やけどを冷やさないと痛い理由と正しい対処法【医師監修】

はじめに

料理中に熱い鍋に触れてしまった、アイロンで指をやけどした、熱湯がかかってしまった——日常生活の中で、やけどは誰もが経験する可能性のある身近なケガです。そんなとき、多くの方が「すぐに冷やさなければ」と感じるでしょう。実際、やけどをした部分を冷やすのをやめると、再び強い痛みが戻ってくることがあります。

では、なぜやけどは冷やしていないと痛いのでしょうか?そして、どのくらいの時間、どのように冷やせばよいのでしょうか?

本記事では、やけどを冷やさないと痛い理由を医学的に解説し、正しい冷却方法から注意点まで、やけどの応急処置について詳しくご説明します。

やけど(熱傷)とは何か

やけどの定義

やけど(医学用語では「熱傷」)とは、熱によって皮膚や粘膜が損傷を受けた状態を指します。高温の物体に触れたり、熱湯や蒸気、炎、化学物質などによって引き起こされます。

皮膚は私たちの体を外部環境から守る重要なバリア機能を持っていますが、やけどによってこのバリアが破壊されると、さまざまな問題が生じます。

やけどが起こるメカニズム

私たちの皮膚は、外側から表皮、真皮、皮下組織の3層構造になっています。

表皮は最も外側にある薄い層で、外部からの刺激を防ぐバリアとして機能します。

真皮はその下にあり、血管、神経、汗腺、毛根などが存在する重要な層です。痛みを感じる神経終末も真皮に豊富に存在しています。

皮下組織は最も深い層で、脂肪組織が主体です。

高温にさらされると、皮膚のタンパク質が変性し、細胞が損傷を受けます。この損傷の程度によって、やけどの深さが決まります。

なぜやけどは「冷やしていないと痛い」のか

熱による組織損傷の進行

やけどの痛みが冷やしていないと続く理由は、複数の要因が関係しています。

最も重要なのは、熱による組織損傷が進行し続けるという点です。やけどを負った直後、皮膚には高温の熱エネルギーが残存しています。この残存熱は、やけどを負った瞬間だけでなく、その後も組織の奥深くへと伝わり続け、さらなるダメージを与えます。

医学的には、これを「残存熱による二次損傷」と呼びます。最初の熱源から離れた後も、皮膚の温度は上昇したままであり、細胞の破壊が進行するのです。

炎症反応の発生

やけどを負うと、体は損傷を受けた部位に対して炎症反応を起こします。これは体の自然な防御反応ですが、同時に痛みの原因にもなります。

炎症反応が起こると、損傷部位に以下のような変化が生じます:

血管の拡張:損傷部位の血流が増加し、赤く腫れます(発赤・腫脹)。

発痛物質の放出:ブラジキニン、プロスタグランジン、ヒスタミンなどの化学物質が放出されます。これらは痛みを引き起こす神経を刺激します。

浮腫(むくみ)の形成:血管から組織液が漏れ出し、患部が腫れます。この腫れが神経を圧迫し、痛みを増強させます。

冷やすことで、これらの炎症反応を抑制し、発痛物質の放出を減少させることができます。冷却を止めると、再び炎症反応が活発化し、痛みが戻ってくるのです。

神経の過敏化

やけどによって損傷を受けた皮膚では、痛みを感じる神経(侵害受容器)が過敏な状態になります。通常なら痛みとして感じないような軽い刺激でも、強い痛みとして感じられるようになります(痛覚過敏)。

冷やすことで神経の興奮性が抑えられ、痛みの伝達が軽減されますが、冷却を止めると再び神経が過敏な状態に戻り、痛みを強く感じるようになります。

熱刺激の持続

やけどを負った皮膚は、通常よりも高い温度を保っています。この温度上昇自体が持続的な熱刺激となり、神経を刺激し続けます。冷やすことで皮膚温度を下げることができますが、冷却を止めると再び温度が上昇し、痛みが戻ります。

特にやけど直後の数時間は、組織内に蓄積された熱が徐々に放散されるため、適切な冷却を継続することが重要です。

やけどの深さによる分類

やけどは、損傷の深さによって以下のように分類されます。

Ⅰ度熱傷(表皮熱傷)

表皮のみが損傷を受けた状態です。

症状

  • 赤くなる(発赤)
  • ヒリヒリとした痛み
  • 軽い腫れ
  • 水ぶくれはできない

典型例:軽い日焼け、瞬間的に熱いものに触れた場合

治癒期間:通常3〜7日程度で治癒し、跡は残りません。

Ⅱ度熱傷(真皮熱傷)

真皮まで損傷が及んだ状態で、さらに浅達性(SDB)と深達性(DDB)に分類されます。

浅達性Ⅱ度熱傷(SDB)

真皮の浅い部分までの損傷です。

症状

  • 強い発赤
  • 水ぶくれ(水疱)の形成
  • 強い痛み(神経終末が残存しているため)
  • 水疱底が赤く、湿潤している

治癒期間:適切な治療で1〜2週間程度。通常、瘢痕(傷跡)は残りません。

深達性Ⅱ度熱傷(DDB)

真皮の深い部分まで損傷が及んだ状態です。

症状

  • 水ぶくれはできるが、水疱底が白っぽい
  • 痛みは浅達性より軽いこともある(神経終末の一部が損傷しているため)
  • 毛根や汗腺が損傷を受ける

治癒期間:3〜4週間以上。瘢痕が残る可能性が高い。

Ⅲ度熱傷(皮下熱傷)

皮膚全層が損傷し、皮下組織まで達した状態です。

症状

  • 白色または黒色に変色
  • 乾燥している
  • 痛みを感じない(神経が完全に破壊されているため)
  • 皮膚が硬くなる(痂皮形成)

治療:自然治癒は困難で、植皮術などの外科的治療が必要です。

正しいやけどの冷却方法

基本原則:まず冷やす

やけどをしたら、すぐに冷やすことが最も重要です。「とりあえず冷やす」という行動は、医学的にも正しい応急処置です。

具体的な冷却手順

1. 流水で冷やす

最も推奨される方法は、流水(水道水)で冷やすことです。

  • 水温:15〜20度程度の常温の水(冷たすぎない水)
  • 方法:やけどした部位に直接当てるか、流水に当てる
  • 時間:最低15〜20分間、できれば30分程度

水の勢いは、優しく当たる程度に調整してください。強すぎる水流は皮膚を刺激し、痛みを増強させることがあります。

2. 衣服を着たままやけどした場合

衣服の上から熱湯がかかった場合などは、無理に脱がさず、衣服の上から冷やすことが重要です。

無理に脱がそうとすると、皮膚が一緒に剥がれてしまう可能性があります。十分に冷やした後、慎重に衣服を取り除きます。必要に応じて、ハサミで衣服を切って除去します。

3. 広範囲のやけどの場合

体表面積の10%以上の広範囲のやけど(成人の場合)では、長時間の冷却は体温を下げすぎる可能性があります。この場合は、清潔な濡れタオルで覆う程度にとどめ、速やかに医療機関を受診してください。

特に小児や高齢者では、体温低下のリスクが高いため注意が必要です。

4. 水ぶくれができた場合

水ぶくれ(水疱)は、破らずにそのまま冷やすことが原則です。

水疱は自然なバリアとして機能し、感染を防ぎます。破ってしまうと感染のリスクが高まり、治癒が遅れる可能性があります。

冷やす時間の目安

やけどの冷却時間は、最低15〜20分間が推奨されています。理想的には30分程度冷やすことで、残存熱による二次損傷を最小限に抑えることができます。

ただし、以下の点に注意してください:

痛みが強い場合:痛みが治まるまで冷やし続けても構いません。1時間程度冷やしても問題ありません。

痛みが戻る場合:冷却をやめて痛みが戻る場合は、まだ十分に冷えていない可能性があります。再度冷やしてください。

広範囲の場合:前述の通り、体温低下のリスクがあるため、あまり長時間冷やしすぎないよう注意します。

冷やした後の処置

十分に冷やした後は、以下の処置を行います。

1. 清潔なガーゼや布で覆う

患部を清潔なガーゼや布で優しく覆います。これにより、感染を防ぎ、外部刺激から保護します。

2. 軟膏の使用

軽度のやけどの場合、市販のやけど用軟膏(ワセリンベースのものなど)を薄く塗ることができます。ただし、Ⅱ度以上のやけどや、広範囲のやけどの場合は、自己判断での使用は避け、医療機関を受診してください。

3. 包帯で固定

ガーゼがずれないよう、包帯で軽く固定します。きつく巻きすぎないよう注意してください。

やけどで冷やしてはいけない場合・注意が必要な場合

適切な冷却は重要ですが、状況によっては注意が必要です。

広範囲のやけど

前述の通り、体表面積の10%以上(成人の場合)の広範囲のやけどでは、長時間の冷却は体温低下(低体温症)を引き起こす可能性があります。

体表面積の目安

  • 手のひら(指を含む):体表面積の約1%
  • 片腕全体:約9%
  • 片脚全体:約18%
  • 胴体前面:約18%

広範囲のやけどの場合は、清潔な濡れタオルで覆う程度にとどめ、保温しながら速やかに救急車を要請してください。

小児・乳幼児のやけど

小児、特に乳幼児は体温調節機能が未熟なため、大人よりも低体温症のリスクが高くなります。

  • 冷却時間は10〜15分程度にとどめる
  • 冷やしすぎないよう、子供の様子を注意深く観察する
  • 体が震えてきたら冷却を中止し、保温する

小児のやけどは、軽度に見えても深部まで達していることがあるため、必ず医療機関を受診することをお勧めします。

高齢者のやけど

高齢者も体温調節機能が低下しているため、冷却には注意が必要です。また、皮膚が薄く血流が少ないため、同じ熱源でも深いやけどになりやすい傾向があります。

特殊な部位のやけど

顔面のやけど

顔面は、できるだけ冷水で濡らしたタオルを当てて冷やします。流水で直接冷やすのが難しい場合は、洗面器に水を張り、顔をつけて冷やす方法もあります。

ただし、気道熱傷の可能性がある場合(煙を吸い込んだ、口や鼻の周りのやけど、声のかすれなど)は、速やかに救急車を要請してください。

眼のやけど

化学物質などが目に入った場合は、すぐに大量の流水で洗い流します(最低15分間)。その後、速やかに眼科を受診してください。

手指のやけど

指と指の間にガーゼを挟んで、指同士がくっつかないようにしてから包帯で固定します。

やけどでやってはいけないこと

民間療法や誤った処置は、やけどを悪化させる可能性があります。

氷や氷水で冷やす

氷や氷水を直接患部に当てると、凍傷を引き起こす可能性があります。また、急激な冷却は血流を過度に低下させ、組織の治癒を妨げることがあります。

冷やす際は、15〜20度程度の常温の流水を使用してください。どうしても氷を使いたい場合は、氷をビニール袋に入れ、タオルで包んでから患部に当てるようにします。

油脂類(バター、油など)を塗る

「やけどにはバターを塗る」という民間療法がありますが、これは絶対にしてはいけません

油脂類は熱を閉じ込めてしまい、熱による損傷を悪化させます。また、感染のリスクを高め、後の医療処置の妨げにもなります。

アロエや味噌などの民間療法

アロエや味噌、醤油などを塗る民間療法も推奨されません。これらは滅菌されておらず、感染のリスクを高めます。また、医療機関での処置の際に除去する必要があり、その過程で患部を刺激してしまいます。

水ぶくれを破る

前述の通り、水ぶくれは自然なバリアとして機能します。自分で破ってしまうと、感染のリスクが大幅に高まります。

大きな水ぶくれや、破れそうな水ぶくれがある場合は、医療機関で適切に処置してもらってください。

消毒液を使用する

アルコールなどの消毒液を患部に直接使用すると、強い刺激で痛みが増し、組織の治癒を妨げることがあります。

やけどの初期処置では、まず冷やすことを優先し、消毒液の使用は医療機関の指示に従ってください。

医療機関を受診すべきやけど

以下のような場合は、速やかに医療機関を受診してください。

すぐに受診が必要なケース

Ⅱ度以上のやけど

  • 水ぶくれができている
  • 範囲が手のひら大以上
  • 痛みが非常に強い、または逆に痛みを感じない

特殊な部位のやけど

  • 顔、首、手、足、性器、関節部位のやけど
  • これらの部位は機能的・美容的に重要であり、専門的な治療が必要です

広範囲のやけど

  • 体表面積の10%以上(成人)、5%以上(小児)

化学物質や電気によるやけど

  • 化学熱傷や電撃傷は、見た目以上に深部まで損傷が及んでいることがあります

小児・乳幼児のやけど

  • 軽度に見えても、必ず医療機関を受診することをお勧めします

煙を吸い込んだ可能性がある

  • 気道熱傷は命に関わる場合があります

緊急受診(救急車を呼ぶべき)ケース

以下の場合は、速やかに119番通報してください。

  • 広範囲の重度のやけど
  • 呼吸困難、声のかすれ(気道熱傷の可能性)
  • 意識レベルの低下
  • ショック症状(顔面蒼白、冷汗、脈が速い、意識がもうろうとしている)
  • 化学物質による広範囲のやけど
  • 高圧電流による電撃傷

経過観察中に受診が必要な症状

最初は軽度と思われたやけどでも、以下の症状が現れた場合は受診してください。

  • 発熱(38度以上)
  • 患部の赤み・腫れ・痛みが増強する
  • 患部から膿が出る
  • 悪臭がする
  • 赤い筋(リンパ管炎)が患部から広がる
  • 3〜4日経過しても改善しない

これらは感染の徴候である可能性があります。

やけどの治癒過程と経過

Ⅰ度熱傷の経過

Ⅰ度熱傷は、通常3〜7日程度で治癒します。

初期(1〜2日目):発赤と痛みが最も強い時期です。冷やすことで痛みが和らぎます。

中期(3〜5日目):痛みが徐々に軽減し、発赤も薄くなってきます。

治癒期(5〜7日目):表皮が再生し、薄く皮が剥けることがあります。瘢痕は残りません。

Ⅱ度熱傷の経過

浅達性Ⅱ度熱傷

初期(1〜3日目):水ぶくれが形成され、強い痛みがあります。この時期は感染予防が重要です。

中期(4〜10日目):水疱が徐々に吸収され、または破れて湿潤した創面となります。適切な湿潤療法により、新しい表皮が再生していきます。

治癒期(10〜14日目):新しい表皮に覆われ、赤みが残りますが、徐々に正常な肌色に戻ります。適切な治療により、瘢痕はほとんど残りません。

深達性Ⅱ度熱傷

治癒には3〜4週間以上かかります。毛根や汗腺が損傷しているため、完全に元の状態には戻りません。瘢痕が残る可能性が高く、色素沈着や色素脱失が生じることもあります。

Ⅲ度熱傷の経過

Ⅲ度熱傷は自然治癒が困難であり、植皮術などの外科的治療が必要です。治療後も瘢痕が残り、長期的なリハビリテーションが必要になることがあります。

やけど後のケアと注意点

日常生活での注意

患部を清潔に保つ

シャワーや入浴は、医師の指示に従って行います。患部を濡らしてもよい場合は、石鹸で優しく洗い、清潔を保ちます。

保湿

治癒後も、患部は乾燥しやすく敏感な状態が続きます。保湿クリームやワセリンなどで保湿を心がけましょう。

紫外線対策

やけど後の皮膚は紫外線に弱く、色素沈着を起こしやすい状態です。外出時は日焼け止めを塗る、患部を覆うなどの対策が重要です。

治癒後も半年〜1年間は紫外線対策を継続することをお勧めします。

摩擦を避ける

新しく再生した皮膚は弱いため、摩擦や圧迫を避けましょう。締め付けの少ない衣服を選び、患部をこすらないよう注意します。

瘢痕のケア

Ⅱ度深達性以上のやけどでは、瘢痕(傷跡)が残ることがあります。

ケロイドや肥厚性瘢痕の予防

  • シリコンジェルシートの使用
  • 圧迫療法(弾性包帯やサポーターの使用)
  • 保湿の継続
  • マッサージ(医師の指示のもとで)

これらのケアは、傷が治った直後から開始することが効果的です。ケロイドや肥厚性瘢痕が既にできてしまった場合は、形成外科での治療(ステロイド注射、レーザー治療、手術など)を検討します。

心理的ケア

広範囲のやけどや、顔面などの目立つ部位のやけどは、心理的な影響も大きくなります。

  • 外見の変化による自尊心の低下
  • 社会活動への不安
  • PTSD(心的外傷後ストレス障害)

このような場合は、精神科や心療内科、臨床心理士などの専門家のサポートを受けることも検討してください。

予防が最も重要

やけどは、日常生活のさまざまな場面で起こる可能性があります。予防意識を持つことで、多くのやけどは防ぐことができます。

家庭での予防対策

キッチン

  • 鍋の柄を内側に向ける
  • 子供の手の届かない奥のコンロを使用する
  • 熱い飲み物や食べ物を子供の近くに置かない
  • 電気ケトルのコードが垂れ下がらないようにする

浴室

  • 入浴前に湯温を確認する(特に高齢者や小児)
  • シャワーを使用する前に温度を確認する
  • 給湯温度を45度以下に設定する

暖房器具

  • ストーブの周りにガードを設置する
  • 低温やけどに注意(湯たんぽ、電気カーペット、カイロなど)
  • 長時間同じ部位に暖房器具を当てない

その他

  • アイロンの使用後は、子供の手の届かない場所に片付ける
  • 花火の取り扱いに注意する
  • 化学物質の保管と使用に注意する(適切な換気、保護具の使用)

低温やけどの予防

低温やけどは、40〜50度程度の熱源に長時間触れることで起こるやけどです。本人が気づかないうちに深いやけどになっていることがあり、注意が必要です。

低温やけどを起こしやすい状況

  • 湯たんぽを使用したまま就寝
  • 電気カーペットの上で居眠り
  • こたつで長時間同じ姿勢
  • 使い捨てカイロを直接肌に貼る

予防方法

  • 湯たんぽは就寝前に布団から出す、またはタオルで厚めに包む
  • 電気カーペットの温度設定を低めにする
  • 長時間同じ姿勢を避ける
  • カイロは衣服の上から使用する

まとめ

やけどを「冷やしていないと痛い」理由は、残存熱による組織損傷の進行、炎症反応、神経の過敏化など、複数のメカニズムが関与しています。

やけどの応急処置の要点

  1. すぐに冷やす:流水(15〜20度)で最低15〜20分間、できれば30分程度
  2. 衣服の上から冷やす:無理に脱がさない
  3. 痛みが治まるまで冷やす:痛みが戻る場合は再度冷却
  4. 水ぶくれは破らない:自然なバリアとして保護する
  5. 清潔なガーゼで覆う:感染を予防する

やってはいけないこと

  • 氷や氷水を直接当てる
  • バターや油を塗る
  • 民間療法(アロエ、味噌など)を試す
  • 水ぶくれを破る
  • 消毒液を直接使用する

医療機関を受診すべき場合

  • Ⅱ度以上のやけど(水ぶくれができている)
  • 手のひら大以上の範囲
  • 顔、手、足、関節などの重要部位
  • 小児・乳幼児のやけど
  • 広範囲のやけど
  • 化学物質や電気によるやけど
  • 感染の徴候がある場合

やけどは適切な初期対応により、痛みを軽減し、治癒を促進することができます。しかし、自己判断が難しい場合や、上記に該当する場合は、必ず医療機関を受診してください。

参考文献

  1. 日本熱傷学会「熱傷診療ガイドライン」 http://www.jsbi-burn.org/
  2. 日本皮膚科学会「皮膚科Q&A やけど(熱傷)」 https://www.dermatol.or.jp/qa/
  3. 厚生労働省「的確な診断・治療のための医療機器の適正使用」 https://www.mhlw.go.jp/
  4. 東京都福祉保健局「こどもの事故予防ガイド」 https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/
  5. 消費者庁「子どもの事故防止ハンドブック」 https://www.caa.go.jp/
  6. 日本救急医学会「救急診療指針」 https://www.jaam.jp/

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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