はじめに
多くの方が一度は経験したことがあるであろう、皮膚にできる「しこり」や「できもの」。鏡を見ているときに、あるいは入浴中に体を洗っているときに、突然気づく皮膚の盛り上がり。一般的に「脂肪の塊」と呼ばれることの多いこれらの症状について、正しい知識を持っていますか?
実は、私たちが日常的に「脂肪の塊」と呼んでいるものには、医学的に全く異なる複数の疾患が含まれています。その代表的なものが「粉瘤(ふんりゅう)」と「脂肪腫(しぼうしゅ)」です。これらは見た目が似ているため混同されがちですが、発生原因、構造、治療法が大きく異なります。
アイシークリニック上野院では、これまで数多くの皮膚・皮下腫瘍の診療を行ってまいりました。患者さまからよくいただくご相談の中で、「これは放置していても大丈夫なのでしょうか?」「どのような治療が必要なのでしょうか?」といった不安の声を多く聞いてまいりました。
本コラムでは、これらの疑問にお答えし、皆さまが適切な判断と行動ができるよう、専門医の立場から詳しく解説いたします。早期発見・早期治療の重要性や、日常生活での注意点についても触れながら、安心して治療に臨んでいただけるよう、わかりやすくご説明いたします。

第1章:「脂肪の塊」の正体を知る
1-1. そもそも「脂肪の塊」とは何なのか
私たちが日常的に「脂肪の塊」と呼んでいるものは、医学的には複数の異なる疾患を指しています。最も多く見られるのは以下の2つです。
粉瘤(ふんりゅう)- 表皮嚢腫 正式名称は「表皮嚢腫」といい、アテローム(atheroma)、アテローマとも呼ばれます。「俗に “しぼうのかたまり”などと呼ばれることもありますが、実は本当の脂肪の塊ではありません。皮膚の内側に袋状の構造物ができ、本来皮膚から剥げ落ちるはずの垢(角質)や皮膚の脂(皮脂)が、袋の中にたまってできた腫瘍(正しくは嚢腫といいます)の総称です」
脂肪腫(しぼうしゅ) 「皮膚の内側に脂肪細胞が増殖してできた本当の脂肪の塊」であり、粉瘤とは全く異なる疾患です。
1-2. なぜ混同されやすいのか
これら2つの疾患が混同される理由は、以下のような共通点があるためです。
- 皮膚の下にできる触れることのできる腫瘤
- 多くの場合、痛みなどの自覚症状が少ない
- 放置すると徐々に大きくなる傾向
- 手術による治療が必要
しかし、医学的には全く異なる疾患であり、治療アプローチも異なります。正確な診断を受けることが、適切な治療への第一歩となります。
1-3. 皮膚科医が最も診察する機会の多い皮膚腫瘍
「アテロームはわれわれ皮膚科医が最も診察する機会の多い皮膚腫瘍です」とされているように、粉瘤は非常に身近な疾患です。年齢や性別を問わず、誰にでも起こりうる症状であり、決して珍しいものではありません。
一方で、「脂肪腫は皮下に発生するできものの中で最も発生頻度が高い」とされており、両者ともに日常の診療で頻繁に遭遇する疾患です。
第2章:粉瘤(アテローム)について詳しく知る
2-1. 粉瘤の基本的な特徴
粉瘤は、皮膚の毛穴が何らかの原因で塞がり、本来であれば自然に剥がれ落ちるべき角質や皮脂が皮膚の下に袋状の構造を作って蓄積される疾患です。
外観的特徴
- 「外観はドーム状のふくらみを有します。中心部に臍のような凹みがあることが多く、そこの穴から発酵した様な独特の臭いが出ることもあります」
- 皮膚の色がやや暗く見える場合がある
- 中心部に黒い点(開口部)が見られることが多い
- 強く押すと白い粥状の内容物が出ることがある
触感的特徴
- ある程度の硬さがあり、「しこり」として感じられる
- 皮膚にくっついており、周囲の組織とは動きにくい
- 大きさは数ミリから数十センチまで様々
2-2. 粉瘤ができやすい部位
粉瘤は体のあらゆる部位にできる可能性がありますが、特に以下の部位に多く見られます。
最も多い部位
- 顔(特に頬、顎周辺)
- 背中(肩甲骨の間など)
- 首
- 耳の後ろ
- 腋の下
- 鼠径部(足の付け根)
特殊な部位 「毛のない足の裏や手のひらにも表皮嚢腫ができることがあります。これは外傷性表皮嚢腫と呼ばれ、皮膚の一部が小さな外傷や手術の傷により皮膚の内側に陥入してできるといわれています」
足の裏の粉瘤は特殊で、体重がかかるため外側に盛り上がることがなく、皮膚の内部のしこりとして触れることが多く、タコやウオノメと間違えられることもあります。
2-3. 粉瘤の発生原因
粉瘤の発生メカニズムについて、現在明らかになっている知見をご紹介します。
基本的な発生メカニズム 「毛穴の上方部分(毛漏斗部)で、何らかの刺激により皮膚がめくりかえって皮膚の下に袋状構造物ができることがきっかけになると考えられています」
具体的な原因
- 外傷やニキビの跡に皮膚が硬くなり、皮脂腺からの皮脂が体外に出られなくなる
- もともと皮脂腺が多く、粉瘤ができやすい体質
- 歩行などによる摩擦で皮脂腺の出口がつぶれる(特に外陰部)
- ヒューマンパピローマウイルスの関与(足の裏の場合)
体質的要因 粉瘤ができやすい体質の方がいることが知られており、複数の粉瘤が同時にできたり、治療後に別の部位に新たに発生したりすることがあります。
2-4. 粉瘤の症状と経過
初期症状
- 小さな盛り上がり
- 触るとコリコリとした感触
- 通常は痛みなし
- 中心部に小さな開口部
進行時の症状
- 徐々にサイズが増大
- 開口部から独特の臭いを放つ内容物が出ることがある
- 強く圧迫すると粥状の内容物が排出される
炎症時の症状(化膿性粉瘤) 粉瘤が細菌感染を起こした状態で、以下のような症状が現れます。
- 急激な腫れと強い痛み
- 皮膚の発赤
- 熱感
- 膿の排出
- 発熱を伴うこともある
化膿した粉瘤は緊急性が高く、速やかな治療が必要です。放置すると周囲の組織にまで炎症が波及し、より大きな問題となる可能性があります。
2-5. 粉瘤の合併症とリスク
感染による合併症
- 蜂窩織炎(周囲組織への炎症の拡大)
- 膿瘍形成
- 瘻孔形成(皮膚に穴があく)
長期的なリスク 「かなり稀ですが炎症や、化膿を繰り返すことで粉瘤の袋の壁から皮膚癌が発生することもあります」
このような重篤な合併症は稀ですが、予防のためにも適切な時期での治療が推奨されます。

第3章:脂肪腫について詳しく知る
3-1. 脂肪腫の基本的な特徴
「脂肪腫とは、皮下に発生するやわらかい腫瘤(しゅりゅう)のことで、良性の成熟した脂肪細胞で構成されています」
脂肪腫は、文字通り脂肪細胞が増殖してできた良性腫瘍で、粉瘤とは全く異なる疾患です。
外観的特徴
- 皮膚の色は正常(周囲の皮膚と同じ色)
- 中心部に開口部や凹みはない
- 半球状の滑らかな盛り上がり
- 大きくなっても皮膚の色は変わらない
触感的特徴
- 非常に柔らかい感触(「脂肪のかたまり」らしい柔らかさ)
- 皮膚との癒着がないため、横方向に動かすことができる
- 押しても潰れることはない
- 痛みを伴わないことがほとんど
3-2. 脂肪腫ができやすい部位
「脂肪腫は身体のどこにでも発生しますが、背部、肩、頸部、四肢に多くみられ」ます。
好発部位
- 背中
- 肩
- 首
- 上腕
- 大腿
- 胸部
- 腹部
「手部、足部の発生は比較的稀です」
3-3. 脂肪腫の発生原因
脂肪腫の発生原因について、現在のところ完全には解明されていませんが、いくつかの要因が考えられています。
考えられる原因
- 「染色体異常が影響しているのでは、という指摘があります」
- 遺伝的要因(家族内発生の報告あり)
- 外傷などの物理的刺激
- ホルモンバランスの変化
発症の特徴
- 「幼少期から発生し、徐々に発育していく」
- 中年期に発見されることが多い
- 「40~50代にできることが多く、20歳以下にできることは少ないです。男性より女性に多い傾向があります」
3-4. 脂肪腫の種類
脂肪腫にはいくつかの亜型があり、それぞれ特徴が異なります。
一般的な脂肪腫
- 最も多いタイプ
- 痛みを伴わない
- 成長は緩やか
血管脂肪腫
- 「血管を多く含む血管脂肪腫等は痛みを伴うこともあります」
- 「小血管が豊富な脂肪腫で、腕や大腿部、体幹に多発することがおおい」
- 自発痛や圧痛を認めることがある
深在性脂肪腫
- 筋肉内や筋膜下に発生
- 大きくなる傾向が強い
- 手術がより複雑になることがある
多発性脂肪腫
- 複数の脂肪腫が同時に発生
- 家族性の傾向が見られることがある
- 遺伝性疾患の一部として発症する場合もある
3-5. 脂肪腫の大きさと成長パターン
「脂肪腫の大きさは1cmくらいのものからコブシ大、なかには15cm程度まで大きくなるものもあります」
「直径約7.5センチメートルよりも大きくなることはまれです」という報告もありますが、実際の臨床現場では、それを超える大きさの脂肪腫も見られます。
成長の特徴として、「一度できた脂肪腫は自然消退せず、ゆっくりと増大します」ことが挙げられます。そのため、美容的な観点や将来的な手術の負担を考慮すると、適切な時期での治療を検討することが重要です。
第4章:粉瘤と脂肪腫の見分け方
4-1. 外見での見分け方
正確な診断は医師による診察が必要ですが、以下の特徴を知っておくことで、ある程度の判別が可能です。
粉瘤の特徴
- 中心部に小さな黒い点(開口部)がある
- 皮膚の色がやや暗い
- 炎症を起こすと赤くなることがある
- 独特の臭いがすることがある
脂肪腫の特徴
- 開口部はない
- 皮膚の色は正常
- 大きくなっても色の変化はない
- 臭いはしない
4-2. 触診での見分け方
粉瘤の触感
- 「多少の硬さがあります。”しこり”と表現できる腫瘍です」
- 皮膚との癒着があり、動きにくい
- 強く押すと潰れることがある(推奨されません)
脂肪腫の触感
- 「”脂肪のかたまり”と言われるようにやわらかい感触をしています。押しても潰れることはありません。皮膚との癒着がないため、横方向に多少動かすことができます」
4-3. その他の鑑別すべき疾患
皮膚や皮下にできる腫瘤には、粉瘤と脂肪腫以外にも様々な疾患があります。
石灰化上皮腫
- 「皮膚の一部分がまるで石灰のように固くなるもので、20歳以下で60%、10歳以下で40%の発症率があるため、若い人に多い」
- 非常に硬い感触が特徴
血管腫
- 毛細血管の拡張・増殖による
- 赤い色調を呈することが多い
- 圧迫すると一時的に色が薄くなる
ガングリオン
- 関節や腱鞘周囲にできる嚢腫
- 透明で粘稠なゼリー状の内容物
- 手首や足首に多い
第5章:診断方法と検査
5-1. 基本的な診察手順
専門医による診断は以下のステップで行われます。
問診
- 発症時期と経過
- 痛みや他の症状の有無
- 家族歴
- 既往歴や外傷歴
視診
- 腫瘤の大きさ、形状、色調
- 開口部の有無
- 周囲皮膚の状態
- 炎症の有無
触診
- 硬さ、可動性
- 皮膚との癒着の程度
- 圧痛の有無
- 波動感(内容物の性質)
5-2. 画像診断
超音波検査(エコー) 「ほとんどの症例で、触診、エコーで診断がつきます」
超音波検査は、皮下腫瘤の診断において最も有用な検査です。以下の情報を得ることができます。
- 腫瘤の正確な大きさと形状
- 内部構造(充実性か嚢胞性か)
- 血流の有無
- 周囲組織との関係
MRI検査 「深部に達している場合(エコーで届かない)、または大きなものの場合はMRI精査を行い場合もあります」
以下の場合にMRI検査が推奨されます。
- 大きな腫瘤(5cm以上)
- 深在性の腫瘤
- 悪性を疑う場合
- 手術計画の立案が必要な場合
CT検査
- 腫瘤の局在確認
- 筋肉や骨との位置関係の評価
- 術前の詳細な解剖学的評価
5-3. ダーモスコピー検査
皮膚表面の腫瘤に対しては、ダーモスコピー(皮膚鏡)を用いた詳細な観察が行われます。これにより、悪性の可能性を早期に発見することができます。
5-4. 病理検査の重要性
手術で摘出した組織は、必ず病理検査(顕微鏡検査)に提出されます。これは以下の理由からです。
- 確定診断の確立
- 悪性腫瘍の除外
- 適切な術後管理の決定
- 今後の治療方針の決定
第6章:治療法について
6-1. 粉瘤の治療法
基本的な治療方針 「この袋状のできものは一度できてしまったら、袋ごと完全に体外にとり出さないとなくなりません」
粉瘤の治療は外科的摘出が原則です。内容物だけを絞り出しても、袋が残っている限り必ず再発します。
従来法(切開摘出術) 最も確実な治療法で、以下の手順で行われます。
- 局所麻酔の施行
- 皮膚の切開
- 袋状構造の完全摘出
- 止血処置
- 縫合
くり抜き法(臍抜き法) 「粉瘤に小さな孔をあけ、そこから粉瘤の内容物を絞り出した後に、しぼんだ粉瘤の袋を抜き取る方法です」
この方法の利点:
- 「手術時間が短い(数分で終わることがほとんどです)」
- 「傷跡がきわめて小さくてすむ」
- 「傷を縫わなくてもすむことも多い」
レーザー治療 「最新の炭酸ガスレーザーを用いて診察から治療・傷あとのケアまで一貫して行います」
特に小さな粉瘤や特定の部位の治療において、レーザーを用いた低侵襲治療も行われています。
6-2. 脂肪腫の治療法
外科的摘出術 脂肪腫の治療は外科的摘出が基本です。「患者が脂肪腫を煩わしく思う場合は,切除または脂肪吸引で除去してもよい」
局所麻酔下手術
- 小さな脂肪腫(5cm未満)
- 表在性脂肪腫
- 日帰り手術が可能
全身麻酔下手術 「当科では5cm以上の大きい脂肪腫、筋肉内や筋肉とべったりくっついている脂肪腫であれば入院で全身麻酔下の手術をお勧めしています」
脂肪吸引術 限定的な症例において、脂肪吸引による治療も選択肢となりますが、完全な摘出が困難な場合があり、再発のリスクが高いとされています。
6-3. 治療の適応とタイミング
治療が推奨される場合
粉瘤の場合:
- 炎症を繰り返す
- 徐々に大きくなっている
- 美容上気になる
- 悪臭が気になる
- 衣服との摩擦で問題となる
脂肪腫の場合:
- 美容上の問題
- 機能的な障害(動作の妨げなど)
- 「まれに悪性の腫瘍(脂肪肉腫)があるため数ヶ月単位で急激に増大する場合には受診をお勧めします」
早期治療の利点 「大きくなるほど、手術の際に切開が長くなるため、傷痕が目立ちやすくなります」
早期治療により以下のメリットがあります。
- 手術時間の短縮
- 傷跡の最小化
- 術後の回復期間の短縮
- 合併症リスクの軽減
6-4. 日帰り手術の適応
現在、多くの症例で日帰り手術が可能となっています。
日帰り手術の条件
- 腫瘤のサイズが適切(一般的に5cm以下)
- 表在性の病変
- 全身状態が良好
- 術後の自宅でのケアが可能
「脂肪腫の発生部位と性質にもよりますが 12cmを超える巨大脂肪腫も条件次第では日帰り手術可能です」
第7章:手術の実際と術後経過
7-1. 手術前の準備
術前検査
- 血液検査(感染症の有無、凝固機能など)
- 心電図(必要に応じて)
- 画像検査による術前計画
術前の注意事項
- 抗凝固薬の休薬(必要に応じて)
- 感染予防のための皮膚の清潔保持
- 術前の絶食(全身麻酔の場合)
7-2. 手術の流れ
局所麻酔下手術の場合
- 体位の設定と術野の消毒 手術部位を清潔に保ち、滅菌したドレープで覆います。
- 局所麻酔の施行 「細い針でゆっくり注入していきます」 痛みを最小限に抑えるため、麻酔薬を段階的に注入します。
- 切開 腫瘤の大きさと部位に応じて、最小限の切開を行います。 粉瘤の場合は開口部を含めて切開します。
- 摘出
- 粉瘤:袋状構造を破らないよう慎重に剥離
- 脂肪腫:周囲組織から丁寧に分離して摘出
- 止血と洗浄 出血をコントロールし、手術部位を洗浄します。
- ドレーン挿入(必要に応じて) 「血液・滲出液を排出するためのドレーンという管を入れて縫合します」
- 縫合 形成外科的手技により、傷跡が目立たないよう丁寧に縫合します。
7-3. 術後の経過と注意点
術直後
- 局所の圧迫止血
- 痛み止めの処方
- 感染予防のための抗生剤(必要に応じて)
術後2-3日 「ドレーンは経過を見て翌日以降に抜去し」
- ドレーンの抜去(挿入した場合)
- 創部の状態確認
- 感染兆候のチェック
抜糸まで 「抜糸は術後1-2週間を目安に外来で行います」
部位による抜糸時期の違い:
- 顔:5-7日後
- 体幹:10-15日後
術後の注意事項
- 創部を濡らさないよう注意
- 激しい運動は避ける
- 処方薬の確実な服用
- 異常な痛みや発熱時の早期受診
7-4. 術後合併症とその対処
一般的な合併症
- 出血
- 感染
- 痛み
- 腫れ
- 傷跡の肥厚
稀な合併症
- 神経障害
- ケロイド形成
- 創離開(傷が開く)
- 再発
これらの合併症は適切な術後管理により多くの場合予防可能です。異常を感じた場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。
第8章:予防と日常生活での注意点
8-1. 粉瘤の予防法
粉瘤の完全な予防は困難ですが、以下の点に注意することでリスクを軽減できます。
皮膚の清潔保持
- 適切な洗浄による毛穴の詰まり予防
- 過度な洗浄は避ける(皮脂の過剰分泌を招く)
- 質の良い洗浄料の使用
外傷の予防
- スポーツ時の適切な保護具の着用
- 鋭利な物による外傷の回避
- 傷ができた場合の適切な処置
ニキビの適切な管理
- ニキビを潰さない
- 適切なスキンケア
- 必要に応じて皮膚科での治療
8-2. 脂肪腫の予防法
脂肪腫の予防は更に困難ですが、一般的な健康管理が重要です。
生活習慣の改善
- 規則正しい生活リズム
- バランスの取れた食事
- 適度な運動
- ストレス管理
体重管理
- 適正体重の維持
- 急激な体重変化の回避
8-3. 早期発見のポイント
セルフチェックの方法
- 入浴時の全身チェック
- 鏡を使った視診
- 家族による確認(背中など見えない部位)
受診の目安 以下の症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
- 急激な大きさの変化
- 痛みや熱感の出現
- 皮膚の色調変化
- 潰瘍や出血
- 硬さの変化
第9章:炎症を起こした場合の対処
9-1. 化膿性粉瘤の症状
化膿性粉瘤は粉瘤に細菌感染が生じた状態で、以下のような症状が現れます。
急性期の症状
- 激しい痛み
- 皮膚の発赤と腫脹
- 熱感
- 波動感(膿の貯留)
- 発熱
慢性期の症状
- 持続する鈍痛
- 皮膚の硬化
- 瘻孔形成
- 膿の間欠的排出
9-2. 緊急時の対処法
応急処置
- 患部を清潔に保つ
- 冷湿布による局所の冷却
- 自己判断での内容物の圧出は避ける
- 速やかな医療機関受診
してはいけないこと
- 無理な圧迫や搾出
- 針などによる穿刺
- 民間療法の試行
- 痛み止めによる症状の隠蔽
9-3. 炎症時の治療
保存的治療
- 抗生剤の全身投与
- 局所の安静
- 抗炎症薬の使用
外科的治療 炎症が強い場合や保存的治療で改善しない場合は、外科的な治療が必要です。
「当院ではこれまで困難と言われていた痛い粉瘤(炎症性粉瘤)の一期法を行っています。これまで長々と通院が必要であった痛い粉瘤も当院ではその日のうちに治療を完了することができます」
第10章:治療費用と保険適応
10-1. 保険適応について
皮膚・皮下腫瘤の治療は、多くの場合健康保険の適応となります。
保険適応となる治療
- 診察料
- 検査費用(超音波、MRI等)
- 手術費用
- 術後の処置・投薬
自費診療となる治療
- 「レーザー治療行う場合は自由診療となります」
- 美容目的のみの治療
- 特殊な材料を使用した場合
10-2. 手術費用の目安
手術費用は腫瘤の大きさと部位により決定されます。
露出部(顔面、首、前腕、手、下腿、足)
- 直径3cm未満:約4,980円(3割負担)
- 直径3cm以上6cm未満:約11,010円(3割負担)
- 直径6cm以上:約12,480円(3割負担)
非露出部(胸、腹、背中、上腕、肩、臀部)
- 直径3cm未満:約3,840円(3割負担)
- 直径3cm以上6cm未満:約9,690円(3割負担)
- 直径6cm以上:約11,010円(3割負担)
※上記は手術費用のみで、別途診察料、処置料、薬剤料等が必要です。
10-3. 医療費控除について
年間の医療費が10万円を超える場合、医療費控除の対象となる場合があります。領収書の保管と適切な申告を行いましょう。
第11章:よくあるご質問
粉瘤の場合、自然治癒することはなく、放置すると徐々に大きくなったり、炎症を起こしたりするリスクがあります。脂肪腫も自然消退することはありません。「脂肪腫はがんではなく、がん化することもほとんどありません」が、大きくなると手術が複雑になるため、適切な時期での治療を検討することをお勧めします。
局所麻酔により手術中の痛みはほとんどありません。術後の痛みも一般的には軽度で、通常の痛み止めで十分コントロール可能です。くり抜き法などの低侵襲手術では、術後の痛みもより軽減されます。
「形成外科専門医による特殊な縫合技術を用いることで、傷や手術痕ができるだけ目立たないように治療を行います」
形成外科的な手技により、傷跡を最小限に抑える努力が行われます。また、くり抜き法やレーザー治療により、従来の方法よりも傷跡を小さくすることが可能です。
粉瘤の場合、袋状構造を完全に摘出すれば再発はほとんどありません。「中途半端な手術を行い、袋の破片が一片でも残るとまた再発します」
脂肪腫の場合、「脂肪腫はきれいに摘出できれば再発は稀ですが、筋肉内脂肪腫は再発することがあります」
粉瘤の悪性化は非常に稀ですが、長期間炎症を繰り返した場合にリスクが高まることが報告されています。脂肪腫の悪性化(脂肪肉腫)も稀ですが、急激な増大がある場合は注意が必要です。
根本的な治療は手術のみです。内服薬や外用薬では治癒しません。ただし、小さな粉瘤の場合、レーザーによる低侵襲治療が選択肢となることがあります。
腫瘤の数、大きさ、部位によりますが、多くの場合同時手術が可能です。ただし、手術時間や術後の管理を考慮して、分割して行う場合もあります。
粉瘤は年齢を問わず発生しますが、脂肪腫は 「20歳以下にできることは少ない」 とされています。小児の場合、石灰化上皮腫などの別の疾患の可能性も考慮する必要があります。
第12章:最新の治療技術
12-1. 低侵襲手術の発展
近年、患者さまの負担を軽減する低侵襲手術技術が大きく発展しています。
くり抜き法の進歩 従来は炎症を起こした粉瘤の場合、炎症が治まるまで待ってから手術を行うのが一般的でした。しかし、「当院では炎症を起こしていても即日手術が可能です。むしろ炎症を起こしているからこそ即時手術が必要と考えています」という新しいアプローチも確立されています。
手術時間の短縮 「手術時間が短い(数分で終わることがほとんどです)」ことにより、患者さまの負担が大幅に軽減されています。
12-2. レーザー治療の活用
炭酸ガス(CO2)レーザー 「小さなもので悪性の可能性が考えられない場合であれば、レーザーで焼灼する方法が整容的にきれいに治ります。ErYAG(エルビウムヤグ)レーザー、あるいはCO2(炭酸ガス)レーザーで削る治療が必要です」
ErYAGレーザー より精密な組織の除去が可能で、周囲組織への熱損傷を最小限に抑えることができます。
レーザー治療の適応
- 小径の皮膚腫瘤
- 美容的配慮が特に必要な部位
- 複数の小さな病変
- 再発例
12-3. 画像診断技術の向上
高分解能超音波検査 より詳細な内部構造の観察が可能となり、術前の正確な診断と手術計画の立案に貢献しています。
3D画像解析 大きな腫瘤や深在性病変において、三次元的な解析により、より安全で確実な手術が可能となっています。
12-4. 術後ケアの進歩
創傷治癒促進技術
- 湿潤環境下治癒の普及
- 創傷被覆材の改良
- 成長因子の応用
痛み管理の改善
- より効果的な局所麻酔法
- 術後疼痛コントロールの最適化
- 患者さまの comfort 向上
第13章:アイシークリニック上野院での治療方針
13-1. 当院の診療方針
アイシークリニック上野院では、患者さま一人ひとりの症状とご希望に合わせた最適な治療を提供することを心がけています。
包括的な診療
- 詳細な問診と診察
- 必要な検査の実施
- 十分な説明とインフォームドコンセント
- 個別化された治療計画
最新技術の導入
- 低侵襲手術技術の積極的採用
- 最新の画像診断機器
- 痛みを最小限に抑える麻酔技術
- 美容的配慮を重視した手術手技
13-2. 治療の流れ
初診時
- 詳細な問診
- 視診・触診
- 必要に応じて画像検査
- 診断と治療方針の説明
- 手術日程の調整(希望される場合)
手術当日
- 術前の確認
- 局所麻酔下での手術
- 術後の処置と説明
- 次回受診日の予約
術後フォロー
- 創部の経過観察
- 抜糸
- 病理結果の説明
- 長期的なフォローアップ
13-3. 当院の特徴
経験豊富なスタッフ 皮膚・皮下腫瘤の治療に豊富な経験を持つ医師が、すべての症例を担当いたします。
患者さま中心の医療 患者さまのライフスタイルやご希望を考慮した治療計画を立案いたします。
安全性の確保 感染対策や手術安全管理に万全を期し、安心して治療を受けていただける環境を整えています。
アフターケアの充実 術後の経過観察から長期的なフォローアップまで、責任を持って対応いたします。
第14章:治療を受ける前に知っておきたいこと
14-1. 医療機関選びのポイント
皮膚・皮下腫瘤の治療を受ける際は、以下の点を確認することをお勧めします。
専門性
- 皮膚科専門医、形成外科専門医による治療
- 豊富な手術経験
- 最新の治療技術への対応
診療体制
- 十分な説明とインフォームドコンセント
- 緊急時の対応体制
- 術後のフォローアップ体制
設備と環境
- 清潔で安全な手術環境
- 最新の医療機器
- プライバシーへの配慮
14-2. セカンドオピニオンについて
特に以下のような場合は、セカンドオピニオンを求めることをお勧めします。
- 診断に疑問がある場合
- 治療方針に不安がある場合
- 悪性の可能性を指摘された場合
- 手術方法について複数の選択肢がある場合
14-3. インフォームドコンセントの重要性
治療を受ける前に、以下の点について十分な説明を受け、理解した上で治療に臨むことが重要です。
- 病状と診断
- 治療の必要性
- 治療方法の選択肢
- 各治療法の利点と欠点
- 合併症のリスク
- 治療費用
- 術後の経過と注意点
第15章:特殊なケースと注意が必要な症例
15-1. 多発例への対応
家族性多発性脂肪腫症 「多発性脂肪腫は同じ家族内でよくみられ、遺伝性疾患(例えば、家族性多発性脂肪腫症)の一部である場合があります」
この場合、以下の点に注意が必要です。
- 定期的な全身チェック
- 家族歴の詳細な聴取
- 遺伝カウンセリングの検討
- 計画的な治療スケジュール
多発性粉瘤 体質的に複数の粉瘤ができやすい方への対応:
- 予防的スキンケアの指導
- 早期発見のためのセルフチェック指導
- 優先順位を考慮した治療計画
15-2. 特殊部位の病変
顔面の病変 美容的な配慮が特に重要な部位での治療:
- より精密な手術手技
- 最小限の切開
- 形成外科的縫合
- レーザー治療の積極的活用
陰部の病変 プライバシーと感染リスクに配慮した治療:
- 十分な感染対策
- 術後の清潔管理指導
- 専門的なアフターケア
15-3. 高齢者の症例
高齢者の場合、以下の点に特別な配慮が必要です。
- 全身状態の詳細な評価
- 内服薬との相互作用の確認
- 術後の創傷治癒能力の考慮
- 家族のサポート体制の確認
15-4. 妊娠中・授乳中の対応
妊娠中や授乳中の女性に対しては、以下の配慮が必要です。
- 胎児・乳児への影響を考慮した薬剤選択
- 手術時期の慎重な検討
- 局所麻酔薬の選択
- 術後管理の調整
第16章:予後と長期的な管理
16-1. 治療後の経過
短期的な経過(術後1-2週間)
- 創部の治癒過程
- 腫れや内出血の軽減
- 抜糸による治療完了
中期的な経過(術後1-3ヶ月)
- 傷跡の成熟
- 最終的な外観の確定
- 機能面での回復
長期的な経過(術後6ヶ月以降)
- 傷跡の最終的な状態
- 再発の有無の確認
- 病理結果を踏まえた長期管理
16-2. 再発予防
粉瘤の再発予防 完全摘出により再発率は極めて低くなりますが、体質的に新たな粉瘤ができる可能性があります。
脂肪腫の再発予防 適切に摘出された脂肪腫の再発は稀ですが、深在性脂肪腫では注意深い経過観察が必要です。
16-3. 定期健診の重要性
フォローアップスケジュール
- 術後1週間:創部チェック
- 術後1ヶ月:治癒状態の確認
- 術後3ヶ月:最終評価
- 術後1年:長期的な評価
新規病変の早期発見 定期的なセルフチェックと年1回の皮膚科健診により、新たな病変の早期発見が可能です。
第17章:日常生活での注意点と予防法
17-1. スキンケアの基本
適切な洗浄
- 刺激の少ない洗浄料の使用
- 優しい洗い方(強くこすらない)
- 十分なすすぎ
- 清潔なタオルでの水分除去
保湿ケア
- 皮膚のバリア機能維持
- 乾燥による皮膚トラブルの予防
- 適切な保湿剤の選択
17-2. 生活習慣の改善
食生活
- バランスの取れた栄養摂取
- 過度な脂質摂取の制限
- 十分な水分摂取
- ビタミン類の適切な摂取
運動習慣
- 適度な有酸素運動
- 血行促進
- 適正体重の維持
- ストレス解消
睡眠と休息
- 十分な睡眠時間の確保
- 質の良い睡眠
- ストレス管理
- 規則正しい生活リズム
17-3. 環境要因への注意
紫外線対策
- 適切な日焼け止めの使用
- 衣服による保護
- 帽子や日傘の活用
外傷予防
- 作業時の保護具使用
- スポーツ時の適切な防護
- 鋭利な物の取り扱い注意
第18章:患者さまへのメッセージ
18-1. 早期相談の重要性
皮膚にできる「脂肪の塊」は、多くの場合良性の病変ですが、適切な診断と治療が重要です。「様子を見ていれば自然に治る」ということはありませんので、気になる症状がある場合は、お早めに専門医にご相談ください。
18-2. 正しい知識の大切さ
インターネット上には様々な情報が溢れていますが、中には不正確な情報も含まれています。症状の自己判断や民間療法に頼ることなく、医学的根拠に基づいた正しい情報を得ることが大切です。
18-3. 治療への不安について
手術と聞くと不安に感じられる方も多いかもしれませんが、現在の皮膚・皮下腫瘤の治療は非常に安全で確実な方法が確立されています。痛みも最小限に抑えられ、多くの場合日帰りでの治療が可能です。
18-4. 美容的な配慮
現在の治療技術では、機能的な回復だけでなく、美容的な配慮も十分に行うことができます。傷跡を最小限に抑える手術手技や、レーザー治療などの選択肢もあります。
第19章:まとめ
「脂肪の塊」と一般的に呼ばれる皮膚・皮下の腫瘤には、主に粉瘤と脂肪腫という2つの異なる疾患があることをご理解いただけたでしょうか。
重要なポイントの再確認
- 正確な診断が治療の第一歩 見た目が似ていても、全く異なる疾患です。専門医による正確な診断を受けることが重要です。
- 早期治療のメリット 小さいうちに治療を行うことで、手術時間の短縮、傷跡の最小化、術後の負担軽減が可能です。
- 安全で確実な治療法の確立 現在の医療技術により、安全で確実な治療が可能です。日帰り手術も多くの症例で選択できます。
- 美容的配慮の重要性 形成外科的手技により、機能的な回復と美容的な満足の両立が可能です。
- 術後の適切な管理 術後の経過観察と適切なケアにより、良好な結果を得ることができます。
最後に
皮膚にできる「脂肪の塊」でお悩みの方は、一人で悩まずに専門医にご相談ください。アイシークリニック上野院では、患者さまの不安や疑問に丁寧にお答えし、最適な治療を提供いたします。
早期の適切な治療により、多くの患者さまが症状の改善と生活の質の向上を実感されています。気になる症状がございましたら、お気軽にお問い合わせください。皆さまの健康で快適な生活をサポートできるよう、スタッフ一同努めてまいります。
参考文献
- 公益社団法人日本皮膚科学会「アテローム(粉瘤)Q&A」
- 一般社団法人日本形成外科学会「脂肪腫」診療指針
- MSDマニュアル プロフェッショナル版「脂肪腫」
- 日本橋形成外科 皮フ科・美容外科「粉瘤、アテローマ、アテローム」
- 関東労災病院形成外科「脂肪腫について」
- 渋谷駅前おおしま皮膚科「粉瘤・脂肪腫・石灰化上皮腫の違い」
- みずかみクリニック「粉瘤・脂肪腫の日帰り手術」
- 宮崎台スキンクリニック「粉瘤・皮膚腫瘍の治療」
- 日本橋Fレーザークリニック「粉瘤 皮膚の良性腫瘍」
- みやびクリニック「ホクロ、イボ、粉瘤、脂肪腫の日帰り手術」
- やまもと形成外科クリニック「皮膚腫瘍 粉瘤腫 ほくろ 脂肪腫 摘出術」
- はなふさ皮膚科「粉瘤の日帰り手術」
- 神奈川皮膚のできものと粉瘤クリニック 古林形成外科横浜院
図表
表1:粉瘤と脂肪腫の比較表
項目 | 粉瘤(アテローム) | 脂肪腫 |
---|---|---|
正式名称 | 表皮嚢腫 | 脂肪腫 |
内容物 | 角質、皮脂 | 脂肪細胞 |
開口部 | あり(黒い点) | なし |
触感 | やや硬い | 柔らかい |
可動性 | 癒着あり | 可動性あり |
臭い | あり | なし |
炎症 | 起こしやすい | 稀 |
好発年齢 | 全年齢 | 中年以降 |
性差 | なし | 女性に多い |
表2:手術費用(3割負担時の目安)
腫瘤の大きさ | 露出部 | 非露出部 |
---|---|---|
3cm未満 | 約4,980円 | 約3,840円 |
3-6cm未満 | 約11,010円 | 約9,690円 |
6cm以上 | 約12,480円 | 約11,010円 |
※診察料、検査料、薬剤料等は別途必要
表3:治療法別の特徴比較
治療法 | 手術時間 | 傷跡 | 再発率 | 適応 |
---|---|---|---|---|
従来法 | 30-60分 | やや大きい | 極めて低い | 全症例 |
くり抜き法 | 5-15分 | 小さい | 低い | 小〜中サイズ |
レーザー治療 | 5-10分 | 最小 | やや高い | 小サイズ |
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監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務