12月は本格的な冬の訪れとともに、花粉症シーズンとは無縁と思われがちです。しかし、この時期に「なぜか鼻水が止まらない」「目がかゆい」といった症状に悩まされている方は少なくありません。実は、12月にも花粉症の症状が出る可能性があり、決して油断できない時期なのです。
また、12月は来春の花粉症シーズンに向けた準備を始める重要な時期でもあります。初期療法や舌下免疫療法など、事前に対策を講じることで、春のつらい症状を大幅に軽減できる可能性があります。
本記事では、12月に花粉症の症状が出る原因や風邪との見分け方、そして来春に向けた効果的な対策について詳しく解説します。毎年花粉症に悩まされている方はもちろん、今年初めて症状が気になり始めた方も、ぜひ参考にしてください。

目次
- 花粉症とは
- 日本における花粉症の現状
- 12月に花粉症の症状が出る原因
- 12月に飛散する花粉の種類
- スギ花粉の「狂い咲き」現象とは
- 12月の花粉症と風邪の見分け方
- 寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)との違い
- 12月は春の花粉症対策を始める重要な時期
- 初期療法について
- 舌下免疫療法の開始に最適な時期
- 12月にできる花粉症対策
- 花粉症の検査について
- まとめ
この記事のポイント
12月は秋花粉の残存やスギ花粉の「狂い咲き」により花粉症症状が出る可能性があり、また翌春に向けた初期療法・舌下免疫療法の開始に最適な時期でもある。
🌸 1. 花粉症とは
花粉症とは、スギやヒノキをはじめとする植物の花粉が原因で起こるアレルギー性の疾患です。花粉が鼻や目の粘膜に付着すると、体の免疫システムが花粉を異物(敵)と認識し、これを排除しようと過剰に反応することで、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が現れます。
🔬 花粉症の発症メカニズム
花粉症の発症には、「感作」と「発症」という2つの段階があります。
まず感作の段階では、花粉が鼻や目の粘膜に付着すると、花粉からアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)が溶け出して粘膜に侵入します。体はこれを異物ととらえ、アレルゲンに対抗するためのIgE抗体という物質をつくり出します。このIgE抗体が粘膜の肥満細胞(マスト細胞)に付着することで、同じアレルゲンが再び侵入した際にアレルギー反応を起こす準備が整います。
次に発症の段階では、再び花粉が体内に侵入すると、肥満細胞に付着したIgE抗体がアレルゲンをキャッチします。これにより肥満細胞が活性化され、ヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質が放出されます。これらの物質が神経や血管を刺激することで、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった典型的な花粉症の症状が引き起こされるのです。
😷 花粉症の主な症状
花粉症の症状は、主に鼻と目に現れます。
鼻の症状としては、くしゃみ、鼻水、鼻づまりが代表的です。花粉症のくしゃみは連続して何度も出ることが特徴で、発作のように止まらなくなることもあります。鼻水は透明でサラサラしており、水のように流れ出ることがあります。鼻づまりは両方の鼻が詰まることが多く、呼吸がしにくくなって口呼吸になりがちです。
目の症状としては、かゆみ、充血、涙目などがあります。目をこすりたくなるような強いかゆみが特徴的で、充血によって目が赤くなったり、涙が止まらなくなったりすることもあります。
そのほか、のどのかゆみやイガイガ感、咳、頭痛、倦怠感、集中力の低下、睡眠障害などの症状が現れることもあります。重症の場合は微熱が出ることもありますが、38度以上の高熱が出ることはまれです。
花粉症の初期症状については、花粉症のなりかけ症状とは?初期段階で見逃せないサインと早期対策で詳しく解説していますので、併せてご参考ください。
Q. 12月に花粉症の症状が出る主な原因は何ですか?
12月に花粉症の症状が出る原因は主に3つあります。①ブタクサ・ヨモギ・カナムグラなど秋花粉の残存、②温暖化による異常な気温上昇でスギの雄花が休眠せず開花する「狂い咲き」現象、③複数の花粉やダニ・ハウスダストへの感作の併発です。 —
📊 2. 日本における花粉症の現状
花粉症は、今や日本人の国民病ともいわれるほど患者数が増加しています。
📈 花粉症の有病率
環境省の「花粉症環境保健マニュアル2022」によると、花粉症の有病率は1998年には19.6%でしたが、2008年には29.8%、2019年には42.5%と、およそ10年ごとに約10ポイントずつ増加しています。現在では日本人の2人に1人が花粉症であるといっても過言ではない状況です。
特にスギ花粉症の有病率は2019年時点で38.8%に達しており、最も多い花粉症となっています。また、近年では花粉症の発症年齢の低下も指摘されており、10代以下の小児でも15%近くが花粉症を発症しているというデータもあります。
🌲 花粉症増加の要因
花粉症患者が増加している要因としては、以下のようなものが考えられています。
- 戦後の植林政策によるスギ花粉飛散量の増加
- 食生活の欧米化
- ストレスの増加
- 腸内環境の変化
- 感染症の減少
- 都市部の空気の乾燥や大気汚染物質の影響
- アスファルトによる花粉の再飛散
❄️ 3. 12月に花粉症の症状が出る原因
「花粉症は春の病気」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。しかし、12月にも花粉症の症状が出ることがあり、その原因はさまざまです。
🌿 秋花粉の残存
12月に花粉症の症状が出る主な原因の一つは、秋に飛散する雑草花粉の残存です。ブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどの秋花粉は、通常8月から10月にかけてピークを迎えますが、地域や気候条件によっては11月から12月初旬まで飛散が続くことがあります。
🌸 スギ花粉の「狂い咲き」
12月に花粉症の症状が出るもう一つの原因は、スギ花粉の「狂い咲き」と呼ばれる現象です。通常、スギの雄花は6月から10月にかけて形成され、11月上旬には休眠状態に入ります。そして冬の寒さを経験した後、翌年の春に花粉を飛散させます。
しかし、秋の気温が異常に高い場合、本来は休眠に入るべき雄花が季節外れに開花してしまうことがあります。これが「狂い咲き」と呼ばれる現象で、10月から12月にかけてわずかながらスギ花粉が飛散する原因となります。
🤧 複数の花粉への感作
近年では、スギ花粉だけでなく複数の花粉にアレルギーを持つ方が増えています。例えば、スギ花粉症とブタクサ花粉症を併発している場合、春だけでなく秋から冬にかけても症状が出やすくなります。また、花粉症と通年性アレルギー性鼻炎(ダニやハウスダストによるアレルギー)を併発している方も多く、そのような場合はほぼ一年中症状に悩まされることもあります。
🌾 4. 12月に飛散する花粉の種類
12月に飛散する可能性のある花粉には、以下のようなものがあります。
🌿 ブタクサ
ブタクサは、日本で最初に報告された花粉症の原因植物です。北アメリカ原産のキク科の植物で、8月から10月にかけて黄色い花を咲かせます。主に河川敷や空き地、道端などに自生しており、関東地方では8月下旬から10月にかけて飛散のピークを迎えます。地域や気候条件によっては11月頃まで飛散が続くことがあり、12月初旬まで症状が残る方もいます。
🌿 ヨモギ
ヨモギはキク科の植物で、日本全国の道端や河川敷、空き地などに広く自生しています。花粉の飛散時期は8月から10月が中心ですが、地域によっては11月まで飛散が続くことがあります。ヨモギ花粉症の方は、ブタクサ花粉症を併発していることも多いため、秋から冬にかけて長期間症状に悩まされることがあります。
🌱 カナムグラ
カナムグラはアサ科のつる性植物で、道端や林などに多く分布しています。花粉の飛散時期は8月から11月頃で、9月中旬にピークを迎えます。飛散量はそれほど多くありませんが、近くに自生している場合は症状が出ることがあります。
🌸 スギ
前述の「狂い咲き」現象により、10月から12月にかけてもわずかながらスギ花粉が飛散することがあります。飛散量は春のピーク時に比べると非常に少ないですが、スギ花粉に敏感な方は症状が出ることがあります。特に晴れて暖かく、風の強い日には注意が必要です。
🌳 ハンノキ
ハンノキはカバノキ科の落葉高木で、日本全域の湿地や川沿いなどに見られます。花粉の飛散時期は1月から4月が中心ですが、地域によっては12月後半から飛散が始まることもあります。ハンノキ花粉症は、シラカバ花粉症と交差反応を示すことが知られており、果物や野菜を食べた際に口腔アレルギー症候群(OAS)を引き起こすこともあります。
Q. 12月の花粉症と風邪を見分けるポイントは?
花粉症と風邪の主な見分け方は以下の通りです。花粉症では、くしゃみが連続して発作的に出る・鼻水が透明でサラサラしている・目のかゆみがある・高熱は出ないという特徴があります。一方、風邪では鼻水が次第に黄色く粘り気を帯び、目のかゆみはほぼ見られません。 —
🌸 5. スギ花粉の「狂い咲き」現象とは
スギ花粉の「狂い咲き」は、12月に花粉症の症状が出る重要な原因の一つです。この現象についてもう少し詳しく解説します。
⚡ 「狂い咲き」のメカニズム
通常のスギの雄花は、6月から10月にかけて形成され、11月上旬には「休眠」という状態に入ります。休眠中の雄花は、冬の寒さを経験することで休眠から覚める準備をします。これを「休眠打破」といいます。そして気温が上昇する2月頃から花粉の飛散を始めるのが通常のサイクルです。
しかし、秋の気温が異常に高い場合、雄花は休眠に入ることなく季節外れに開花してしまうことがあります。これが「狂い咲き」です。特に10月から11月にかけて気温が高い日が続くと、この現象が起こりやすくなります。
🌡️ 近年の傾向
近年の地球温暖化の影響により、秋の気温が高くなる傾向があり、「狂い咲き」現象が起こりやすくなっています。気象庁のデータによると、日本の平均気温は長期的に上昇傾向にあり、特に秋から冬にかけての気温上昇が顕著です。このため、今後も12月にスギ花粉が飛散する可能性が高まると予想されています。
🔍 6. 12月の花粉症と風邪の見分け方
12月は風邪やインフルエンザが流行する時期でもあり、花粉症の症状と風邪の症状を見分けることが重要です。両者は似たような症状を呈することがありますが、いくつかのポイントで区別することができます。
🤧 くしゃみの違い
花粉症のくしゃみは、花粉が鼻の粘膜に付着した際に発作的に連続して出るのが特徴です。外出して数分以内にくしゃみが何度も連発したり、朝起きた直後や花粉の飛散量が多い時間帯に特に症状が強くなったりします。
一方、風邪のくしゃみは冷たい空気を吸い込んだときなどに出ることが多く、連続して何度も出ることはまれです。1回から数回で治まることが多いでしょう。
💧 鼻水の違い
花粉症の鼻水は透明でサラサラしており、水のように流れ出るのが特徴です。何気なくうつむいたら鼻水がたれてきたということもあります。
風邪の鼻水は、最初は透明でサラサラしていることもありますが、次第に黄色っぽく粘り気のある鼻水に変化することが多いです。これは、ウイルスや細菌と戦った白血球の残骸が含まれるためです。鼻水の色や性状の変化については、鼻水が黄色でネバネバする原因とは?症状の見分け方と治療法を医師が解説で詳しく解説しています。
👁️ 目のかゆみの有無
花粉症では目のかゆみや充血、涙目などの症状が出ることが多いですが、風邪ではこれらの症状はほとんど見られません。目のかゆみがある場合は、花粉症の可能性が高いと考えられます。
📋 セルフチェックのポイント
以下の特徴がある場合は、花粉症の可能性が高いです。
- くしゃみが連続して何度も出る
- 透明でサラサラした鼻水が出る
- 目のかゆみがある
- 高熱はない(あっても微熱程度)
- 症状が2週間以上続く
- 晴れて風の強い日に症状が悪化する
風邪が長引く場合の対処法については、風邪が2週間以上長引く原因とは?症状別の対処法と受診の目安を医師が解説で詳しく解説していますので、併せてご参考ください。
🌡️ 7. 寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)との違い
12月は一日の気温差が大きくなりやすく、「寒暖差アレルギー」と呼ばれる症状に悩まされる方もいます。これは花粉症とは異なる疾患ですが、症状が似ているため混同されることがあります。
❄️ 寒暖差アレルギーとは
寒暖差アレルギー(正式には「血管運動性鼻炎」といいます)は、気温の急激な変化によって鼻の粘膜が刺激されることで起こる症状です。暖かい部屋から寒い外に出たときや、その逆の場合など、気温差が7度以上になると症状が出やすいとされています。
🔍 花粉症との違い
寒暖差アレルギーと花粉症は、どちらもくしゃみや鼻水、鼻づまりといった症状が出ますが、いくつかの点で異なります。
まず、寒暖差アレルギーでは目のかゆみは見られません。花粉症では目のかゆみや充血、涙目などの症状が出ることが多いため、目の症状の有無は重要な鑑別ポイントになります。
また、寒暖差アレルギーは明確なアレルゲンが存在しないため、アレルギー検査を行っても陽性反応は出ません。花粉症の場合は、血液検査や皮膚テストでスギ花粉などへのアレルギー反応が確認できます。
血管運動性鼻炎について詳しくは、血管運動性鼻炎の治し方とは?原因・症状・治療法を医師が詳しく解説をご覧ください。
Q. 舌下免疫療法をなぜ12月までに開始すべきですか?
スギ花粉症に対する舌下免疫療法は、花粉飛散期(1〜5月頃)には新規開始ができません。飛散中に開始すると強いアレルギー反応が出るリスクがあるためです。開始可能な時期は6〜12月に限られており、12月は最後のチャンスとなります。早期に開始するほど翌春のシーズンから効果を実感しやすくなります。 —
📅 8. 12月は春の花粉症対策を始める重要な時期
12月は、花粉症に悩まされている方にとって、来春の花粉症シーズンに向けた準備を始める重要な時期です。事前に対策を講じることで、春のつらい症状を大幅に軽減できる可能性があります。
❗ なぜ早めの対策が重要なのか
花粉症の治療で使用される抗アレルギー薬は、効果が現れるまでに一定の時間がかかります。花粉が本格的に飛散し始めてから薬を飲み始めても、すでにアレルギー反応が活発化しているため、十分な効果が得られないことがあります。
一方、花粉の飛散が始まる前、または症状がごく軽いうちから薬を服用し始めると、アレルギー反応の開始を遅らせたり、症状を軽く抑えたりする効果が期待できます。これを「初期療法」といい、花粉症治療の基本的な戦略となっています。
📝 12月に行うべき準備
12月は、以下のような準備を始めるのに適した時期です。
- 来春の花粉飛散予測を確認
- かかりつけの医療機関を受診して治療方針を相談
- アレルギー検査を受ける(必要に応じて)
- 舌下免疫療法の治療開始を検討
💊 9. 初期療法について
初期療法とは、花粉が本格的に飛散する前から薬による治療を始める方法です。花粉症治療において非常に効果的な戦略として、多くの医療機関で推奨されています。
✨ 初期療法の効果
初期療法を行うことで、以下のような効果が期待できます。
- 症状の発症を遅らせる
- 症状を軽くする
- 症状が出る期間を短くする
- 花粉飛散のピーク時に使用する薬の量を減らす
日本アレルギー学会の「鼻アレルギー診療ガイドライン」でも、例年強い花粉症の症状がある方には初期療法が推奨されています。
⏰ 初期療法の開始時期
初期療法は、花粉の飛散予測日の1〜2週間前、または症状が少しでも出た時点で開始するのが理想的です。スギ・ヒノキ花粉症の場合、多くの地域で2月上旬から中旬に飛散が開始するため、1月中旬から下旬頃には薬の服用を始めることをお勧めします。
💊 初期療法で使用される薬
初期療法で主に使用されるのは、第2世代抗ヒスタミン薬です。代表的な薬としては、アレグラ、アレロック、タリオン、ザイザル、ビラノア、デザレックス、ルパフィンなどがあります。
第2世代抗ヒスタミン薬は、第1世代に比べて眠気などの副作用が少ないのが特徴です。ただし、薬によって眠気の出やすさは異なりますので、車の運転をする方や眠気を避けたい方は、医師に相談して適切な薬を選んでもらうことをお勧めします。
🍯 10. 舌下免疫療法の開始に最適な時期
舌下免疫療法は、花粉症を根本から治療することを目指す治療法です。12月は、スギ花粉症に対する舌下免疫療法を開始する最後のチャンスとなる重要な時期です。
🔬 舌下免疫療法とは
舌下免疫療法は、アレルギーの原因となるアレルゲン(スギ花粉やダニなど)を少量ずつ体内に取り込むことで、体をアレルゲンに慣らし、アレルギー反応を起こしにくい体質に変えていく治療法です。
従来の皮下免疫療法(注射による治療)に比べて、自宅で毎日薬を服用できるため通院の負担が少なく、重篤な副作用のリスクも低いとされています。
📈 治療効果
臨床試験の結果では、舌下免疫療法を受けた患者さんの約2割が完治し、約6割に症状の改善が見られました。ただし、残りの約2割の方には効果が現れませんでした。
⏰ なぜ12月が重要なのか
スギ花粉症に対する舌下免疫療法は、スギ花粉が飛散している時期(1月〜5月頃)には開始できません。これは、花粉の飛散期間中に治療を開始すると、アレルギー反応が強く出る可能性があるためです。
そのため、舌下免疫療法の開始に適した時期は6月〜12月となります。12月は治療を開始できる最後の月であり、この時期に治療を始めることで、翌年の花粉シーズンから効果を実感できる可能性があります。
Q. 花粉症の初期療法はいつから始めるのが理想ですか?
初期療法とは、花粉が本格飛散する前から抗アレルギー薬を服用し始める治療法です。スギ・ヒノキ花粉症の場合、多くの地域で2月上旬〜中旬に飛散が始まるため、1月中旬〜下旬頃の開始が理想的です。日本アレルギー学会のガイドラインでも、例年症状が強い方には初期療法が推奨されています。
🛡️ 11. 12月にできる花粉症対策
12月は花粉の飛散量が少ない時期ですが、来春に向けた準備や日常生活での対策を始めることができます。
🏠 生活環境の整備
12月は大掃除の季節でもあります。この機会に、花粉症対策を意識した生活環境の整備を行いましょう。
- エアコンや空気清浄機のフィルター清掃・交換
- カーテンや寝具の洗濯
- 玄関周りにブラシやコロコロ(粘着ローラー)を設置
💪 生活習慣の改善
花粉症の症状は、免疫機能の状態に大きく影響されます。12月のうちから生活習慣を整え、免疫機能を正常に保つことが大切です。
- 十分な睡眠と規則正しい生活リズム
- バランスの良い食事と腸内環境の改善
- 適度な運動
- 禁煙・節酒
🎯 花粉症対策グッズの準備
12月のうちに、花粉症対策グッズを準備しておくと、シーズン本番になってから慌てることがありません。
- 花粉症用マスクの準備
- 花粉症用メガネの購入
- 花粉が付きにくい素材の衣類の用意
- 空気清浄機や加湿器の準備
🔬 12. 花粉症の検査について
12月は、花粉症の検査を受けるのにも適した時期です。自分がどの花粉にアレルギーを持っているかを把握しておくことで、効果的な対策を立てることができます。
📋 検査の種類
花粉症の検査には、主に以下のようなものがあります。
- 血液検査(特異的IgE検査):複数のアレルゲンを同時に検査可能
- 皮膚テスト(プリックテスト):結果がすぐに分かる
- 鼻汁好酸球検査:アレルギー性鼻炎の診断に有効
💡 検査を受けるメリット
花粉症の検査を受けることで、以下のようなメリットがあります。
- 自分がどの花粉にアレルギーを持っているかが分かる
- より効果的な治療計画を立てることができる
- 適切な診断により、無駄な治療を避けられる
- 舌下免疫療法の対象かどうかが分かる

📝 13. まとめ
12月は一般的に花粉症のオフシーズンと思われがちですが、実際には以下のような理由で症状が出る可能性があります。
- 秋花粉(ブタクサ、ヨモギ、カナムグラなど)の残存
- スギ花粉の「狂い咲き」現象
- ハンノキなど冬に飛散を始める花粉
- 複数の花粉への感作
12月に鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどの症状がある場合は、風邪や寒暖差アレルギーの可能性もありますが、花粉症である可能性も考慮する必要があります。透明でサラサラした鼻水、連続するくしゃみ、目のかゆみがある場合は、花粉症を疑いましょう。
また、12月は来春の花粉症シーズンに向けた準備を始める重要な時期でもあります。初期療法の準備や舌下免疫療法の開始、生活環境の整備など、12月のうちにできることは多くあります。
毎年花粉症に悩まされている方は、ぜひ12月のうちに医療機関を受診し、来春に向けた治療計画を立てることをお勧めします。早めの対策で、つらい花粉症シーズンを少しでも快適に過ごしましょう。
よくある質問
はい、12月にも花粉症の症状が出ることがあります。主な原因として、秋花粉(ブタクサ、ヨモギ、カナムグラなど)の残存、スギ花粉の「狂い咲き」現象、ハンノキなど冬に飛散を始める花粉、複数の花粉への感作などが挙げられます。特に近年の温暖化により、季節外れの花粉飛散が起こりやすくなっています。
花粉症と風邪の見分け方のポイントは以下の通りです。花粉症の場合:くしゃみが連続して出る、透明でサラサラした鼻水、目のかゆみがある、高熱は出ない(微熱程度)、症状が2週間以上続く、晴れて風の強い日に悪化する。風邪の場合:くしゃみは1〜数回で治まる、鼻水が次第に黄色く粘り気のあるものに変化、目のかゆみはない、発熱することが多い、通常1週間程度で改善する。
12月から花粉症対策を始めることで、以下のメリットがあります。1)初期療法の準備:花粉飛散前から薬を服用することで、症状の発症を遅らせ、軽減できます。2)舌下免疫療法の開始:12月はスギ花粉症に対する舌下免疫療法を開始できる最後の月です。3)生活環境の整備:大掃除の時期に合わせて、花粉対策を意識した環境づくりができます。4)対策グッズの準備:シーズン前に余裕を持って必要なグッズを揃えられます。
スギ花粉の「狂い咲き」とは、通常11月上旬に休眠状態に入るはずのスギの雄花が、秋の気温が異常に高い場合に季節外れに開花してしまう現象です。本来は冬の寒さを経験した後、翌年春に花粉を飛散させるのが正常なサイクルですが、10月から11月にかけて気温が高い日が続くと、休眠に入らずに開花し、10月から12月にかけてわずかながらスギ花粉が飛散することがあります。近年の温暖化により、この現象が起こりやすくなっています。
スギ花粉症に対する舌下免疫療法は、スギ花粉が飛散している時期(1月〜5月頃)には開始できません。これは、花粉の飛散期間中に治療を開始すると、アレルギー反応が強く出る可能性があるためです。そのため、舌下免疫療法の開始に適した時期は6月〜12月となり、12月は治療を開始できる最後の月となります。12月に治療を始めることで、翌年の花粉シーズンから効果を実感できる可能性があります。根本的な体質改善を目指す治療法として、早めの検討をお勧めします。
📚 参考文献
- 環境省 – 花粉症環境保健マニュアル2022
- 厚生労働省 – はじめに〜花粉症の疫学と治療そしてセルフケア〜
- 花粉症に関する関係閣僚会議 – 花粉症対策の全体像
- 林野庁 – 第1部 特集 第2節 スギ等による花粉症の顕在化と対応
- 日本アレルギー学会 – 鼻アレルギー診療ガイドライン
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
近年の地球温暖化により、12月の花粉症症状は決して珍しいことではありません。特にスギ花粉症の方は、暖冬の年には「狂い咲き」現象による症状に注意が必要です。12月の症状を軽視せず、適切な対策を取ることで、来春の本格的なシーズンに向けた準備も可能になります。