夏の海水浴やアウトドア、うっかり長時間外出したあとに気づく日焼けのひりひり感。数日後には皮膚が赤くなり、やがて皮がぱりぱりとむけてくる、いわゆる「皮むけ」に悩む方は少なくありません。「早くきれいに治したい」「ぺりぺり剥がしてもいいの?」「何を塗ればいい?」といった疑問を抱えながら、間違ったケアをしてしまうケースも多く見受けられます。日焼けの皮むけは、皮膚が紫外線ダメージから回復しようとしている自然なプロセスの一部ですが、対処法を誤るとシミや色素沈着、さらにはかえって回復を遅らせる原因になることもあります。このコラムでは、日焼けの皮むけが起こる仕組みから、早く治すために今日からできるケア方法、絶対にやってはいけないNGな行動、そして医療機関への相談が必要なサインまで、わかりやすく解説していきます。
目次
- 日焼けの皮むけとは?仕組みを知っておこう
- 日焼けの皮むけが起こるまでの流れ
- 皮むけを早く治すために今すぐできるケア
- 日焼けの皮むけで絶対にやってはいけないNG行動
- 皮むけ後に残るシミ・色素沈着を防ぐには
- 市販薬・外用薬の上手な活用法
- 皮むけがひどい・なかなか治らないときの受診の目安
- まとめ
この記事のポイント
日焼けの皮むけは紫外線ダメージからの自然な回復過程であり、冷却・保湿・紫外線対策の3つが基本ケア。皮を無理に剥がす行為やスクラブは色素沈着を招くNG行動。2週間以上改善しない場合や全身症状がある場合は皮膚科への受診が必要。
🎯 1. 日焼けの皮むけとは?仕組みを知っておこう
日焼けの皮むけを正しくケアするためには、まずその仕組みを理解することが大切です。日焼け(サンバーン)は、紫外線、特にUVBと呼ばれる波長の短い紫外線が皮膚の細胞にダメージを与えることで起こります。過剰な紫外線を浴びると、表皮の細胞(ケラチノサイト)がDNAレベルで傷つき、炎症反応が引き起こされます。この炎症反応こそが、あの「赤み」「ほてり」「ひりひり感」の正体です。
炎症が起きた表皮では、ダメージを受けた細胞を取り除こうとする身体の防御機能が働きます。傷ついた細胞はプログラムされた細胞死(アポトーシス)によって死滅し、その後、新しい細胞が下から押し上げられながら皮膚が再生されていきます。このとき、死滅して剥がれ落ちる細胞の集まりが「皮むけ」として目に見えるわけです。つまり、皮むけは皮膚が紫外線ダメージから回復しようとしている証拠であり、決して病的な症状というわけではありません。
ただし、皮むけが起きているということは、皮膚のバリア機能が大幅に低下しているということでもあります。通常、皮膚の最表面にある角層は外部の刺激や細菌、紫外線などから身体を守る重要な役割を担っています。しかし日焼けの皮むけが起きている状態では、この角層が正常に機能していないため、外部刺激に対してとても敏感になっています。だからこそ、この時期の適切なケアが回復速度や、その後の肌状態に大きく影響するのです。
Q. 日焼けの皮むけはなぜ起こるのですか?
日焼けの皮むけは、紫外線(主にUVB)が表皮細胞のDNAを傷つけることで起こります。ダメージを受けた細胞はアポトーシスと呼ばれるプログラムされた細胞死によって死滅し、新しい細胞と入れ替わる過程で死滅した細胞が剥がれ落ちます。これは皮膚が紫外線ダメージから回復しようとしている自然なプロセスです。
📋 2. 日焼けの皮むけが起こるまでの流れ
日焼けをしてから皮むけが起こるまでには、一般的に以下のような段階があります。それぞれのタイミングに合ったケアが重要になります。
日焼け直後から数時間後にかけては、皮膚が赤くなり始め、ひりひりとした痛みや熱感が現れます。これが急性炎症の時期です。この段階では、皮膚の血管が拡張し、炎症性のサイトカインが分泌されています。重症の場合には水ぶくれ(水疱)が形成されることもあります。
日焼けから1〜2日後は、赤みや熱感が最も強くなることが多い時期です。この時期はとにかく炎症を悪化させないことが最優先です。さらなる紫外線への露出を避け、肌を冷やして落ち着かせることが重要になります。
日焼けから3〜5日後になると、赤みやひりひり感が落ち着いてきて、代わりに皮膚が乾燥し、突っ張り感を覚えるようになります。これは皮膚表面の細胞が死滅して乾燥し始めているサインで、間もなく皮むけが始まるタイミングです。
日焼けから5〜7日後以降は、皮がぱりぱりとむけ始める皮むけの本格的な開始時期です。軽い日焼けであれば1週間前後で皮むけがおさまりますが、強い日焼けや広範囲の場合は2週間以上続くこともあります。
この流れを知っておくことで、「今どの段階にあるのか」を把握し、その段階に合ったケアを選ぶことができます。特に炎症がある時期と、皮むけが始まった時期ではケアの方針が異なりますので、焦らず段階に合わせた対応を心がけましょう。
Q. 日焼けの皮むけを早く治すケア方法は?
日焼けの皮むけを早く治す基本は「冷却・保湿・紫外線対策」の3つです。炎症期はぬるめのシャワーで冷やし、皮むけが始まったらセラミドやヒアルロン酸を含む低刺激の保湿剤を入浴後5〜10分以内に塗布します。追加の紫外線ダメージを防ぐため、外出時は日焼け止めと帽子・日傘を活用しましょう。
💊 3. 皮むけを早く治すために今すぐできるケア
皮むけを少しでも早くきれいに治すためには、適切なケアをタイミングよく行うことが大切です。以下に、段階ごとの具体的なケア方法を詳しく紹介します。
🦠 炎症期(日焼け直後〜数日)のケア
日焼けをした直後は、まず冷却が最優先です。ただし、氷や冷たい保冷剤を直接皮膚に当てると低温やけどや血流障害を招く恐れがあるため、タオルに包んで使うか、冷水で絞ったタオルをそっと肌に当てる方法が安全です。シャワーを浴びる場合はぬるめのお湯(38℃前後)を使い、熱いお湯は炎症を悪化させるため厳禁です。入浴後は、なるべく早めに保湿を行いましょう。
炎症期は皮膚が非常に敏感になっているため、洗顔や洗体の際には刺激の少ないマイルドな洗浄料を選び、ゴシゴシこすらずやさしく洗うことが重要です。ナイロンタオルやスクラブ入りの洗浄料は絶対に使わないようにしましょう。
痛みやひりひり感が強い場合は、市販のヒドロコルチゾン(副腎皮質ステロイド)が配合された外用薬が炎症を抑えるのに役立つことがあります。ただし、ステロイド外用薬には適切な使い方があるため、後述するポイントを参考にしてください。
👴 皮むけ期(日焼けから5日〜)のケア
皮むけが始まったら、保湿ケアが回復を左右する最も重要なポイントになります。皮膚のバリア機能が低下しているこの時期は、水分が蒸発しやすく乾燥が進みやすい状態です。乾燥が進むと皮むけがひどくなり、かゆみや炎症が長引く原因にもなります。
保湿剤としては、セラミドやヒアルロン酸、グリセリンなどの成分を含む低刺激の乳液やクリームが適しています。香料やアルコール(エタノール)を多く含む化粧品は刺激になるため、この時期は避けた方が無難です。「敏感肌用」や「無香料・無着色」と表記のある製品を選ぶと安心です。
保湿は1日に何度か行うことが理想的で、特に入浴後は皮膚がやわらかくなっており保湿成分が浸透しやすいため、入浴後5〜10分以内に塗布する習慣をつけましょう。また、日中も乾燥を感じたらこまめに塗り直すことで、皮膚の回復を後押しできます。
🔸 紫外線を徹底的に避ける
皮むけが起きている間は、追加の紫外線ダメージを受けると回復が大幅に遅れ、シミや色素沈着が残りやすくなります。できる限り外出を控え、やむを得ず外出する際は日焼け止めを使用したうえで、帽子・長袖・日傘などでしっかり遮光しましょう。
ただし、皮むけが起きている肌に日焼け止めを塗ることに抵抗を感じる方もいます。炎症が残っている状態では刺激が強すぎる場合があるため、炎症が落ち着いてから使用するか、低刺激タイプ・ノンケミカル(紫外線散乱剤のみを使用)の日焼け止めを選ぶとよいでしょう。
💧 水分補給と栄養補給も忘れずに
皮膚の回復には、外側からのケアだけでなく、内側からのサポートも欠かせません。日焼けをすると体内の水分が失われやすく、脱水状態になると皮膚の回復が遅れます。こまめな水分補給を心がけてください。
栄養面では、皮膚の再生に関わるビタミンCやビタミンE、亜鉛などを積極的に摂ることが効果的です。ビタミンCはコラーゲンの合成を助けるほか、抗酸化作用によって紫外線ダメージから皮膚を守る働きがあります。柑橘類・ブロッコリー・パプリカなどに豊富に含まれています。ビタミンEは細胞膜の酸化を防ぐ働きがあり、ナッツ類・アボカド・植物油などに多く含まれています。亜鉛は皮膚の修復に重要なミネラルで、牡蠣・赤身肉・大豆製品などから摂取できます。
🏥 4. 日焼けの皮むけで絶対にやってはいけないNG行動
皮むけのケアにおいては、「やってしまいがちだけど実はNG」な行動がいくつかあります。善意でやっていることが回復を遅らせたり、肌トラブルを悪化させたりする原因になることがあるため、しっかり確認しておきましょう。
✨ 皮をむいたり引っ張ったりする
「気になってつい剥がしてしまう」という方は非常に多いですが、これは絶対に避けるべき行動です。まだ剥がれる準備ができていない皮を無理に引っ張ると、その下にある新しい皮膚(再生中の表皮)を傷つけてしまいます。傷ついた部分から雑菌が入り込んで感染症を引き起こしたり、色素沈着が起きてシミの原因になったりすることもあります。皮がむけるのは自然なプロセスなので、むけるべき時が来れば自然に取れます。焦って剥がす行為は百害あって一利なしです。
📌 スクラブや角質ケアを行う
「古い皮を早く取り除いてしまえば回復が早まる」と考えてスクラブケアをしようとする方がいますが、これも大きな間違いです。日焼けで皮むけが起きている皮膚はバリア機能が低下しており、スクラブの摩擦は過剰な刺激となります。炎症が再燃したり、バリア機能がさらに損なわれたりして、回復が大幅に遅れる原因となります。ピーリング剤(AHA・BHAなど)の使用も、皮むけが完全に落ち着くまでは控えましょう。
▶️ 熱いお風呂やサウナに入る
入浴は汚れを落とし清潔を保つためにも必要ですが、熱いお湯に長時間浸かると皮膚の血管が過剰に拡張し、炎症が悪化します。また、皮脂や保湿成分が過剰に洗い流されてしまい、乾燥がひどくなります。ぬるめ(38〜40℃程度)のお湯に短時間だけ浸かるか、シャワーで済ませることをお勧めします。サウナや岩盤浴も、日焼けの皮むけが起きている間は避けましょう。
🔹 アルコールや刺激の強い化粧品を使う
化粧水や美容液の中には、エタノール(アルコール)を多く含むものがあります。通常の状態では問題ない濃度でも、バリア機能が低下した皮むけ中の皮膚には強い刺激となり、ひりひり感やかゆみを引き起こすことがあります。香料・防腐剤・界面活性剤なども同様です。この期間は成分表示を確認し、なるべくシンプルで低刺激な製品だけを使うようにしましょう。
📍 日焼け直後に再び日光に当たる
「もう日焼けしたから今更大丈夫」と思って再び強い日光に当たるのは、非常に危険な行動です。既にダメージを受けている皮膚にさらなる紫外線が加わると、DNAへのダメージが蓄積されるだけでなく、皮むけの回復を著しく遅らせ、シミや色素沈着のリスクを高めます。長期的には皮膚がんのリスクを上げる可能性もあるため、日焼けをした後はしっかり紫外線対策をする意識を持つことが大切です。
Q. 日焼けの皮むけ中にやってはいけない行動は?
日焼けの皮むけ中に絶対避けるべき行動は5つあります。①皮を無理に剥がす、②スクラブや角質ケアを行う、③熱いお風呂やサウナに入る、④アルコール・香料を含む化粧品を使う、⑤日焼け後に再び強い日光に当たる、です。これらはバリア機能をさらに低下させ、色素沈着や回復遅延を招く原因となります。
⚠️ 5. 皮むけ後に残るシミ・色素沈着を防ぐには
日焼けの皮むけが治った後に残る「シミ」や「色素沈着」は、多くの方が悩む問題の一つです。なぜ色素沈着が起きるのかを理解したうえで、予防に取り組むことが重要です。
紫外線が皮膚に当たると、皮膚を紫外線から守るためにメラニン色素が産生されます。このメラニンが均一に排出されず皮膚に留まることで、シミや色素沈着が形成されます。特に皮むけの最中に皮を無理に剥がしたり、炎症が繰り返し起きたりすると、メラノサイトが過剰に活性化してしまい、色素沈着が起きやすくなります。
色素沈着を防ぐためにまず重要なのは、先ほども述べた「紫外線を避けること」です。皮むけが治った後も、できる限り日焼け止めを毎日塗る習慣をつけることで、今後のシミ形成リスクを下げることができます。日焼け止めはSPFとPAの両方の数値が高いものを選び、2〜3時間おきに塗り直すことが効果的です。
スキンケアの面では、ビタミンC誘導体を含む美容液や化粧品がメラニンの生成を抑制する効果を持っており、色素沈着の予防や改善に役立ちます。ただし、皮むけが起きている最中や炎症が残っている時期は刺激になる場合があるため、皮膚の状態が落ち着いてから取り入れるようにしましょう。
食事面でのビタミンCやビタミンE、ポリフェノールの摂取も、内側からのメラニン抑制に効果的とされています。日焼け後の食生活を意識するだけでも、色素沈着の程度が変わってくることがあります。
また、すでにシミや色素沈着が目立つ場合は、皮膚科やクリニックへの相談も選択肢の一つです。トラネキサム酸やハイドロキノンを含む処方薬や、レーザー治療・フォトフェイシャルなどの医療施術は、自宅ケアでは難しいシミにも有効なアプローチです。
🔍 6. 市販薬・外用薬の上手な活用法
日焼けの皮むけに対して、市販薬を上手に活用することも回復を助ける有効な手段です。ここでは、代表的な市販薬の種類と使い方のポイントを解説します。
💫 ステロイド外用薬(ヒドロコルチゾン)
市販の外用ステロイド薬は、炎症を抑えることで日焼けによる赤みや痛み、かゆみを緩和するのに役立ちます。日本の市販薬でよく使われるのはヒドロコルチゾン(強さランク:ウィーク〜マイルド)です。炎症がある時期(皮むけが始まる前の赤みが強い段階)に使用するのが最も効果的です。
ただし、ステロイド外用薬はあくまでも炎症を抑えるためのものであり、使い過ぎると皮膚が薄くなるなどの副作用が出る可能性があります。市販薬の場合は1週間程度の使用を目安とし、それ以上続けても改善がない場合は皮膚科への受診を検討してください。顔への使用は特に慎重に行い、目の周りや粘膜部分には使用しないようにしましょう。
🦠 保湿外用薬(ヘパリン類似物質・ワセリンなど)
皮むけが始まった後のケアには、保湿外用薬が最も重要な役割を果たします。ヘパリン類似物質(ヒルドイドなど)は保水力が高く、皮膚のバリア機能を補助する効果があり、乾燥した皮むけの肌に非常に適しています。ドラッグストアでも類似成分を含む製品が入手可能です。
ワセリン(白色ワセリン)は非常に低刺激で皮膚表面をコーティングし、水分の蒸発を防ぐ効果があります。香料や防腐剤が入っていないシンプルな成分であるため、敏感になっている日焼け後の肌にも安心して使用できます。入浴後にたっぷり塗り込む方法が効果的です。
👴 かゆみが強い場合の抗ヒスタミン薬
皮むけに伴ってかゆみが強い場合は、市販の飲み薬タイプの抗ヒスタミン薬が症状を和らげるのに役立つことがあります。外用の抗ヒスタミン薬も市販されていますが、日焼けで傷ついた皮膚に直接塗ると接触性皮膚炎を起こすリスクがある成分もあるため、使用前に添付文書をよく確認することが大切です。かゆみが非常に強い場合や長引く場合は、医療機関での処方を受けることをお勧めします。
🔸 アロエジェル・天然成分系製品について

アロエベラを含む製品は、日焼けケアに昔から利用されてきた定番アイテムです。アロエに含まれる成分には抗炎症作用や保湿作用があるとされており、日焼けの炎症を和らげる効果が期待できます。ただし、アロエ製品の中には香料や防腐剤を含むものもあるため、成分を確認して純粋度の高いものを選ぶことが重要です。また、アロエにアレルギーを持つ方もいるため、使用前に腕の内側などでパッチテストをすることをお勧めします。
Q. 日焼けの皮むけで皮膚科を受診すべき目安は?
日焼けの皮むけで皮膚科への受診が必要なサインは主に4つです。①水ぶくれが広範囲に及ぶ、または破れている、②2週間以上経っても症状が改善しない、③発熱・悪寒・頭痛などの全身症状がある、④顔や目の周りに強い炎症・腫れがある場合です。アイシークリニックでも日焼け後のシミや色素沈着のご相談を承っています。
📝 7. 皮むけがひどい・なかなか治らないときの受診の目安
多くの日焼けによる皮むけは1〜2週間程度でおさまり、自宅でのケアで十分回復します。しかし、以下のような場合は皮膚科またはクリニックへの受診を検討する必要があります。
💧 水ぶくれが広範囲に及んでいる・破れた場合
日焼けによる水疱(水ぶくれ)は、表皮と真皮の間に体液が溜まったもので、強い日焼けのサインです。小さな水疱がいくつかある程度であれば自然に回復することが多いですが、広範囲に及んでいる場合や、水疱が破れて傷になっている場合は感染症のリスクがあります。このような状態では医療機関での適切な処置が必要です。自分で水疱を針などで潰すことは絶対に避けてください。
✨ 2週間以上経っても皮むけが続く・悪化している
通常の日焼けによる皮むけは2週間程度でおさまるはずです。それ以上続く場合や、適切なケアを行っているにもかかわらず症状が悪化している場合は、単純な日焼けではなく、別の皮膚疾患(接触性皮膚炎・多形性日光疹・光線過敏症など)が関わっている可能性があります。皮膚科専門医に診てもらうことをお勧めします。
📌 発熱・悪寒・頭痛・吐き気などの全身症状がある
日焼けが非常に重症な場合、皮膚症状だけでなく発熱・悪寒・頭痛・吐き気・めまいなどの全身症状が現れることがあります。これは熱中症との合併や、日射病と呼ばれる状態の可能性があり、医療機関での緊急対応が必要です。このような症状が出た場合は、皮膚科だけでなく内科・救急外来への受診も視野に入れてください。
▶️ 顔や目の周りに強い炎症・腫れがある
顔や目の周りの皮膚は特に薄く、炎症が強く出ることがあります。目の周りが腫れる・目が開けにくい・視力に変化を感じるといった場合は、専門医への受診が必要です。また、顔の日焼けは後にシミや色素沈着が残りやすい部位でもあるため、専門的なアドバイスを受けることで回復後のケアプランを立てることができます。
🔹 シミや色素沈着が気になる場合
日焼けの皮むけが治った後に残るシミや色素沈着は、自宅ケアだけでは改善に時間がかかることがあります。皮膚科やクリニックでは、ハイドロキノン・トレチノイン・トラネキサム酸などの処方薬のほか、ケミカルピーリング・フォトフェイシャル(IPL)・レーザー治療などの医療美容施術によって、シミを効率的に改善するアプローチが可能です。特にシミが気になる方は、皮むけが完全に治ってから、美容皮膚科やクリニックへ相談することをお勧めします。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、日焼け後の皮むけが気になってつい皮を剥がしてしまい、色素沈着が残った状態でご来院される方が少なくありません。皮むけは皮膚が自然に回復しようとしているサインですので、焦らず保湿と紫外線対策を丁寧に続けていただくことが、きれいな肌への一番の近道です。セルフケアで改善が見られない場合や、シミ・色素沈着が気になる場合は、お早めにご相談いただければ患者様お一人おひとりの肌状態に合わせた適切なケアプランをご提案できますので、どうぞお気軽にご来院ください。」
💡 よくある質問
日焼けによって紫外線(主にUVB)が表皮細胞のDNAを傷つけると、炎症反応が起きます。ダメージを受けた細胞はアポトーシス(プログラムされた細胞死)によって死滅し、新しい細胞と入れ替わる過程で、死滅した細胞が剥がれ落ちるのが「皮むけ」です。皮膚が紫外線ダメージから回復しようとしている自然なプロセスといえます。
絶対に避けてください。まだ剥がれる準備ができていない皮を無理に引っ張ると、再生中の新しい皮膚を傷つけてしまいます。傷口から細菌が入り込んで感染症を引き起こしたり、シミや色素沈着の原因になったりするリスクがあります。皮むけは自然に任せるのが最善です。
セラミド・ヒアルロン酸・グリセリンを含む低刺激の乳液やクリームが適しています。また、白色ワセリンは香料や防腐剤を含まないシンプルな成分で、バリア機能が低下した日焼け後の肌にも安心して使えます。香料・アルコール(エタノール)を多く含む化粧品はこの時期は避けましょう。
最も重要なのは徹底した紫外線対策です。皮むけ中および回復後も、SPF・PAの高い日焼け止めを2〜3時間おきに塗り直す習慣をつけましょう。また、ビタミンC誘導体を含む美容液の使用(炎症が落ち着いてから)や、ビタミンC・Eを含む食事も色素沈着の予防に効果的です。
以下の場合は皮膚科への受診をお勧めします。①水ぶくれが広範囲に及ぶ、または破れている ②2週間以上経っても症状が改善しない・悪化している ③発熱・悪寒・頭痛・吐き気などの全身症状がある ④顔や目の周りに強い炎症・腫れがある場合です。アイシークリニックでも、日焼け後のシミや色素沈着についてご相談を承っています。
✨ まとめ
日焼けの皮むけは、紫外線ダメージから皮膚が回復しようとしている自然なプロセスです。しかし、対処法を誤ると回復が遅れたり、シミや色素沈着などの後遺症が残ったりするリスクがあります。
皮むけを早く治すための基本は、「冷却・保湿・紫外線対策」の3つです。炎症が強い時期はまず肌を冷やして炎症を落ち着かせ、皮むけが始まったら低刺激の保湿剤でたっぷり保湿しながら、追加の紫外線ダメージを防ぐことが大切です。皮を無理に引っ張る・スクラブケアをする・熱い湯船に浸かるといったNG行動は必ず避けましょう。
水ぶくれが広範囲に及んでいる・2週間以上経っても症状が改善しない・発熱などの全身症状がある場合は、迷わず医療機関へ相談することをお勧めします。また、皮むけが治った後のシミや色素沈着が気になる場合も、専門のクリニックへ相談することで適切なアドバイスや治療を受けることができます。
今回の記事でご紹介した知識を参考に、日焼けした皮膚をいたわりながら、焦らず丁寧なケアを続けてみてください。正しい対処法を実践することが、最終的な回復の近道となります。肌のことで気になることや不安な点があれば、お近くの皮膚科や美容クリニックへ早めにご相談ください。アイシークリニック上野院でも、日焼けによるシミや色素沈着のケアについてご相談を承っております。どうぞお気軽にお問い合わせください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 日焼け(サンバーン)のメカニズム、UVBによる表皮細胞へのダメージ、炎症反応、アポトーシス、皮むけのプロセス、および皮膚バリア機能に関する専門的根拠として参照
- 厚生労働省 – 紫外線(UV)対策に関する公式情報として参照。UVBの有害性、日焼け止めのSPF・PA値の説明、紫外線による皮膚へのリスク(色素沈着・皮膚がんリスク)の根拠として活用
- WHO(世界保健機関) – 紫外線の国際的な健康リスク評価、サンバーンの定義と重症度分類、紫外線による長期的皮膚ダメージ(DNA損傷・皮膚がんリスク)に関するエビデンスとして参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務