夏のレジャーやスポーツ、ちょっとした外出の後に「肌が赤くなってヒリヒリする」「顔がほてって熱い」という経験をしたことはありませんか?日焼けは単なる肌の色の変化ではなく、紫外線による皮膚のダメージです。適切なケアをせずに放置すると、シミや色素沈着として長く残ったり、ひどい場合は水ぶくれや発熱を引き起こすこともあります。この記事では、日焼けした時にまず何をすべきか、症状の程度に応じた正しい対処法、そして悪化を防ぐためのポイントについて詳しく解説します。正しい知識を身につけて、肌へのダメージを最小限に抑えましょう。
目次
- 日焼けとは何か?紫外線が肌に与えるダメージの仕組み
- 日焼けの症状レベルと重症度の見分け方
- 日焼けした直後にすべき応急処置
- 症状別の正しいケア方法
- 日焼け後にやってはいけないNG行動
- 日焼け後の色素沈着(シミ・くすみ)を防ぐケア
- 市販薬・外用薬の上手な使い方
- 病院・クリニックを受診すべき症状のチェックポイント
- 日焼けを繰り返さないための予防策
- まとめ
この記事のポイント
日焼けは紫外線による皮膚炎症であり、応急処置は「冷やす・保湿・遮光」が基本。水ぶくれや38℃以上の発熱を伴う場合は医療機関を受診し、色素沈着予防には炎症後も日焼け止めとビタミンC系ケアの継続が有効。
🎯 日焼けとは何か?紫外線が肌に与えるダメージの仕組み
日焼けとは、太陽光線に含まれる紫外線(UV)が皮膚に過剰に当たることで生じる炎症反応です。医学的には「日光皮膚炎」あるいは「サンバーン」と呼ばれ、れっきとした皮膚の炎症状態です。
紫外線には主にUVAとUVBの2種類があります。UVBは波長が短く、皮膚の表皮層に強く作用します。皮膚細胞のDNAを直接傷つけ、炎症性物質(プロスタグランジンなど)を放出させることで、赤み・熱感・痛みといったサンバーンの症状を引き起こします。一方でUVAは波長が長く、ガラスを透過して真皮層まで到達します。即座に皮膚を黒くする「サンタン」を引き起こすほか、皮膚の弾力を担うコラーゲンやエラスチンを破壊し、長期的な光老化(シワ・たるみ)の原因になります。
日焼けをすると皮膚はまず炎症反応として赤くなります。これは血管が拡張し、血流が増加して皮膚に熱がこもっている状態です。その後、メラノサイト(色素細胞)が活性化してメラニンを大量生成し、皮膚を黒くしようとします。これが「日焼けによる色黒」であり、後々シミや色素沈着として残ることがあります。
また、紫外線は免疫機能にも影響を与えます。皮膚には免疫を担うランゲルハンス細胞が存在しますが、紫外線によってその機能が低下することがわかっています。これにより、皮膚の防御機能が一時的に落ちた状態になるため、日焼け後のスキンケアは特に丁寧に行う必要があります。
Q. 日焼けした直後にまず何をすべきですか?
日焼けに気づいたらすぐに患部を冷やすことが最優先です。流水や冷水で10〜20分程度冷却することで炎症の広がりと痛みを抑えられます。氷や保冷剤を直接肌に当てると凍傷のリスクがあるため、タオルで包んで使用してください。冷却後は低刺激の保湿剤でケアし、それ以上日光を浴びないよう日陰や室内に移動することが基本的な応急処置です。
📋 日焼けの症状レベルと重症度の見分け方
日焼けの症状は、紫外線を浴びた量や時間、個人の肌質によって大きく異なります。医学的には熱傷(やけど)の分類と同様に、ダメージの深さによって重症度を判断します。
軽度(第1度相当)の日焼けは、皮膚の表皮だけが影響を受けた状態です。症状としては、肌が赤くなり、ヒリヒリとした熱感や痛みがあります。紫外線を浴びてから数時間後に症状がピークに達し、数日以内に自然に治まることがほとんどです。その後、皮膚がペロペロと剥けてくることもありますが、これは傷んだ表皮細胞が脱落する正常な修復過程です。適切なケアを行えば、多くの場合はセルフケアで対処できます。
中等度(第2度相当)の日焼けは、表皮より深い真皮層まで損傷が及んだ状態です。皮膚に水ぶくれ(水疱)が形成されることが特徴で、強い痛みや灼熱感を伴います。また、全身症状として発熱・頭痛・悪心(吐き気)・倦怠感が現れることもあります。この状態は「日射病」や「熱射病」の症状とも重なることがあるため、注意が必要です。中等度以上の日焼けは医療機関での受診を検討すべきレベルです。
重度の日焼けは、皮膚が広範囲にわたって損傷を受けた場合です。体の広い面積が真っ赤になり、激しい痛みとともに水ぶくれが多発します。発熱・悪寒・意識の混濁などを伴う場合は、速やかに医療機関を受診してください。特に子どもや高齢者は体温調節機能が弱いため、重症化しやすい点に注意が必要です。
💊 日焼けした直後にすべき応急処置
日焼けに気づいたら、まず行うべきことは「冷やす」ことです。炎症が起きている皮膚を速やかに冷却することで、ダメージの広がりを抑え、痛みや熱感を和らげることができます。
冷やす方法としては、流水や冷水で患部を10〜20分程度冷やすのが基本です。シャワーで全体的に冷やすのも効果的です。ただし、氷や保冷剤を直接皮膚に当てることは避けてください。凍傷を引き起こすリスクがあります。保冷剤を使う場合は、必ずタオルなどで包んで使用しましょう。また、プールや海での日焼け後にそのまま日差しの下にいると症状が悪化するため、できるだけ早く日陰や室内に移動することが大切です。
次に、水分補給を行います。日焼けした皮膚は水分を失いやすく、また炎症によって体内の水分も消費されます。水やスポーツドリンクなどで十分に水分を補給してください。アルコールは利尿作用があり脱水を促進するため、日焼け後のアルコール摂取は控えましょう。
患部を冷やした後は、保湿を行います。炎症によって皮膚のバリア機能が低下しているため、保湿をしっかり行うことで肌の回復を助けます。化粧水や保湿クリームをたっぷり使い、刺激の少ないシンプルな成分のものを選びましょう。この段階では、アルコールや香料を多く含む製品は刺激になることがあるため避けた方が無難です。
なお、日焼け直後にすぐに症状が出ないことがあります。紫外線のダメージは照射後2〜6時間かけてピークに達することが多いため、「まだ大丈夫」と思っても、帰宅後すぐに応急処置を始めることが重要です。
Q. 日焼けで水ぶくれができたときはどう対処すればよいですか?
日焼けによる水ぶくれは真皮層まで損傷が及んでいるサインであり、自分で針で刺したり潰したりすることは絶対に避けてください。水疱内の液体は皮膚を保護し修復を促す役割があり、無理に破ると雑菌が侵入して感染症を引き起こすリスクがあります。水ぶくれが複数または広範囲にある場合や発熱を伴う場合は、速やかに医療機関を受診することが強く推奨されます。
🏥 症状別の正しいケア方法
🦠 赤み・ヒリヒリ感がある場合
最も多い軽度の日焼け症状です。まず十分に冷やし、その後は保湿ケアを中心に行います。市販のアフターサンケア製品(アロエジェル、保湿ローションなど)を使用するのも有効です。アロエベラは炎症を鎮める効果があるとされており、古くから日焼けケアに使われてきました。
入浴については、日焼けした当日はシャワーのみとし、熱いお湯は避けることをおすすめします。湯船につかる場合は、ぬるめのお湯(38℃前後)にし、入浴時間も短めにしましょう。入浴後は再度保湿ケアを丁寧に行ってください。
服装については、患部が衣服や下着でこすれると刺激になるため、なるべく柔らかく肌あたりの優しい素材の衣類を選びましょう。また、患部への直接の日光はダメージを悪化させるため、日焼けが落ち着くまでは紫外線を避けた生活を心がけてください。
👴 皮膚が剥ける場合
日焼けから数日後に、皮膚がペロペロと剥けてくることがあります。これは傷ついた表皮細胞が自然に脱落している正常な修復過程ですが、無理に剥かないことが大切です。無理やり剥がすと新しい皮膚が傷つき、炎症が長引いたり色素沈着の原因になることがあります。
皮膚が剥けている期間は、保湿ケアをより丁寧に行いましょう。剥けた部分は新しい皮膚が露出しているため、乾燥しやすく刺激にも弱い状態です。スクラブや摩擦の多い洗顔・洗体は避け、優しく洗うことを心がけてください。
🔸 水ぶくれ(水疱)ができている場合
水ぶくれは真皮層まで損傷が及んでいるサインです。水疱の中の液体は浸出液と呼ばれ、皮膚を保護し修復を促す役割があります。そのため、水ぶくれを自分で針で刺したり、無理に潰したりすることは絶対に避けてください。破れた水疱からは雑菌が侵入しやすくなり、感染症を引き起こすリスクがあります。
水ぶくれができている場合は、医療機関を受診することを強くおすすめします。特に水疱が多数できていたり、広範囲にわたっている場合、発熱を伴っている場合は速やかに受診してください。病院では適切な処置と抗炎症薬や抗菌薬の処方が行われます。
💧 発熱・頭痛・吐き気がある場合
日焼けに伴い全身症状が現れている場合は、熱中症や日射病を合併している可能性があります。涼しい場所で横になり、水分を補給し、首や脇の下、股の付け根などを冷やして体温を下げるようにしましょう。症状が改善しない場合や、意識がぼんやりする場合は救急受診が必要です。
⚠️ 日焼け後にやってはいけないNG行動
日焼けした後のケアには注意が必要で、よかれと思ってしていることが逆効果になることがあります。以下のNG行動は避けるようにしましょう。
まず、日焼け直後のマッサージや摩擦は厳禁です。炎症が起きている皮膚を刺激することで、ダメージが悪化し回復が遅れます。洗顔や洗体の際も、できるだけこすらずに優しく行いましょう。
次に、アルコール成分が高い化粧水や収れん化粧水の使用は避けてください。これらは乾燥や刺激を悪化させることがあります。フレグランス(香料)が多く含まれた製品も、敏感になっている皮膚には刺激になることがあるため注意が必要です。
また、日焼け後に再び日光に当たることも避けるべきです。傷んだ皮膚は紫外線に対してより敏感になっており、短時間でもさらなるダメージを受けやすくなっています。日焼けが落ち着くまでは、外出時に日焼け止めをしっかり塗り、帽子・日傘・UV対策の衣類などで紫外線をブロックすることが大切です。
さらに、「日焼けをしたら早くサウナや岩盤浴で汗を出した方がいい」という俗説がありますが、これは誤りです。高温の環境は炎症を悪化させ、脱水のリスクも高めます。日焼け中はサウナや岩盤浴、熱いお風呂は控えましょう。
ステロイドを含む市販薬を自己判断で広範囲に長期間使用することも注意が必要です。ステロイド外用薬には炎症を抑える効果がありますが、使用部位や用法・用量を誤ると副作用が生じることがあります。市販品を使う際は、必ず添付文書をよく読んで使用してください。
Q. 日焼け後のシミや色素沈着はどうすれば防げますか?
日焼け後の色素沈着予防には、炎症が落ち着いた後も継続して紫外線対策を行うことが最も重要です。SPF30以上の日焼け止めを毎日使用し、2〜3時間ごとに塗り直しましょう。スキンケアにはビタミンC誘導体配合の美容液や化粧水を取り入れるとメラニン生成の抑制効果が期待できます。それでも色素沈着が残る場合は、美容皮膚科でのレーザー治療や外用薬処方などの専門的な相談も有効な選択肢です。
🔍 日焼け後の色素沈着(シミ・くすみ)を防ぐケア
日焼けをした後に最も気になることの一つが、シミや色素沈着として後から肌に残ることです。日焼け後の色素沈着は、メラノサイトが活性化して大量のメラニン色素を生成することで起こります。適切なケアを行うことで、この色素沈着をできる限り軽減することができます。
最も重要なのは、日焼けが落ち着いた後も継続して紫外線対策を続けることです。メラニンはそもそも紫外線から皮膚を守るために生成されるため、日焼け後も繰り返し紫外線を浴びることでメラニンの生成が促進されます。日焼け止めを毎日欠かさず塗る習慣をつけましょう。SPF30以上のものを使用し、2〜3時間ごとに塗り直すのが理想的です。
スキンケアにビタミンC誘導体を含む製品を取り入れることも効果的です。ビタミンCにはメラニンの生成を抑制する働きがあり、すでに作られたメラニンを還元して薄くする効果もあります。美容液や化粧水に配合されているものを活用しましょう。ただし、ビタミンCは刺激感を感じる場合もあるため、低濃度のものから始めるか、パッチテストを行ってから使用することをおすすめします。
ターンオーバーを促進するケアも、色素沈着の改善に役立ちます。皮膚は一定のサイクルで新陳代謝(ターンオーバー)を繰り返しており、このサイクルが正常に機能することで古いメラニンを含む角質細胞が剥がれ落ちていきます。適切な保湿を維持することはターンオーバーを正常に保つ基本です。また、バランスの良い食事・十分な睡眠・適度な運動も肌のターンオーバーを助けます。
なお、ピーリング(角質除去)は日焼けが落ち着いていない炎症期には絶対に行わないでください。炎症が完全に治まり、皮膚が安定してから行うようにしましょう。
それでも色素沈着が残る場合は、美容皮膚科でトレチノインやハイドロキノンなどの外用薬の処方、あるいはレーザー治療や光治療(IPL)などの専門的な治療を検討することも一つの選択肢です。
📝 市販薬・外用薬の上手な使い方
日焼けのケアには、ドラッグストアで購入できる市販薬を活用することも有効です。ただし、正しい使い方を理解した上で使用することが大切です。
ステロイド外用薬は、日焼けによる炎症を抑えるのに効果的です。市販されているステロイド含有クリームやローションは、赤みやかゆみ・炎症を鎮める作用があります。ただし、顔や皮膚が薄い部位、また広範囲への使用は副作用のリスクがあるため、添付文書に従って適切な部位・用量・期間で使用しましょう。市販のステロイド外用薬は通常、顔への使用が制限されているものが多いため、顔の日焼けには注意が必要です。
非ステロイド性の抗炎症成分(インドメタシン、イブプロフェンピコノールなど)を含む外用薬も日焼けの炎症に使用されることがあります。ステロイドに比べて副作用のリスクが低いため、比較的使いやすい選択肢ですが、これも用法・用量を守って使用してください。
内服の鎮痛剤(ロキソプロフェン、アセトアミノフェンなど)は、日焼けの痛みや発熱を緩和する目的で使用できます。特にロキソプロフェンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)はプロスタグランジンの生成を抑えるため、日焼けの炎症そのものを緩和する働きも期待できます。ただし、胃腸への刺激があるため、食後に服用することをおすすめします。
アフターサンケア専用製品(アロエジェル、カモミール配合のスキンケアなど)は、保湿と同時に軽い炎症鎮静効果が期待できます。成分がシンプルで低刺激のものを選ぶようにしましょう。
市販薬を使用しても症状が改善しない場合や、使用後に症状が悪化した場合は、自己判断で使い続けるのをやめ、皮膚科を受診してください。
Q. 日焼けを繰り返さないために日常でできる予防策は何ですか?
日焼けの繰り返しは紫外線ダメージを蓄積させ、シミ・シワ・皮膚がんリスクの増加につながります。日常の外出にはSPF30・PA++以上、海やプールではSPF50+・PA++++の日焼け止めを使用し、広いつばの帽子・日傘・UVカット衣類も活用しましょう。紫外線が特に強い午前10時〜午後2時の外出は避けることが理想的です。曇りや冬でも紫外線は存在するため、年間を通じた対策の習慣化が大切です。
💡 病院・クリニックを受診すべき症状のチェックポイント

日焼けのほとんどはセルフケアで対処できますが、以下のような症状がある場合は医療機関の受診が必要です。
水ぶくれ(水疱)が複数できている場合、または広範囲にわたる場合は受診を検討してください。前述のとおり、水疱は真皮層まで損傷が及んでいるサインであり、感染リスクもあるため、適切な処置が必要です。
38℃以上の発熱を伴う場合は要注意です。特に高い発熱・悪寒・嘔吐・意識の混濁を伴う場合は、熱中症や重篤な炎症反応の可能性があり、早急な対応が必要です。
2〜3日経っても症状が改善しない場合、または悪化している場合も受診の目安です。通常、軽度の日焼けは2〜3日で症状のピークを過ぎ、徐々に回復していきます。それ以上経っても痛みや赤みが続く場合は、炎症が慢性化している可能性があります。
患部に化膿(黄色い膿)や悪臭がある場合は、二次感染の可能性があります。傷ついた皮膚から細菌が侵入して感染症を起こしていることがあるため、早めに皮膚科を受診してください。
子どもや高齢者、免疫が低下している方(糖尿病患者さん・ステロイド長期服用者など)は、日焼けによる影響を受けやすいため、症状が軽く見えても早めに受診することをおすすめします。
また、日焼け後に色素沈着やシミが残ってしまった場合は、美容皮膚科への相談も有効です。レーザー治療や光治療、適切な外用薬の処方など、専門的なアプローチでシミの改善を図ることができます。アイシークリニック上野院では、日焼けによる色素沈着やシミに関するご相談も承っていますので、気になる方はお気軽にご相談ください。
✨ 日焼けを繰り返さないための予防策
日焼けは一度で大きなダメージを残すこともありますが、それ以上に問題なのは「繰り返し日焼けをすること」です。紫外線によるDNAダメージは蓄積されるため、長年にわたって繰り返し日焼けをすることは皮膚がんリスクを高め、深刻な光老化(シワ・たるみ・シミ)を進行させます。以下の予防策を日常生活に取り入れましょう。
日焼け止めの正しい使用は、最も基本的かつ効果的な予防法です。日焼け止めはSPFとPAという二つの指標で紫外線防御能力が表されています。SPFはUVBを防ぐ効果を、PAはUVAを防ぐ効果を示します。日常の外出であればSPF30・PA++程度、海やプールなどの強い日差しの下ではSPF50+・PA++++程度を使用するのが目安です。日焼け止めは外出の15〜30分前に塗り、2〜3時間ごとに塗り直すことで効果を維持できます。
物理的な紫外線対策も重要です。帽子(できればつばの広いもの)、日傘、UVカット加工の衣類、サングラスなどを活用することで、皮膚だけでなく目も紫外線から守ることができます。特に紫外線が強い時間帯(午前10時〜午後2時)の外出はできるだけ避けるか、十分な対策をとりましょう。
日常的な保湿ケアも、紫外線ダメージへの抵抗力を高める意味で大切です。肌のバリア機能が正常に保たれていると、外部からの刺激(紫外線を含む)に対してより強くなります。毎日の洗顔後は化粧水と保湿クリームで肌を整える習慣をつけましょう。
食生活の面では、抗酸化物質を豊富に含む食品を積極的に摂取することが肌の紫外線ダメージ軽減に役立ちます。ビタミンC(柑橘類・キウイ・赤ピーマンなど)、ビタミンE(ナッツ類・アボカドなど)、βカロテン(にんじん・かぼちゃなど)、リコピン(トマトなど)は特に注目されている成分です。これらの栄養素は体内で抗酸化作用を発揮し、紫外線によって生じる活性酸素のダメージを軽減する働きがあります。
また、日焼けリスクは季節だけでなく天候にも依存しません。曇りの日でも紫外線量は晴れの日の60〜80%程度あり、また冬でも春先から紫外線量は増加します。「今日は曇りだから大丈夫」「冬だから日焼けしない」という油断が繰り返しのダメージにつながります。紫外線対策は年間を通じた習慣として取り組むことが大切です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、夏季になると日焼けによる皮膚トラブルでご来院される患者様が増える傾向にあり、「軽い日焼けだと思っていたら水ぶくれができてしまった」というケースも少なくありません。日焼けは医学的には「日光皮膚炎」というれっきとした皮膚の炎症であり、水疱形成や発熱を伴う場合は早めにご受診いただくことをお勧めします。また、急性期の炎症が治まった後も紫外線対策と保湿ケアを継続することが、将来的なシミや色素沈着の予防につながりますので、気になる症状がある方はどうぞお気軽にご相談ください。」
📌 よくある質問
日焼けに気づいたら、まず患部を冷やすことが最優先です。流水や冷水で10〜20分程度冷却し、炎症の広がりと痛みを抑えましょう。ただし、氷や保冷剤を直接肌に当てるのは凍傷のリスクがあるため避けてください。冷却後は保湿ケアを行い、それ以上日光を浴びないようにすることが基本です。
絶対に自分で潰さないでください。水ぶくれの中の液体は皮膚を保護し修復を促す役割があります。無理に潰すと雑菌が侵入し、感染症を引き起こすリスクがあります。水ぶくれができている場合は真皮層まで損傷が及んでいるサインのため、速やかに医療機関を受診することを強くおすすめします。
無理に剥がすのは避けてください。皮膚が剥けるのは傷ついた表皮細胞が脱落する正常な修復過程ですが、強制的に剥がすと新しい皮膚が傷つき、炎症が長引いたり色素沈着の原因になることがあります。剥けている期間は特に丁寧に保湿ケアを行い、スクラブや摩擦の多い洗顔は避けましょう。
炎症が落ち着いた後も紫外線対策を継続することが最も重要です。日焼け止め(SPF30以上)を毎日使用し、2〜3時間ごとに塗り直しましょう。また、ビタミンC誘導体配合のスキンケア製品はメラニン生成を抑制する効果が期待できます。それでも色素沈着が残る場合は、美容皮膚科への相談もご検討ください。
以下の症状がある場合は医療機関への受診をおすすめします。①水ぶくれが複数または広範囲にできている、②38℃以上の発熱・悪寒・嘔吐・意識の混濁がある、③2〜3日経っても症状が改善しないまたは悪化している、④患部に化膿や悪臭がある、などです。子どもや高齢者は症状が軽くても早めの受診をおすすめします。
🎯 まとめ
日焼けは単なる肌の色の変化ではなく、紫外線による皮膚の炎症ダメージです。症状の重さによって対処法は異なりますが、共通して「まず冷やす」「保湿する」「これ以上日光を浴びない」という基本をおさえることが大切です。
軽度の赤みやヒリヒリ感はセルフケアで対処できることが多いですが、水ぶくれ・発熱・広範囲の皮膚ダメージがある場合は医療機関への受診が必要です。また、日焼け後の色素沈着を防ぐためには、炎症が治まった後も紫外線対策を継続し、保湿やビタミンC系のスキンケアを取り入れることが有効です。
日焼けは繰り返すことで皮膚へのダメージが蓄積し、将来的なシミ・シワ・たるみ、さらには皮膚がんのリスクにつながります。日焼け止めの適切な使用をはじめとした日々の紫外線対策を習慣化し、大切な肌を守りましょう。もし日焼けによるシミや色素沈着でお悩みの方は、美容皮膚科でのご相談もご検討ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 日光皮膚炎(サンバーン)の診断基準・治療方針および紫外線による皮膚炎症反応のメカニズムに関する医学的根拠
- 厚生労働省 – 紫外線対策・日焼け止めの正しい使用方法(SPF・PA指標の解説)および熱中症予防との関連情報
- WHO(世界保健機関) – UVA・UVBが皮膚に与えるダメージ(DNA損傷・光老化・皮膚がんリスク)および国際的な紫外線防護基準に関する根拠情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務