小陰部のイボについて知っておきたいこと:原因・症状・治療法を徹底解説

はじめに

小陰部(陰部)にイボができたとき、多くの方が不安を感じられることと思います。デリケートな部位であるため、人に相談しづらく、一人で悩んでしまうケースも少なくありません。しかし、小陰部のイボは決して珍しい症状ではなく、適切な診断と治療により改善が期待できる疾患です。

本記事では、小陰部のイボの原因や種類、症状、診断方法、治療法について、一般の方にもわかりやすく解説していきます。正しい知識を持つことで、早期発見・早期治療につながり、不安の軽減にも役立つはずです。

小陰部のイボとは

イボの医学的定義

イボは医学用語で「疣贅(ゆうぜい)」と呼ばれ、皮膚や粘膜にできる小さな突起物のことを指します。小陰部に現れるイボには、いくつかの種類があり、それぞれ原因や特徴が異なります。

小陰部にできるイボの主な種類

小陰部に現れるイボには、主に以下のような種類があります:

1. 尖圭コンジローマ(性器イボ) 最も一般的な小陰部のイボで、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染により引き起こされます。

2. フォアダイス 皮脂腺が目立って見える生理的な状態で、病気ではありません。

3. 軟性線維腫(アクロコルドン) 皮膚の老化や摩擦により生じる良性の腫瘍です。

4. 伝染性軟属腫(水イボ) ポックスウイルスによる感染症で、子どもに多く見られますが、成人の陰部にも発症することがあります。

5. その他の皮膚病変 陰部の皮膚炎、毛嚢炎、脂漏性角化症なども、イボのように見えることがあります。

本記事では、特に頻度の高い尖圭コンジローマを中心に詳しく解説していきます。

尖圭コンジローマ:最も一般的な小陰部のイボ

尖圭コンジローマとは

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって引き起こされる性感染症の一つです。「コンジローマ」という名称は、ラテン語で「いぼ状の突起」を意味する言葉に由来しています。

原因:ヒトパピローマウイルス(HPV)

尖圭コンジローマの原因となるのは、主にHPV 6型と11型です。HPVには100種類以上の型があり、その中でも6型と11型は、がんを引き起こすリスクは低い「低リスク型」に分類されます。

HPVの特徴:

  • 非常に小さなウイルスで、皮膚や粘膜の微細な傷から侵入します
  • 感染力が強く、性的接触により容易に感染します
  • 多くの場合、免疫力により自然に排除されますが、排除されない場合にイボが形成されます

感染経路

尖圭コンジローマは、主に以下の経路で感染します:

性的接触

  • 膣性交、肛門性交、口腔性交を通じて感染します
  • コンドームの使用は感染リスクを減少させますが、完全に防ぐことはできません
  • 性器と性器の接触だけでなく、手や口を介した間接的な接触でも感染する可能性があります

母子感染

  • 分娩時に母親から新生児へ感染することがあります(稀)

非性的な接触

  • タオルや衣類を介した感染は理論的には可能ですが、実際には非常に稀です

潜伏期間

HPVに感染してから、イボが現れるまでの潜伏期間は、通常3週間から8ヶ月程度です。平均すると2〜3ヶ月とされています。この長い潜伏期間のため、いつ、どこで感染したのかを特定することは困難です。

発症のメカニズム

  1. 感染段階:HPVが皮膚や粘膜の微細な傷から侵入
  2. 潜伏段階:ウイルスが細胞内に潜伏し、増殖を開始
  3. 発症段階:感染細胞が増殖し、イボとして視認できるようになる
  4. 進行段階:治療しない場合、イボの数や大きさが増加することがある

症状:小陰部のイボの見た目と特徴

視覚的特徴

尖圭コンジローマは、以下のような特徴的な外観を持ちます:

形状

  • カリフラワー状、鶏のトサカ状の突起物
  • 先端が尖った小さな突起が集まっている
  • 平坦なものから、盛り上がったものまで様々

  • 白色、ピンク色、茶褐色など、周囲の皮膚とほぼ同じ色
  • 炎症を起こすと赤みを帯びることがある

大きさ

  • 数ミリから数センチまで様々
  • 単発のこともあれば、複数が集まって大きな塊を形成することもある

質感

  • 表面はザラザラしている
  • 触ると柔らかい

発生部位

女性の場合

  • 大陰唇、小陰唇
  • 膣前庭、膣内
  • 会陰部
  • 肛門周囲
  • 子宮頸部(稀)

男性の場合

  • 亀頭
  • 陰茎体部
  • 包皮内側
  • 陰嚢
  • 肛門周囲
  • 尿道口(稀)

自覚症状

多くの場合、尖圭コンジローマは無症状ですが、以下のような症状を伴うことがあります:

  • 軽いかゆみ:最も一般的な症状
  • 違和感や異物感:特にイボが大きくなった場合
  • 出血:性交時や擦れた際に出血することがある
  • 痛み:炎症を起こした場合や、摩擦による刺激がある場合
  • 分泌物の増加:膣内や尿道に発生した場合

無症状の場合も多い

重要なのは、尖圭コンジローマの約30〜40%は無症状であるという点です。定期的な検診や、パートナーからの指摘によって初めて気づくケースも少なくありません。

診断方法

視診

皮膚科や泌尿器科、婦人科の専門医による視診が、診断の基本となります。尖圭コンジローマは特徴的な外観を持つため、経験豊富な医師であれば視診だけで診断がつくことが多いです。

酢酸テスト

診断の補助として、酢酸テストが行われることがあります。3〜5%の酢酸を病変部に塗布すると、HPV感染部位が白く変色する特性を利用した検査法です。

病理組織検査(生検)

確定診断のために、病変の一部を採取して顕微鏡で観察する検査です。以下のような場合に実施されます:

  • 診断が不確実な場合
  • 悪性腫瘍との鑑別が必要な場合
  • 治療後も病変が残存・再発する場合

HPV型判定検査

HPVの型を特定する検査もありますが、尖圭コンジローマの診断には必須ではありません。ただし、子宮頸がんのリスクを評価するために、高リスク型HPVの有無を調べることは重要です。

鑑別診断

小陰部のイボ状病変を見た際、以下のような疾患との鑑別が必要です:

良性疾患

  • フォアダイス(脂腺の増生)
  • 真珠様陰茎小丘疹(男性のみ)
  • 軟性線維腫
  • 伝染性軟属腫

悪性または前がん病変

  • ボーエン病
  • 有棘細胞がん
  • 外陰部パジェット病

専門医による正確な診断が重要です。

治療方法

尖圭コンジローマの治療法には、外科的治療と薬物療法があります。病変の大きさ、数、部位、患者さんの希望などを考慮して、最適な治療法が選択されます。

外科的治療

1. 液体窒素による凍結療法

最も一般的に行われる治療法の一つです。

  • 方法:液体窒素(-196℃)をイボに直接当てて凍結させ、壊死させる
  • 利点:外来で手軽に行える、比較的安価
  • 欠点:痛みを伴う、複数回の治療が必要、色素沈着が残ることがある
  • 治療頻度:通常1〜2週間ごとに複数回実施

2. 電気焼灼法

電気メスを使用してイボを焼き切る方法です。

  • 方法:高周波電流でイボを焼灼・切除する
  • 利点:1回の治療で多くのイボを除去できる、再発率が比較的低い
  • 欠点:局所麻酔が必要、治療後の痛みがある、瘢痕が残る可能性
  • 適応:大きなイボや多発性のイボに有効

3. 炭酸ガスレーザー治療

レーザーを用いてイボを蒸散させる方法です。

  • 方法:炭酸ガスレーザーでイボを蒸散させる
  • 利点:出血が少ない、正確な切除が可能、治療後の痛みが比較的少ない
  • 欠点:設備が必要、費用がやや高額、局所麻酔が必要
  • 適応:あらゆる大きさ・部位のイボに対応可能

4. 外科的切除

メスを使用してイボを切除する方法です。

  • 方法:局所麻酔下でメスを用いて切除し、縫合する
  • 利点:確実に除去できる、病理検査が可能
  • 欠点:侵襲が大きい、瘢痕が残る、局所麻酔が必要
  • 適応:大きな病変や、悪性が疑われる場合

薬物療法

1. イミキモドクリーム(ベセルナクリーム)

免疫を活性化してウイルスを排除する外用薬です。

  • 使用方法:週3回、就寝前に塗布し、朝洗い流す
  • 利点:自宅で使用できる、瘢痕が残りにくい
  • 欠点:効果が現れるまで数週間かかる、皮膚の炎症反応(発赤、びらん)が起こりやすい
  • 治療期間:最長16週間

2. ポドフィロトキシン(コンジライン)

細胞分裂を阻害してイボを壊死させる外用薬です。

  • 使用方法:1日2回、3日間連続で塗布し、4日間休薬するサイクルを繰り返す
  • 利点:自宅で使用できる
  • 欠点:妊娠中は使用不可、皮膚刺激が強い
  • 治療期間:最長4週間

3. 5-フルオロウラシル軟膏

抗がん剤の一種で、細胞増殖を抑制します。

  • 使用方法:医師の指示に従って塗布
  • 利点:再発予防効果が期待できる
  • 欠点:皮膚刺激が強い、妊娠中は使用不可
  • 適応:主に再発予防や難治例に使用

治療の選択基準

治療法の選択は、以下の要因によって決定されます:

  • イボの数と大きさ:少数・小型なら薬物療法、多発・大型なら外科的治療
  • 発生部位:膣内や尿道内は外科的治療が適している
  • 患者の希望:痛みに対する耐性、通院回数、費用など
  • 妊娠の有無:妊娠中は使用できない薬剤がある
  • 過去の治療歴:再発例では治療法を変更することがある

治療効果と再発率

治療成功率

  • 外科的治療:70〜90%
  • 薬物療法:50〜80%

再発率

  • どの治療法でも、治療後3ヶ月以内に20〜30%程度の再発が見られます
  • 再発の多くは、肉眼では見えなかった潜伏感染が原因です
  • 定期的なフォローアップが重要です

予防方法

HPVワクチン

尖圭コンジローマの最も効果的な予防方法は、HPVワクチンの接種です。

ワクチンの種類

  • 4価ワクチン(ガーダシル):HPV 6、11、16、18型に対応
  • 9価ワクチン(シルガード9):HPV 6、11、16、18、31、33、45、52、58型に対応

接種対象

  • 日本では、小学校6年生から高校1年生相当の女子が定期接種の対象
  • 男性への接種も可能(任意接種)
  • 成人でも接種可能(効果は限定的だが有効)

接種スケジュール

  • 通常、6ヶ月間に3回接種

予防効果

  • HPV 6型・11型による尖圭コンジローマを約90%予防
  • 既に感染している型には効果がない
  • 性交渉を経験する前の接種が最も効果的

性行為における予防

コンドームの使用

  • 感染リスクを大幅に減少させるが、完全には防げない
  • 陰嚢や外陰部など、コンドームで覆われない部位からの感染もあり得る
  • 正しい装着方法と一貫した使用が重要

パートナーの数を限定する

  • 性的パートナーの数が多いほど、感染リスクは高まる
  • お互いに性感染症検査を受けてから関係を持つことが理想的

定期検診

  • 性的に活発な方は、定期的に性感染症の検査を受けることが推奨される
  • 早期発見により、パートナーへの感染拡大を防げる

免疫力の維持

HPVに対する免疫力を維持することも重要です:

  • 健康的な生活習慣:十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動
  • ストレス管理:慢性的なストレスは免疫力を低下させる
  • 禁煙:喫煙はHPV感染の持続や、がん化のリスクを高める

パートナーへの通知と検査

感染が確認された場合、パートナーにも通知し、検査と必要に応じて治療を受けてもらうことが重要です。これにより、再感染のリスクを減らすことができます。

よくある質問(Q&A)

Q1: 尖圭コンジローマはがんになりますか?

A: 尖圭コンジローマの原因となるHPV 6型・11型は「低リスク型」に分類され、がん化するリスクは非常に低いとされています。ただし、他の高リスク型HPV(16型、18型など)と同時に感染している可能性もあるため、定期的な検診は重要です。特に女性の場合、子宮頸がん検診を定期的に受けることが推奨されます。

Q2: 一度感染したら一生治らないのですか?

A: HPVは一度感染すると完全に体外に排除することは困難ですが、多くの場合、免疫システムによってウイルスは抑制されます。イボの治療により、視覚的な病変は消失しますが、ウイルス自体が完全に消えたとは言い切れません。そのため、再発の可能性があり、定期的なフォローアップが必要です。

Q3: 妊娠中に尖圭コンジローマが見つかった場合、どうすればよいですか?

A: 妊娠中は、ホルモンバランスの変化や免疫機能の変化により、尖圭コンジローマが増大することがあります。ただし、使用できる治療薬が制限されるため、外科的治療(凍結療法、レーザー治療など)が選択されることが多いです。また、出産時に赤ちゃんへの感染リスクがあるため、産婦人科医と相談しながら適切な管理を行うことが重要です。

Q4: パートナーにうつさないようにするには?

A: コンドームの使用は感染リスクを減少させますが、完全に防ぐことはできません。治療中および治療後しばらくは性行為を控えることが推奨されます。また、パートナーにも検査を受けてもらい、必要に応じて治療を受けることが、相互感染を防ぐために重要です。

Q5: 治療費はどのくらいかかりますか?

A: 治療費は治療方法や病変の範囲によって異なります。保険適用の治療であれば、3割負担で数千円から数万円程度です。具体的には:

  • 凍結療法:1回あたり数千円(複数回必要)
  • 電気焼灼法・レーザー治療:1〜3万円程度
  • 外用薬:1本あたり数千円

Q6: 尖圭コンジローマとフォアダイスの違いは?

A: フォアダイスは皮脂腺が目立って見える生理的な状態で、病気ではありません。治療の必要はなく、感染性もありません。一方、尖圭コンジローマはHPV感染による疾患で、感染性があり、治療が必要です。見た目では区別が難しいこともあるため、専門医による診断が重要です。

Q7: 自然に治ることはありますか?

A: 小さなイボであれば、免疫力により自然に消退することもあります。研究によると、未治療の尖圭コンジローマの約20〜30%は6ヶ月以内に自然消退するとされています。ただし、放置すると増大・増加するリスクもあるため、専門医に相談することが推奨されます。

Q8: 性行為以外で感染することはありますか?

A: HPVは主に性的接触により感染しますが、理論的には共用のタオルや浴槽などを介した感染も可能性としてはゼロではありません。ただし、実際にはこのような経路での感染は非常に稀です。日常生活での通常の接触(握手、トイレの便座など)では感染しません。

Q9: 治療後、いつから性行為を再開できますか?

A: 治療部位が完全に治癒するまで、通常2〜4週間は性行為を控えることが推奨されます。また、治療後も定期的な検診を受け、再発がないことを確認することが重要です。医師の許可が出てから性行為を再開するようにしてください。

Q10: HPVワクチンを打っていても感染することはありますか?

A: はい、可能性はあります。現在のワクチンは主要な型をカバーしていますが、全てのHPV型を予防できるわけではありません。また、ワクチン接種前に既に感染していた場合、ワクチンは効果を発揮しません。そのため、ワクチン接種後もコンドームの使用など、他の予防策を併用することが重要です。

心理的サポートと生活への影響

精神的な影響

尖圭コンジローマと診断されることは、多くの方にとって精神的に大きな負担となります:

  • 羞恥心や罪悪感:性感染症という性質上、自分を責めてしまう方も少なくありません
  • 不安:パートナーへの感染、再発、がん化への不安
  • 孤独感:デリケートな問題であるため、相談しづらい
  • 性生活への影響:性的接触への恐怖や不安

対処法

1. 正しい知識を持つ

  • 尖圭コンジローマは適切な治療により改善可能な疾患です
  • HPV感染は非常に一般的で、性的に活発な人の多くが一生のうちに一度は感染します
  • 感染したことが道徳的な問題ではないことを理解しましょう

2. 医療者とのコミュニケーション

  • 疑問や不安があれば、遠慮せず医師や看護師に相談しましょう
  • カウンセリングサービスを利用することも有効です

3. パートナーとの対話

  • 正直に状況を伝えることが重要です
  • 一緒に検査や治療に取り組むことで、関係性が深まることもあります

4. サポートグループの活用

  • 同じ経験を持つ人々との交流は、孤独感の軽減に役立ちます
  • オンラインコミュニティなども利用できます

日常生活での注意点

衛生管理

  • 患部を清潔に保つ
  • タオルやバスタオルは個人専用のものを使用する
  • 下着は通気性の良いものを選ぶ

生活習慣

  • 規則正しい生活で免疫力を維持する
  • 喫煙は避ける(HPV感染の持続リスクを高めるため)
  • ストレスを適切に管理する

性生活

  • 治療中は性行為を控える
  • パートナーとの信頼関係を大切にする
  • 定期検診を継続する

小陰部のその他のイボ状病変

尖圭コンジローマ以外にも、小陰部にイボ状の病変が現れることがあります。簡単にご紹介します。

フォアダイス

特徴

  • 皮脂腺が目立って見える生理的な状態
  • 男性の陰茎、女性の小陰唇に現れる
  • 1〜2mm程度の白色または黄色の小さな粒状の突起

重要な点

  • 病気ではなく、治療の必要はない
  • 感染性はない
  • 美容的な理由で除去を希望する場合は、レーザー治療などが可能

真珠様陰茎小丘疹(男性のみ)

特徴

  • 亀頭の冠状溝に沿って並ぶ、真珠のような小さな突起
  • 思春期以降の男性に見られる生理的な変化
  • 病気ではなく、感染性もない

重要な点

  • 治療の必要はない
  • 尖圭コンジローマと間違えられることがあるため、正確な診断が重要

軟性線維腫(アクロコルドン、スキンタッグ)

特徴

  • 加齢や摩擦により生じる良性の皮膚腫瘍
  • 首、脇、鼠径部(股の付け根)などに多発する
  • 数mm程度の柔らかい突起物

治療

  • 美容的な理由や、摩擦により炎症を起こす場合は除去可能
  • 液体窒素、電気焼灼、切除などの方法がある

伝染性軟属腫(水イボ)

特徴

  • ポックスウイルスによる感染症
  • 主に小児に見られるが、成人の陰部にも発症する
  • 中心がへこんだ、光沢のある半球状の丘疹

治療

  • 摘除、凍結療法
  • 自然治癒することもあるが、数ヶ月から1年以上かかる

いつ医療機関を受診すべきか

以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします:

受診が推奨される症状

  1. 新しいイボや突起物に気づいた時
    • 特に性交渉の後に気づいた場合
  2. イボの数が増えたり、大きくなったりしている時
  3. イボから出血がある時
  4. かゆみ、痛み、違和感が持続する時
  5. パートナーに性感染症が見つかった時
  6. 色や形が変化した時
    • 急速な変化は特に注意が必要

受診する診療科

  • 女性:婦人科、皮膚科、性病科
  • 男性:泌尿器科、皮膚科、性病科

多くのクリニックでは、プライバシーに配慮した診療を行っていますので、恥ずかしがらずに受診してください。

受診時に伝えるべき情報

診察をスムーズに進めるため、以下の情報を整理しておきましょう:

  • いつからイボに気づいたか
  • イボの数や大きさの変化
  • 症状(かゆみ、痛み、出血など)
  • 性交渉の有無と時期
  • パートナーの症状の有無
  • 過去の性感染症の既往歴
  • 妊娠の可能性

予後と長期的な管理

治療後の経過

適切な治療を受ければ、多くの場合、尖圭コンジローマは改善します。ただし、以下の点に注意が必要です:

再発リスク

  • 治療後3ヶ月以内に20〜30%が再発
  • 再発の多くは潜伏感染によるもの
  • 免疫力の低下時に再発しやすい

フォローアップの重要性

  • 治療後3〜6ヶ月間は定期的な受診が推奨される
  • 新しい病変の早期発見が可能
  • 再発時は早期治療により、病変の拡大を防げる

長期的な健康管理

定期検診

  • 女性:年1回の子宮頸がん検診
  • 男性:性感染症の定期チェック
  • 新しいパートナーとの関係開始前の検査

免疫力の維持

  • バランスの取れた食事
  • 適度な運動
  • 十分な睡眠
  • ストレス管理
  • 禁煙

パートナーとの関係

  • オープンなコミュニケーション
  • 相互の健康チェック
  • 安全な性行為の実践

まとめ

小陰部のイボは、多くの場合、HPV感染による尖圭コンジローマです。性的に活発な年齢層では決して珍しい疾患ではなく、適切な診断と治療により改善が期待できます。

重要なポイント

  1. 早期発見・早期治療が重要
    • 新しいイボに気づいたら、早めに医療機関を受診しましょう
  2. 適切な治療法の選択
    • 病変の状態に応じて、外科的治療や薬物療法が選択されます
    • 医師とよく相談して、自分に合った治療法を選びましょう
  3. 予防が可能
    • HPVワクチンは最も効果的な予防法です
    • コンドームの使用も感染リスクを減少させます
  4. 定期的なフォローアップ
    • 治療後も定期的な検診を継続しましょう
    • 女性は子宮頸がん検診も忘れずに
  5. 心理的サポートの活用
    • 一人で悩まず、医療者やカウンセラーに相談しましょう
    • パートナーとのオープンなコミュニケーションも大切です
  6. 正しい知識を持つ
    • HPV感染は一般的であり、恥ずかしいことではありません
    • 科学的な情報に基づいて、冷静に対処しましょう

小陰部のイボについて不安を感じている方は、一人で悩まず、ぜひ専門医に相談してください。アイシークリニック上野院では、プライバシーに配慮した診療を心がけており、患者様一人ひとりの状態に応じた最適な治療を提供いたします。どうぞお気軽にご相談ください。

参考文献・情報源

本記事の作成にあたり、以下の信頼できる情報源を参考にしました:

  1. 厚生労働省
  2. 国立感染症研究所
  3. 日本性感染症学会
    • 性感染症診断・治療ガイドライン
  4. 日本産科婦人科学会
  5. 日本皮膚科学会

これらの情報源は、医学的に信頼性の高い情報を提供しており、最新の科学的知見に基づいています。


免責事項:本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断や治療の代替となるものではありません。症状がある場合は、必ず医療機関を受診し、専門医の診察を受けてください。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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