ミラドライはどこで受けるべき?信頼できるクリニックの見分け方

はじめに

ワキガや多汗症にお悩みの方にとって、ミラドライは画期的な治療選択肢として注目を集めています。メスを使わず、傷跡を残さずに汗腺にアプローチできるこの治療法は、多くの方の生活の質を向上させてきました。

しかし、ミラドライは高度な医療技術を必要とする治療であり、どのクリニックで受けるかによって結果や満足度が大きく異なります。料金だけで選んでしまったり、安易にクリニックを決めてしまうと、期待した効果が得られなかったり、思わぬトラブルに遭遇することもあります。

本記事では、ミラドライ治療を検討されている方に向けて、信頼できるクリニックの見分け方を詳しく解説します。医療の専門的な観点から、クリニック選びで押さえるべきポイントを分かりやすくお伝えしていきます。

ミラドライとは?基本的な仕組みを理解する

ミラドライの治療原理

ミラドライは、マイクロ波(電磁波の一種)を利用して、ワキの下にある汗腺を破壊する医療機器です。2011年にアメリカのFDA(米国食品医薬品局)で承認され、日本でも多くのクリニックで導入されています。

治療の仕組みは以下の通りです:

  1. マイクロ波の照射: 専用の機器でワキの下にマイクロ波を照射します
  2. 汗腺への熱作用: マイクロ波が水分を含む汗腺に集中的に吸収され、熱が発生します
  3. 汗腺の破壊: 生じた熱によって、エクリン腺(汗を分泌する汗腺)とアポクリン腺(ワキガの原因となる汗腺)が破壊されます
  4. 冷却システム: 皮膚表面や深部組織を守るため、同時に冷却システムが作動します

エクリン腺とアポクリン腺

ワキの下には主に2種類の汗腺があります:

エクリン腺

  • 体温調節のための汗を分泌
  • 無色透明でほぼ無臭
  • 多汗症の主な原因

アポクリン腺

  • 思春期以降に活発化
  • タンパク質や脂質を含む粘性の高い汗を分泌
  • 皮膚常在菌に分解されることで特有の臭いを発生
  • ワキガ(腋臭症)の原因

ミラドライは、これら両方の汗腺に効果を発揮するため、多汗症とワキガの両方に対応できる治療法として評価されています。

従来の治療法との違い

ミラドライが登場する以前は、以下のような治療法が主流でした:

外科手術

  • 汗腺を直接除去する方法
  • 効果は高いが、傷跡が残る
  • ダウンタイムが長い(数週間)
  • 感染症などのリスクがある

ボトックス注射

  • 一時的に汗の分泌を抑える
  • 効果は3〜6ヶ月程度
  • 定期的な治療が必要
  • ワキガへの効果は限定的

塗り薬・制汗剤

  • 日常的なケアに有効
  • 重度の症状には効果が不十分
  • 継続的な使用が必要

ミラドライの最大の特徴は、メスを使わない非侵襲的な治療でありながら、長期的な効果が期待できる点です。一度破壊された汗腺は再生しないため、多くの場合1〜2回の治療で効果が持続します。

なぜクリニック選びが重要なのか

ミラドライは医療機器として承認されていますが、治療の成功には「機器」だけでなく「技術」と「経験」が不可欠です。同じ機器を使っていても、クリニックによって結果に差が出る理由を理解しておきましょう。

技術力による効果の差

ミラドライ治療では、以下の技術的要素が結果を左右します:

照射位置の精度 汗腺が集中している部位を正確に特定し、適切な位置に照射する必要があります。照射位置がずれると、汗腺を十分に破壊できず、期待した効果が得られません。熟練した医師は、患者さんの体格や汗腺の分布を考慮して、最適な照射ポイントを決定します。

照射パワーの調整 患者さんの皮膚の厚さや汗腺の深さは個人差があります。適切なパワー設定を行わないと、効果が不十分になったり、逆に火傷などのリスクが高まります。経験豊富な医師は、一人ひとりの状態に合わせて細かくパワーを調整します。

重ね打ちの技術 効果を最大化するためには、照射部位を適切に重ねながら治療する技術が必要です。重ね方が不適切だと、照射漏れが生じたり、過剰照射による合併症のリスクが高まります。

安全性への配慮

ミラドライは比較的安全な治療法ですが、以下のようなリスクも存在します:

  • 腫れ、痛み、内出血
  • 感覚の一時的な変化
  • 皮膚の凹凸
  • 代償性発汗(他の部位の汗が増える)

信頼できるクリニックでは、これらのリスクを最小限に抑えるための対策を講じています。また、万が一トラブルが発生した場合の対応体制も整っています。

アフターフォローの質

ミラドライ治療後は、経過観察が重要です:

  • 腫れや痛みへの対処
  • 効果の確認
  • 追加治療が必要かどうかの判断
  • 予期せぬ症状への対応

質の高いクリニックでは、治療後も継続的にサポートしてくれます。

信頼できるクリニックの見分け方:10のチェックポイント

では、具体的にどのような基準でクリニックを選べばよいのでしょうか。以下の10のポイントを確認することで、信頼できるクリニックを見極めることができます。

1. 医師の資格と経験

確認すべき点:

  • 形成外科や皮膚科などの専門医資格を持っているか
  • ミラドライの治療経験が豊富か(症例数を確認)
  • ミラドライのトレーニングを正式に受けているか

ミラドライは美容医療の一分野ですが、汗腺という人体の重要な器官に働きかける医療行為です。皮膚の構造や生理学に精通した医師による治療が望ましいといえます。

クリニックのウェブサイトや初回カウンセリングで、医師の経歴や症例数を確認しましょう。年間100症例以上を扱っているクリニックであれば、十分な経験があると判断できます。

2. カウンセリングの丁寧さ

チェックポイント:

  • 十分な時間をかけて説明してくれるか(最低でも30分以上)
  • メリットだけでなくデメリットやリスクも説明するか
  • 患者の悩みや希望をしっかり聞いてくれるか
  • 質問に対して明確に答えてくれるか
  • 他の治療選択肢についても説明してくれるか

優良なクリニックでは、カウンセリングを非常に重視しています。ミラドライが本当に最適な治療法なのか、患者さんの状態や希望に合っているのかを慎重に判断します。

逆に、カウンセリングが形式的で、すぐに契約を迫るようなクリニックは避けるべきです。医療は患者さんと医師の信頼関係の上に成り立つものです。

3. 施設・設備の清潔さと充実度

確認事項:

  • 院内が清潔に保たれているか
  • 待合室やカウンセリングルームのプライバシーが確保されているか
  • 治療室が衛生的か
  • ミラドライ機器が最新のモデルか、適切にメンテナンスされているか
  • 緊急時の医療設備が整っているか

クリニックの清潔さは、その医療機関の質を表す重要な指標です。待合室が清潔で整理整頓されているか、治療室に清潔感があるかを観察しましょう。

また、ミラドライの機器は定期的なメンテナンスが必要です。機器の管理状態についても、可能であれば確認するとよいでしょう。

4. 料金体系の透明性

確認すべき点:

  • 料金が明確に提示されているか
  • 追加費用の有無と内容が説明されているか
  • 分割払いやローンの条件が明示されているか
  • キャンセルポリシーが明確か

料金については、以下の項目を確認しましょう:

  • 初回カウンセリング費用
  • 治療費用(1回あたり、または複数回のセット料金)
  • 麻酔費用(含まれているか別途か)
  • アフターケア費用
  • 診察代や薬代
  • 追加治療が必要な場合の費用

不透明な料金体系や、後から次々と追加費用を請求されるクリニックは信頼できません。すべての費用を事前に明示し、書面で提示してくれるクリニックを選びましょう。

5. アフターフォロー体制

重要なポイント:

  • 治療後の診察が料金に含まれているか
  • 緊急時の連絡先が提供されるか
  • 治療後の経過を確認する仕組みがあるか
  • トラブル時の対応方針が明確か

ミラドライ治療後は、数日から数週間にわたって腫れや違和感が続くことがあります。この期間に適切なサポートを受けられるかどうかは、治療の満足度に大きく影響します。

理想的には、以下のようなアフターフォロー体制が整っているクリニックを選びましょう:

  • 治療翌日の経過確認(電話またはメール)
  • 1週間後、1ヶ月後の診察
  • 緊急連絡先の提供(診療時間外も含む)
  • 必要に応じた追加治療やケア

6. 口コミ・評判の確認

情報収集のポイント:

  • 複数のレビューサイトで評価を確認
  • 具体的な体験談が書かれているか
  • 良い口コミだけでなく、悪い口コミへの対応も確認
  • SNSでの評判も参考に

口コミは貴重な情報源ですが、鵜呑みにするのは危険です。以下の点に注意しましょう:

口コミを見る際の注意点:

  • 極端に良い評価や悪い評価だけでなく、全体的な傾向を見る
  • 具体的な内容が書かれているレビューを重視
  • サクラレビューの可能性も考慮(極端に褒めている、具体性がない)
  • 古い口コミだけでなく、最近の評判も確認

また、知人や家族で治療経験のある方がいれば、直接話を聞くのも有効です。

7. インフォームドコンセントの実施

確認事項:

  • 治療内容、効果、リスクについて書面で説明されるか
  • 同意書にサインする前に十分な検討時間が与えられるか
  • 質問や不安に対して納得できるまで答えてくれるか

インフォームドコンセント(説明と同意)は、医療において最も基本的かつ重要なプロセスです。

優良なクリニックでは:

  • 治療の詳細を記載した資料を提供
  • リスクや副作用について具体的に説明
  • 代替治療についても情報提供
  • 患者が理解し、納得した上で同意書にサイン
  • 即日契約を強要しない

このプロセスが形式的だったり、省略されるクリニックは避けるべきです。

8. 医師とのコミュニケーション

重視すべき点:

  • 医師が直接カウンセリングを行うか
  • 専門用語を分かりやすく説明してくれるか
  • 患者の話を傾聴する姿勢があるか
  • 威圧的でなく、話しやすい雰囲気か

カウンセラーやスタッフだけでなく、実際に治療を行う医師と十分に話ができることが重要です。医師の人柄や説明の仕方が、あなたに合っているかも大切な判断基準です。

以下のような医師の態度には注意が必要です:

  • 患者の質問を面倒がる
  • 専門用語を多用し、分かりにくい説明をする
  • 他の治療法を否定的に語る
  • 効果を過大に約束する

9. 症例写真・実績の公開

確認ポイント:

  • ビフォーアフターの症例写真が公開されているか
  • 写真が加工されていない自然なものか
  • 様々なタイプの症例が掲載されているか
  • 治療回数や経過期間が明記されているか

症例写真は、そのクリニックの技術力を判断する重要な材料です。ただし、写真の見方にはコツがあります:

症例写真を見る際のポイント:

  • 照明や角度が同じ条件で撮影されているか
  • 効果が分かりやすい症例だけでなく、様々なケースが掲載されているか
  • 不自然な加工がされていないか
  • 治療後の期間が明記されているか(直後なのか、数ヶ月後なのか)

また、症例数の多さも一つの指標になります。年間症例数や開院以来の総症例数が公開されているクリニックは、その実績に自信を持っていると判断できます。

10. 学会・研究活動への参加

チェック項目:

  • 医師が学会に所属しているか
  • 学会発表や論文執筆の実績があるか
  • 最新の医療情報を学ぶ姿勢があるか
  • 他の医療機関との連携があるか

医療技術は日々進歩しています。学会活動に積極的な医師は、常に最新の知識や技術を学び、患者さんにより良い医療を提供しようとする姿勢があると考えられます。

日本皮膚科学会、日本形成外科学会、日本美容外科学会などの学会に所属し、活動している医師であれば、信頼性が高いといえるでしょう。

カウンセリングで必ず確認すべき質問事項

実際にクリニックを訪れた際、以下の質問をすることで、そのクリニックの質を見極めることができます。

治療内容に関する質問

  1. 「私の症状にミラドライは適していますか?他の治療法と比較した場合のメリット・デメリットは?」
    • この質問で、医師が患者に合った治療を提案する姿勢があるか確認できます
  2. 「治療回数は何回必要ですか?追加治療が必要になる可能性は?」
    • 現実的な治療計画を立てているか判断できます
  3. 「効果はいつ頃から実感でき、どのくらい持続しますか?」
    • 過度な期待を持たせず、正直に説明してくれるか確認しましょう
  4. 「痛みはどの程度ですか?麻酔は何を使用しますか?」
    • 痛みへの配慮と麻酔の安全性を確認します

リスクと副作用に関する質問

  1. 「起こりうる副作用やリスクをすべて教えてください」
    • デメリットを隠さず説明してくれるかが重要です
  2. 「治療後のダウンタイムはどのくらいですか?日常生活への影響は?」
    • 仕事や学校への影響を考慮するために必要な情報です
  3. 「万が一トラブルが起きた場合、どのような対応をしてもらえますか?」
    • アフターフォロー体制の確認になります
  4. 「代償性発汗のリスクはどの程度ですか?」
    • 重要な副作用について理解しているか確認できます

費用と保証に関する質問

  1. 「総額でいくらかかりますか?追加費用は発生しますか?」
    • 料金の透明性を確認します
  2. 「効果が不十分だった場合の保証制度はありますか?」
    • クリニックの自信と誠実さの表れです
  3. 「支払い方法は何がありますか?医療ローンは利用できますか?」
    • 無理のない支払い計画を立てるために重要です

医師・クリニックに関する質問

  1. 「先生のミラドライの治療経験は何年ですか?年間何例くらい施術されていますか?」
    • 経験の豊富さを確認できます
  2. 「使用している機器のモデルを教えてください。メンテナンスは定期的に行われていますか?」
    • 設備管理の状況を確認します
  3. 「治療後のフォローアップはどのようになっていますか?」
    • アフターケアの具体的な内容を確認します

治療の適応に関する質問

  1. 「私の場合、治療できない理由や注意点はありますか?」
    • 禁忌事項について正直に説明してくれるか確認します

これらの質問に対して、明確で納得できる回答をしてくれるクリニックは信頼できる可能性が高いといえます。逆に、質問を嫌がったり、曖昧な回答しかしないクリニックは避けた方がよいでしょう。

ミラドライの費用相場と価格の考え方

ミラドライ治療の費用は、クリニックによって大きく異なります。料金だけで判断するのは危険ですが、相場を知っておくことは重要です。

一般的な費用相場

両脇1回の治療費用:

  • 一般的な相場: 30万円〜40万円
  • 低価格帯: 20万円〜30万円
  • 高価格帯: 40万円〜50万円以上

この金額には通常、以下が含まれます:

  • カウンセリング費用
  • 治療費用
  • 麻酔費用
  • アフターケア(基本的なもの)

価格差が生じる理由

なぜクリニックによってこれほど価格差があるのでしょうか。主な理由は以下の通りです:

1. クリニックの立地 都心の一等地にあるクリニックは家賃などの固定費が高く、治療費も高めに設定される傾向があります。

2. 医師の経験・技術力 経験豊富な医師、専門医資格を持つ医師による治療は、価格が高めになることがあります。

3. アフターフォローの充実度 治療後の診察回数が多い、24時間サポート体制があるなど、手厚いフォロー体制は費用に反映されます。

4. 設備・環境の質 個室の治療室、最新の機器、高品質な麻酔薬などを使用すると、コストが上がります。

5. 広告宣伝費 大規模な広告を出しているクリニックは、その費用が治療費に上乗せされている可能性があります。

安すぎるクリニックに注意

20万円を大きく下回る価格を提示しているクリニックには注意が必要です。以下のような問題がある可能性があります:

  • 経験の浅い医師が担当
  • 十分な麻酔を使用しない
  • アフターフォローが不十分
  • 機器のメンテナンスが不適切
  • 追加費用が多数発生する

医療は「安ければよい」というものではありません。適正な価格で、質の高い医療を受けることが大切です。

費用対効果の考え方

ミラドライは高額な治療ですが、以下の点を考慮すると、長期的には費用対効果が高いともいえます:

ボトックス治療と比較した場合:

  • ボトックス: 1回5〜10万円、効果は3〜6ヶ月
  • 年間2回として、5年で50〜100万円
  • ミラドライ: 1〜2回で30〜60万円、効果は長期持続

日常的なケア用品と比較:

  • 制汗剤、デオドラント製品: 月3,000〜5,000円
  • 年間3.6〜6万円、10年で36〜60万円

このように見ると、ミラドライは初期費用は高額ですが、長期的な視点では経済的な選択肢ともいえます。

治療を受けるまでの流れ

信頼できるクリニックを見つけた後、実際に治療を受けるまでの標準的な流れを理解しておきましょう。

1. 初回カウンセリング(所要時間:30分〜1時間)

カウンセリングの内容:

  • 問診(症状の程度、発症時期、生活への影響など)
  • ワキの状態の診察
  • ミラドライの仕組みと効果の説明
  • リスクと副作用の説明
  • 他の治療法との比較
  • 費用の説明
  • 質問への回答

多くのクリニックでは、初回カウンセリングは無料または3,000〜5,000円程度で提供されています。

2. 検討期間

カウンセリング後、すぐに決める必要はありません。以下の点を自宅でゆっくり検討しましょう:

  • 説明内容に納得できたか
  • 医師やクリニックの雰囲気は自分に合っていたか
  • 費用は予算内か
  • 他のクリニックも比較検討したいか

複数のクリニックでカウンセリングを受けることも有効です。セカンドオピニオンを得ることで、より適切な判断ができます。

3. 治療予約

治療を決めたら、予約を入れます。人気のあるクリニックでは、1〜2ヶ月待ちになることもあります。

予約時の確認事項:

  • 治療日時
  • 所要時間(通常2〜3時間)
  • 当日の持ち物
  • 前日・当日の注意事項
  • キャンセルポリシー

4. 治療当日

治療の流れ(一般的な例):

  1. 来院・受付(5分)
  2. 準備(10〜15分)
    • 着替え
    • ワキの剃毛(必要に応じて)
    • 術前の写真撮影
  3. 麻酔(30〜40分)
    • 局所麻酔の注射
    • 麻酔が効くまで待機
  4. マーキング(5〜10分)
    • 照射する範囲にマーキング
  5. 治療(60〜90分)
    • 両脇への照射
    • 片側30〜45分程度
  6. 冷却・術後処置(15〜20分)
    • アイシング
    • 圧迫固定
  7. 説明・帰宅(10分)
    • 術後の注意事項の説明
    • 次回診察の予約

合計で2〜3時間程度を見込んでおきましょう。

5. アフターケア

治療後は以下のような経過をたどります:

当日〜3日目:

  • 腫れ、痛み、違和感が強い時期
  • 処方された痛み止めを服用
  • 患部を冷やす
  • 激しい運動は避ける

4日目〜1週間:

  • 腫れが徐々に引いてくる
  • 軽い日常生活は可能に
  • シャワーは翌日から可能(入浴は数日後から)

1〜2週間:

  • 多くの症状が落ち着く
  • 通常の生活に戻れる
  • 運動も徐々に再開可能

1ヶ月後:

  • 腫れはほぼ消失
  • 効果が実感できる時期
  • クリニックで経過確認

3〜6ヶ月後:

  • 最終的な効果が確定
  • 必要に応じて追加治療を検討

よくある質問と回答

Q1. ミラドライは1回で効果がありますか?

A. 多くの方は1回の治療で満足できる効果を得られますが、個人差があります。臨床データによると、1回の治療で約70〜80%の汗腺が破壊されるとされています。症状が重度の方や、より高い効果を求める方は、3〜6ヶ月後に2回目の治療を受けることもあります。
信頼できる医師は、あなたの症状の程度を診察した上で、必要な治療回数を提案してくれます。「必ず1回で完璧になる」と断言するクリニックよりも、「多くの方は1回で満足されますが、状態によっては2回目をお勧めすることもあります」と正直に説明するクリニックの方が信頼できます。

Q2. 痛みはどの程度ですか?

A. 局所麻酔を使用するため、治療中の痛みは最小限に抑えられます。ただし、麻酔の注射時にチクッとした痛みがあります。また、治療後数日間は筋肉痛のような鈍い痛みや、腫れによる違和感があります。
痛みの感じ方は個人差が大きいため、カウンセリング時に痛みに敏感であることを伝え、十分な麻酔をしてもらうよう相談しましょう。優良なクリニックでは、患者さんの痛みへの不安に丁寧に対応してくれます。

Q3. どのくらいで日常生活に戻れますか?

A. 個人差はありますが、一般的なスケジュールは以下の通りです:

  • デスクワーク: 翌日から可能
  • 軽い家事: 2〜3日後から
  • 腕を大きく動かす作業: 1週間後から
  • 激しい運動: 2週間後から

ただし、腫れや痛みの程度によって異なります。大切なイベントの直前は避け、余裕を持ったスケジュールで治療を受けることをお勧めします。

Q4. 再発することはありますか?

A. 一度破壊された汗腺は再生しないため、基本的には効果は永続的です。ただし、以下の点に注意が必要です:

  • 治療で破壊できなかった汗腺は残る
  • 思春期で汗腺が未発達の段階で治療を受けた場合、その後新たに活性化する汗腺がある可能性
  • 体重の大幅な変動、ホルモンバランスの変化などで、症状の感じ方が変わることがある

「完全に再発しない」と断言するクリニックよりも、これらの可能性について誠実に説明してくれるクリニックの方が信頼できます。

Q5. ワキガと多汗症の両方に効果がありますか?

A. はい、ミラドライはワキガの原因となるアポクリン腺と、多汗症の原因となるエクリン腺の両方を破壊するため、両方の症状に効果があります。

ただし、ワキガと多汗症では効果の現れ方が異なることがあります:

  • 多汗症: 比較的早く効果を実感しやすい
  • ワキガ: 効果の実感までに時間がかかることがある

両方の症状がある方は、それぞれについて期待できる効果を医師に確認しましょう。

Q6. 年齢制限はありますか?

A. 明確な年齢制限はありませんが、一般的には以下のように考えられています:

推奨年齢: 18歳以上

  • 汗腺の発達が完了している
  • 治療の必要性を本人が理解できる
  • 術後のケアを自己管理できる

未成年の場合:

  • 親権者の同意が必要
  • 症状が日常生活に深刻な影響を与えている場合に検討
  • 成長とともに症状が変化する可能性を考慮

高齢者の場合:

  • 健康状態によっては治療可能
  • 持病や服薬している薬との兼ね合いを確認

年齢よりも、個々の健康状態や症状の程度が重要です。カウンセリングで医師に相談しましょう。

Q7. 保険は適用されますか?

A. ミラドライは基本的に自由診療(保険適用外)です。ワキガや多汗症の程度に関わらず、全額自己負担となります。

保険適用の治療を希望される場合は、以下の選択肢があります:

  • 重度のワキガ: 保険適用の手術(剪除法など)
  • 重度の多汗症: ボトックス注射(保険適用の場合あり)

ただし、これらの治療にはそれぞれメリット・デメリットがあります。保険適用の有無だけでなく、自分に合った治療法を総合的に検討することが大切です。

Q8. 他の部位(手のひら、足の裏など)には使えませんか?

A. ミラドライは現在、ワキの下専用の治療として承認されています。手のひらや足の裏など、他の部位への使用は認められていません。

これらの部位の多汗症には、以下のような治療法があります:

  • イオントフォレーシス(電流療法)
  • ボトックス注射
  • 内服薬
  • 手術(交感神経遮断術など)

ワキ以外の多汗症にお悩みの方は、それぞれの部位に適した治療法について医師に相談しましょう。

まとめ:後悔しないクリニック選びのために

ミラドライは、ワキガや多汗症に悩む多くの方にとって、人生の質を大きく向上させる可能性のある治療法です。しかし、その効果を最大限に得るためには、信頼できるクリニックで適切な治療を受けることが不可欠です。

クリニック選びの基本原則

  1. 料金だけで決めない 安さだけを追求すると、技術力や安全性が犠牲になる可能性があります
  2. 複数のクリニックで比較検討する 最低でも2〜3つのクリニックでカウンセリングを受けましょう
  3. 質問をためらわない 疑問や不安は、治療前にすべて解消しておきましょう
  4. 焦って決めない 即決を迫るクリニックは避け、十分に検討する時間を取りましょう
  5. 医師との相性を重視する 技術だけでなく、信頼できる医師かどうかも重要です

最も大切なこと

ミラドライ治療を成功させる最大のポイントは、「自分に合った、信頼できるクリニックを見つけること」です。そのためには:

  • 本記事で紹介した10のチェックポイントを活用する
  • カウンセリングで積極的に質問する
  • 直感も大切にする(違和感があれば、別のクリニックも検討)

医療は人と人との信頼関係の上に成り立つものです。あなたの悩みに真摯に向き合い、最適な治療を提供してくれるクリニックを見つけることが、治療成功への第一歩となります。

アイシークリニック上野院からのメッセージ

当院では、患者さん一人ひとりの症状や希望に合わせた丁寧なカウンセリングを心がけています。ミラドライ治療に関するご質問やご不安がある方は、まずは無料カウンセリングでお気軽にご相談ください。経験豊富な医師が、あなたに最適な治療プランをご提案いたします。

ワキガや多汗症の悩みから解放され、自信を持って毎日を過ごせるよう、私たちが全力でサポートいたします。

参考文献

本記事は、以下の信頼できる情報源を参考に作成されています。

  1. 日本皮膚科学会 『原発性腋窩多汗症診療ガイドライン』 https://www.dermatol.or.jp/
  2. 日本形成外科学会 『腋臭症(ワキガ)の治療に関する情報』 https://www.jsprs.or.jp/
  3. 厚生労働省 『医療機器に関する情報』 https://www.mhlw.go.jp/
  4. 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA) 『医療機器の承認情報』 https://www.pmda.go.jp/
  5. 日本美容外科学会(JSAS) 『美容医療に関する情報提供』 https://www.jsas.or.jp/
  6. 国民生活センター 『美容医療サービスに関する相談事例』 http://www.kokusen.go.jp/

これらの公的機関や学会の情報は、医療の安全性や適切性を判断する上で重要な情報源となります。治療を検討される際は、これらの情報も参考にされることをお勧めします。


免責事項 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医療アドバイスを提供するものではありません。ミラドライ治療の適応や効果は個人差があります。実際の治療をご検討される際は、必ず医療機関で医師の診察を受け、専門的なアドバイスを受けてください。


監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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