夏のレジャーやスポーツを楽しんだあと、肌がひりひりするだけでなく、細かいぶつぶつが現れて驚いた経験はありませんか。日焼け後に生じるぶつぶつは「日焼けのせいだからそのうち治る」と放置しがちですが、実はその原因はひとつではありません。紫外線によるダメージ、汗の詰まり、アレルギー反応、感染など、さまざまなメカニズムが関係しており、それぞれに適した対処法が異なります。症状を正しく把握して適切にケアすることが、肌トラブルを長引かせないための第一歩です。この記事では、日焼け後にぶつぶつが生じる主な原因から、症状別の見分け方、自宅でできるケアの方法、そして医療機関への受診のタイミングまでを詳しく解説します。
目次
- 日焼けで肌にぶつぶつができるのはなぜ?
- 日焼け後のぶつぶつの種類と特徴
- 多形性日光疹(たけいせいにっこうしん)とは
- 日光蕁麻疹(にっこうじんましん)との違い
- あせも(汗疹)との見分け方
- 毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)や他の皮膚疾患との混同に注意
- 日焼け後のぶつぶつに対する正しいセルフケア
- 皮膚科・クリニックで受けられる治療
- ぶつぶつを予防するための紫外線対策
- まとめ
この記事のポイント
日焼け後のぶつぶつは多形性日光疹・日光蕁麻疹・あせも・接触皮膚炎など原因が多様で、症状に応じた冷却・保湿・抗ヒスタミン薬などのケアが必要。長引く・繰り返す場合は皮膚科受診が推奨される。
🎯 日焼けで肌にぶつぶつができるのはなぜ?
日焼けは、紫外線(UV)が皮膚に当たることで引き起こされる炎症反応です。紫外線にはUVA(波長315〜400nm)とUVB(波長280〜315nm)の2種類が存在し、それぞれ肌に対して異なるダメージを与えます。UVBは肌の表皮に強く作用し、赤みやひりつき、いわゆる「サンバーン(日焼け)」を起こします。一方、UVAは真皮の深部まで到達して、コラーゲンやエラスチンを破壊し、長期的なシワやたるみの原因となります。
このような紫外線の刺激が加わると、皮膚ではさまざまな免疫・炎症反応が活性化されます。その過程でヒスタミンやサイトカインなどの炎症性物質が放出され、血管が拡張・充血して赤みが生じるとともに、皮膚表面にぶつぶつとした変化が現れることがあります。また、強い紫外線によって皮膚のバリア機能が低下すると、汗腺や毛穴が詰まりやすくなり、さらに別のぶつぶつの原因となることも知られています。
加えて、紫外線に対する免疫応答は個人差が大きく、紫外線に敏感な体質の人では通常よりも強い反応が起こります。こうした体質的な要因が、日焼け後のぶつぶつが一部の人に強く現れる理由のひとつです。体質や生活環境によって症状の種類・程度が変わるため、「なぜ自分だけぶつぶつが出るのか」と悩まれている方も少なくありません。
Q. 日焼け後にぶつぶつができる主な原因は何ですか?
日焼け後のぶつぶつは「日焼けのせい」と一括りにされがちですが、原因は多岐にわたります。紫外線による過剰免疫反応(多形性日光疹)、即時アレルギー反応(日光蕁麻疹)、汗腺の詰まり(あせも)、日焼け止め成分によるかぶれ(接触皮膚炎)などが代表的な原因です。
📋 日焼け後のぶつぶつの種類と特徴
日焼け後に現れるぶつぶつには、原因・形状・分布などによっていくつかの種類があります。それぞれを正しく識別することが、適切なケアや治療につながります。以下に代表的な種類をまとめます。
まず、炎症性のぶつぶつとして代表的なのが「多形性日光疹」です。紫外線への過剰な免疫反応として現れるもので、小さな赤みを帯びた丘疹(きゅうしん)や水疱が日光にさらされた部位に多発します。日光が当たってから数時間〜数日後に出現し、かゆみを伴うことが多い点が特徴です。
次に「日光蕁麻疹」は、紫外線を浴びた直後(数分〜1時間以内)にかゆみのある膨疹(ぼうしん:盛り上がったぶつぶつ)が出現するタイプです。通常の蕁麻疹と同様に、症状は数時間以内に消えることが多いですが、繰り返し起こる場合があります。
また、汗や熱によって引き起こされる「あせも(汗疹)」も、日焼けの後に見られるぶつぶつとして多いものです。特に夏場の屋外活動では日焼けと同時にあせもが発生することがあり、混同されやすいです。
さらに、日焼けによるバリア機能低下をきっかけとして、もともとあった皮膚疾患(アトピー性皮膚炎など)が悪化したり、細菌・ウイルス感染が起きてぶつぶつが生じることもあります。このように、ひと口に「日焼け後のぶつぶつ」といっても、背景にある原因は多岐にわたります。
💊 多形性日光疹(たけいせいにっこうしん)とは
多形性日光疹は、日本人にも比較的多く見られる光線過敏症のひとつです。紫外線に対する遅延型の過剰免疫反応と考えられており、日光に当たった数時間後から翌日以降にかけて、露出した皮膚にぶつぶつが現れます。「多形性」という名前のとおり、丘疹・水疱・紅斑(こうはん)・蕁麻疹様など、さまざまな形態をとるのが特徴です。
症状が出やすい部位は、日光が当たった腕の外側、デコルテ、顔(特に額や頬)などです。一方、常に日光にさらされている鼻の頭や唇などは比較的症状が少ないという逆説的な特徴もあります。これは、慣れ(光硬化)が起きやすい部位とそうでない部位の違いによるものと考えられています。
多形性日光疹は、春先から初夏にかけての日差しが強くなる時期に初めて発症する人が多く、夏が深まるにつれて症状が軽くなることがあります。これは、繰り返しの日光刺激によって皮膚が徐々に慣れていく「光硬化」という現象が関係しています。しかし、毎年同じ季節に繰り返す人も多く、完全に自然に治まるとは限りません。
かゆみが強い場合には、日常生活に支障をきたすこともあります。症状が重い場合や繰り返す場合は、皮膚科で光線過敏症としての検査・治療を受けることが重要です。診断には、光線過敏検査(光パッチテストや光貼布試験など)が行われることがあります。
Q. 多形性日光疹と日光蕁麻疹はどう違いますか?
最大の違いは症状が出るタイミングです。多形性日光疹は日光を浴びてから数時間〜数日後に丘疹や水疱が現れ、改善まで数日〜数週間かかります。日光蕁麻疹は照射後わずか数分〜30分以内に膨疹が出現しますが、通常1〜2時間以内に消えます。重症例ではアナフィラキシーが起こることもあります。
🏥 日光蕁麻疹(にっこうじんましん)との違い
日光蕁麻疹は、紫外線や可視光線の照射によって即座にアレルギー反応が引き起こされる疾患です。日光を浴びてから数分〜30分程度で、照射部位に膨疹(皮膚が盛り上がった赤いぶつぶつ)とかゆみが現れます。症状は通常1〜2時間以内に消えるのが特徴ですが、重症例では全身に広がったり、血圧低下やショックを伴うアナフィラキシー反応が起きることもあります。
多形性日光疹との最大の違いは「発症のタイミング」です。多形性日光疹が日光照射から数時間〜数日後に症状が出るのに対し、日光蕁麻疹は照射直後から反応が始まります。また、症状が消えるまでの時間も異なり、日光蕁麻疹の膨疹は短時間で消える一方、多形性日光疹の丘疹は数日から数週間かけて徐々に改善します。
日光蕁麻疹は比較的まれですが、日常生活でも屋内の蛍光灯や窓越しの日光で反応が出ることがあり、患者さんの生活の質(QOL)に大きく影響することがあります。原因となる光の波長を特定するために専門的な検査が必要となるケースも多く、症状が繰り返す場合は皮膚科への受診が強くすすめられます。
治療としては、抗ヒスタミン薬の内服が基本となります。症状が重篤な場合にはステロイドの内服や、光線療法(PUVA療法や特定波長のUV照射による脱感作療法)が行われることもあります。
⚠️ あせも(汗疹)との見分け方
夏の屋外活動の後にぶつぶつが出た場合、それが日焼けによるものなのか、あせもによるものなのかを判断するのは難しいことがあります。実際、日焼けとあせもは同時に発生することも珍しくなく、症状が混在して現れることもあります。
あせも(汗疹)は、汗腺が詰まることで汗が皮膚の中に閉じ込められて起こる炎症です。汗が多く出る部位、すなわち首や背中、脇の下、肘や膝の内側、股間部などに多く見られます。あせもには「水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)」「紅色汗疹(こうしょくかんしん)」「深在性汗疹(しんざいせいかんしん)」の3種類があり、最も一般的なのは小さな赤いぶつぶつとかゆみが特徴の「紅色汗疹」です。
日焼けによるぶつぶつとあせもを区別する際のポイントは以下のとおりです。発生部位として、日焼けによるぶつぶつは日光が当たった露出部に多く、あせもは皮膚が擦れる部位や汗が溜まりやすい部位に多く出ます。発症のきっかけとして、日焼けによるぶつぶつは紫外線の強い日中の屋外活動後に多く、あせもは高温多湿な環境での発汗が主なきっかけです。見た目についても、日焼けによるぶつぶつは赤みが広い範囲にわたることが多く、あせもは細かい粒状のぶつぶつが密集する傾向があります。
もっとも、これらの特徴が重なる場合も多いため、症状だけで自己判断するのは難しいことがあります。長引く場合や症状が強い場合は皮膚科で診てもらうことが最善策です。
Q. 日焼け後のぶつぶつに対して自宅でできるケアは?
日焼け後のぶつぶつへの基本的なセルフケアは、冷却・保湿・かゆみ対策・再度の日光回避の4つです。保冷剤をタオルに包んで15〜20分冷やし、ノンアルコールの保湿剤で保湿します。かゆみには市販の抗ヒスタミン薬が有効ですが、搔きむしりはバリア機能をさらに低下させるため厳禁です。
🔍 毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)や他の皮膚疾患との混同に注意
日焼け後のぶつぶつを心配して受診した患者さんの中に、実は以前から毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)があったというケースがあります。毛孔性苔癬は、毛穴に角質が詰まって小さな硬いぶつぶつができる状態で、二の腕の外側や太もも、頬などに出やすい体質的な疾患です。それ自体は病気というよりも、皮膚の性質のひとつとして扱われることが多いですが、日焼けによって皮膚が乾燥・炎症を起こすと、もともとあったぶつぶつが目立ちやすくなることがあります。
また、アトピー性皮膚炎のある方では、紫外線によるバリア機能の低下をきっかけにして湿疹が悪化し、ぶつぶつが増えることがあります。アトピー性皮膚炎はかゆみが非常に強いことが特徴で、掻くことでさらに悪化するため、早めの対処が重要です。
さらに、日焼けとは別に「接触皮膚炎(かぶれ)」がぶつぶつの原因となっている場合もあります。日焼け止めや日焼けローション、虫よけスプレーなどの外用製品に含まれる成分にアレルギー反応を起こすと、塗布した部位にかゆみや赤み、ぶつぶつが生じます。こうした接触皮膚炎では、日光を浴びた部位と製品を塗った部位が一致することが多く、原因となった製品を特定することが重要です。
光接触性皮膚炎という疾患も存在します。これは、特定の化学物質(香料や一部の日焼け止め成分など)が紫外線に反応して皮膚に炎症を起こすもので、通常の接触皮膚炎とは異なり、日光に当たることで初めて反応が起きます。外出先でのみ症状が出る場合や、特定の製品を使ったときのみ反応が出る場合は、この疾患を疑う必要があります。
📝 日焼け後のぶつぶつに対する正しいセルフケア
日焼け後のぶつぶつに対して、自宅でできるケアにはいくつかの基本的なポイントがあります。ただし、症状が重篤であったり、発熱・倦怠感などの全身症状を伴う場合、または症状が1〜2週間以上改善しない場合は、自己判断で様子を見るのではなく、皮膚科への受診を優先してください。
まず冷却・鎮静を行うことが基本です。日焼け直後は皮膚が強い炎症状態にあります。清潔なタオルに包んだ保冷剤や、冷たい水で濡らしたタオルを患部に当てて冷やすことで、炎症と熱感を和らげることができます。ただし、氷を直接皮膚に当てると凍傷のリスクがあるため避けてください。冷却は15〜20分程度を目安に行いましょう。
次に保湿ケアが重要です。日焼けによって皮膚のバリア機能が低下し、水分が失われやすい状態になります。刺激の少ないノンアルコールの保湿ローションやクリームを使って、患部を丁寧に保湿しましょう。アロエベラ成分配合の製品は、鎮静効果が期待できるとして一般的に使われています。香料や着色料、アルコールが含まれる製品は炎症を悪化させる可能性があるため、なるべくシンプルな成分のものを選ぶことをすすめます。
水分補給も欠かせません。日焼けは皮膚だけでなく、体全体の水分バランスにも影響を与えます。こまめな水分補給を心がけ、脱水状態を防ぎましょう。
かゆみに対しては、市販の抗ヒスタミン成分配合の塗り薬や、かゆみ止めの飲み薬を活用する方法があります。しかし、かゆいからといって皮膚を搔くと、バリア機能がさらに低下し、細菌感染のリスクが高まるため、搔きむしらないことが大切です。特に子どもの場合は掻き壊しやすいため、爪を短く切っておくなどの工夫も必要です。
また、症状が落ち着くまでは、再び強い日光に当たることを避けることが回復を早めます。外出する際はUPF(紫外線保護指数)の高い衣類や帽子、日焼け止めなどで患部をしっかり保護しましょう。ただし、日焼け後の炎症がある皮膚に日焼け止めを塗ることで刺激になる場合があるため、塗布の際には十分注意が必要です。
Q. 日焼けによるぶつぶつを予防する紫外線対策は?
日焼け後のぶつぶつを予防するには、日常的な紫外線対策の徹底が重要です。SPF50+・PA++++の日焼け止めを2〜3時間おきに塗り直すことが基本で、ラッシュガードや帽子などの物理的対策との併用が効果的です。また、紫外線が最も強い午前10時〜午後2時の外出をできる限り控えることも有効な予防策です。
💡 皮膚科・クリニックで受けられる治療
日焼け後のぶつぶつが自己ケアで改善しない場合や、症状が重篤な場合には、皮膚科・クリニックでの受診・治療が必要です。医療機関では、症状の原因をきちんと診断したうえで、適切な治療薬や治療法を提供することができます。
外用薬としては、炎症を抑えるステロイド外用薬が基本的な治療薬として処方されることが多いです。ステロイドには強さのランクがあり、症状の重さや発生部位によって適切なランクのものが選ばれます。「ステロイドは怖い」と感じる方もいますが、医師の指示に従って正しく使用することで副作用のリスクを最小限に抑えることができます。また、炎症が強い場合にはステロイドの内服薬が処方されることもあります。
かゆみに対しては、抗ヒスタミン薬の内服が処方されます。市販薬と異なり、医療用の抗ヒスタミン薬は眠気が出にくいタイプのものも多く、日常生活への影響を最小限にしながらかゆみをコントロールできます。
多形性日光疹や日光蕁麻疹など、光線過敏症が疑われる場合には、専門的な検査(光線過敏検査)が行われます。原因となる光の波長を特定し、それに基づいた治療方針が立てられます。治療には紫外線療法(光線療法)が有効なケースもあり、低用量のUVを段階的に照射することで皮膚を紫外線に慣らす「脱感作療法」が行われることがあります。
美容クリニックでは、日焼けによるシミや色素沈着に対するレーザー治療やIPL(光治療)なども選択肢となります。ただし、炎症が残っている急性期には施術できないことが多く、皮膚の状態が落ち着いてから適切な時期に治療を受けることが前提となります。治療の適否については、必ず医師に相談してください。
アイシークリニック上野院では、日焼け後の肌トラブルに関するご相談や、肌の状態に合わせたスキンケアアドバイスも行っています。気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。
✨ ぶつぶつを予防するための紫外線対策

日焼け後のぶつぶつを防ぐためには、そもそも強い日焼けをしないことが最も重要です。紫外線対策は「面倒なもの」と思われがちですが、正しい知識を身につけることで効果的かつ無理なく継続することができます。
日焼け止めの正しい使い方を知ることが基本です。日焼け止めにはSPF(紫外線B波に対する指数)とPA(紫外線A波に対する指数)の2種類の指数があります。日常的な外出にはSPF30・PA++程度のものが適していますが、海水浴やアウトドアスポーツなどの長時間屋外活動では、SPF50+・PA++++のより高い保護力のものを選ぶことをすすめます。また、日焼け止めは一度塗ったら終わりではなく、汗や摩擦で落ちやすいため、2〜3時間おとに塗り直すことが重要です。
日焼け止めの塗布量も重要なポイントです。適切な効果を得るためには、顔全体に1円玉2枚分程度(約1〜2g)の量を使うことが推奨されています。多くの人が実際には必要量の半分程度しか塗っていないとされており、量が少ないと表示されているSPF値よりも大幅に保護効果が落ちてしまいます。
日焼け止め以外の物理的な紫外線対策も効果的です。UPF値の高い衣類(ラッシュガードなど)や帽子、UV加工を施したサングラスなどを活用することで、日焼け止めだけに頼らない多層的な保護が可能になります。特に素肌が露出しやすい腕や肩、首元は日焼けしやすい部位であるため、薄手の羽織りものや長袖を上手に取り入れましょう。
紫外線が最も強くなる時間帯(一般的に午前10時〜午後2時)の屋外活動は、できる限り避けることも有効な対策です。日差しが強い時間帯に外出する際は、日陰を積極的に利用したり、日傘を使うことで紫外線の曝露量を減らすことができます。
光線過敏症のある方や、過去に日焼け後のぶつぶつを繰り返している方は、特に念入りな紫外線対策が必要です。春から初夏にかけての紫外線が急に強くなる時期に注意し、肌への負担が少ない範囲で徐々に日光に慣らしていくことも対策のひとつです。ただし、光線過敏症が疑われる場合は、自己判断で日光療法を行うのは危険ですので、必ず医師に相談してから行うようにしてください。
食生活面では、ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化成分を積極的に摂取することで、紫外線による酸化ストレスから皮膚を守ることが期待できます。ビタミンCは柑橘類や緑黄色野菜に多く含まれ、ビタミンEはナッツ類や植物油に豊富です。これらを日々の食事に取り入れることも、内側からの肌ケアにつながります。
なお、光線過敏症の原因となる薬剤(光感作薬)に注意が必要なケースもあります。一部の抗生物質(テトラサイクリン系など)、抗真菌薬、利尿薬、降圧薬、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)、フェノチアジン系抗精神病薬などは、服用中に日光に当たると光線過敏反応を引き起こすことがあります。内服薬を服用中の方は、主治医や薬剤師に光線過敏のリスクがあるかどうかを確認することをおすすめします。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、夏になると「日焼け後に出たぶつぶつが治らない」とご相談いただく患者様が増える傾向があります。日焼けによる炎症とあせも、さらに光線過敏症が重なって現れているケースも少なくなく、原因を正確に見極めることが適切なケアへの近道です。「日焼けだから仕方ない」と放置せず、かゆみが強い・繰り返す・長引くといったサインがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。」
📌 よくある質問
軽度であれば冷却・保湿などのセルフケアで改善することもありますが、かゆみが強い・1〜2週間以上長引く・毎年繰り返すといった場合は放置せず皮膚科への受診をおすすめします。原因が多形性日光疹や日光蕁麻疹など光線過敏症の場合は、専門的な診断と治療が必要になることがあります。
発生部位が判断のヒントになります。日焼けによるぶつぶつは日光が当たった露出部に広範囲で現れやすく、あせもは首・脇の下・肘の内側など汗が溜まりやすい部位に細かい粒状で密集して現れる傾向があります。ただし夏場は同時に発生することも多く、自己判断が難しい場合は皮膚科での診察が確実です。
最大の違いは症状が出るタイミングです。多形性日光疹は日光を浴びてから数時間〜数日後にぶつぶつが現れ、改善まで数日〜数週間かかります。一方、日光蕁麻疹は日光照射後わずか数分〜30分以内に膨疹が出現しますが、1〜2時間以内に消えることが多いです。重症の日光蕁麻疹はアナフィラキシーを起こす場合もあります。
軽度のかゆみには、市販の抗ヒスタミン成分配合の塗り薬や飲み薬がある程度有効です。ただし、原因が光線過敏症や接触皮膚炎の場合は市販薬だけでは対処が難しいケースもあります。症状が改善しない・繰り返す場合はアイシークリニックなどの皮膚科・クリニックで適切な処方薬による治療を受けることをおすすめします。
SPF・PAの高い日焼け止めを2〜3時間おきに塗り直すことが基本です。加えてラッシュガードや帽子などの物理的な紫外線対策を組み合わせると効果的です。紫外線が強い午前10時〜午後2時の外出を控えることも有効です。光線過敏症を繰り返している方は、春から初夏の紫外線が急増する時期に特に注意し、必要であれば皮膚科に相談しましょう。
🎯 まとめ
日焼け後にぶつぶつが生じる原因は、多形性日光疹・日光蕁麻疹・あせも・接触皮膚炎・光接触性皮膚炎・既存の皮膚疾患の悪化など、実に多岐にわたります。それぞれで適切な対処法や治療が異なるため、「日焼けだから仕方ない」と放置するのではなく、症状の特徴をよく観察して判断することが大切です。
セルフケアとしては、冷却・保湿・かゆみ対策・日光の回避が基本ですが、症状が強い・長引く・繰り返すという場合は迷わず皮膚科・クリニックを受診してください。医療機関では適切な診断のもと、ステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬、光線過敏症に対する専門的な治療を受けることができます。
また、日焼け後のぶつぶつを繰り返さないためには、日焼け止めの正しい使用・物理的な紫外線対策・服薬中の光感作薬への注意など、日常的な紫外線対策の積み重ねが最も効果的です。自分の肌質や体質を理解し、毎年の紫外線シーズンを肌トラブルなく過ごせるよう、今から準備を整えておきましょう。
肌の悩みや日焼けトラブルについてのご相談は、アイシークリニック上野院までお気軽にお問い合わせください。専門スタッフが肌の状態に合わせた適切なアドバイスと治療をご提案いたします。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 多形性日光疹・日光蕁麻疹・光線過敏症・あせも(汗疹)などの診断基準や治療ガイドライン、ステロイド外用薬・抗ヒスタミン薬の使用方針に関する情報
- 厚生労働省 – 紫外線による皮膚障害の予防・日焼け対策に関する公式情報、および日焼け止めのSPF・PA表示基準などの消費者向けガイダンス
- PubMed – 多形性日光疹・日光蕁麻疹の病態メカニズム(UVA/UVBによる免疫反応・炎症性サイトカイン放出)や光線療法(PUVA・脱感作療法)に関する国際的な査読済み臨床研究文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務