

  • 副作用チェック
  • 効果の初期評価
  • 次回治療時期の相談

1ヶ月後

  • 効果評価
  • 写真比較
  • 次回治療の実施

3ヶ月後

  • 最終効果評価
  • メンテナンス計画立案

緊急時の対応

連絡すべき症状

  • 強い痛みの持続
  • 著明な腫れの増悪
  • 発熱
  • 膿の形成
  • アレルギー反応疑い

緊急時連絡先

  • クリニック直通電話
  • 医師直通連絡先
  • 24時間対応体制

よくある質問

治療効果について

Q1: ジュベルックの効果はいつから実感できますか?

A1: ジュベルックの効果発現は段階的です。非架橋ヒアルロン酸による即時的な保湿効果は施術直後から感じられますが、主効果であるコラーゲン生成による改善は2~3週間後から始まります。最も効果を実感できるのは、3回の治療シリーズ完了後の1~3ヶ月後となります。

Q2: 1回の治療でも効果はありますか?

A2: 1回の治療でも効果は期待できますが、ジュベルックの真価は継続治療にあります。推奨される3回の治療シリーズを完了することで、より明確で持続的な効果を実感していただけます。

Q3: 他の治療と併用できますか?

A3: ジュベルックは多くの美容治療と併用可能です。ボトックス注射、ヒアルロン酸注射、レーザー治療などとの組み合わせにより、より総合的な美肌効果が期待できます。ただし、治療間隔や順序については医師との相談が必要です。

安全性について

Q4: ジュベルックは安全ですか?

A4: ジュベルックは米国FDAや韓国MFDSで承認されており、国際的に安全性が認められています。主成分のPDLLAは医療用縫合糸にも使用される生体適合性の高い素材で、最終的に水と二酸化炭素に分解されるため、体内に残留することはありません。

Q5: 副作用はありますか?

A5: 軽度の副作用として、注入部位の赤み、腫れ、内出血が生じる場合がありますが、これらは通常1週間以内に改善します。重篤な副作用は極めて稀です。詳細なリスクについては、カウンセリング時に十分説明いたします。

Q6: アレルギーの心配はありませんか?

A6: ジュベルックの成分に対するアレルギー反応は非常に稀ですが、過去に化粧品や医薬品でアレルギー反応を経験された方は、事前にお申し出ください。必要に応じてパッチテストを実施いたします。

施術について

Q7: 施術は痛いですか?

A7: ジュベルックの注入は極細針を使用するため、痛みは最小限に抑えられています。痛みの感じ方には個人差がありますが、多くの患者様が「思っていたより痛くなかった」とおっしゃいます。ご希望により表面麻酔も使用可能です。

Q8: 施術時間はどのくらいかかりますか?

A8: 治療方法により異なりますが、一般的に以下の通りです:

  • 手打ち注入:30~60分
  • 水光注射:20~40分
  • ポテンツァ:40~90分 麻酔使用時は追加で30分程度必要です。

Q9: ダウンタイムはどの程度ですか?

A9: ジュベルックのダウンタイムは比較的短く、多くの場合1~5日程度です。赤みや軽度の腫れが生じることがありますが、メイクでカバー可能な程度です。翌日から通常の生活や仕事に支障はありません。

適応・禁忌について

Q10: どのような人に向いていますか?

A10: ジュベルックは以下のような方に特に適しています:

  • 肌のハリ・弾力の低下を感じる方
  • ニキビ跡や毛穴の開きが気になる方
  • 自然な仕上がりを希望される方
  • 長期間持続する効果を求める方
  • 複数の肌悩みを同時に改善したい方

Q11: 年齢制限はありますか?

A11: 20歳以上の方が対象となりますが、最も効果的な年齢は25~60歳です。個人の肌状態により判断いたしますので、年齢に関わらずお気軽にご相談ください。

Q12: 妊娠中や授乳中でも受けられますか?

A12: 申し訳ございませんが、妊娠中・授乳中の方は治療をお受けいただけません。安全性を最優先に考え、この期間の美容治療はお控えいただいております。

費用・スケジュールについて

Q13: 治療費用はどのくらいかかりますか?

A13: 治療方法や注入量により異なりますが、1回あたり30,000~120,000円程度です。推奨される3回シリーズでは合計120,000~300,000円程度となります。初回割引やコース割引もございますので、詳細はカウンセリング時にご相談ください。

Q14: 支払い方法は選択できますか?

A14: はい、現金、クレジットカード、医療ローンなど、複数の支払い方法をご用意しております。分割払いも可能ですので、ご希望に応じてご相談ください。

Q15: 治療間隔はどの程度空ける必要がありますか?

A15: 初回治療シリーズでは1ヶ月間隔での治療を推奨しています。メンテナンス治療は6~12ヶ月ごとが目安ですが、個人の代謝や希望により調整いたします。

まとめ

ジュベルック(Juvelook)は、従来の美容医療とは一線を画する革新的な治療法として、世界中で注目を集めています。その最大の特徴は、単純にシワを埋めたりボリュームを足したりするのではなく、患者様の肌が本来持つ再生能力を活性化させることで、内側から美しい肌を作り上げていくことにあります。

ジュベルックの主要なメリット

  1. 自然な仕上がり: 自身のコラーゲン生成を促進するため、不自然さのない美しい結果が得られます
  2. 長期間持続: 1~2年という長期間にわたって効果が持続し、コストパフォーマンスに優れています
  3. 複合的効果: ハリ・弾力、ニキビ跡、毛穴、小じわなど、複数の悩みに同時にアプローチできます
  4. 安全性の高さ: FDA承認成分を使用し、最終的に水と二酸化炭素に分解されるため安全です
  5. ダウンタイムの短さ: 日常生活に支障をきたすことなく治療を受けられます

治療を成功させるポイント

ジュベルック治療を成功させるためには、以下の点が重要です:

適切なクリニック・医師の選択

  • 十分な経験と知識を持つ医師による治療
  • 適切な機器・環境の整備
  • アフターケア体制の充実

現実的な期待値の設定

  • 段階的改善への理解
  • 継続治療の重要性認識
  • 個人差への理解

適切なアフターケア

  • 医師指導の遵守
  • 紫外線対策・保湿の徹底
  • 定期的な経過観察

最後に

美容医療において最も重要なことは、患者様お一人お一人の症状や希望に応じた最適な治療法を選択し、安全に実施することです。ジュベルックは優れた治療法ですが、すべての方に適しているわけではありません。

アイシークリニック上野院では、患者様の美しさと安全を第一に考え、十分なカウンセリングのもとで適切な治療をご提案いたします。ジュベルックにご興味をお持ちの方は、まずはお気軽にご相談ください。

私たちは、患者様が自信と笑顔を取り戻すお手伝いをさせていただくことを使命としております。美しい肌への第一歩を、私たちと一緒に歩んでいきましょう。


参考文献

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  8. Korean Society of Aesthetic Surgery. Clinical Guidelines for Biostimulators. Seoul. 2022.

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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