「ほくろから毛が生えてくるのはなぜ?」「ほくろから生える毛を抜いても大丈夫?」このような疑問をお持ちの方は少なくありません。顔や身体のほくろから太く目立つ毛が生えてくると、見た目が気になるだけでなく、「病気のサインなのでは」と心配になることもあるでしょう。実は、ほくろから毛が生えることは医学的に見て珍しいことではなく、むしろ良性のほくろである可能性を示す一つの指標とされています。本記事では、ほくろから毛が生えるメカニズムから、正しい処理方法、注意すべき悪性のほくろとの見分け方、そして安全なほくろ除去法まで、皮膚科専門の知見に基づいて詳しく解説します。ほくろと毛の関係について正しく理解し、適切なケアを行うための参考にしてください。
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間違った自己処理で「ほくろが悪性化」するリスクが!
毛抜きでの処理は炎症や感染症の原因にも…
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✓ 安全な毛の処理方法が分かる
✓ 悪性ほくろの見分け方が分かる
✓ 最適なほくろ除去方法が選べる

📑 目次
- 🔬 ほくろとは何か?基本的なメカニズムを理解しよう
- 💡 ほくろから毛が生える理由と正しい処理方法を知ろう
- ✅ 良性と悪性のほくろの見分け方と注意すべきサイン
- ⚠️ やってはいけない処理方法とそのリスク
- 🏥 安全なほくろ除去法と医療機関の選び方
- ❓ ほくろと毛に関するよくある質問
- 📝 まとめ
この記事のポイント
ほくろから毛が生えるのは正常な皮膚現象であり、良性の可能性が高い。処理はハサミでのカットが安全で、毛抜きは炎症や悪性化リスクを高めるため禁忌。ABCDEルールで変化を観察し、異常があれば皮膚科専門医へ相談することが重要。
🔬 ほくろとは何か?基本的なメカニズムを理解しよう
📍 ほくろの正体と医学的な定義
ほくろは医学的に「母斑細胞母斑」または「色素性母斑」と呼ばれる良性の皮膚腫瘍です。日本皮膚科学会によれば、ほくろは皮膚の色に関与するメラニン色素を作る細胞であるメラノサイトが変化した「母斑細胞」が皮膚の一部に集まって形成されたものとされています。
メラノサイトは本来、紫外線から身体を守るためにメラニン色素を作り出す重要な役割を担っています。このメラノサイトが増殖したり塊になったりすることで、皮膚の一部が黒色や茶色に見えるようになるのがほくろの正体です。ほくろは良性の腫瘍であるため、基本的には健康上の問題はありません。
📊 ほくろの種類と特徴
ほくろには生まれつきのものと後天的にできるものがあり、その性質や見た目もさまざまです。母斑細胞の存在する深さや、増殖の程度、メラニン色素産生の有無によって以下のように分類されます。
まず境界母斑は、母斑細胞が表皮と真皮の境界部分に限局して存在するタイプです。メラニン色素の産生が盛んで、見た目は黒くて平坦なほくろとして現れます。次に複合母斑は、母斑細胞が表皮と真皮の境界部分から真皮の浅い部分にかけて存在するタイプで、メラニンの産生も盛んなため、黒や茶色の隆起したほくろに見えます。そして真皮内母斑は、母斑細胞が真皮内にのみ存在するタイプです。メラニン色素の産生は乏しく、肌色または薄茶色、もしくは灰色の隆起したほくろとして見られます。
また、先天性色素性母斑は生まれつき存在する母斑で、大型のものでは剛毛が生えていることも多く、「黒アザ」のような外見を呈します。20cmを超える巨大先天性色素性母斑は悪性化するリスクがあるとされ、専門医による経過観察や場合によっては切除が推奨されることがあります。
🌟 ほくろができる原因
ほくろができる原因はさまざまですが、主なものとして以下が挙げられます。
遺伝的な要因として、体質的にほくろができやすい家系があることが知られています。紫外線の影響も重要な要因の一つで、日光に当たることでメラノサイトが刺激され、色素が増加してほくろが発生することがあります。ホルモンの影響も見逃せず、思春期や妊娠中、加齢などでホルモンバランスが変化すると、ほくろが増えたり色が濃くなったりすることがあります。
さらに、皮膚への刺激もメラノサイトを活発化させる要因となります。毎日行うメイクの刺激や、強くこすったり圧迫したりすることで、ほくろができやすくなる可能性があるとされています。また、栄養バランスの乱れた食事や睡眠不足により正常な皮膚のターンオーバーが障害されると、表皮に溜まったメラノサイトがいつまでも排出されず残ってしまい、シミやほくろが生じることもあります。
Q. ほくろから毛が生える原因は何ですか?
ほくろも皮膚の一部であり、毛穴と毛根が存在するため毛が生えます。カリフォルニア大学の研究では、ほくろ内の「オステオポンチン」と「CD44」という分子が毛の成長を促進することが判明しています。病気のサインではなく、正常な皮膚現象です。
💡 ほくろから毛が生える理由と正しい処理方法を知ろう
🔎 ほくろにも毛穴と毛根が存在する
「ほくろから毛が生えるのはなぜ?」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。その答えは意外とシンプルで、「ほくろにも他の皮膚と同様に毛穴が存在するから」です。
ほくろは皮膚の一部に母斑細胞が集まってできたものであり、皮膚としての基本構造は保たれています。つまり、ほくろの下に毛根(毛を作る細胞組織)が存在すれば、普通の皮膚と同じように毛が生えてくるのは自然なことなのです。ほくろは特別な場所ではなく、ただ色素が集中しているだけの「皮膚の一部」であると理解すれば、毛が生えてくることも納得できるでしょう。
🧬 最新研究で明らかになった毛の成長促進メカニズム
興味深いことに、近年の研究でほくろから太い毛が生える科学的なメカニズムがより詳しく解明されつつあります。カリフォルニア大学アーバイン校の研究チームは、ほくろの内部に存在する分子が毛髪の成長を活性化する重要な役割を果たしていることを発見しました。
この研究によれば、ほくろに存在する「オステオポンチン」と「CD44」という2つの分子が、ほくろに生える長くて太い毛の成長を促進させる原因であることが明らかになりました。老化した色素細胞(メラノサイト)はオステオポンチンと呼ばれるシグナル伝達分子を大量に生成し、周りにある毛幹細胞にはこれに反応するCD44という受容体分子が存在しています。このオステオポンチンとCD44が分子レベルで相互作用すると、毛幹細胞が活性化され、毛髪がしっかりと成長することがわかったのです。
この発見は、将来的に薄毛治療への応用が期待されており、ほくろから生える毛の研究が医学的に重要な意味を持つことを示しています。
💪 ほくろから生える毛が太くて目立つ理由
ほくろから生える毛が他の部位の毛より太くて目立つと感じたことはありませんか?これには明確な理由があります。
ほくろのある部位はメラノサイトの活動が活発であり、皮膚の細胞分裂も盛んに行われています。ほくろが毛根の近くにあると、毛を作る部分である毛嚢(毛包)が刺激され、より多くの栄養が供給されます。その結果、ほくろがある場所は他の場所に比べて長くて太い毛が生えてきやすくなるのです。
また、母斑細胞が増えてできたほくろでは、メラニンを多く含む濃く太い毛が生えやすくなります。これは母斑細胞の活動が毛の成長にも影響を与えているためです。
✂️ 安全な毛の処理方法
ほくろから生える毛が気になる場合、最も安全な処理方法はハサミで根元から短くカットすることです。この方法のメリットは、皮膚やほくろへの刺激を最小限に抑えられることです。
処理を行う際は、清潔なハサミを使用し、皮膚やほくろを傷つけないよう慎重に切ることが重要です。眉毛用の小さなハサミや、先端が丸くなった安全ハサミを使用すると、より安全に処理できます。
ただし、毛抜きで抜くより新しい毛が生えてくるターンが早くなる可能性がある点は留意しておきましょう。それでも、皮膚への刺激を最小限に抑えられるという点では、カットがより安全な選択肢と言えます。
🔌 その他の処理方法と注意点
ボディ用の電気シェーバーを使用する方法もあります。電気シェーバーはカミソリのような強い刺激を皮膚に与えないため、比較的安全に毛を処理することができます。使用する際は、ほくろに強く押し当てないよう注意しながら、優しく滑らせるように使用しましょう。
ほくろの毛を処理する際は、頻繁に行いすぎないことも大切です。どのような方法であっても、ほくろへの慢性的な刺激は避けるべきです。「どうしても気になるときにだけ処理する」というスタンスで、必要最小限にとどめることをお勧めします。

Q. ほくろの毛を毛抜きで抜いてはいけない理由は?
ほくろの毛を毛抜きで抜くと、毛穴が広がって皮膚が傷つき、細菌感染によるニキビなどの肌トラブルが起きやすくなります。さらに慢性的な刺激を与え続けることで、良性のほくろが悪性のメラノーマへ変化するリスクを高める可能性があるため、推奨されません。
✅ 良性と悪性のほくろの見分け方と注意すべきサイン
👨⚕️ 毛が生えているほくろは良性の証拠?
「毛が生えているほくろは良性である」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。これは医学的にも一定の根拠がある見解です。
成田記念病院の皮膚科医によれば、毛が生えているほくろは良性である可能性が高いとされています。その理由は、本来悪性のほくろは毛が生えるような正常な皮膚構造を持っていないからです。良性のほくろは皮膚としての正常な構造を維持しているため、毛穴や毛根も正常に機能し、毛が生えてきます。一方で、悪性のほくろ(メラノーマなど)は細胞が異常に増殖し、皮膚の正常な構造を破壊しながら成長していくため、毛根も壊れてしまい毛が生えにくい傾向があるのです。
📚 メラノーマ(悪性黒色腫)とは
メラノーマ(悪性黒色腫)は、皮膚の色素細胞であるメラノサイトや母斑細胞ががん化したもので、一般的に「ほくろのがん」と呼ばれています。日本皮膚科学会によれば、メラノーマは悪性度の高い皮膚がんの一種ですが、早期に発見し早期に治療を受ければ完治する確率も非常に高くなります。
日本におけるメラノーマの発症率は10万人あたり1〜2人程度で、国内の患者数は年間約2,000〜4,000人と報告されています。発症のピークは60〜70代ですが、30〜50代の比較的若い世代にも発症することがあります。日本人のメラノーマの約半数は足の裏や爪といった部位に発生するのが特徴です。
📏 ABCDEルールによるセルフチェック
良性のほくろと悪性のメラノーマを見分けるための指標として、「ABCDEルール」が広く知られています。これは国立がん研究センターや各医療機関でも紹介されている簡便な診断方法です。
A(Asymmetry:非対称性)は形が左右非対称であることを指します。良性のほくろは円形または楕円形で対称的な形をしていることが多いですが、メラノーマは形がいびつで非対称的であることが多いです。
B(Border:境界)は辺縁がギザギザして不整であること、または色のにじみ出しがあることを指します。良性のほくろは境界が明瞭で滑らかですが、メラノーマは境界がぼやけていたり、ギザギザしていたりします。
C(Color:色調)は色調が均一でないこと、色むらがあることを指します。良性のほくろは色が均一ですが、メラノーマは黒、茶、青、赤、白など複数の色が混在していることがあります。
D(Diameter:直径)は長径が6mm以上であることを指します。鉛筆の断面(直径約6mm)を当ててはみ出すサイズのほくろは注意が必要です。
E(Evolution:変化)は大きさの拡大、色や形、症状の変化があることを指します。短期間で急激に大きくなったり、形や色が変わったりする場合は要注意です。
⚠️ 注意すべきポイント
ただし、「毛が生えているから100%安全」とは言い切れません。以下の変化が見られる場合は注意が必要です。
急にほくろが大きくなってきた場合、ほくろの形が左右非対称になった場合、色がムラになってきた(黒、赤、青など多彩な色になった)場合、かゆみや出血がある場合、これまで毛があったのに抜けてしまった場合は、皮膚科専門医への受診を検討してください。
特に「毛があったのに生えなくなった」という変化は、ほくろの細胞構造に何らかの変化が起きている可能性を示唆しています。このような変化に気づいた場合は、早めに専門医に相談することをお勧めします。
Q. 毛が生えているほくろは安全といえますか?
毛が生えているほくろは良性である可能性が高いとされています。悪性のメラノーマは皮膚の正常構造を破壊しながら成長するため毛根が壊れ、毛が生えにくい傾向があります。ただし100%安全とは言い切れず、形・色・大きさなどに変化があれば皮膚科専門医への受診が必要です。
⚠️ やってはいけない処理方法とそのリスク
🚫 毛抜きで抜くことのリスク
「ほくろの毛は抜いてはいけない」という言い伝えを聞いたことがある方も多いでしょう。これは単なる迷信ではなく、医学的な根拠があります。
ほくろの毛を毛抜きで抜くと、まず毛穴が無理やり広がり皮膚が傷つきます。これにより細菌が侵入しやすくなり、ニキビなどの肌トラブルが起こりやすくなります。また、毛を引き抜く際には強い痛みを感じますが、この痛みが強いということは皮膚に大きな負担がかかっていることを意味します。ほくろのある場所に過度な負担がかかると、腫れや赤みを引き起こしやすくなり、場合によっては色素沈着を起こすこともあります。
💀 慢性的な刺激と悪性化のリスク
さらに重要なのは、ほくろへの慢性的な刺激が悪性化のリスクを高める可能性があるという点です。良性のほくろであっても、繰り返し刺激を受け続けることで、まれに悪性のメラノーマに変化してしまうケースがあることが報告されています。
毛抜きで定期的に毛を抜くという行為は、まさにほくろに慢性的な刺激を与えることになります。また、カミソリの刃を肌に当て続けることもほくろへの刺激となるため、自己処理の方法には十分な注意が必要です。
💉 脱毛サロンや医療脱毛の注意点
ほくろの毛を脱毛で処理しようと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、これにも注意が必要です。脱毛サロンで行われる光脱毛や医療脱毛で使用されるレーザーは、毛のメラニン色素に反応する性質を持っています。そのため、毛だけでなくメラニン色素を多く含むほくろにも反応してしまい、やけどや赤みなどの肌トラブルを引き起こす可能性があります。
多くの脱毛クリニックやサロンでは、ほくろの部分を避けて施術を行うか、ほくろを保護シールで覆ってから施術を行います。ほくろのある部位の脱毛を希望する場合は、事前に担当者に相談し、適切な対応をしてもらうことが大切です。
❌ セルフケアで対応すべきでないこと
インターネット通販などで販売されている「ほくろ除去クリーム」など、自宅で使用できる製品には十分注意が必要です。皮膚科専門医は、これらの製品を使った自己処理は絶対に避けるべきだと警告しています。その理由として、悪性腫瘍の見逃しリスクがあること、深刻な傷跡が残る可能性があること、感染症のリスクがあること、適切な診断なしに処理することで重大な健康被害を招く可能性があることが挙げられます。
Q. ほくろ除去にはどのような方法がありますか?
ほくろ除去には主に3つの方法があります。手術による切除は再発が少なく病理検査も可能で保険適用になる場合があります。炭酸ガスレーザーは縫合不要でダウンタイムが短い反面、病理検査ができません。電気メスは盛り上がったほくろにも対応可能です。最適な方法は専門医との相談で選択します。
🏥 安全なほくろ除去法と医療機関の選び方
💭 ほくろ除去を検討するケース
ほくろは基本的に良性の腫瘍であり、医学的には必ずしも除去する必要はありません。しかし、以下のような場合にはほくろ除去を検討される方が多いです。
見た目が気になる場合、特に顔など目立つ場所にあるほくろは美容上の理由から除去を希望される方がいます。ほくろから生える毛が気になる場合も、毛の処理を繰り返すよりもほくろごと除去した方が良いと考える方もいます。ほくろが衣服や下着で擦れて刺激を受けやすい場所にある場合や、悪性の可能性を否定するために病理検査を行いたい場合なども除去の対象となります。
🔪 手術による切除法
メスでほくろを根元から切除し、縫合して治療する方法です。この方法のメリットとして、根からしっかり取り除けるため再発しにくいこと、切除した組織を病理検査に回せるため悪性かどうかの診断ができること、医師の判断次第で保険適用になる可能性があること、盛り上がった大きなほくろにも対応できることが挙げられます。
デメリットとしては、縫合が必要なため抜糸までの約1週間はダウンタイムがあること、ほくろの直径よりも長い線状の傷跡が残る可能性があることがあります。ただし、形成外科専門医であれば傷の方向や縫い方を工夫することで、かなり目立たなく仕上げることが可能です。
💥 炭酸ガスレーザー治療
炭酸ガスレーザーは水分に反応するレーザーで、皮膚の水分に反応して生じる熱エネルギーによってほくろを除去する方法です。この方法のメリットとして、メスを使わないため傷が小さく縫合不要であること、処置が短時間で済みダウンタイムも短いこと、小さなほくろを複数個まとめて除去しやすいこと、顔の凹凸のある部分など細かい部分にも対応できること、出血が少なく手術と比べてケアが簡単であることが挙げられます。
デメリットとしては、レーザーで組織を焼いてしまうため病理検査ができず確定診断ができないこと、深いほくろや盛り上がったほくろでは再発する可能性があること、基本的に保険適用外(自由診療)となり費用が高額になる場合があること、一度で取りきろうとして深く削ると傷跡が目立ちやすくなることがあります。
⚡ その他のレーザー治療
ピコレーザー・Qスイッチレーザーはほくろのメラニン色素に反応して色素を破壊する方法です。皮膚を削ることがないため傷跡が残りにくく、平らで小さなほくろの治療に適しています。複数回の照射によって徐々にほくろの色を薄くしていくため、一度の施術では除去できない場合がありますが、ダウンタイムが短いのが特徴です。盛り上がったほくろや根の深いほくろには対応できないため、適応をよく確認することが重要です。
電気メスの熱を用いてほくろを除去する方法もあり、レーザーでは取れないような盛り上がったほくろにも適しています。施術時間が比較的短く、一度の処置で除去できることが多いです。ただし、病理検査ができないこと、深いほくろでは再発の可能性があることなど、炭酸ガスレーザーと同様のデメリットがあります。
🚨 医療機関への受診が必要なケース
以下のような症状がある場合は、できるだけ早く皮膚科専門医を受診することをお勧めします。
ほくろが急に大きくなってきた場合、特に数ヵ月以内に急速に拡大している場合は注意が必要です。ほくろの形がいびつになってきた場合、左右非対称になったり境界がギザギザになったりしている場合も受診が推奨されます。ほくろの色に変化があった場合、特に複数の色が混在するようになった場合や、一部が薄くなったり濃くなったりした場合も同様です。ほくろから出血したり、じゅくじゅくしたり、かさぶたができたりする場合、ほくろにかゆみや痛みがある場合、これまで生えていた毛が突然生えなくなった場合も医療機関への相談が必要です。
ほくろの除去は必ず医療機関で行い、適切な診断を受けた上で治療を受けるようにしましょう。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太医師(当院治療責任者)より
「当院では、ほくろから生える毛に関するご相談が昨年より約30%増加しています。特に『毛を抜いても大丈夫か』『毛が生えているほくろは安全か』といったご質問を多くいただきます。実際に診察させていただくと、多くの方が毛抜きで処理されており、慢性的な刺激による炎症を起こしているケースも見受けられます。また、『毛が生えているから安心』と思われていた方でも、ダーモスコピー検査で詳しく観察すると、経過観察が必要なほくろが見つかることもあります。ほくろの毛でお悩みの方は、まず適切な診断を受けていただき、安全な処理方法や除去の必要性について専門医にご相談いただくことをお勧めします。」


❓ ほくろと毛に関するよくある質問
ほくろも皮膚の一部であり、毛穴と毛根が存在するため毛が生えてきます。ほくろの部位はメラノサイトの活動が活発で細胞分裂も盛んなため、毛嚢(毛包)が刺激されてより太くしっかりした毛が生えやすくなります。これは病気のサインではなく、ほくろの正常な特性の一つです。
毛抜きで抜くことは推奨されません。毛を抜くと毛穴が広がって皮膚が傷つき、細菌感染のリスクが高まります。また、ほくろへの慢性的な刺激は悪性化のリスクを高める可能性があります。毛を処理したい場合は、ハサミで根元からカットする方法が最も安全です。
一般的に、毛が生えているほくろは良性である可能性が高いとされています。悪性のほくろ(メラノーマ)は皮膚の正常な構造を破壊しながら成長するため、毛根も壊れてしまい毛が生えにくい傾向があります。ただし、毛が生えているからといって100%安全とは言い切れないため、ABCDEルールに該当する特徴がある場合は皮膚科専門医を受診してください。
ほくろの部分への脱毛レーザー照射は避けるべきです。脱毛レーザーはメラニン色素に反応する性質があるため、ほくろにも反応してやけどや赤みなどの肌トラブルを引き起こす可能性があります。多くの脱毛クリニックでは、ほくろの部分を避けて施術するか、保護シールで覆って施術を行います。
ほくろを適切に除去すれば、その部分から毛は生えなくなります。ただし、除去方法によっては再発の可能性があり、再発した場合は再び毛が生えてくる可能性もあります。根本的に解決したい場合は、手術による切除が最も確実な方法です。レーザー治療の場合は、深いほくろでは取り残しが発生することがあります。
ABCDEルールが参考になります。A(非対称性)B(境界不整)C(色調のムラ)D(直径6mm以上)E(変化がある)の5つの特徴が当てはまる場合はメラノーマが疑われます。特に短期間で急に大きくなったり、色や形が変化したりする場合は注意が必要です。正確な診断には皮膚科専門医によるダーモスコピー検査が必要です。
ほくろ除去が保険適用されるかどうかは、医師の判断と除去の理由によって異なります。悪性の疑いがある場合や、医学的な理由(炎症を繰り返す、衣服で擦れて出血するなど)がある場合は保険適用となる可能性があります。美容目的の場合は基本的に自由診療となります。また、レーザー治療は通常保険適用外です。詳しくは医療機関にご相談ください。
これまで毛が生えていたほくろから突然毛が生えなくなった場合は、ほくろの細胞構造に何らかの変化が起きている可能性があります。悪性化の兆候である可能性もあるため、念のため皮膚科専門医に相談することをお勧めします。他に色や形の変化、大きさの変化などがあれば、なおさら早めの受診が推奨されます。
📝 まとめ
本記事では、ほくろから毛が生える理由と正しい処理方法について、皮膚科専門医の知見に基づいて詳しく解説しました。
重要なポイントをまとめると、ほくろから毛が生えることは皮膚の正常な現象であり、病気のサインではないことがまず挙げられます。毛が生えているほくろは良性である可能性が高いとされていますが、100%安全とは言い切れないため、ABCDEルールに基づく観察が重要です。
毛の処理方法については、毛抜きで抜くことは避け、ハサミでカットすることが最も安全であることを強調しました。毛抜きによる処理は皮膚への刺激となり、慢性的に続けることで悪性化のリスクを高める可能性があります。
また、ほくろに変化が見られる場合(大きさ、色、形の変化、出血、かゆみなど)は早めに皮膚科専門医を受診することが大切です。特に毛が生えていたのに生えなくなった場合は、ほくろの細胞構造に何らかの変化が起きている可能性があるため注意が必要です。
ほくろ除去を検討する場合は、手術、レーザー治療、電気メスなど複数の選択肢があり、それぞれにメリット・デメリットがあるため、皮膚科専門医と相談の上で最適な方法を選択することが重要です。
ほくろから毛が生える理由と正しい処理方法を理解し、適切なケアを行うことで、安全に美容上の悩みを解決できます。気になる症状がある場合は、自己判断せずに専門医に相談することをお勧めします。
📚 参考文献
- 公益社団法人日本皮膚科学会「メラノーマ(ほくろのがん)」
- 国立がん研究センター がん情報サービス「メラノーマ(悪性黒色腫)」
- 国立がん研究センター 希少がんセンター「悪性黒色腫(メラノーマ)」
- 東京女子医科大学附属足立医療センター 皮膚科「ほくろの説明」
- MSDマニュアル家庭版「ほくろ」
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務