「顔にあるほくろが気になって、除去を考えている」「仙台でほくろ除去ができる医療機関を探している」という方は多いのではないでしょうか。ほくろは医学的には「母斑細胞母斑」や「色素性母斑」と呼ばれる良性の皮膚腫瘍であり、多くの場合は治療の必要がありません。しかし、審美的な理由や、衣服・アクセサリーとの摩擦による不快感、あるいは悪性腫瘍との鑑別が必要な場合など、除去を希望される方もいらっしゃいます。
ほくろ除去には、レーザー治療や切除縫合法など複数の治療法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。治療法の選択は、ほくろの大きさ、深さ、部位、悪性の可能性の有無などによって異なるため、皮膚科専門医や形成外科専門医による適切な診断と治療計画が重要です。本記事では、仙台でほくろ除去を検討している方に向けて、ほくろの基礎知識から治療法の種類、クリニック選びのポイント、費用の目安、施術後のケアまで、医学的なエビデンスに基づいて詳しく解説します。

目次
- ほくろとは?医学的な定義と種類
- ほくろと悪性黒色腫(メラノーマ)の見分け方
- ほくろ除去の主な治療法
- 仙台でほくろ除去を受ける際の医療機関の選び方
- ほくろ除去の費用と保険適用について
- 施術の流れとダウンタイム
- 施術後のケアと注意点
- ほくろ除去のリスクと合併症
- よくある質問
- まとめ
ほくろとは?医学的な定義と種類
ほくろの正式名称と成り立ち
ほくろは、医学的には「母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうぼはん)」「色素性母斑(しきそせいぼはん)」「色素細胞母斑(しきそさいぼうぼはん)」などと呼ばれます。慶應義塾大学病院の医療情報サイトによると、ほくろは色素細胞(メラノサイト)というメラニン色素をつくる細胞が変化した「母斑細胞」と呼ばれる細胞のかたまりです。母斑細胞もメラニン色素を産生するため、褐色から茶色の平らな色素斑や、皮膚から盛り上がったイボのような形状になります。
ほくろは生まれつき存在するものもあれば、後天的に発生するものもあります。子どものころには平らであったほくろも、成長とともに母斑細胞の数が増えて隆起してくることがあります。ほくろの大きさは通常直径6mm以下で、ほとんどの場合は良性であり、放っておいても健康上の問題はありません。
ほくろの種類と分類
ほくろは、母斑細胞が存在する皮膚の深さによって、いくつかのタイプに分類されます。表皮と真皮の境界部分に母斑細胞が存在する「境界母斑」は、比較的平坦で色が濃い傾向があります。真皮内に母斑細胞が存在する「真皮内母斑」は、盛り上がりが強く、色が薄いか肌色に近いことが多いです。両方の層にまたがって存在する「複合母斑」は、境界母斑と真皮内母斑の中間的な特徴を示します。
また、生まれつき存在する「先天性母斑」と、生後に発生する「後天性母斑」という分類もあります。先天性母斑は比較的大きいものが多く、特に直径20cm以上の巨大先天性母斑は、悪性黒色腫(メラノーマ)に変化するリスクがあるため注意が必要です。
ほくろと悪性黒色腫(メラノーマ)の見分け方
悪性黒色腫(メラノーマ)とは
悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚の色素細胞(メラノサイト)やほくろの細胞(母斑細胞)ががん化したものです。国立がん研究センターの情報によると、日本におけるメラノーマの罹患率は10万人あたり1〜2人で、厚生労働省が実施した調査では国内の患者数は約4,000人と報告されています。白人に比べると日本人での発生頻度は低いですが、非常に悪性度の高いがんであり、早期発見・早期治療が極めて重要です。
日本人のメラノーマの半数は手足と爪にできますが、顔面を含む全身のさまざまな部位に発症する可能性があります。メラノーマは早い時期から転移する力を持っているため、ほくろとの鑑別が重要です。
ABCDEルールによる自己チェック
良性のほくろと悪性黒色腫を見分けるための簡便な方法として、「ABCDEルール」が国際的に用いられています。以下の5つの特徴に当てはまる場合は、メラノーマの可能性が疑われます。
Aは「Asymmetry(非対称性)」を意味し、ほくろの形が左右非対称である場合に注意が必要です。良性のほくろは通常、円形や楕円形で左右対称ですが、メラノーマは不規則な形状を示すことが多いです。
Bは「Border irregularities(境界不整)」で、ほくろの縁がギザギザしていたり、境界が不明瞭で色がにじみ出しているような場合に該当します。良性のほくろは境界がはっきりしていることが多いです。
Cは「Color variegation(色調不均一)」を指し、ほくろの中に色むらがある場合に注意が必要です。黒褐色だけでなく、青、赤、白などさまざまな色調が混在している場合は特に注意が必要です。
Dは「Diameter greater than 6mm(直径6mm以上)」で、ほくろの長径が6mm以上ある場合に当てはまります。鉛筆の消しゴム部分の直径がおよそ6mmですので、これを超えるサイズの場合は注意が必要です。
Eは「Evolving(変化)」を意味し、大きさ、色、形、症状などが時間とともに変化している場合に該当します。特に短期間で急速に変化している場合は、早急に専門医の診察を受けることが推奨されます。
ダーモスコピー検査の重要性
ABCDEルールは有用な自己チェック方法ですが、実際にはこれらの基準を満たさないメラノーマも存在します。そのため、気になるほくろがある場合は、皮膚科専門医によるダーモスコピー検査を受けることが重要です。
ダーモスコピー検査とは、特殊な拡大鏡(ダーモスコープ)を用いて、皮膚病変を10倍から30倍程度に拡大し、反射光のない状態で明るく照らして観察する検査です。痛みもなく簡便な検査でありながら、色素沈着の状態や血管のパターンを詳しく観察することができ、良性のほくろと悪性黒色腫の鑑別に非常に有用です。
特に、成人になってから新しくできたほくろで、色や大きさに変化がみられる場合、色の濃淡が強い場合、境界がぼやけている場合などは、早めに皮膚科専門医を受診することをお勧めします。また、日本人に多い手のひらや足の裏にできたほくろについても、専門医への相談をお勧めします。
ほくろ除去の主な治療法
ほくろ除去の治療法には、大きく分けてレーザー治療と外科的切除があります。それぞれの治療法には特徴があり、ほくろの大きさ、深さ、部位、悪性の可能性の有無などによって最適な治療法が異なります。
炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)
炭酸ガスレーザーは、ほくろ除去に最も広く用いられているレーザー治療法です。このレーザーは水分に吸収されると瞬時に熱エネルギーに転換されるという性質があります。皮膚には水分が含まれているため、レーザーを照射すると細胞内の水分がレーザーのエネルギーを吸収し、蒸散作用を起こして一瞬でほくろ組織を除去します。また、周辺の血管も同時に凝固されるため、出血がほとんどありません。
炭酸ガスレーザーは、小さく浅いほくろ、隆起したほくろ、縫合が困難な部位(頭部、鼻部、眉毛部、まぶたの縁など)にあるほくろに適した治療法です。施術時間は麻酔を含めて1個あたり数分程度と短く、複数のほくろを同時に除去することも可能です。
最新の炭酸ガスレーザー機器では、スキャナー機能やフラクショナル機能を搭載したものもあり、ほくろの範囲・形状や深さを細かく設定することで、より精密な治療が可能になっています。施術後は皮膚が再生するまでの約2週間、医療用テープで保護しながら過ごす必要があります。再生したばかりの皮膚には赤みやわずかなくぼみがありますが、2〜3か月の経過で徐々に目立たなくなっていきます。
Qスイッチレーザー・ピコレーザー
Qスイッチレーザー(Qスイッチルビーレーザー、Qスイッチヤグレーザーなど)やピコレーザーは、メラニン色素に選択的に反応するレーザーです。これらのレーザーは皮膚を削ることなく、ほくろの色素のみを破壊することができるため、傷跡が残りにくいという特徴があります。
ただし、これらのレーザーは色素を持つ細胞にのみ反応するため、深いところにある色素を持たない母斑細胞には効果が期待できません。そのため、単独での使用では再発や取り残しが高い確率で起こる可能性があります。平坦で浅いほくろには適していますが、盛り上がったほくろやふくらみのあるほくろには向いていません。
一部のクリニックでは、炭酸ガスレーザーとQスイッチレーザーを併用する「コンビネーション治療」を行っており、それぞれのレーザーの利点を活かした治療が可能です。
電気メス(高周波メス)
電気メスや高周波メス(ラジオ波メス)を用いてほくろを削り取る方法もあります。これはレーザーと同様に、ほくろ組織を蒸散させて除去する治療法です。炭酸ガスレーザーと比較して、機器のコストが低いため、より安価に治療を受けられる場合があります。
ただし、電気メスでは炭酸ガスレーザーほど精密な操作が難しく、削りすぎや削り残しが起こりやすいという指摘もあります。施術後のダウンタイムや傷跡の経過については、炭酸ガスレーザーとほぼ同様です。
切除縫合法
切除縫合法は、メスでほくろを根元から切除し、縫合して治療する外科的手術です。ほくろを確実に根本から取り除くことができるため、再発が少ないという大きなメリットがあります。また、切除した組織を病理検査に回すことができるため、悪性かどうかの確定診断が可能です。
切除縫合法は、大きなほくろ、深いほくろ、盛り上がったほくろ、悪性の可能性があるほくろに適しています。形成外科では、傷跡が皮膚のシワの方向に沿うようにデザインし、真皮縫合と皮膚縫合を丁寧に行うことで、傷跡をできるだけ目立たなくする工夫がなされています。
デメリットとしては、縫合が必要なため抜糸までの約1週間はダウンタイムがあること、ほくろの直径よりも長い線状の傷跡が残る可能性があることが挙げられます。ただし、形成外科専門医による丁寧な縫合により、傷跡はかなり目立たなくすることが可能です。医師の診断により保険適用となる場合もあります。
くりぬき法(パンチ切除法)
くりぬき法は、円筒状の器具(パンチ)を用いてほくろをくりぬくように切除する方法です。小さなほくろや盛り上がりの少ないほくろに適しており、縫合が不要か、または簡単な縫合で済むことが多いです。切除縫合法と同様に、切除した組織を病理検査に回すことが可能です。
ただし、深いほくろや大きなほくろの場合は、深く削る必要があるため傷跡が目立ちやすくなることがあります。そのような場合は、切除縫合法のほうが適していることもあります。
仙台でほくろ除去を受ける際の医療機関の選び方
診療科の選択
ほくろ除去は、皮膚科、形成外科、美容皮膚科、美容外科などで受けることができます。それぞれの診療科には特徴があり、目的に応じて選択することが重要です。
皮膚科は、ほくろの良性・悪性の診断に長けており、ダーモスコピー検査による正確な診断が期待できます。悪性の可能性が気になる場合や、まず診断を受けたい場合は皮膚科を受診することをお勧めします。また、保険適用での治療を希望する場合も、一般皮膚科が適しています。
形成外科は、傷跡を目立たなくする技術に優れています。日本形成外科学会のウェブサイトによると、形成外科では生まれつきの病気や変形の治療、外傷や熱傷の治療、がん切除後の再建手術などが健康保険の対象になります。ほくろ除去においても、縫合技術を活かした切除縫合法での治療や、傷跡を最小限にするレーザー治療が期待できます。
美容皮膚科・美容外科は、審美的な仕上がりを重視した治療を提供しています。複数のほくろを同時に除去したい場合や、仕上がりの美しさを最優先したい場合に適しています。ただし、多くの場合は自由診療となり、費用は全額自己負担となります。
仙台エリアの医療機関の特徴
仙台市内には、ほくろ除去を行う医療機関が多数あります。JR仙台駅周辺には大手美容クリニックが集中しており、アクセスの良さが特徴です。また、長町エリアや青葉通り周辺にも、皮膚科専門医や形成外科専門医が在籍するクリニックがあります。
仙台でほくろ除去を受ける際は、以下のポイントを参考にクリニックを選ぶことをお勧めします。まず、皮膚科専門医や形成外科専門医が在籍しているかどうかを確認しましょう。専門医は、日本皮膚科学会や日本形成外科学会が定める研修を修了し、試験に合格した医師であり、専門的な知識と技術を有しています。
次に、ダーモスコピー検査を行っているかどうかも重要です。見た目だけでは判断が難しいほくろもあるため、ダーモスコピー検査による正確な診断が受けられるクリニックを選ぶと安心です。
また、複数の治療法を提供しているクリニックでは、ほくろの状態に応じて最適な治療法を選択することができます。レーザー治療と切除縫合法の両方に対応しているクリニックであれば、より適切な治療を受けられる可能性が高まります。
カウンセリングでの確認事項
クリニックを選ぶ際は、事前のカウンセリングを活用しましょう。カウンセリングでは、以下の点を確認することをお勧めします。
まず、ほくろの診断結果と推奨される治療法について説明を受けましょう。なぜその治療法が適しているのか、他の選択肢はあるのかを確認することが大切です。次に、治療に伴うリスクや合併症、ダウンタイムについても詳しく説明を受けましょう。傷跡がどの程度残る可能性があるのか、再発のリスクはどのくらいあるのかなども重要な確認事項です。
費用についても、総額でいくらかかるのか、追加費用が発生する可能性はあるのかを明確に確認しましょう。また、アフターケアの内容や、万が一再発した場合の対応についても事前に確認しておくと安心です。
ほくろ除去の費用と保険適用について
保険適用となるケース
ほくろ除去は、医師が医療上の必要性があると判断した場合に限り、健康保険が適用されます。具体的には、悪性の可能性があり病理検査が必要な場合、ほくろが眼瞼や鼻孔などにあり機能障害を起こしている場合、衣服やベルトなどとの摩擦で出血や炎症を繰り返している場合などが該当します。
日本形成外科学会のウェブサイトによると、レーザー治療で保険適用が認められている皮膚疾患は、単純性血管腫、苺状血管腫、毛細血管拡張症、太田母斑、異所性蒙古斑、扁平母斑、外傷性色素沈着(外傷性刺青)などです。一般的なほくろ(色素性母斑)のレーザー治療は、基本的に保険適用外となります。
保険適用での切除手術の場合、3割負担で数千円から1万円前後が費用の目安となります。ただし、部位や大きさ、病理検査の有無などによって費用は異なります。保険適用かどうかは医師の診断によるため、まずは医療機関を受診して相談することをお勧めします。
自由診療の費用相場
審美目的でのほくろ除去は自由診療となり、費用は全額自己負担となります。自由診療の費用はクリニックによって異なりますが、一般的な相場は以下のとおりです。
電気メスによる除去は1個あたり5,000円から10,000円程度、炭酸ガスレーザーによる除去は1個あたり5,000円から20,000円程度が相場です。ほくろのサイズによって料金が設定されていることが多く、1mm単位で料金が変わるクリニックもあります。
また、複数のほくろをまとめて除去する「取り放題プラン」を提供しているクリニックもあります。顔に複数のほくろがある場合や、多数のほくろを除去したい場合は、このようなプランを検討するのも一つの選択肢です。
費用を比較する際は、施術料金だけでなく、初診料・再診料、麻酔代、薬代、テープ代などの追加費用も含めた総額を確認することが重要です。また、再発した場合の再治療費用についても事前に確認しておくと安心です。
施術の流れとダウンタイム
施術当日の流れ
ほくろ除去の施術当日は、まず医師による診察とカウンセリングが行われます。ほくろの状態を確認し、治療法や施術の流れについて説明を受けます。同意書に署名した後、施術が開始されます。
レーザー治療や電気メスによる除去の場合、まず局所麻酔を行います。局所麻酔は注射で行われ、麻酔が効くまで数分待ちます。麻酔が効いた後、レーザーまたは電気メスでほくろを除去します。施術時間は1個あたり数分程度で、複数のほくろを除去する場合でも30分程度で完了することが多いです。
切除縫合法の場合も同様に局所麻酔を行い、メスでほくろを切除した後、縫合を行います。施術時間は20分から30分程度が目安です。
施術後は、傷の治りを促進するための軟膏を塗布し、医療用テープや絆創膏で保護します。術後の注意事項やアフターケアについて説明を受けた後、帰宅となります。
ダウンタイムの目安
ダウンタイムとは、施術後に日常生活に支障が出る期間のことです。ほくろ除去後のダウンタイムは、治療法やほくろの大きさによって異なります。
レーザー治療や電気メスによる除去の場合、施術後は皮膚がえぐれた状態(擦り傷のような状態)になります。この傷が上皮化(皮膚が再生)するまでに約2週間かかります。この間は医療用テープで保護し、テープを貼ったまま洗顔や入浴を行います。上皮化後も赤みやわずかなくぼみが残りますが、2〜3か月かけて徐々に目立たなくなります。
切除縫合法の場合は、抜糸までに約1週間かかります。抜糸後も傷跡の赤みは残りますが、3〜6か月かけて徐々に薄くなり、最終的には肌色に近い線状の傷跡になります。
施術当日から洗顔や入浴は可能ですが、患部をこすったり、水圧を直接当てたりすることは避けてください。また、施術後しばらくは激しい運動や飲酒、サウナなどは控えることが推奨されます。
施術後のケアと注意点
傷のケア方法
施術後の傷のケアは、傷跡をきれいに治すために非常に重要です。医師の指示に従って、適切なケアを行いましょう。
レーザー治療後は、処方された軟膏を1日1〜2回塗布し、医療用テープで保護します。テープが汚れたり剥がれたりした場合は、新しいテープに貼り替えます。洗顔時にテープが濡れても問題ありませんが、テープが剥がれた場合は貼り直してください。
切除縫合法の場合は、抜糸まで傷を清潔に保ち、医師の指示に従ってケアを行います。抜糸後は、傷跡にテーピングを行うことで、傷跡が広がるのを防ぐことができます。テーピングは3〜6か月程度続けることが推奨されることがあります。
紫外線対策の重要性
施術後の傷跡は、紫外線の影響を受けやすい状態にあります。紫外線を浴びると、傷跡に色素沈着が起こり、シミのように茶色く残ってしまう可能性があります。そのため、施術後3〜6か月間は特に注意して紫外線対策を行うことが重要です。
具体的には、日焼け止めをこまめに塗布すること、帽子や日傘を使用すること、できるだけ直射日光を避けることが推奨されます。顔のほくろを除去した場合は、医療用テープの上からでも日焼け止めを塗ることができますが、テープを外した後も継続して日焼け止めを使用することが大切です。
経過観察と再診
施術後は、医師の指示に従って経過観察のための再診を受けましょう。切除縫合法の場合は抜糸のための受診が必要です。レーザー治療の場合も、傷の治り具合を確認するための再診が設定されることがあります。
施術後に以下のような症状が見られた場合は、早めに医療機関を受診してください。傷から膿が出ている、傷の周りが赤く腫れている、発熱がある、痛みが強くなっている、出血が止まらない、などの症状は感染や合併症のサインである可能性があります。
また、施術後数か月経っても傷跡が盛り上がって赤くなっている場合は、肥厚性瘢痕やケロイドの可能性があります。このような場合は、ステロイド注射などの追加治療が必要になることがあるため、医師に相談してください。
ほくろ除去のリスクと合併症
一般的なリスク
ほくろ除去は比較的安全な処置ですが、以下のようなリスクや合併症が起こる可能性があります。
傷跡が残ることは、ほくろ除去において避けられないリスクの一つです。レーザー治療では、わずかなくぼみや色素沈着が残ることがあります。切除縫合法では、線状の傷跡が残ります。ただし、適切な施術とアフターケアにより、傷跡は時間とともに目立たなくなっていきます。
色素沈着は、特に日本人など有色人種に起こりやすい合併症です。施術後の傷跡が茶色くなり、シミのように見えることがあります。多くの場合は時間とともに改善しますが、改善までに数か月から1年程度かかることもあります。美白クリームの使用や、徹底した紫外線対策により予防・改善が期待できます。
再発は、レーザー治療において比較的多くみられます。ほくろの細胞を完全に除去しきれなかった場合、数か月から数年後にほくろが再び現れることがあります。再発した場合は、再度治療を行う必要があります。一部のクリニックでは、一定期間内の再発に対して無料で再治療を行う保証制度を設けています。
注意すべき合併症
まれではありますが、以下のような合併症が起こる可能性もあります。
感染は、傷のケアが不十分な場合や免疫力が低下している場合に起こりやすくなります。傷が赤く腫れる、膿が出る、発熱があるなどの症状が見られた場合は、早めに医療機関を受診してください。抗菌薬の内服や外用により治療します。
肥厚性瘢痕やケロイドは、傷跡が盛り上がって赤くなり、かゆみや痛みを伴うことがある合併症です。体質によって起こりやすさが異なり、特に胸部、肩、上腕などはケロイドが発生しやすい部位とされています。ケロイド体質の方は、事前に医師に伝えておくことが重要です。
陥凹(くぼみ)は、深いほくろを除去した場合や、削りすぎた場合に起こることがあります。多くの場合は時間とともに改善しますが、大きなくぼみが残った場合は、ヒアルロン酸注入などの追加治療が必要になることもあります。
自己処理の危険性
インターネット上では、「自宅で簡単にほくろが取れる」とうたった除去クリームやもぐさなどが販売されています。しかし、このような製品を使った自己処理は非常に危険であり、絶対に避けてください。
自己判断による処置には、皮膚に深刻な傷跡や火傷を負うリスク、悪性腫瘍を見逃すリスク、感染症を起こすリスクなど、重大な危険が伴います。ほくろの除去は必ず医療機関で受けるようにしてください。

よくある質問
ほくろ除去に明確な年齢制限はありませんが、お子様の場合は成長に伴ってほくろの大きさや数が変化する可能性があるため、成長がある程度落ち着いてから除去を検討することが一般的です。ただし、悪性の可能性がある場合や、ほくろが大きくて機能障害を起こしている場合などは、年齢に関係なく早期の治療が必要になることもあります。未成年の方が施術を受ける場合は、保護者の同意が必要です。まずは皮膚科専門医に相談し、除去の必要性や適切な時期について判断を仰ぐことをお勧めします。
「ほくろを刺激するとがんになる」という説を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、医学的にはほくろを適切に除去することでがんが発生するという根拠はありません。良性のほくろを医療機関で適切に除去しても、それが原因でがんになることはないとされています。ただし、すでに悪性化しているほくろ(メラノーマ)を誤って不完全に除去した場合は、残った腫瘍細胞が広がる可能性があるため、事前の正確な診断が重要です。気になるほくろがある場合は、まずダーモスコピー検査を受けて良性・悪性の診断を受けることをお勧めします。
はい、ほくろ除去後に再発することはあります。特にレーザー治療では、ほくろの細胞を完全に取り切れなかった場合に再発が起こりやすいです。再発率は施術者の技術やほくろの深さによって異なりますが、深いほくろほど再発のリスクが高くなります。切除縫合法はほくろを根本から取り除くため、レーザー治療に比べて再発率が低いとされています。再発した場合は再度治療を行う必要がありますが、多くのクリニックでは一定期間内の再発に対して無料または割引価格で再治療を行う保証制度を設けています。施術前に再発時の対応についても確認しておくと安心です。
ほくろ除去の施術は、局所麻酔を行ってから実施するため、施術中に痛みを感じることはほとんどありません。最初に麻酔の注射をする際に「チクッ」とした痛みを感じますが、これも数秒で終わります。痛みに弱い方やお子様の場合は、事前に麻酔クリームを塗布して注射の痛みを軽減する方法もあります。施術後は麻酔が切れると軽い痛みやヒリヒリ感を感じることがありますが、通常は1〜2日で治まります。痛みが強い場合は、市販の鎮痛剤を服用しても問題ありません。術後の痛みが長引いたり、強くなったりする場合は、感染の可能性があるため医療機関に相談してください。
ほくろ除去後のメイク開始時期は、治療法と傷の治り具合によって異なります。レーザー治療の場合、傷口が上皮化(皮膚が再生)するまでは患部を直接メイクすることは避けてください。上皮化には通常2週間程度かかります。ただし、医療用テープで保護している期間も、テープの上からファンデーションを塗ることは可能です。切除縫合法の場合は、抜糸後(約1週間後)から傷跡をカバーするメイクが可能です。いずれの場合も、傷跡に刺激を与えないよう、優しくメイクを行い、クレンジングも摩擦を避けて丁寧に行うことが大切です。傷の状態に応じて医師からの指示を受けてください。
まとめ
本記事では、仙台でほくろ除去を検討している方に向けて、ほくろの基礎知識から治療法、クリニック選び、費用、施術後のケアまで詳しく解説しました。
ほくろは医学的には「母斑細胞母斑」と呼ばれる良性の皮膚腫瘍であり、多くの場合は治療の必要がありません。しかし、審美的な理由や機能的な問題、悪性腫瘍との鑑別が必要な場合などには、除去を検討することがあります。
ほくろ除去の治療法には、炭酸ガスレーザー、Qスイッチレーザー、電気メス、切除縫合法などがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。治療法の選択は、ほくろの大きさ、深さ、部位、悪性の可能性の有無などによって異なるため、皮膚科専門医や形成外科専門医による適切な診断と治療計画が重要です。
仙台でほくろ除去を受ける際は、専門医が在籍しているクリニック、ダーモスコピー検査を行っているクリニック、複数の治療法を提供しているクリニックを選ぶことをお勧めします。事前のカウンセリングで治療内容やリスク、費用について十分に説明を受け、納得した上で施術を受けることが大切です。
ほくろ除去は比較的安全な処置ですが、傷跡、色素沈着、再発などのリスクがあります。施術後は医師の指示に従って適切なケアを行い、紫外線対策を徹底することで、きれいな仕上がりを目指すことができます。
気になるほくろがある場合は、まず専門医を受診し、正確な診断を受けることをお勧めします。良性・悪性の診断を受けた上で、除去の必要性や最適な治療法について相談し、後悔のない選択をしてください。
参考文献
- 慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト KOMPAS「色素性母斑(ほくろ)」
- 国立がん研究センター がん情報サービス「メラノーマ(悪性黒色腫)」
- 国立がん研究センター がん情報サービス「悪性黒色腫(皮膚) 検査」
- 国立がん研究センター 希少がんセンター「悪性黒色腫(メラノーマ)」
- 国立がん研究センター 中央病院 皮膚腫瘍科「診療について」
- 日本形成外科学会「形成外科と健康保険」
- 日本皮膚科学会「一般公開ガイドライン」
- 横浜市立大学附属病院「悪性黒色腫の診断と治療」
- がん研有明病院 皮膚腫瘍科「悪性黒色腫(メラノーマ)」
- 日本医科大学武蔵小杉病院「『ほくろ』『できもの』と『がん』」
※本記事は医学的な情報提供を目的としたものであり、個々の症状や治療についての診断・治療を行うものではありません。気になる症状がある場合は、必ず医療機関を受診してください。
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務