ワキガ手術を受けたのに、数ヶ月〜数年後に「また臭いが気になるようになった」と悩んでいる方は少なくありません。せっかく勇気を出して手術を受けたのに、再び臭いが戻ってしまうと、精神的なショックも大きいものです。実は、ワキガ手術後の再発は一定の割合で起こりうる現象であり、その原因を正しく理解することが適切な対処への第一歩となります。本記事では、ワキガが再発するメカニズムから、再発した場合の具体的な対処法、再手術の選択肢、そして日常生活でできるセルフケアまで、医学的な観点から詳しく解説します。
目次
- ワキガとは?臭いが発生するメカニズム
- ワキガ手術後に再発する原因
- ワキガの再発率と再発しやすい人の特徴
- ワキガが再発したときの対処法
- 再発時の治療選択肢
- 日常生活でできるセルフケアと予防法
- 再発を防ぐためのクリニック選びのポイント
- 医師コメント
- よくある質問
- まとめ
この記事のポイント
ワキガ手術後の再発はアポクリン汗腺の取り残しや再生が主因で、軽度ならボトックス注射、中等度以上は剪除法による再手術が有効。当院では専門医による客観的評価と個別治療プランを提供している。
🎯 ワキガとは?臭いが発生するメカニズム
ワキガの再発について理解するためには、まずワキガ(腋臭症)がどのようなメカニズムで発生するのかを知ることが重要です。ワキガは単なる「汗臭さ」とは異なり、特定の汗腺から分泌される汗が原因となって独特の臭いを発する症状です。
🦠 アポクリン汗腺とエクリン汗腺の違い
人間の皮膚には2種類の汗腺が存在します。一つは全身に分布するエクリン汗腺で、主に体温調節のために無色透明でほぼ無臭の汗を分泌します。もう一つがアポクリン汗腺で、これはワキの下、耳の中、乳輪、陰部など特定の部位に集中して存在しています。
アポクリン汗腺から分泌される汗には、タンパク質、脂質、糖質、アンモニアなどさまざまな成分が含まれています。この汗自体は分泌直後にはほとんど臭いがありませんが、皮膚表面に存在する常在菌(特にコリネバクテリウム属やスタフィロコッカス属など)によって分解されることで、独特の強い臭いが発生します。
👴 ワキガの臭いが発生する流れ
ワキガの臭いが発生する過程は以下のようになっています。まず、アポクリン汗腺から成分を含んだ汗が分泌されます。次に、皮膚表面の常在菌がその汗に含まれる成分を分解します。この分解過程で、3-メチル-2-ヘキセン酸や硫黄化合物などの揮発性物質が生成され、これらがワキガ特有の臭いの原因となります。
アポクリン汗腺の数や大きさ、活動性には個人差があり、これが遺伝的にワキガになりやすい体質かどうかを左右します。日本人では約10〜15%程度の人がワキガ体質であるとされており、欧米人と比較すると割合は低いものの、決して珍しい症状ではありません。
Q. ワキガ手術後に再発する主な原因は何ですか?
ワキガ手術後の再発は主に2つの原因が挙げられます。1つ目はアポクリン汗腺の取り残しで、汗腺の分布が広いほど起こりやすいです。2つ目は残存した汗腺組織からの再生で、術後1〜2年以上経過してから臭いが戻るケースに多く見られます。
📋 ワキガ手術後に再発する原因
ワキガ手術を受けたにもかかわらず臭いが再発してしまう原因には、いくつかのパターンがあります。再発の原因を正しく理解することで、適切な対処法を選択できるようになります。
🔸 アポクリン汗腺の取り残し
ワキガ手術の目的は、臭いの原因となるアポクリン汗腺を除去または破壊することです。しかし、手術によってすべてのアポクリン汗腺を完全に除去することは技術的に困難な場合があります。アポクリン汗腺は皮膚の真皮層から皮下脂肪層にかけて存在しており、その分布範囲や深さには個人差があります。
手術時に一部のアポクリン汗腺が取り残された場合、残存した汗腺から汗が分泌され続けるため、程度は軽減されても臭いが完全になくならないことがあります。特に、アポクリン汗腺の分布範囲が広い方や、汗腺が深い位置にある方では取り残しが起こりやすい傾向があります。
💧 アポクリン汗腺の再生
アポクリン汗腺には再生能力があることが知られています。手術によって大部分のアポクリン汗腺を除去しても、わずかに残った汗腺組織や幹細胞から新たな汗腺が再生してくる可能性があります。この再生は手術後数ヶ月から数年かけて徐々に進行することがあり、術後しばらくは臭いがなかったのに、時間が経ってから再発するケースの一因となっています。
特に若い年齢で手術を受けた場合、組織の再生能力が高いため、再発のリスクが相対的に高くなる可能性があります。一般的には、成長期が終わった18歳以降に手術を受けることが推奨される理由の一つでもあります。
✨ 手術方法による違い
ワキガ手術にはさまざまな方法があり、それぞれに再発率の違いがあります。剪除法(せんじょほう)は直視下でアポクリン汗腺を一つひとつ確認しながら除去する方法で、最も確実性が高いとされています。一方、吸引法やレーザー治療、ボトックス注射などの方法は、傷跡が小さく済むメリットがありますが、アポクリン汗腺の除去率という点では剪除法に劣る場合があります。
超音波吸引法やローラークランプ法などの比較的新しい手術法は、従来の吸引法より除去率が向上していますが、それでも剪除法と比較すると取り残しのリスクは存在します。手術方法の選択時には、効果の確実性と傷跡・ダウンタイムのバランスを考慮する必要があります。
📌 心理的要因による臭いの過剰認識
実際には再発していないにもかかわらず、臭いが気になってしまうケースもあります。ワキガに長年悩んできた方は、臭いに対して非常に敏感になっていることが多く、手術後も「また臭っているのではないか」という不安から、わずかな汗の臭いさえ気になってしまうことがあります。
エクリン汗腺からの汗は手術後も分泌されるため、運動後や暑い日には誰でもある程度の汗臭さを感じることがあります。これはワキガの臭いとは性質が異なりますが、過去の経験から過剰に心配してしまう方も少なくありません。このような場合は、客観的な臭いの評価を行うことが重要です。
Q. ワキガ手術の方法によって再発率は違いますか?
手術方法によって再発率は異なります。剪除法は汗腺を直視しながら除去するため最も確実性が高く、熟練医による再発率は5〜10%程度です。一方、吸引法やミラドライなどの非切開治療では10〜20%程度とやや高くなります。ボトックス注射は4〜6ヶ月で効果が切れるため継続治療が必要です。
💊 ワキガの再発率と再発しやすい人の特徴
ワキガ手術後の再発率は、手術方法や医師の技術、患者さんの体質などによって異なります。一般的な再発率の目安と、再発しやすい方の特徴について解説します。
🦠 ▶️ ▶️ 手術方法別の再発率
剪除法は最も再発率が低い手術方法とされており、熟練した医師が行った場合の再発率は5〜10%程度といわれています。吸引法やミラドライなどの非切開治療では、再発率はやや高くなり、10〜20%程度とされています。ボトックス注射は一時的に汗の分泌を抑える効果がありますが、効果の持続期間は4〜6ヶ月程度であり、継続的な治療が必要となります。
ただし、これらの数値はあくまで目安であり、実際の再発率は医療機関や医師の経験、患者さんの状態によって大きく異なります。また、「再発」の定義も施設によって異なるため、単純な比較は難しい面があります。
🔹 再発しやすい人の特徴
再発のリスクが高いとされる要因にはいくつかのパターンがあります。まず、アポクリン汗腺の量が多い重症のワキガの方は、完全な除去が難しいため再発リスクが高くなります。また、アポクリン汗腺の分布範囲が広い方も、手術範囲外に汗腺が残りやすいため注意が必要です。
年齢も重要な要因です。10代など若い時期に手術を受けた場合、組織の再生能力が高く、また成長に伴ってアポクリン汗腺が発達する可能性があるため、再発リスクが相対的に高くなります。一般的には18歳以降、できれば20歳を過ぎてからの手術が推奨されています。
体質的な要因として、多汗症を合併している方や、肥満傾向のある方も再発しやすいとされています。多汗症があると汗の量が多いため細菌の繁殖が促進されやすく、肥満の方はワキの下に汗がこもりやすい環境になりがちです。
📍 再発の時期について
再発が起こる時期はケースによってさまざまです。手術直後から効果を実感できなかった場合は、アポクリン汗腺の取り残しが考えられます。術後3〜6ヶ月で臭いが戻ってきた場合は、残存した汗腺の活動が活発化してきた可能性があります。
術後1〜2年以上経ってから臭いが気になり始めた場合は、アポクリン汗腺の再生が原因である可能性があります。また、加齢やホルモンバランスの変化、生活習慣の変化なども臭いの強さに影響を与えることがあります。
🏥 ワキガが再発したときの対処法
ワキガが再発したと感じたときは、まず冷静に状況を把握することが大切です。適切な対処を行うために、段階的なアプローチを紹介します。
💫 まずは客観的な評価を受ける
臭いが再発したと感じた場合、まずは医療機関で客観的な評価を受けることをお勧めします。前述のとおり、心理的な要因で臭いを過剰に認識してしまうケースもあるため、専門医による診察で実際の状態を確認することが重要です。
診察では、ガーゼテストなどを用いて臭いの程度を評価します。また、アポクリン汗腺の残存状況を確認するために、視診や触診が行われることもあります。必要に応じて、手術を受けた医療機関とは別のクリニックでセカンドオピニオンを受けることも検討してみてください。
🦠 軽度の再発への対応
再発が軽度である場合、まずは保存的な治療から始めることが一般的です。制汗剤やデオドラント製品の使用、生活習慣の改善などで症状をコントロールできる場合もあります。医療機関で処方される塩化アルミニウム製剤は、市販の制汗剤より効果が高く、軽度のワキガに対して有効なことがあります。
また、ボトックス注射は汗の分泌を一時的に抑制する効果があり、軽度から中等度の再発に対して有効な選択肢となります。効果の持続期間は4〜6ヶ月程度ですが、定期的に注射を続けることで臭いをコントロールできます。
👴 中等度以上の再発への対応
保存的な治療で十分な効果が得られない中等度以上の再発の場合は、再手術や追加治療を検討することになります。再手術の選択肢としては、初回手術と同じ方法を再度行う場合と、異なる方法を選択する場合があります。
例えば、初回に吸引法を受けて再発した場合、より確実性の高い剪除法で再手術を行うことで改善が期待できます。一方、剪除法後に再発した場合は、取り残された部位を特定して追加切除を行ったり、ミラドライなどの非切開治療を組み合わせたりするアプローチが考えられます。
Q. ワキガが再発した場合、どんな治療法がありますか?
ワキガ再発時の治療は症状の程度で選択します。軽度であれば医療用塩化アルミニウム製剤やボトックス注射が有効です。中等度以上では剪除法による再手術が最も確実ですが、初回手術の瘢痕の影響で難易度が上がるため、経験豊富な専門医への相談が重要です。ミラドライとの併用も選択肢となります。
⚠️ 再発時の治療選択肢
ワキガが再発した際に選択できる治療法について、それぞれの特徴とメリット・デメリットを詳しく解説します。
🔸 再手術(剪除法)
剪除法による再手術は、再発したワキガに対して最も確実性の高い治療法です。皮膚を切開してアポクリン汗腺を直接確認しながら除去するため、取り残しを最小限に抑えることができます。ただし、再手術は初回手術と比較して難易度が上がることがあります。
初回手術で形成された瘢痕組織により、組織の層が不明瞭になっていることがあり、アポクリン汗腺の同定や剥離が難しくなる場合があります。また、皮膚への血流が初回手術で影響を受けている可能性があるため、皮膚壊死などの合併症リスクがやや高くなることがあります。そのため、再手術は経験豊富な専門医に依頼することが特に重要です。
💧 ミラドライ
ミラドライはマイクロ波を用いてアポクリン汗腺とエクリン汗腺を熱で破壊する治療法です。皮膚を切開せずに治療できるため、傷跡が残らず、ダウンタイムも比較的短いのが特徴です。手術後の再発に対する追加治療として選択されることがあります。
ミラドライは1回の治療で効果を得られることが多いですが、重症例や広範囲にアポクリン汗腺が分布している場合は複数回の治療が必要になることもあります。また、前回の手術で瘢痕組織が形成されている場合、マイクロ波の到達深度に影響が出る可能性があるため、事前の評価が重要です。
✨ ボトックス注射
ボツリヌストキシン製剤(ボトックス)をワキの下に注射することで、アポクリン汗腺とエクリン汗腺からの汗の分泌を抑制します。効果の持続期間は4〜6ヶ月程度であり、恒久的な治療ではありませんが、手術を避けたい方や軽度の再発に対しては有効な選択肢です。
ボトックス注射は施術時間が短く、ダウンタイムもほとんどないため、日常生活への影響が少ないのがメリットです。ただし、効果を維持するためには定期的な注射が必要となり、長期的にはコストがかさむ可能性があります。また、完全に臭いをなくすことは難しく、軽減効果にとどまる場合もあります。
📌 レーザー治療
レーザー治療は、特定の波長のレーザー光をアポクリン汗腺に照射して破壊する方法です。皮膚への侵襲が少なく、傷跡が目立ちにくいのが特徴です。ただし、レーザーの到達深度には限界があるため、深い位置にあるアポクリン汗腺には効果が不十分な場合があります。
レーザー治療は単独で行われることもありますが、吸引法と組み合わせて行われることも多いです。再発例に対しては、残存しているアポクリン汗腺の位置や深さを評価したうえで、適応を判断する必要があります。
🔹 ▶️ 外用薬・制汗剤
医療機関で処方される塩化アルミニウム製剤は、汗腺の開口部を一時的に塞ぐことで汗の分泌を抑制します。市販の制汗剤より濃度が高く、効果も強力です。軽度の再発や、他の治療と併用する補助的な方法として使用されます。
塩化アルミニウム製剤は毎日〜数日おきに塗布する必要があり、人によっては皮膚刺激を感じることがあります。使用を中止すると効果もなくなるため、継続的なケアが必要です。根本的な治療ではありませんが、症状のコントロールには有効な手段です。
🔍 日常生活でできるセルフケアと予防法
ワキガの再発を予防し、症状を軽減するために、日常生活で実践できるセルフケアについて紹介します。医療的な治療と併用することで、より効果的に臭いをコントロールできます。
🔹 適切な衛生管理
ワキガの臭いは、アポクリン汗腺から分泌された汗が皮膚常在菌によって分解されることで発生します。そのため、ワキの下を清潔に保ち、細菌の繁殖を抑えることが臭い対策の基本となります。毎日の入浴時にはワキの下を丁寧に洗い、汗や皮脂汚れをしっかり落としましょう。
殺菌成分を含む石鹸やボディソープを使用することで、より効果的に細菌を減らすことができます。ただし、過度な洗浄は皮膚のバリア機能を損ない、かえって細菌が繁殖しやすい環境を作ってしまうことがあるため、適度な洗浄を心がけてください。
📍 適切な制汗剤・デオドラント製品の選び方
制汗剤やデオドラント製品は、ワキガの臭いを軽減するための手軽な方法です。制汗剤は汗の分泌を抑える効果があり、デオドラント製品は殺菌や消臭効果があります。両方の効果を持つ製品も多く販売されています。
ワキガ対策には、塩化アルミニウムや銀イオンなどの成分を含む製品が効果的とされています。スプレータイプ、ロールオンタイプ、スティックタイプなどさまざまな形状がありますが、肌に直接塗布できるロールオンタイプやスティックタイプの方が、成分が長時間密着するため効果が持続しやすい傾向があります。
💫 衣服の選び方と管理
着用する衣服も臭いに影響を与えます。通気性の良い天然素材(綿、麻など)の衣服を選ぶことで、汗の蒸発を促進し、蒸れによる細菌の繁殖を抑えることができます。化学繊維の衣服は汗を吸収しにくく、臭いがこもりやすい傾向があります。
汗をかいた衣服はできるだけ早く洗濯し、臭いの原因となる細菌や汗の成分を落とすことが大切です。特にワキの部分は臭いが染み付きやすいため、洗濯時には酸素系漂白剤を使用したり、つけ置き洗いをしたりすることで、より効果的に臭いを除去できます。
🦠 食生活の見直し
食生活も体臭に影響を与えることが知られています。動物性脂肪の多い食事、香辛料の強い食事、アルコールの過剰摂取などは、体臭を強くする可能性があるとされています。一方、野菜や果物を多く摂取し、バランスの良い食生活を心がけることで、体臭の軽減につながる可能性があります。
また、腸内環境の乱れも体臭に影響するといわれています。食物繊維を十分に摂取し、発酵食品を取り入れるなど、腸内環境を整える食生活を意識することも大切です。ただし、食事だけでワキガを根本的に改善することは難しいため、あくまで補助的な対策として位置づけてください。
👴 ストレス管理と生活習慣
ストレスや緊張は、アポクリン汗腺の活動を活発にし、発汗量を増加させることがあります。そのため、適度なストレス発散や十分な睡眠をとることも、ワキガ対策として重要です。過度な緊張状態が続くと、臭いが強くなる「精神性発汗」が起こりやすくなります。
適度な運動は、ストレス解消に効果的であるだけでなく、全身の血行を促進し、新陳代謝を活性化させます。運動習慣を持つことで、汗の質が変化し、臭いが軽減される可能性もあります。ただし、運動後はしっかりとシャワーを浴びて汗を洗い流すことを忘れないでください。
Q. ワキガの再発予防に日常生活でできることはありますか?
日常生活での再発予防として、まずワキの下を殺菌成分入りの石鹸で適度に洗い清潔を保つことが基本です。塩化アルミニウムや銀イオン配合の制汗剤を使用し、通気性の良い綿素材の衣服を選ぶことも効果的です。また、動物性脂肪やアルコールの過剰摂取を控えた食生活や、ストレス管理も臭いの軽減に有効とされています。
📝 再発を防ぐためのクリニック選びのポイント
ワキガの再発を防ぐためには、最初の手術を受けるクリニック選びが非常に重要です。また、再発した場合の再治療においても、適切なクリニックを選ぶことが成功の鍵となります。
🔸 医師の経験と実績
ワキガ手術の成功率は、医師の技術と経験に大きく左右されます。特に剪除法は、アポクリン汗腺を一つひとつ確認しながら除去する繊細な手術であり、熟練した技術が求められます。クリニックを選ぶ際には、ワキガ手術の症例数や医師の専門分野を確認することが大切です。
形成外科専門医や皮膚科専門医の資格を持ち、ワキガ治療を専門的に行っている医師であれば、より安心して治療を受けられます。カウンセリング時には、医師の説明が丁寧でわかりやすいか、質問に対して誠実に回答してくれるかなども、判断材料となります。
💧 治療法の選択肢
ワキガの治療にはさまざまな方法があり、患者さんの状態や希望に応じて最適な方法を選択することが重要です。一つの治療法しか提供していないクリニックよりも、複数の治療選択肢を持ち、患者さんの状態に合わせて提案できるクリニックの方が望ましいでしょう。
特に再発例の場合は、初回手術の方法や結果を踏まえて、最適な治療法を選択する必要があります。剪除法、ミラドライ、ボトックス注射など、複数の治療法を取り扱っているクリニックであれば、状況に応じた柔軟な対応が期待できます。
✨ アフターケア体制
ワキガ手術後のアフターケアは、治療の成功と再発予防に重要な役割を果たします。手術後の経過観察、傷のケア、万が一再発した場合の対応など、長期的なサポート体制が整っているクリニックを選ぶことをお勧めします。
カウンセリング時に、術後のフォローアップ体制や、再発した場合の保証制度(ある場合)について確認しておくと安心です。また、術後に気になることがあった際に、気軽に相談できる環境があるかどうかも大切なポイントです。
📌 セカンドオピニオンの活用
特に再発例の場合は、複数のクリニックでカウンセリングを受けて、セカンドオピニオンを求めることも検討してください。初回手術を受けたクリニックとは別の医師の見解を聞くことで、より客観的な判断ができます。また、再手術の方針についても、複数の専門家の意見を参考にすることで、最適な治療法を選択しやすくなります。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太医師(当院治療責任者)より
「当院では、他院でワキガ手術を受けた後に再発したという患者さんからのご相談が昨年と比較して約15%増加しています。再発でお悩みの方の多くは、初回手術の際に十分な説明を受けていなかったり、手術方法の選択が適切でなかったりするケースが見受けられます。再発の原因は患者さんごとに異なりますので、まずは丁寧な診察で現在の状態を把握し、最適な治療プランをご提案しています。再発したからといって諦める必要はありません。適切な治療を行うことで、多くの方が症状の改善を実感されています。臭いでお悩みの方は、一人で抱え込まず、専門医にご相談いただければと思います。」
💡 よくある質問
再発の時期は個人差がありますが、手術後数ヶ月〜数年で再発することがあります。アポクリン汗腺の取り残しがある場合は比較的早期に、汗腺の再生による再発は1〜2年以上経ってから起こることが多いです。術後の経過観察を継続し、気になる症状があれば早めに医師に相談することをお勧めします。
必ずしも同じクリニックで再手術を受ける必要はありません。再発した場合は、初回手術を行ったクリニックとは別の医療機関でセカンドオピニオンを受けることも一つの選択肢です。ただし、初回手術の記録や経過を把握しているクリニックの方が、状況を理解しやすい面もあります。いずれにしても、再手術の経験が豊富な専門医に相談することが重要です。
客観的にワキガの再発を自己判断することは難しい面があります。長年ワキガに悩んできた方は臭いに敏感になっており、通常の汗臭さをワキガと誤認してしまうこともあります。気になる場合は、信頼できる家族や友人に客観的な意見を求めるか、医療機関でガーゼテストなどの検査を受けることをお勧めします。
ミラドライ後に再発した場合でも、剪除法による再治療は可能です。ミラドライでは皮膚を切開しないため、組織への影響が比較的少なく、剪除法への移行がしやすい傾向があります。ただし、ミラドライによって一部の組織に変性が起きている可能性もあるため、事前の診察で状態を評価した上で治療方針を決定します。
ワキガ(腋臭症)の治療は、一定の条件を満たせば保険適用となります。剪除法は保険診療で受けられる医療機関もありますが、クリニックによっては自由診療のみの対応となる場合もあります。ミラドライやボトックス注射は原則として自由診療です。費用面で不安がある場合は、事前にクリニックに確認することをお勧めします。
再手術のダウンタイムは、手術方法や初回手術の影響によって異なります。剪除法の再手術では、瘢痕組織の影響で手術範囲が広くなったり、皮膚の血流が低下していたりする場合があり、初回手術よりも回復に時間がかかることがあります。一般的な目安として、腕を上げる動作の制限が1〜2週間、圧迫固定が数日〜1週間程度必要です。詳しくは担当医にご確認ください。
✨ まとめ
ワキガ手術後の再発は、アポクリン汗腺の取り残しや再生、手術方法の違いなど、さまざまな原因によって起こりえます。再発したと感じた場合は、まず医療機関で客観的な評価を受け、実際の状態を確認することが大切です。軽度の再発であれば、制汗剤の使用やボトックス注射などの保存的な治療で対応できる場合もありますし、中等度以上の再発では再手術やミラドライなどの追加治療を検討することになります。
再発を防ぐためには、初回手術の段階で経験豊富な専門医を選び、適切な手術方法で治療を受けることが重要です。また、日常生活においても、適切な衛生管理や制汗剤の使用、生活習慣の見直しなど、できることから取り組んでいくことで、臭いをコントロールしやすくなります。ワキガの再発でお悩みの方は、一人で抱え込まず、専門医に相談して適切な治療を受けることをお勧めします。
参考文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務