「冬が終わってようやく暖かくなってきたのに、なぜか肌の調子が悪い」「春になると毎年ニキビや赤みが出る」――そんな経験をお持ちの方は少なくありません。春は気温が上がり過ごしやすい季節ですが、実は1年のなかでも肌トラブルが起きやすいタイミングのひとつです。寒暖差・花粉・紫外線の増加・皮脂分泌の変化など、複数の要因が重なりやすいこの時期は、肌のバリア機能が乱れやすく、さまざまなトラブルを引き起こします。本記事では、春に起きやすい肌トラブルの種類とその原因、そして日常生活で取り組める対策について、できるだけわかりやすく解説します。
目次
- 春に肌トラブルが増える理由
- 春の肌トラブルの主な原因①:寒暖差と気温の急激な変化
- 春の肌トラブルの主な原因②:花粉と外部刺激
- 春の肌トラブルの主な原因③:紫外線量の急増
- 春の肌トラブルの主な原因④:皮脂分泌のバランスの乱れ
- 春の肌トラブルの主な原因⑤:生活リズムや環境の変化によるストレス
- 症状別:春に多い肌トラブルの特徴
- 春の肌トラブルを防ぐための日常ケア
- クリニックへの相談が勧められるケース
- まとめ
この記事のポイント
春は寒暖差・花粉・紫外線増加・皮脂分泌の変化・新生活ストレスが重なり肌のバリア機能が乱れやすい。保湿徹底・正しい洗顔・日焼け止めの習慣化が基本的な予防策となり、改善しない場合は皮膚科・美容クリニックへの相談が推奨される。
🎯 春に肌トラブルが増える理由
春が肌トラブルを起こしやすい季節である背景には、複数の環境的・身体的変化が同時に重なることがあります。冬の間、肌は低温・低湿度という環境のなかで水分を失いやすい状態が続きます。そのうえで春になると、気温が急上昇したり、花粉が大量に飛散したり、紫外線量が冬の1.5〜2倍ほどまで一気に増加したりと、外部環境が短期間に激しく変化します。
肌には本来、外部からの刺激を防ぐ「バリア機能」が備わっています。このバリア機能の中心を担うのが表皮の最外層である「角層(角質層)」です。角層は、角質細胞とその間を埋める細胞間脂質(セラミドなど)によって構成されており、外部からの異物や刺激の侵入を防ぐとともに、内側からの水分蒸散を防いでいます。
春に起きる急激な環境変化は、このバリア機能に大きな負担をかけます。寒暖差によって肌の水分バランスが崩れ、花粉や大気中の微粒子が角層のすき間から侵入しやすくなり、紫外線がメラニン産生を促進し炎症を引き起こすといった連鎖反応が生じやすくなるのです。以下では、それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
Q. 春に肌のバリア機能が乱れやすいのはなぜですか?
春は寒暖差・花粉の飛散・紫外線の急増・皮脂分泌の変化・新生活のストレスという複数の要因が同時に重なります。これらが表皮の最外層である角層に負担をかけ、外部刺激を防ぐバリア機能を低下させるため、乾燥・赤み・ニキビなどのトラブルが起きやすくなります。
📋 春の肌トラブルの主な原因①:寒暖差と気温の急激な変化
春は、1日の気温差が10度以上になる日も珍しくありません。朝は冷え込んでいたのに昼間は夏日のような暑さになる、といった「寒暖差」は肌にとって非常に大きなストレスになります。
気温が上がると汗腺や皮脂腺が活発になり、皮脂分泌が増加します。一方、朝晩の冷え込みが残るため、肌が乾燥しやすい状態も続きます。この「乾燥しているのに皮脂が多い」という状態は、いわゆる「インナードライ」とも呼ばれ、肌の表面はテカっているのに、内部の水分は不足しているという矛盾した状態を引き起こします。
また、急激な温度変化は自律神経にも影響を及ぼします。自律神経は体温調節に深くかかわっており、寒暖差が激しいと体温を一定に保つためにエネルギーを大量に消費します。その結果、免疫機能や皮膚のターンオーバーに使われるはずのエネルギーが不足し、肌の回復力が低下してしまうことがあります。
さらに、寒暖差が大きいと血管の収縮・拡張が繰り返されます。これが毛細血管にダメージを与え、肌の赤みや炎症が起きやすくなる一因にもなります。特に敏感肌や乾燥肌の方は、このような温度変化の影響を受けやすい傾向があります。
💊 春の肌トラブルの主な原因②:花粉と外部刺激
春と言えば花粉のシーズン。日本では2月頃からスギ花粉が飛散し始め、3〜4月にピークを迎えます。その後もヒノキ、シラカバ、ハンノキなどさまざまな種類の花粉が続けて飛散するため、春の間は長期間にわたって花粉に晒され続けることになります。
花粉そのものは目や鼻に作用してアレルギー症状を引き起こすことが広く知られていますが、肌への影響も見逃せません。花粉が皮膚に付着すると、肌のバリア機能が低下したすき間から花粉の成分が浸透し、免疫細胞が過剰に反応する「花粉皮膚炎」と呼ばれる状態を引き起こすことがあります。
花粉皮膚炎は、顔・首・まぶた・耳の後ろなど、外気に触れやすい部位に赤みやかゆみ、ブツブツが現れるのが特徴です。花粉が飛散していない室内では症状が落ち着くことが多いため、外出後に症状が悪化する場合は花粉の影響を疑ってみることが重要です。
また、花粉と同様に春は黄砂やPM2.5といった大気汚染物質の影響も受けやすい季節です。これらの微細な粒子は花粉よりもさらに小さいため、角層のすき間から肌内部に侵入しやすく、炎症反応を引き起こすことがあります。花粉・黄砂・PM2.5が複合的に飛散する春は、外部刺激という観点でも肌にとって過酷な環境といえます。
さらに、花粉症の症状を和らげようとして鼻をよく拭いたり、目をこすったりする行動も、顔周りの肌への物理的刺激となり、赤みや荒れを招くことがあります。摩擦による刺激は肌のバリア機能をさらに弱める原因となるため、注意が必要です。
Q. 花粉が肌に与える影響と予防法を教えてください。
花粉が皮膚に付着すると、バリア機能が低下した角層のすき間から成分が浸透し、免疫細胞が過剰反応する「花粉皮膚炎」が起こることがあります。予防には、外出時のマスク着用、帰宅後の洗顔、外出前にセラミド配合クリームでバリアを補強する「バリア強化ケア」が有効です。
🏥 春の肌トラブルの主な原因③:紫外線量の急増
紫外線量は夏がピークというイメージを持つ方が多いですが、実は3〜4月頃から急激に増加します。気象庁や環境省のデータによると、春の日差しはすでに真夏の7〜8割程度の紫外線量に達することがあり、冬と比べると倍以上になることもあります。
特に問題なのは、冬の間に紫外線対策をしていなかった人が春になっても同じ感覚でいること。肌は冬の間、紫外線に対する防御力(メラニン産生など)が落ちているため、春の強い紫外線をいきなり受けると、ダメージを受けやすくなっています。「春先にシミが増えた気がする」という方が多いのもこのためです。
紫外線には主にUVAとUVBの2種類があります。UVBは肌の表面に作用して日焼け(サンバーン)を引き起こし、炎症や赤み、皮むけの原因となります。UVAは肌の奥深くまで届き、コラーゲンやエラスチンにダメージを与えて、シワやたるみ、くすみなどの「光老化」を引き起こします。
春は気温がまだそれほど高くないため、体感的に日差しが強く感じにくい場合があります。しかしUVAは雲を通過する性質があり、くもりの日でも油断は禁物です。また、花見などの長時間屋外での活動も増えるため、紫外線を浴びる総量が増えることも無視できません。
紫外線による炎症は、バリア機能の低下にもつながります。炎症が起きた肌は角層の構造が乱れ、水分が蒸発しやすくなり、外部刺激に対してさらに敏感になります。春に複数の肌トラブルが重なりやすいのは、紫外線ダメージがバリア機能を弱め、他の刺激を受けやすくする「悪循環」が起きているためです。
⚠️ 春の肌トラブルの主な原因④:皮脂分泌のバランスの乱れ
冬は寒さによって皮脂腺の活動が比較的抑制されているため、皮脂分泌が少ない状態が続きます。しかし春になり気温が上昇すると、皮脂腺が一気に活発になり、皮脂分泌量が増えてきます。
この「冬の少ない皮脂分泌→春の急増」という変化に肌が追いつかず、皮脂バランスが乱れることがあります。皮脂が過剰に分泌されると、毛穴に皮脂が詰まりやすくなり、ニキビ(尋常性ざ瘡)が発生しやすくなります。Tゾーン(額・鼻・顎)を中心に皮脂が増える一方で、頬など水分蒸発が起きやすい部位は依然として乾燥しているという「混合肌」的な状態になることも多く見られます。
また、皮脂分泌が乱れると肌の常在菌バランスにも影響が出ます。肌には多くの種類の細菌が共生していますが、皮脂が増えると「アクネ菌(Cutibacterium acnes)」が増殖しやすい環境が整います。アクネ菌は毛穴内の皮脂を分解する際に遊離脂肪酸を産生し、これが毛穴内で炎症を引き起こしてニキビになります。
さらに、皮脂分泌の増加に対応しようと洗顔を過度に行ったり、強い洗浄力のクレンジングを使い過ぎたりすると、逆に肌のバリア機能を壊してしまうことがあります。「皮脂が多い=しっかり落とさなければ」という意識が過剰なケアにつながり、より深刻なトラブルを招くケースも少なくありません。
Q. 春の紫外線対策で日焼け止めを使う際のポイントは?
春の紫外線量はすでに真夏の7〜8割程度に達するため、3月頃から対策を始めることが重要です。SPF30以上・PA++以上の製品を顔全体にティースプーン半量程度塗布し、2〜3時間ごとに塗り直しましょう。ゆらぎ肌には、紫外線吸収剤不使用のノンケミカルタイプが刺激が少なくおすすめです。
🔍 春の肌トラブルの主な原因⑤:生活リズムや環境の変化によるストレス
日本では4月は新年度のスタートです。進学・就職・転勤・引っ越しなど、生活環境が大きく変わるこの時期は、精神的なストレスがかかりやすくなります。ストレスは肌にとっても大敵で、ホルモンバランスや免疫機能に影響を及ぼし、さまざまなトラブルを引き起こします。
ストレスがかかると、副腎皮質からコルチゾール(ストレスホルモン)が分泌されます。コルチゾールには炎症を抑制する作用がある一方で、皮脂分泌を促進する作用もあります。また、コルチゾールが長期間高い状態が続くと免疫機能が低下し、肌の回復力が弱まることがあります。
また、ストレスによって自律神経のバランスが乱れると、交感神経が優位になりやすくなります。交感神経が優位な状態では血管が収縮しがちで、肌への栄養や酸素の供給が不十分になり、肌のターンオーバーが乱れることがあります。ターンオーバーが乱れると、古い角質が積み重なってくすみや肌荒れが起きやすくなるほか、シミが薄くなりにくくなるといったトラブルにも発展します。
さらに、生活リズムの変化によって睡眠不足や食生活の乱れが生じることも、春の肌トラブルに拍車をかける要因です。睡眠中に分泌される成長ホルモンは肌の修復・再生に不可欠であり、睡眠不足が続くと肌が十分に回復できず、くすみや乾燥、ニキビなどが起きやすくなります。食生活の乱れは栄養バランスの偏りを招き、肌を作るために必要なビタミンやミネラルが不足するリスクがあります。
📝 症状別:春に多い肌トラブルの特徴
春に起きやすい肌トラブルには、いくつかの典型的な症状があります。ここでは症状別に、その特徴と考えられる主な原因を整理します。
🦠 ゆらぎ肌・敏感肌状態
「ゆらぎ肌」とは、肌のバリア機能が一時的に低下して敏感になった状態を指します。これまで使えていたスキンケア製品がしみるようになったり、少しの刺激でヒリヒリしたり、赤みが出たりするのが主な症状です。春は前述の通り、寒暖差・花粉・紫外線といった複数のストレスが重なるため、ゆらぎ肌になりやすい季節です。特に季節の変わり目に症状が出る方は多く、一般的には環境が安定するにつれて症状も落ち着いていくことが多いですが、放置しておくと慢性的な敏感肌に移行するリスクもあるため、適切なケアが重要です。
👴 乾燥・皮むけ
春は気温が上がりますが、空気の乾燥が解消されないことも多く、引き続き肌の乾燥が続く場合があります。特に、冬の間に乾燥が蓄積して角層が薄くなっていた肌は、春先に皮むけが起きることがあります。また、花粉による刺激でかゆみを感じて無意識にこすってしまうことも、皮むけを悪化させる原因になります。インナードライの状態では、スキンケアで水分補給しても皮脂が多いためうまく浸透しないと感じることもあるため、成分選びの工夫が必要です。
🔸 ニキビ・毛穴の詰まり
春は皮脂分泌が急増するため、毛穴に皮脂が詰まりやすくなり、ニキビや黒ずみが目立ちやすくなります。20代後半以降のいわゆる「大人ニキビ」は顎や口の周り、頬の下部などに出やすく、ホルモンバランスやストレスとの関係が深いとされています。春は新生活のストレスも重なるため、大人ニキビが悪化しやすい時期でもあります。ニキビは自分でつぶすと色素沈着やニキビ痕の原因になるため、悪化した場合はクリニックへの相談が推奨されます。
💧 赤みや炎症、かゆみ
花粉皮膚炎や接触性皮膚炎(かぶれ)が原因で、顔や首に赤みやかゆみが現れることがあります。また、紫外線による炎症も赤みの原因です。これらの赤みは見た目のコンプレックスになりやすいうえ、かゆみで肌をこすることでさらにバリア機能が低下し、悪循環になりがちです。特に目の周りやまぶたは皮膚が薄く刺激を受けやすいため、春に腫れぼったくなったり赤くなったりする方は少なくありません。
✨ シミ・くすみ
春から紫外線量が増えるにもかかわらず、日焼け止めなど紫外線対策を怠ると、メラニンが過剰に産生されてシミが増えたり濃くなったりします。また、ターンオーバーが乱れると古い角質に蓄積したメラニンがなかなか排出されず、くすみとして残ることがあります。冬の間に蓄積したダメージが春のくすみとして表面化することも多いため、春こそしっかりとしたケアが必要です。
Q. 春の肌トラブルでクリニックへ相談すべき状況は?
ニキビが繰り返し発生する、花粉による赤みやかゆみが日常生活に支障をきたす、シミの数が増えてきたといった場合は、セルフケアの限界サインです。アイシークリニックでは、肌状態に合わせたスキンケア相談から、処方薬・レーザー・光治療などの専門的な治療まで幅広く対応しています。
💡 春の肌トラブルを防ぐための日常ケア
春の肌トラブルを予防・改善するために、日常生活で取り組めるケアを紹介します。基本的なスキンケアの見直しから生活習慣まで、できることから始めてみましょう。
📌 保湿を徹底する
春の肌トラブルの多くは、バリア機能の低下が根本にあります。バリア機能を維持・回復させるうえで最も基本的なケアが「保湿」です。化粧水で水分を補給した後、乳液や美容液、クリームなどで油分のフタをして水分の蒸発を防ぐ、という基本的なステップをきちんと行いましょう。
保湿成分として特に注目したいのは、セラミドとヒアルロン酸です。セラミドは肌の角層の細胞間脂質の主成分で、バリア機能そのものを補う働きがあります。ヒアルロン酸は優れた保水力を持ち、肌の内部に水分を蓄える助けをします。春のゆらぎ肌対策として、これらの成分が含まれたスキンケア製品を意識的に選ぶとよいでしょう。
インナードライが気になる方は、油分よりも先にしっかりと水分を補給することが重要です。水分量が少ないまま油分だけを補ってもテカリが増えるだけで根本的な改善にはなりません。ベタつきが気になる場合は、さっぱりとしたテクスチャーの乳液やジェルタイプの保湿剤を活用しながら、まず水分補給を重視することを心がけてください。
▶️ 洗顔のやり方を見直す
皮脂が増えるからといって、洗顔の回数を増やしたり、刺激の強い洗浄剤を使ったりするのは逆効果です。過度な洗顔は肌に必要な皮脂まで奪い、バリア機能をさらに弱めてしまいます。洗顔は1日2回(朝と夜)を基本とし、洗浄力が高すぎない「低刺激」タイプのフォームやジェルを選ぶとよいでしょう。
洗顔時の摩擦も肌にとってダメージになります。洗顔料はしっかり泡立て、肌をこすらずに泡で包むように優しく洗うことが大切です。すすぎはぬるま湯(32〜36度程度)で行い、熱いお湯は皮脂を過剰に落としてしまうため避けましょう。また、洗顔後のタオルでの拭き取りも、ゴシゴシこすらずに優しく押し当てるようにします。
🔹 日焼け止めを習慣化する

春から紫外線対策をしっかり行うことが、シミや炎症の予防につながります。外出する日は天気にかかわらず日焼け止めを塗ることを習慣にしましょう。SPF30以上・PA++以上の製品を選び、適切な量(顔全体に対してティースプーン半量程度)を塗布することが重要です。汗をかいたり時間が経過したりすると効果が薄れるため、2〜3時間ごとに塗り直すことが推奨されます。
敏感になった春の肌には、紫外線吸収剤不使用の「ノンケミカル」タイプの日焼け止めが刺激が少なくて適している場合があります。なお、ゆらぎ肌の状態では日焼け止め自体が刺激になることも稀にあるため、まずパッチテストを行って確認するのが安心です。
日焼け止め以外の紫外線対策として、UVカット機能のある帽子・日傘・サングラスの活用も有効です。特に外出の多い日は、複数の対策を組み合わせることで紫外線ダメージをより効果的に防ぐことができます。
📍 花粉・外部刺激への対策
花粉皮膚炎の予防には、まず花粉の付着を防ぐことが基本です。外出時はマスクを着用し、帰宅後は洗顔や手洗いで花粉を洗い流しましょう。衣服も外で払ってから室内に持ち込む習慣をつけると、室内での花粉暴露を減らすことができます。
花粉が多い日の外出を控えることも有効です。天気予報と合わせて花粉情報を確認し、飛散量が多い日には外出を最小限にする、特に昼前後(最も飛散量が多い時間帯)の外出を避けるといった工夫が肌への花粉ダメージを減らすのに役立ちます。
スキンケアの面では、外出前にあらかじめバリア機能を補う成分(セラミドやスクワランなど)を含むクリームや乳液を塗っておくことで、花粉などの外部刺激が侵入しにくい状態を作る「バリア強化ケア」も有効です。
💫 生活習慣を整える
肌の健康はスキンケアだけでなく、生活習慣によっても大きく左右されます。特に睡眠・食事・ストレス管理の3点が重要です。
睡眠については、1日7〜8時間の質の良い睡眠を確保することが理想です。成長ホルモンの分泌は入眠後しばらく経った深い眠り(ノンレム睡眠)のタイミングに多く、この時間帯に肌の修復・再生が活発に行われます。就寝前のスマートフォンやパソコン使用は睡眠の質を下げるため、就寝1時間前からはスクリーンから離れることが推奨されます。
食事については、抗酸化作用のあるビタミンC・E(緑黄色野菜、柑橘類、ナッツなど)、肌の材料となるたんぱく質(肉・魚・豆類)、腸内環境を整える発酵食品(ヨーグルト・味噌・納豆など)を積極的にとることが肌の健康につながります。また、腸と肌の状態には深い関係があることがわかっており、腸内環境を整えることは肌荒れ予防にも有効とされています。
ストレス管理については、完全にストレスをなくすことは難しいですが、ウォーキングや軽い運動、入浴、瞑想など、自分なりのリラックス方法を見つけて習慣化することが大切です。適度な運動は血行を促進し、肌の栄養供給を高める効果もあります。
🦠 スキンケア製品の切り替えを慎重に行う
春になって季節が変わったからといって、いきなり複数のスキンケア製品を変えることは、ゆらぎ肌の状態ではリスクが伴います。バリア機能が低下しているときは新しい成分に対して過敏反応が出やすいため、製品を変える際は一度に複数変えるのではなく、1アイテムずつ順番に試していくことが安全です。
また、ゆらぎ肌の時期は「シンプルケア」が基本です。多くの美容成分を重ね塗りするよりも、保湿・紫外線対策というシンプルなステップに絞り、肌への成分負担を減らすことが回復への近道になることが多いです。香料やアルコール(エタノール)を多く含む製品は刺激になりやすいため、この時期は避けるか慎重に選ぶとよいでしょう。
✨ クリニックへの相談が勧められるケース
セルフケアでも改善が見られない場合や、症状が重い場合は、皮膚科や美容クリニックへの相談を検討しましょう。以下のような状況では、専門家によるアドバイスや治療が有効です。
ニキビが繰り返し発生したり、炎症が強くなったりしている場合、市販薬だけでは対処しきれないことがあります。皮膚科では、ニキビの種類や状態に合わせた処方薬(抗菌薬の外用・内服や、レチノイドなど)を提案してもらうことができます。ニキビを悪化させると色素沈着(ニキビ痕)が残りやすいため、早めに受診することが大切です。
花粉による皮膚炎や接触性皮膚炎の症状が強く、かゆみや赤みが日常生活に支障をきたす場合も、皮膚科での診察を受けることを検討してください。場合によっては抗ヒスタミン薬の内服や、ステロイド外用薬の処方が適切な場合があります。
シミが気になる場合、特に長年気になっているシミや数が増えてきた場合は、美容皮膚科での相談が選択肢に入ります。シミにはさまざまな種類(老人性色素斑・肝斑・ソバカスなど)があり、それぞれに適した治療法が異なります。レーザー治療・光治療(IPLなど)・内服薬(トラネキサム酸など)を適切に組み合わせることで、セルフケアのみでは対応しにくいシミにもアプローチすることができます。
肌のゆらぎや赤みが長期間続く場合も、「酒さ(ロザセア)」や「アトピー性皮膚炎」など、専門的な治療が必要な疾患が隠れている可能性があります。自己判断でケアを続けるよりも、専門家に診てもらったうえで適切なケア方法を確認することが、肌トラブルの長期化を防ぐうえで重要です。アイシークリニック上野院では、肌の状態に合わせたスキンケアの相談から専門的な治療まで幅広く対応していますので、お気軽にご相談ください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、春になると「いつものスキンケアがなぜか合わなくなった」「毎年この時期に肌が荒れる」というご相談が増える傾向にあります。寒暖差・花粉・紫外線の急増といった複数のストレスが重なるこの季節は、肌のバリア機能が特に乱れやすく、まずは保湿の徹底と日焼け止めの習慣化というシンプルなケアを丁寧に続けることが大切です。セルフケアで改善が見られない場合や、かゆみや炎症が日常生活に支障をきたすほど続く場合は、どうぞお気軽にご相談ください。お一人おひとりの肌の状態に合わせた適切なアドバイスと治療をご提案いたします。」
📌 よくある質問
春は寒暖差・花粉・紫外線の急増・皮脂分泌の変化・新生活のストレスといった複数の要因が同時に重なりやすい季節です。これらが肌の「バリア機能」を担う角層に負担をかけ、乾燥・ニキビ・赤み・ゆらぎ肌など、さまざまなトラブルを引き起こしやすくなります。
はい、あります。花粉が皮膚に付着すると、バリア機能が低下した角層のすき間から花粉成分が浸透し、免疫細胞が過剰反応する「花粉皮膚炎」が起こることがあります。顔・まぶた・首などに赤みやかゆみが現れるのが特徴で、外出後に症状が悪化する場合は花粉の影響が疑われます。
3月頃から始めることをおすすめします。紫外線量は夏にピークを迎えますが、春にはすでに真夏の7〜8割程度まで増加します。冬の間に低下した肌の紫外線防御力でいきなり強い日差しを浴びると、シミや炎症が起きやすくなるため、早めの対策が重要です。
気温の上昇とともに皮脂腺が活発になり、冬に比べて皮脂分泌量が急増するためです。毛穴に皮脂が詰まりやすくなることでアクネ菌が増殖し、炎症(ニキビ)が起きやすくなります。また、新生活のストレスによるホルモンバランスの乱れも、大人ニキビの悪化に影響します。
ニキビが繰り返す・かゆみや赤みが日常生活に支障をきたす・シミが増えてきたなど、セルフケアで改善が見られない場合は、皮膚科や美容クリニックへの相談をご検討ください。当院(アイシークリニック上野院)では、肌の状態に合わせたスキンケアの相談から専門的な治療まで幅広く対応しています。
🎯 まとめ
春は寒暖差・花粉・紫外線の増加・皮脂分泌の変化・生活環境のストレスといった複数の要因が重なり、肌のバリア機能が乱れやすい季節です。ゆらぎ肌・乾燥・ニキビ・赤み・シミ・くすみなど、さまざまなトラブルが起きやすい背景には、このような季節特有の環境変化があります。
春の肌トラブルを防ぐためには、保湿の徹底・正しい洗顔・日焼け止めの習慣化・花粉対策・生活習慣の見直しという基本的なケアが有効です。また、スキンケア製品を切り替える際は肌の状態を見ながら慎重に行い、症状が重い場合や長引く場合はクリニックへの相談を検討することが大切です。
春の肌トラブルは、適切なケアによって症状を軽減したり予防したりすることが十分に可能です。自分の肌の状態をよく観察しながら、季節に合ったケアを取り入れていきましょう。肌の悩みが続く場合や、どのようなケアが自分の肌に合っているか判断が難しい場合は、専門家のアドバイスを受けることも選択肢のひとつとして検討してみてください。
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- 春にニキビが悪化する原因とは?季節の変わり目に起こる肌トラブルを解説
- 新生活のストレスが引き起こす肌荒れの原因と対策を徹底解説
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 尋常性ざ瘡(ニキビ)の診療ガイドライン、接触性皮膚炎・花粉皮膚炎の診断基準、皮膚のバリア機能に関する学会見解など、記事の核心となる皮膚科学的知見の参照元として活用
- 厚生労働省 – 皮膚の健康管理に関する情報、紫外線対策・日焼け止めの適切な使用方法に関する行政ガイダンス、生活習慣と皮膚疾患の関連についての公式情報の参照元として活用
- PubMed – 皮膚バリア機能の季節変動、花粉皮膚炎のメカニズム、UVA・UVBによる光老化、アクネ菌(Cutibacterium acnes)と皮脂分泌の関係など、記事内で言及した医学的根拠を裏付ける査読済み学術論文の参照元として活用
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務