暖かくなってきた春先に、突然皮膚がぷっくりと盛り上がり、強いかゆみをともなう症状が出て困ったという経験はないでしょうか。じんましん(蕁麻疹)は一年を通じて発症する可能性がありますが、特に春は気温の変動や花粉の飛散、生活環境の変化などが重なり、発症しやすい季節として知られています。本記事では、春にじんましんが増える原因を詳しく整理し、症状の特徴や日常生活での対処法・予防策について丁寧に解説します。「毎年春になると肌が荒れる」「急に出てくる赤みやかゆみが気になる」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
- じんましんとはどのような症状か
- 春にじんましんが増える理由
- 春のじんましんの主な原因一覧
- 花粉とじんましんの関係
- 寒暖差によるじんましん(寒冷蕁麻疹・温熱蕁麻疹)
- ストレスや自律神経の乱れとじんましん
- 食べ物・薬・接触物によるじんましん
- じんましんの種類と分類
- 春のじんましんの対処法
- 日常生活での予防のポイント
- 病院を受診すべきタイミング
- まとめ
この記事のポイント
春のじんましんは花粉・寒暖差・ストレスが複合的に絡み合い発症しやすい。かゆみには冷却と抗ヒスタミン薬が有効で、のどの腫れや呼吸困難は緊急受診が必要。症状が繰り返す場合はアイシークリニックなど皮膚科への早期相談を推奨する。
🎯 じんましんとはどのような症状か
じんましんとは、皮膚の一部が突然赤くなり、膨らんで(膨疹)、強いかゆみをともなう皮膚疾患です。皮膚科を受診する患者さんの中でも比較的多い疾患のひとつで、生涯に一度は経験する人が約15〜20%いるとも言われています。
症状の見た目としては、蚊に刺されたときのような盛り上がりが皮膚全体に広がっていくことが多く、大きさは数ミリから手のひら大、あるいはそれ以上に広がることもあります。色は淡い赤〜ピンク色が一般的で、中央が白っぽく周囲が赤くなることもあります。
じんましんの大きな特徴は「一過性」であることです。症状が出てから通常24時間以内(多くの場合は数時間以内)に自然に消えることが多く、跡が残りにくいのが特徴です。ただし、消えてはまた別の場所に出る、ということを繰り返すケースも多く見られます。
なお、症状が6週間以内に治まるものを「急性蕁麻疹」、6週間以上続くものを「慢性蕁麻疹」と分類します。春に多いじんましんは急性のものが中心ですが、体質や環境によっては慢性化することもあります。
Q. 春にじんましんが発症しやすい理由は何ですか?
春はスギ・ヒノキ花粉の大量飛散、朝晩と日中の大きな寒暖差、進学や就職による生活環境の変化が同時に重なる季節です。これらが複合的に絡み合い、自律神経の乱れや免疫バランスの崩れを引き起こすことで、じんましんが発症しやすい条件がそろいます。
📋 春にじんましんが増える理由
なぜ春にじんましんが増えるのでしょうか。これにはいくつかの要因が複合的に絡み合っています。
まず、気温の変化が激しいことが挙げられます。春は朝晩の冷え込みと日中の暖かさの差が大きく、1日のなかで体温調節が難しくなりやすい季節です。この「寒暖差」が自律神経に大きな負担をかけ、皮膚の過敏反応を引き起こすことがあります。
次に、花粉の大量飛散があります。スギ花粉やヒノキ花粉は春を代表するアレルゲンであり、これが皮膚に付着したり体内に侵入したりすることで免疫反応が過剰になり、じんましんの引き金になることがあります。花粉症でかゆい目や鼻炎になる人が、同じアレルゲンへの反応として皮膚にもじんましんが出ることは珍しくありません。
さらに、春は進学・就職・異動など生活環境が大きく変わる季節でもあります。こうした変化によるストレスや睡眠不足、不規則な生活は免疫バランスを崩し、じんましんの発症・悪化につながりやすくなります。
加えて、冬の乾燥で傷んだ皮膚バリアが春になっても完全に回復しきれていない状態での外部刺激(汗・花粉・接触物)への反応も影響します。これらの要因が重なる春は、じんましんが出やすい条件がそろった季節といえます。
💊 春のじんましんの主な原因一覧
春に起こるじんましんの原因は多岐にわたります。以下に代表的なものを整理して紹介します。
アレルギー性の原因としては、花粉(スギ・ヒノキ・シラカバなど)、食物(果物・魚介類・卵・ナッツ類など)、薬(抗生物質・解熱鎮痛薬・漢方薬など)、昆虫の刺咬(ハチ・アリなど)、動物の毛・フケ、ラテックス(天然ゴム)などが挙げられます。春はアウトドア活動や外出が増えるため、これらとの接触機会も増します。
物理的な刺激としては、寒冷刺激(冷たい水や風)、温熱刺激(入浴・運動)、日光(日光蕁麻疹)、圧迫・摩擦などがあります。春の急激な気温変化や花見・外出時の行動がこれらの刺激を引き起こすことがあります。
内的要因としては、ストレス、睡眠不足、ウイルス感染(風邪などの感染症の後に出ることがある)、自己免疫疾患(甲状腺疾患など)、消化器系の不調なども挙げられます。
特発性(原因不明)のじんましんも多く、慢性蕁麻疹の場合は半数以上が原因の特定が難しいとされています。そのため、「何かひとつの原因」を探すよりも、複数の要因が重なって発症しているという視点が大切です。
Q. 花粉症の人が果物を食べてじんましんが出るのはなぜですか?
「花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)」という病態が原因です。花粉のアレルゲンと構造が似たたんぱく質を含む食品に免疫が反応し、皮膚や口腔内にアレルギー症状が出ます。例えばスギ花粉症の方がトマトやキウイ、ヒノキ花粉症の方がモモやリンゴで反応するケースが報告されています。
🏥 花粉とじんましんの関係
春のじんましんで特に注目されるのが花粉との関係です。花粉症といえば鼻炎や目のかゆみが代表的な症状ですが、皮膚にもアレルギー反応が出ることがあります。
花粉が皮膚に付着することで、局所的な接触性皮膚炎(かぶれ)やじんましんを引き起こすことがあります。顔・首・手など露出している部位に症状が出やすいのが特徴です。また、花粉を吸い込んで体内に入ることで、全身性のアレルギー反応としてじんましんが広範囲に出ることもあります。
さらに、「花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)」と呼ばれる病態が近年注目されています。これは、花粉のアレルゲンと構造が似ているたんぱく質を含む食べ物を摂取すると、口腔内や皮膚にアレルギー反応が起きるものです。たとえば、スギ花粉症の人がトマトやキウイ、ヒノキ花粉症の人がモモやリンゴを食べたときにアレルギー反応を起こすことがあります。春の時季に果物などを食べてじんましんが出た場合は、この可能性も考えられます。
花粉症と皮膚症状の両方が出ている場合は、アレルギー専門医や皮膚科でアレルゲンの検査(血液検査・皮膚テスト)を受けることで、自分が何に反応しているかを確認できます。原因を知ることが、効果的な対策への第一歩となります。
⚠️ 寒暖差によるじんましん(寒冷蕁麻疹・温熱蕁麻疹)
春は一日のうちに気温が大きく変化することが多く、この寒暖差が直接じんましんの引き金になることがあります。「物理性蕁麻疹」と呼ばれるカテゴリに属するもので、アレルゲンへの反応ではなく、温度変化という物理的な刺激が原因となります。
寒冷蕁麻疹は、冷たいものに触れたり冷たい風を受けたりしたときに、その部位にじんましんが出るものです。たとえば、冷たい飲み物を持ったときに手に発疹が出る、冷たい空気の中を歩いたときに顔や首に症状が出るといったことが起こります。春でも朝方や夕方に気温が急激に下がる場面では発症しやすくなります。
一方、温熱蕁麻疹は温かさや熱い刺激によって発症するじんましんです。また、「コリン性蕁麻疹」と呼ばれるタイプは、運動や緊張による発汗・体温上昇がきっかけとなり、小さな点状の発疹が多数現れるのが特徴です。春の新生活でのストレスや運動時に起きやすい傾向があります。
寒暖差によるじんましんに対しては、急激な温度変化を避けることが重要です。薄手のカーディガンや羽織ものを携帯し、体温調節をこまめに行う習慣をつけることが予防につながります。また、入浴時には熱すぎるお湯を避け、ぬるめ(38〜40℃程度)のお湯にゆっくりつかるようにするとよいでしょう。
🔍 ストレスや自律神経の乱れとじんましん
春は社会的に変化の多い季節でもあります。新しい職場・学校への不安、人間関係の変化、引っ越しなどによる生活環境の変化は、心身に大きなストレスをもたらすことがあります。このストレスが自律神経の乱れを引き起こし、じんましんの発症や悪化につながることはよく知られています。
自律神経は皮膚の血流や免疫系のバランスを調整する役割を担っています。ストレスが続くと交感神経が優位になり続け、免疫システムが過剰反応しやすい状態になります。その結果、本来問題にならないような刺激に対しても皮膚がアレルギー反応を起こしてしまうことがあります。
また、ストレスによって睡眠の質が低下すると、免疫の調節に必要なサイトカインのバランスが乱れ、皮膚の炎症が起きやすくなります。「忙しくなると肌が荒れる」「緊張するとかゆくなる」という経験をお持ちの方も少なくないでしょう。
じんましんとストレスの関係は、悪循環を生みやすいことも特徴です。かゆみが出ると睡眠が妨げられ、疲労が蓄積し、さらにストレスが増加するという流れが続くことがあります。このような状態を放置すると慢性化しやすいため、早めのケアが重要です。
ストレス由来のじんましんには、心身のリラクゼーションが非常に大切です。十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動、趣味の時間を確保するなど、生活の質を整えることが皮膚症状の改善にもつながります。必要であれば、かかりつけ医や心療内科に相談することも選択肢のひとつです。
Q. 寒暖差が原因のじんましんにはどう対処すればよいですか?
寒暖差によるじんましんには、急激な温度変化を避けることが最も重要です。薄手の羽織ものを携帯して体温調節をこまめに行い、入浴時は38〜40℃程度のぬるめのお湯を使いましょう。なお冷やすことで悪化する「寒冷蕁麻疹」の場合は、患部を冷やす対処が逆効果になるため注意が必要です。
📝 食べ物・薬・接触物によるじんましん
食べ物はじんましんの代表的な原因のひとつです。食物アレルギーとして反応が出やすいものには、卵・牛乳・小麦・そば・落花生・えび・かにが特に有名ですが(いわゆるアレルギー表示対象品目)、大人では甲殻類・魚・果物・ナッツ類・大豆なども原因となることがあります。
春に特有のこととして、旬の食材が増えることが挙げられます。タケノコ・山菜・イチゴ・キウイ・モモなど春の食材には、じんましんを引き起こすヒスタミンを多く含むものや、皮膚への刺激が強いものも含まれています。また、アルコールは体内でヒスタミンの生成を促進し、じんましんを誘発・悪化させやすいことが知られています。
薬によるじんましんも見逃せません。市販の解熱鎮痛薬(アスピリン・イブプロフェンなど)、抗生物質、漢方薬、サプリメントなどが原因になることがあります。春の花粉症対策として新たに薬を飲み始めた場合、その薬への反応としてじんましんが出るケースも報告されています。薬の開始・変更後に皮膚症状が出た場合は、必ず処方した医師や薬剤師に相談してください。
接触によるじんましんの原因には、化粧品・洗剤・ゴム手袋・ペットの毛・植物(ウルシ・イラクサなど)などがあります。春は外出機会が増え、ガーデニングや花見など植物や土に触れる機会も増えるため、接触性のじんましんが起きやすくなります。
食物アレルギーが疑われる場合、問題のある食品を自己判断で極端に除去するのではなく、専門医のもとで適切な検査と指導を受けながら対応することが大切です。自己判断による過度な食事制限は栄養の偏りを招くことがあります。
💡 じんましんの種類と分類
じんましんはその原因や発症メカニズムによっていくつかの種類に分類されます。正しい治療を受けるためにも、それぞれの特徴を知っておくことは大切です。
まず、アレルギー性蕁麻疹は免疫グロブリンE(IgE)を介したアレルギー反応が原因で起こるものです。食べ物・薬・虫刺されなどが引き金となり、摂取・接触後比較的短時間(数分〜数時間以内)に発症します。重症例ではアナフィラキシーに進行する可能性があるため、特に注意が必要です。
非アレルギー性蕁麻疹は、免疫反応を介さずに発症するタイプで、アスピリンなどの薬がヒスタミンを直接遊離させることで起こるものが代表例です。特定の食品(チョコレート・いちご・ナスなど)に含まれる成分がヒスタミンを刺激して発症することもあります。
物理性蕁麻疹は、前述の寒冷蕁麻疹・温熱蕁麻疹のほか、皮膚描記症(皮膚に圧力をかけると線状に膨疹が出るもの)、日光蕁麻疹(紫外線による発症)、圧迫蕁麻疹(靴や衣服による締め付けで発症)などがあります。春は日照時間が長くなるため、日光蕁麻疹が初めて現れる人もいます。
特発性蕁麻疹は原因不明のものを指し、慢性蕁麻疹のなかでは最も多いとされています。自己免疫的なメカニズムが関与している場合もあり、専門医による精密な検査が必要です。
血管性浮腫(クインケ浮腫)は、まぶた・唇・のど・手足などに浮腫(むくみ)が生じるものです。のどに起きた場合は呼吸困難になる危険性があり、緊急対応が必要なこともあります。
✨ 春のじんましんの対処法
じんましんが出たときには、まず落ち着いて症状を確認し、適切な対処をとることが大切です。
かゆみが強い場合、患部をかきむしることで皮膚がさらに傷つき、症状が悪化したり二次感染を起こしたりする可能性があります。患部を軽く冷やすことが有効です。冷たいタオルや保冷剤(直接当てず、タオルに包んで)で冷やすことで、かゆみや炎症を一時的に和らげることができます。ただし、寒冷蕁麻疹の場合は冷やすことで逆に悪化することがあるため注意が必要です。
市販薬として、内服の抗ヒスタミン薬(アレルギー用薬)は薬局で購入できます。第2世代の抗ヒスタミン薬は眠気が出にくいタイプで、日中でも比較的使いやすいものが増えています。ただし、自己判断での長期使用は避け、症状が続く場合は早めに医療機関を受診することをおすすめします。また、外用薬(塗り薬)のステロイドがじんましんに有効というわけではなく、内服薬が中心的な治療となります。
入浴については、熱いお湯は血管を拡張させかゆみを増強させることがあるため、じんましんが出ているときはぬるめのシャワー程度にとどめることが無難です。アルコールや香辛料など、血行を促進するものも症状を悪化させることがあるため控えましょう。
衣類については、締め付けの強い服や化学繊維は皮膚への刺激になることがあります。綿素材でゆったりとした服を選び、皮膚への摩擦を最小限にするように心がけてください。
花粉が原因と考えられる場合は、外出時にマスク・眼鏡・帽子を着用し、帰宅後はすぐに着替えて洗顔・洗髪を行うことで、皮膚への花粉の付着を減らすことができます。洗濯物を外に干さず室内乾燥機や乾燥機を使用することも有効です。
Q. じんましんで救急受診が必要な症状はどれですか?
唇・のど・まぶたの腫れ、呼吸困難、血圧低下、激しいめまいや嘔吐などアナフィラキシーの兆候が現れた場合は、直ちに救急車を呼ぶ必要があります。のどの腫れは気道を塞ぐ危険があるため特に緊急性が高く、市販薬での対処は行わず速やかに救急搬送されることが重要です。
📌 日常生活での予防のポイント

春のじんましんを予防するためには、日常生活のなかでいくつかのポイントを意識することが重要です。
体の内側からのケアとして、まず食事の管理が大切です。過去に食べてじんましんが出たことがある食品は記録しておき、摂取量や組み合わせに注意しましょう。特に、疲れているときやアルコール摂取後は反応が出やすいことがあるため、そのような状態での食事には慎重になることが賢明です。
睡眠の質を確保することも重要です。7〜8時間を目安に規則正しい就寝・起床を心がけ、睡眠前のスマートフォンやパソコンの使用は控えましょう。良質な睡眠は免疫系の正常化と自律神経のバランス維持につながります。
適度な運動はストレス発散と自律神経の調整に効果的です。ただし、コリン性蕁麻疹の傾向がある人は激しい運動後に症状が出やすいため、ウォーキングやストレッチなど負荷の少ない運動から始めることをおすすめします。
皮膚のバリア機能を整えることも予防に効果的です。保湿ケアを継続することで、外部からの刺激に対する皮膚の抵抗力が高まります。入浴後すぐに保湿剤を塗ることを習慣化しましょう。洗顔・洗体の際は、刺激の少ない低刺激性の洗浄剤を使い、ゴシゴシこすらずやさしく洗うことが基本です。
花粉対策として、花粉情報を毎日確認し、飛散量の多い日は外出を控えるか、マスク・帽子・眼鏡などで防御を徹底しましょう。花粉症のある方は、花粉シーズン前に耳鼻科や皮膚科を受診して、あらかじめ薬を処方してもらっておくことも有効な対策です。
また、「じんましん日記」をつけることもおすすめです。症状が出た日時・場所・その前に食べたもの・天気・気温・行動などを記録することで、自分のじんましんの誘因(引き金)を把握しやすくなります。医療機関を受診した際に、この情報は診断の大きな助けになります。
🎯 病院を受診すべきタイミング
じんましんはセルフケアや市販薬で対処できる場合もありますが、医療機関への受診が必要なケースもあります。以下のような状況では早めに受診してください。
まず、症状が重い・広範囲にわたる場合は受診が必要です。体の大部分にじんましんが広がっている、高熱や全身倦怠感をともなっている、顔・唇・のどの腫れがある場合は特に注意が必要です。のどの腫れは気道を塞ぐ可能性があり、呼吸困難が生じた場合は緊急受診(救急外来の受診)が必要です。
アナフィラキシーの兆候がある場合はすぐに救急車を呼んでください。アナフィラキシーの症状には、呼吸困難・血圧低下・意識の変容・激しいめまい・嘔吐・腹痛などがあります。エピペン(アドレナリン自己注射)を処方されている方は指示通りに使用し、必ず救急搬送されてください。
市販薬を使っても症状が改善しない場合や、数日以上じんましんが繰り返し出る場合も受診の目安です。医療機関では、症状の程度に応じて抗ヒスタミン薬の種類や量を調整したり、抗アレルギー薬・ステロイド内服薬・生物学的製剤(重症慢性蕁麻疹の場合)などを処方したりします。
また、特定の食品や薬に強いアレルギー反応が出たと疑われる場合は、アレルゲン検索のための血液検査(特異的IgE抗体検査)やスキンプリックテストなどを受けることが勧められます。原因を特定することで、再発予防のための対策が立てやすくなります。
受診する診療科としては、皮膚科がメインの窓口になります。アレルギーが関与していると思われる場合はアレルギー科・内科も対応しています。症状や状況に応じて適切な科を選んでください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、春になると花粉症の症状に加えてじんましんのご相談で来院される患者さんが増える傾向があり、花粉・寒暖差・新生活のストレスといった複数の要因が重なって発症しているケースが多く見受けられます。じんましんは原因が一つとは限らず、ご自身での特定が難しい場合も少なくありませんので、症状が繰り返すようであれば自己判断で対処し続けず、お早めにご相談いただくことをおすすめします。適切な検査と治療を通じて、毎年つらい春の季節を少しでも快適にお過ごしいただけるよう、丁寧にサポートさせていただきます。」
📋 よくある質問
春は気温の寒暖差、スギ・ヒノキなどの花粉の大量飛散、進学や就職による生活環境の変化が重なる季節です。これらが複合的に絡み合い、自律神経の乱れや免疫バランスの崩れを引き起こすことで、じんましんが発症しやすい条件がそろいやすくなります。
じんましんの膨疹(盛り上がり)は、通常24時間以内、多くの場合は数時間以内に自然に消えることが多く、跡が残りにくいのが特徴です。ただし、消えては別の場所に出ることを繰り返すケースも多く、6週間以上続く場合は「慢性蕁麻疹」として専門的な治療が必要になります。
はい、「花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)」という病態があり、花粉のアレルゲンと構造が似たたんぱく質を含む食品への反応として、口腔内や皮膚にアレルギー症状が出ることがあります。たとえばスギ花粉症の方がトマトやキウイ、ヒノキ花粉症の方がモモやリンゴで反応するケースが報告されています。
かきむしると症状が悪化するため、患部をタオルに包んだ保冷剤などでやさしく冷やしてかゆみを和らげましょう。ただし寒冷蕁麻疹の場合は冷やすと悪化することがあるため注意が必要です。市販の抗ヒスタミン薬(アレルギー用内服薬)も一時的な対処に使用できますが、症状が続く場合は早めに受診してください。
唇・のど・まぶたの腫れ、呼吸困難、血圧低下、激しいめまいや嘔吐などアナフィラキシーの兆候がある場合は、すぐに救急車を呼んでください。また、じんましんが広範囲に広がっている、市販薬を使っても改善しない、数日以上繰り返して出るといった場合も、アイシークリニックをはじめ皮膚科やアレルギー科への早めの受診をおすすめします。
💊 まとめ
春のじんましんは、花粉・寒暖差・ストレス・食べ物・接触物など、複数の要因が絡み合って発症することが多い皮膚疾患です。一見すると原因がわかりにくい場合も多く、「なぜこの季節だけ出るのか」と悩まれている方も少なくありません。
じんましんの対処の基本は、原因をできる限り特定して避けること、かゆみを悪化させる行動(かきむしり・熱いお湯・アルコールなど)を控えること、そして必要に応じて適切な薬物療法を受けることです。セルフケアとしては、皮膚のバリアケア・睡眠の確保・ストレス管理・花粉対策が有効です。
症状が繰り返したり長引いたりする場合、あるいは重篤な反応が出た場合には、自己判断で対処しようとせず、皮膚科やアレルギー科などの医療機関を受診することが大切です。専門家のもとで適切な検査と治療を受けることで、春のじんましんに上手に向き合えるようになります。
「毎年春になると肌の不調が出る」という方は、この機会にご自身の皮膚症状を見直し、早めのケアと専門医への相談を検討してみてください。アイシークリニック上野院では、皮膚のお悩みに対して丁寧な診察と適切な治療を提供しています。気になる症状がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – じんましん(蕁麻疹)の定義・分類(急性・慢性)・症状・治療方針に関する公式情報。アレルギー性・非アレルギー性・物理性・特発性などの種類分類や抗ヒスタミン薬を中心とした標準的治療の根拠として参照。
- 厚生労働省 – 食物アレルギー・アレルゲン表示対象品目(卵・牛乳・小麦・そば・落花生・えび・かに等)に関する公的情報。食べ物によるじんましんの原因説明および食物アレルギーへの対応根拠として参照。
- PubMed – 花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)・寒冷蕁麻疹・コリン性蕁麻疹・慢性蕁麻疹における自己免疫メカニズム等に関する国際的な医学文献群。記事内の病態説明および有病率(生涯罹患率15〜20%)等の科学的根拠として参照。
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務