夏のレジャーやスポーツを楽しんだ翌日、日焼けした肌にかゆみとともに小さなブツブツが現れて困った経験はありませんか。「ただの日焼けだから放っておけば治るだろう」と思いがちですが、日焼け後のかゆいブツブツにはいくつかの異なる原因があり、症状によっては適切な対処が必要なケースもあります。また、間違ったケアをしてしまうと症状を悪化させたり、色素沈着などの肌トラブルを引き起こしたりすることもあります。この記事では、日焼け後にかゆいブツブツが出る原因から、症状別の正しい対処法、そして皮膚科やクリニックを受診すべきタイミングまで、医療の観点からわかりやすく解説します。
目次
- 日焼けとはどのような状態なのか
- 日焼け後にかゆいブツブツが出る主な原因
- 日光じんましんとはどんな症状か
- 多形性日光疹(たけいせいにっこうしん)について
- 汗疹(あせも)との違いを知ろう
- 日焼け後の肌に現れる接触皮膚炎
- 日焼け後のかゆいブツブツを悪化させるNG行動
- 自宅でできる正しいケア方法
- 病院・クリニックを受診すべき症状の目安
- 日焼けによる肌トラブルを予防するために
- まとめ
この記事のポイント
日焼け後のかゆいブツブツは、日光じんましん・多形性日光疹・汗疹・接触皮膚炎など原因が多様で、症状が繰り返す・長引く場合は皮膚科受診が必要。
🎯 日焼けとはどのような状態なのか
日焼けという言葉はとても一般的に使われていますが、医学的には「日光皮膚炎」または「サンバーン」と呼ばれる皮膚の炎症反応です。太陽光に含まれる紫外線(UV)が皮膚に当たることで起こり、主に短波長のUVB(紫外線B波)が関与しています。
紫外線が皮膚に当たると、皮膚の細胞(ケラチノサイト)がダメージを受け、炎症性サイトカインと呼ばれる物質が放出されます。これが皮膚の血管を拡張させ、発赤(赤み)や熱感、腫れ、痛み、そしてかゆみを引き起こします。日焼けはいわば皮膚に起きた「やけど」の一種であり、軽度のものから重症のものまでさまざまなレベルがあります。
軽度の日焼けでは皮膚が赤くなる程度ですが、強い紫外線に長時間さらされると水ぶくれ(水疱)ができたり、発熱、頭痛、吐き気などの全身症状を伴うこともあります。さらに、紫外線によるダメージが蓄積されると、シミや色素沈着、皮膚のたるみ、光老化、さらには皮膚がんのリスク増加につながることもわかっています。
日焼け後にかゆみやブツブツが現れる場合は、単純な日光皮膚炎だけでなく、いくつかの異なる皮膚反応が起きている可能性があります。次のセクションから、それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
Q. 日焼けとは医学的にどのような状態ですか?
日焼けは医学的に「日光皮膚炎」または「サンバーン」と呼ばれる皮膚の炎症反応です。主にUVBが皮膚細胞を傷つけ、炎症性サイトカインが放出されることで赤み・熱感・かゆみが生じます。いわば皮膚に起きた「やけど」の一種です。
📋 日焼け後にかゆいブツブツが出る主な原因
日焼け後にかゆいブツブツが出る原因は一つではなく、いくつかの異なるメカニズムが考えられます。主な原因をまとめると、以下のようなものが挙げられます。
まず、日焼けそのものによる炎症反応です。紫外線によってダメージを受けた皮膚は炎症を起こし、かゆみを感じさせる物質(ヒスタミンやプロスタグランジンなど)が放出されます。これが赤みやかゆみを伴うブツブツの原因になることがあります。
次に、紫外線に対するアレルギー反応に近い「光線過敏症」の一種として、日光じんましんや多形性日光疹があります。これらは体が紫外線に対して過剰反応してしまう状態で、日焼けとは異なるメカニズムで起きます。
また、日焼けと同時に汗をかいている場合は、汗疹(あせも)が混在していることもあります。さらに、日焼け止めや化粧品、衣類の素材などに対するアレルギー反応(接触皮膚炎)が日焼けと重なって症状が出ることもあります。
それぞれの原因によって適切な対処法が異なるため、自分の症状がどれに近いかを理解することが大切です。以降のセクションで、各原因について詳しく解説します。
💊 日光じんましんとはどんな症状か
日光じんましんは、紫外線や可視光線が皮膚に当たることで数分以内に発症する即時型のじんましんです。光線過敏症の一種であり、比較的珍しい疾患ではありますが、意外と気づかれていないケースも多くあります。
症状は、日光が当たった部分にかゆみと赤みを伴う膨疹(ぼうしん:蚊に刺されたような盛り上がり)が現れます。日光を浴びてから数分以内に症状が出始め、日光を避けると数時間以内に消えることが多いのが特徴です。ひどい場合には、かゆみだけでなく、チクチクした灼熱感(しゃくねつかん)を感じることもあります。
日光じんましんは女性に多く、特に20〜40代に多い傾向があります。発症のメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、紫外線によって皮膚内で生成された光アレルゲンが免疫反応を引き起こし、肥満細胞からヒスタミンが放出されることで発症すると考えられています。
日光じんましんは、通常の日焼けとは異なり、日光に当たるたびに繰り返し症状が現れます。「毎年夏になると日光を浴びると蕁麻疹が出る」「短時間の日光でもすぐにかゆくなる」という方は、日光じんましんの可能性を考えてみてください。
治療には、抗ヒスタミン薬の内服や、光線療法による脱感作療法が用いられることがあります。自己判断での対処が難しい疾患ですので、症状が繰り返す場合は皮膚科への受診をお勧めします。
Q. 日光じんましんと多形性日光疹の違いは何ですか?
日光じんましんは日光を浴びて数分以内に膨疹が現れ、日光を避けると数時間で消えます。一方、多形性日光疹は日光を浴びてから数時間後〜翌日にかけて赤いブツブツや水ぶくれが生じ、数日〜2週間ほど続く点が大きな違いです。
🏥 多形性日光疹(たけいせいにっこうしん)について
多形性日光疹は、光線過敏症の中で最も頻度が高い疾患の一つです。日光じんましんとは異なり、日光を浴びてから数時間後から翌日にかけて症状が現れる、遅延型の反応です。
名前に「多形性」とあるように、症状の出方がさまざまな形をとることが特徴です。小さな赤いブツブツ(丘疹)、水疱(小さな水ぶくれ)、プラーク(平たく盛り上がった病変)など、人によって異なる形で現れます。主に首や胸の前面、腕の外側など、日光に当たりやすい部位に発症し、強いかゆみを伴います。
多形性日光疹は春から夏にかけての季節の変わり目に発症しやすく、冬の間に日光を浴びる機会が少なかった後、春に急に日光を浴びると症状が出やすいとされています。また、女性に多く、遺伝的な要因も関与していると考えられています。
発症メカニズムは、紫外線(特にUVA:紫外線A波)によって皮膚の抗原性が変化し、T細胞を介した免疫反応が起きることで炎症が引き起こされると考えられています。通常のアレルギー反応とは少し異なる複雑なメカニズムが関与しています。
症状は通常、日光を避けると数日から1〜2週間程度で軽快します。しかし、紫外線を繰り返し浴びると慢性化することがあります。治療には、ステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬、重症の場合は光線療法(PUVA療法や狭帯域UVB療法)が行われることがあります。
「日焼けをするといつも翌日にかゆいブツブツが出る」という方は、多形性日光疹の可能性があります。自己判断で市販薬を使い続けるのではなく、皮膚科で正確な診断を受けることが重要です。
⚠️ 汗疹(あせも)との違いを知ろう
夏に日焼けをするような環境では、同時に大量の汗をかくことも多く、日焼けのブツブツと汗疹(あせも)が混在していることがよくあります。それぞれの違いを理解しておくことで、適切なケアができます。
汗疹とは、大量の汗をかいたときに汗管(汗の通り道)が詰まり、汗が皮膚内に溜まって炎症を起こす状態です。医学的には「粟粒疹(ぞくりゅうしん)」とも呼ばれ、透明な小さな水ぶくれのような「水晶様汗疹」と、赤く炎症を起こした「紅色汗疹」があります。紅色汗疹は特に強いかゆみを伴います。
汗疹と日焼けによるブツブツの違いを見分けるポイントとして、まず発症した部位を確認しましょう。汗疹は日光が当たった部位に関係なく、汗をかきやすい部位(首周り、わきの下、背中、胸など)に発症しやすい傾向があります。一方、多形性日光疹や日光じんましんは、日光が直接当たった部分に症状が現れます。
また、発症のタイミングも参考になります。汗疹は汗をかいた後に症状が出やすく、涼しい場所で汗が乾くと軽快する傾向があります。日焼けによるブツブツは日光を浴びた後に発症し、日光を避けても一定期間続くことが多いです。
汗疹の対処法としては、皮膚を清潔に保ち、汗をかいたらすぐに拭き取る、通気性の良い服を着る、冷却して皮膚の温度を下げるといった方法が有効です。かゆみが強い場合は、市販のかゆみ止め薬(ステロイドを含む外用薬や抗ヒスタミン薬の内服)が使用されることもあります。
ただし、日焼けと汗疹が同時に起きている場合は、皮膚のバリア機能が低下しているため、症状が長引いたり、細菌感染を合併したりするリスクがあります。症状が改善しない場合は医療機関への受診を検討してください。
🔍 日焼け後の肌に現れる接触皮膚炎
日焼け後の肌にかゆいブツブツが現れるもう一つの原因として、接触皮膚炎(かぶれ)が挙げられます。接触皮膚炎とは、皮膚に接触した物質によって引き起こされる炎症反応です。
日焼けをした後の肌は、紫外線ダメージによってバリア機能が著しく低下しています。通常であれば問題のない物質でも、ダメージを受けた肌には刺激となってかぶれを引き起こすことがあります。
日焼け後の接触皮膚炎を引き起こしやすい原因物質としては、以下のものが挙げられます。
日焼け止めに含まれる成分(紫外線吸収剤や防腐剤など)は、光接触皮膚炎を引き起こすことがあります。これは、特定の化学物質が紫外線と反応することでアレルゲンに変化し、皮膚炎を引き起こすものです。日焼け止めを塗った部位だけに症状が出る場合は、この可能性を考えてみましょう。
また、アフターサンケアのローションやジェルに含まれる香料、アルコール、植物エキスなども、ダメージを受けた肌には刺激になることがあります。「日焼け後のケアをしたらかえってかゆくなった」という場合は、使用した製品が原因の可能性があります。
柑橘系の果物(レモン、ライム、グレープフルーツなど)の汁が皮膚についた状態で日光を浴びると、光接触皮膚炎(植物性光皮膚炎)を起こすことがあります。これは海や山でのレジャー中に起きやすく、特徴的な模様のブツブツや水ぶくれが現れることがあります。
接触皮膚炎の場合、原因物質との接触を断つことが最も重要な対処法です。また、ステロイド外用薬が有効なことが多く、かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬の内服も使用されます。原因が特定できない場合や症状が繰り返す場合は、皮膚科でパッチテスト(貼付試験)を行って原因物質を特定することが重要です。
Q. 日焼け後のかゆいブツブツで絶対やってはいけない行動は?
最も避けるべきは掻きむしることです。炎症悪化・二次感染・色素沈着のリスクが高まります。他にも熱いお湯での入浴、アルコール含有化粧水の使用、水ぶくれを自分でつぶす行為も厳禁です。かゆいときは患部を冷やして対処しましょう。
📝 日焼け後のかゆいブツブツを悪化させるNG行動
日焼け後にかゆいブツブツが出たとき、思わずやってしまいがちな行動の中には、症状を悪化させるものがあります。以下のNG行動を覚えておき、避けるようにしましょう。
掻きむしってしまうことは、最も避けるべき行動です。かゆみがあると無意識に掻いてしまいがちですが、掻くことで皮膚のバリア機能がさらに破壊され、炎症が悪化します。また、爪の細菌が傷口から入り込み、二次感染(細菌感染)を起こすリスクがあります。さらに、色素沈着(日焼け跡が黒くなる)の原因にもなります。かゆいときは冷やすことが最も効果的です。
熱いお湯での入浴も避けましょう。日焼けした肌は炎症を起こしており、高温のお湯は血管をさらに拡張させ、炎症を悪化させます。また、皮膚の乾燥を促進し、かゆみを強める可能性があります。日焼け後はぬるめのシャワーを短時間で済ませることをお勧めします。
アルコールを含む化粧水やトナーの使用も注意が必要です。アルコールは皮膚の乾燥を促進し、ダメージを受けた肌にはさらなる刺激となります。日焼け後は、アルコールフリーの保湿剤を選ぶようにしましょう。
また、レモン汁や重曹、酢などの民間療法は、科学的な根拠がないだけでなく、かえって皮膚を刺激してしまうことがあります。特にpH(酸アルカリ度)が大きく異なる物質を炎症を起こした肌に使用することは危険です。
水ぶくれを自分でつぶすことも厳禁です。水ぶくれは皮膚が感染から身を守るための自然な反応であり、中の液体には細胞の回復を助ける成分が含まれています。自分でつぶすと感染リスクが高まり、治癒が遅れるだけでなく、傷跡が残る可能性もあります。
さらに、症状があるのに再び日光を浴び続けることも避けてください。日焼けして炎症を起こしている肌にさらに紫外線を浴びせると、症状が悪化するだけでなく、光線過敏症の悪化や色素沈着のリスクが高まります。
💡 自宅でできる正しいケア方法
日焼け後にかゆいブツブツが出たときに、自宅でできるケアをご紹介します。症状が軽度であれば、適切なセルフケアで改善することも多くあります。
まず最初に行うべきことは、冷却です。炎症を起こしている皮膚を冷やすことで、血管の拡張が抑えられ、かゆみや熱感が和らぎます。冷たいタオルや氷を薄い布に包んだもので、日焼けした部位を冷やしましょう。ただし、凍傷を防ぐために、氷を直接皮膚に当てることは避けてください。15〜20分程度の冷却を、必要に応じて数時間おきに繰り返すと効果的です。
次に、十分な保湿が重要です。日焼けした肌は水分が失われやすく、乾燥するとかゆみが増します。刺激の少ない保湿剤(無香料・無アルコール・低刺激処方のもの)を選び、冷却後に優しく塗布しましょう。アロエベラジェルは炎症を和らげる効果があるとされており、皮膚科医にも勧められることがあります。ただし、アロエに対してアレルギーがある方は避けてください。
市販薬の活用も一つの選択肢です。かゆみが強い場合は、市販の抗ヒスタミン薬(内服)が効果的なことがあります。また、ステロイドを含む外用薬(塗り薬)は炎症を抑えるのに効果的ですが、顔や特定の部位には使用に注意が必要です。薬局の薬剤師に相談した上で使用することをお勧めします。
水分補給も忘れずに行いましょう。日焼けによる炎症は体全体の水分を消費します。特に、広範囲に日焼けをした場合は脱水症状を起こすこともあるため、水やスポーツドリンクで十分な水分を補給することが大切です。
日光を避けることも重要なケアです。日焼け後の回復期間中は、できるだけ紫外線を避けましょう。外出する場合は、日焼け止め(ただし低刺激のものを選ぶ)、長袖の衣服、帽子、日傘などを活用して、皮膚への紫外線ダメージを最小限にすることが大切です。
入浴については、ぬるめのシャワーで汗や汚れを優しく洗い流しましょう。洗浄剤は低刺激のものを選び、ゴシゴシこするのではなく手で優しく洗うようにします。入浴後は保湿を忘れずに行いましょう。
また、かゆみで眠れない場合は、室温を涼しく保ち、通気性の良い素材の衣類を着ることが助けになります。綿素材は汗を吸収し、皮膚への刺激が少ないのでお勧めです。
Q. 日焼け後のブツブツで皮膚科を受診すべき目安は?
水ぶくれが広範囲にできている、発熱・頭痛などの全身症状がある、症状が1週間以上改善しない、日光を浴びるたびに繰り返し症状が出る、皮膚が化膿している場合は速やかに皮膚科を受診してください。市販薬で改善しない場合も受診の目安です。
✨ 病院・クリニックを受診すべき症状の目安
日焼け後のかゆいブツブツは、軽症であれば自宅でのケアで改善することが多いですが、以下のような症状がある場合は、速やかに皮膚科や医療機関を受診することをお勧めします。
水疱(水ぶくれ)が広範囲に形成されている場合は、重度の日焼けが疑われます。この状態は皮膚のバリア機能が大きく損なわれており、感染症のリスクも高いため、医師による適切な処置が必要です。
発熱、悪寒、頭痛、吐き気などの全身症状を伴う場合は、重篤な日焼けや熱中症の合併が考えられます。このような場合は、内科や救急への受診も検討してください。
症状が1週間以上改善しない場合や、悪化している場合も受診のサインです。通常の日焼けであれば、1〜2週間程度で症状が軽快します。それ以上続く場合は、多形性日光疹などの光線過敏症、または他の皮膚疾患が疑われます。
日光を浴びるたびに繰り返しかゆいブツブツが出る場合は、日光じんましんや多形性日光疹などの光線過敏症が疑われます。これらは自己判断で対処するのが難しい疾患であり、正確な診断と適切な治療が必要です。
皮膚が化膿している(黄色い膿が出る、周囲が赤く腫れて熱感がある)場合は、二次感染を起こしている可能性があります。抗菌薬による治療が必要なことがあるため、速やかに受診してください。
市販薬を使用しても効果がない場合も、受診を検討してください。適切な薬剤の選択や強さの調整が必要なことがあります。
アイシークリニック上野院では、日焼けによる皮膚トラブルから光線過敏症まで、皮膚の様々な問題に対応しています。「自分の症状がどの原因によるものかわからない」「繰り返す症状に悩んでいる」という場合は、お気軽にご相談ください。正確な診断のもと、症状に合った治療法をご提案します。
📌 日焼けによる肌トラブルを予防するために

日焼けによるかゆいブツブツや肌トラブルを防ぐためには、日頃からの紫外線対策が最も重要です。一度損傷した肌は回復に時間がかかり、繰り返しダメージを受けると長期的な悪影響が蓄積されます。効果的な予防方法について解説します。
日焼け止めの正しい使用が予防の基本です。日焼け止めはSPF(UVBカット指数)とPA(UVAカット指数)の両方が表示されているものを選びましょう。日常生活ではSPF30・PA+++程度のもので十分ですが、海や山などの強い紫外線が当たる場所ではSPF50+・PA++++のものを使用することをお勧めします。
日焼け止めは外出の20〜30分前に塗り、2〜3時間おきに塗り直すことが重要です。汗や水で流れやすいため、適切な量(顔全体で小さじ半分程度)を使用し、塗り残しがないようにしましょう。
紫外線が最も強い時間帯(午前10時〜午後2時)は、できるだけ直射日光を避けることをお勧めします。どうしても外出が必要な場合は、帽子、日傘、長袖の衣類などで物理的に紫外線を遮断することが有効です。
光線過敏症の既往がある方や、多形性日光疹を繰り返している方は、春から夏にかけて特に注意が必要です。皮膚科医の指示のもとで、光線療法による脱感作治療を事前に受けることで、症状を予防または軽減できる場合があります。
また、薬剤の中には光線過敏性を高めるもの(抗生物質の一部、利尿剤、抗うつ薬など)があります。これらの薬剤を服用している場合は、特に紫外線対策に注意しましょう。かかりつけ医や薬剤師に確認することをお勧めします。
食事面では、抗酸化作用を持つビタミンCやビタミンEを多く含む食品(緑黄色野菜、果物、ナッツ類など)を積極的に摂取することが、紫外線ダメージからの保護に役立つとされています。ただし、これだけで完全に日焼けを防ぐことはできませんので、あくまでも補助的な対策として捉えてください。
スキンケアの観点からは、日頃から肌のバリア機能を整えることも重要です。規則正しい生活、十分な睡眠、適切な保湿ケアを心がけることで、紫外線ダメージへの抵抗力を高めることができます。
日焼け止めのアレルギーが心配な方は、肌に優しい紫外線散乱剤(酸化亜鉛、酸化チタン)のみを使用したノンケミカルタイプの日焼け止めを選ぶと良いでしょう。紫外線吸収剤と比較して、皮膚刺激が少ないとされています。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、夏の時期になると「日焼け後のかゆいブツブツ」を主訴にご来院される患者様が増える傾向にありますが、実際に診察すると日光じんましんや多形性日光疹など、単純な日焼けとは異なる光線過敏症が原因であるケースも少なくありません。「毎年同じ症状が出る」「市販薬を使っても改善しない」という場合は、自己判断での対処を続けずに、ぜひ一度皮膚科での正確な診断を受けていただくことをお勧めします。お一人おひとりの症状の原因をしっかりと見極めた上で、最適なケアと予防法をご提案いたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。」
🎯 よくある質問
軽度の日焼けによるものであれば、冷却・保湿・日光を避けるセルフケアで1〜2週間程度で改善することが多いです。ただし、症状が1週間以上続く、繰り返し起こる、広範囲に水ぶくれができるといった場合は、光線過敏症などの可能性があるため、皮膚科への受診をお勧めします。
大きな違いは症状が出るタイミングです。日光じんましんは日光を浴びて数分以内に膨疹(盛り上がり)が現れ、日光を避けると数時間で消えます。一方、多形性日光疹は日光を浴びてから数時間後〜翌日にかけて赤いブツブツや水ぶくれが現れ、数日〜2週間ほど続くことが特徴です。
最も避けるべきは「掻きむしること」です。掻くことで炎症悪化・二次感染・色素沈着のリスクが高まります。また、熱いお湯での入浴、アルコール含有の化粧水の使用、水ぶくれを自分でつぶすことも厳禁です。かゆいときは患部を冷やすことで症状を和らげましょう。
日焼け止めに含まれる紫外線吸収剤や防腐剤が紫外線と反応してアレルゲンに変化し、皮膚炎を起こす「光接触皮膚炎」の可能性があります。このような場合は、紫外線吸収剤を使用しない紫外線散乱剤(酸化亜鉛・酸化チタン)のみのノンケミカルタイプの日焼け止めへの切り替えを検討してください。
以下に該当する場合は速やかに受診してください。①水ぶくれが広範囲にできている、②発熱・頭痛・吐き気などの全身症状がある、③症状が1週間以上改善しない・悪化している、④日光を浴びるたびに繰り返し症状が出る、⑤皮膚が化膿している、⑥市販薬を使っても効果がない場合です。アイシークリニック上野院でもお気軽にご相談ください。
📋 まとめ
日焼け後にかゆいブツブツが出る原因は、単純な日光皮膚炎による炎症反応だけでなく、日光じんましん、多形性日光疹、汗疹(あせも)、接触皮膚炎など、さまざまな可能性があることをお伝えしました。
それぞれの原因によって症状の現れ方や適切な対処法が異なるため、自分の症状をよく観察し、適切な対応をとることが大切です。軽度の日焼けによるものであれば、冷却、保湿、日光を避けるといったセルフケアで改善することが多いですが、症状が繰り返す、長引く、広範囲に水ぶくれができるなどの場合は、自己判断での対処ではなく、皮膚科や医療機関への受診をお勧めします。
また、日焼けによるかゆいブツブツを予防するためには、日頃からの適切な紫外線対策が最も効果的です。日焼け止めの正しい使用、物理的な遮光、紫外線が強い時間帯の外出を控えるなどの対策を組み合わせることで、肌トラブルのリスクを大幅に減らすことができます。
アイシークリニック上野院では、日焼けや光線過敏症に関するご相談はもちろん、日焼けによる色素沈着やシミなどの肌トラブルに対する治療も行っています。肌の悩みがある方は、お気軽にご相談ください。正確な診断と最適な治療で、健やかな肌を取り戻すお手伝いをいたします。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 日光じんましん・多形性日光疹・接触皮膚炎などの光線過敏症に関する診断基準や治療ガイドラインの参照
- 厚生労働省 – 紫外線対策・日焼けによる皮膚ダメージおよび健康への影響に関する公式情報の参照
- WHO(世界保健機関) – 太陽紫外線(UV)による皮膚炎・光線過敏症のメカニズムおよび国際的な紫外線対策指針の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務