美肌の万能成分「ナイアシンアミド」完全ガイド

専門医が解説する効果と正しい使い方

はじめに

近年、美容業界で注目を集めている「ナイアシンアミド」という成分をご存知でしょうか。この成分は、シミやシワ、ニキビなど、さまざまな肌トラブルに対して効果が認められており、敏感肌の方でも安心して使用できる優れた美容成分として話題になっています。

アイシークリニック上野院では、患者様の美しい肌づくりをサポートするため、科学的根拠に基づいた最新の美容情報をお届けしています。今回は、専門医の視点から、ナイアシンアミドの効果、安全性、そして正しい使用方法について詳しく解説いたします。

ナイアシンアミドとは

基本的な特徴

ナイアシンアミド(Niacinamide)は、ビタミンB3の一種で、ニコチン酸アミドとも呼ばれています。水溶性の性質を持ち、私たちの体内でエネルギー代謝に重要な役割を果たす必須栄養素です。

この成分は、動植物界に広く存在しており、私たちの体内でも必須アミノ酸のトリプトファンから合成されます。また、魚類、肉類、キノコ類などの食品からも摂取することができます。

医学的な位置づけ

ナイアシンアミドは、単なる化粧品成分ではありません。日本では厚生労働省によって以下のような効果が正式に認められています:

2007年承認:美白有効成分

  • P&G社の申請により、医薬部外品美白有効成分として承認
  • 一般に「D-メラノ」と呼ばれる

2017-2018年承認:シワ改善有効成分

  • コーセー社の申請により、医薬部外品シワ改善有効成分として承認
  • 一般に「リンクルナイアシン」と呼ばれる

このように、ナイアシンアミドは科学的根拠に基づいて効果が認められた、信頼性の高い美容成分なのです。

ナイアシンアミドの作用メカニズム

細胞レベルでの働き

ナイアシンアミドが皮膚で効果を発揮するメカニズムは、主に以下の通りです:

NAD+/NADP+の生成促進 体内において、ナイアシンアミドはNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)やNADP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)という補酵素の材料となります。これらの補酵素は細胞のエネルギー産生に重要な役割を果たし、皮膚細胞の新陳代謝を活性化させます。

PARP-1の調節 ナイアシンアミドは、核内のポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ-1(PARP-1)を調節することで、NFκB(エヌエフカッパビー)を介したシグナル分子の転写をコントロールし、炎症反応を抑制します。

皮膚バリア機能への影響

セラミド合成の促進 皮膚のバリア機能において重要な役割を果たす細胞間脂質の大部分を占めるセラミドの合成を促進します。セラミドが増加することで、肌のバリア機能が向上し、乾燥や外部刺激から肌を守ります。

経皮水分蒸散量の改善 臨床研究では、2%ナイアシンアミドを4週間連用することで、経皮水分蒸散量(TEWL)が有意に低下し、皮膚表面の水分量が増加することが確認されています。

ナイアシンアミドの主要な美容効果

1. 美白・色素沈着改善効果

メラニン生成の抑制 ナイアシンアミドは、メラニンの生成過程において重要な酵素であるチロシナーゼの活性を抑制することで、シミやくすみの原因となるメラニンの過剰な生成を防ぎます。

臨床研究での証明 5%ナイアシンアミド配合の化粧品を使用した研究では、色素沈着の改善効果が確認されており、既存のシミを薄くし、新たなシミの形成を予防する効果が報告されています。

2. シワ改善・エイジングケア効果

コラーゲン生成の促進 ナイアシンアミドは、皮膚の真皮層でコラーゲンの生成を促進します。コラーゲンは肌のハリや弾力を保つ重要な成分であり、その増加により小じわの改善や肌のたるみ予防に効果を発揮します。

抗糖化作用 糖化は、皮膚のコラーゲンと糖が結合することで生じる反応で、肌の黄ぐすみや弾力低下の原因となります。ナイアシンアミドの抗酸化作用により、この糖化反応を抑制し、肌の若々しさを保ちます。

臨床試験結果 12週間の臨床試験では、5%ナイアシンアミドの使用により、細かいシワの減少、肌の黄ぐすみの改善、肌弾力の向上が確認されています。

3. ニキビ・皮脂分泌抑制効果

皮脂分泌のコントロール ナイアシンアミドは、皮脂腺からの過剰な皮脂分泌を抑制する効果があります。これにより、毛穴の詰まりを防ぎ、ニキビの発生を予防します。

抗炎症作用 炎症性サイトカインの産生を抑制することで、既存のニキビの炎症を鎮静化し、赤みや腫れを軽減します。

抗菌効果 グラム陽性菌・陰性菌に対する抗菌活性があり、ニキビの原因菌であるアクネ菌の増殖を抑制します。また、バイオフィルムの形成を阻害する効果も報告されています。

臨床比較研究 4%ナイアシンアミドゲルは、1%クリンダマイシンと同等のニキビ改善効果を示すことが複数の研究で確認されており、抗生物質の耐性リスクがない安全な治療選択肢として注目されています。

4. 保湿・バリア機能強化効果

角質層の水分保持 ナイアシンアミドは、角質層の水分結合能力を高め、肌の保湿状態を改善します。これにより、乾燥による肌荒れや敏感肌の症状を緩和します。

バリア機能の修復 セラミドをはじめとする細胞間脂質の合成促進により、損傷した皮膚バリアを修復し、外部刺激に対する抵抗力を高めます。

5. 毛穴改善効果

毛穴の見た目の改善 皮脂分泌の正常化と肌質の改善により、毛穴の目立ちを軽減します。8週間の使用で、毛穴の大きさ、肌の粗さ、肌の不均一性の改善が確認されています。

6. 皮膚がん予防効果

UV誘発DNA損傷の予防 ナイアシンアミドは、紫外線によって誘発されるDNA損傷を予防し、皮膚がんのリスクを軽減する可能性が示唆されています。

大規模臨床研究の結果 386名の非黒色腫皮膚がん既往者を対象とした12ヶ月間の研究では、ナイアシンアミド500mgを1日2回服用することで、新たな皮膚がんの発生リスクが23%減少したことが報告されています。

ナイアシンアミドの安全性と副作用

一般的な安全性

ナイアシンアミドは、以下の理由から非常に安全性の高い成分とされています:

低刺激性 他の美容成分と比較して刺激が少なく、敏感肌や乾燥肌の方でも使用しやすい特徴があります。

光毒性がない 紫外線に対する感受性を高めることがないため、朝の使用も安全です。むしろ、日中の皮脂分泌抑制により、テカリ防止効果も期待できます。

pH安定性 幅広いpH範囲で安定しており、他の美容成分との相性も良好です。

副作用と注意点

軽微な副作用 稀に以下のような症状が報告されていますが、いずれも軽微で一時的なものです:

  • 軽度の皮膚刺激
  • 一時的な赤み
  • 軽いかゆみ

アレルギー反応 既存のアレルギーがある方は、ヒスタミンの放出により反応が起こる可能性があります。初回使用前のパッチテストをお勧めします。

過剰摂取のリスク 経口摂取において大量摂取(1日3000mg以上)した場合、以下の症状が報告されています:

  • 肝機能障害
  • 胃腸障害
  • 皮膚のかゆみ

パッチテストの方法

新しくナイアシンアミド配合製品を使用する際は、以下の手順でパッチテストを行うことをお勧めします:

  1. 前腕の内側に小さな量を塗布
  2. 48-96時間経過を観察
  3. 赤み、かゆみ、腫れがないことを確認
  4. 異常がなければ顔への使用を開始

ナイアシンアミドの使用方法

化粧品での使用

適切な濃度

  • 美白効果:2-5%
  • シワ改善効果:3-5%
  • ニキビケア:2-4%
  • 保湿・バリア機能強化:1-2%

使用タイミング

  • 朝・夜どちらでも使用可能
  • 洗顔後、化粧水の後に使用
  • 保湿剤の前に塗布

他成分との併用 ナイアシンアミドは以下の成分と相性が良く、併用により相乗効果が期待できます:

  • ビタミンC誘導体
  • ヒアルロン酸
  • セラミド
  • レチノール(順序に注意)
  • サリチル酸

レチノールとの併用について

レチノールは刺激が強い成分のため、ナイアシンアミドを先に使用することで刺激を軽減できます:

  1. ナイアシンアミドを塗布
  2. 10-15分待機
  3. レチノールを塗布

この順序により、レチノールの効果を維持しながら刺激を最小限に抑えることができます。

経口摂取について

推奨摂取量 日本人の食事摂取基準(2025年版)では、以下の摂取量が推奨されています:

  • 成人男性:13-15mg/日
  • 成人女性:10-11mg/日
  • 妊娠期:+2mg/日
  • 授乳期:+3mg/日

食品からの摂取 以下の食品に多く含まれています:

  • 魚類(カツオ、タラコ、サバなど)
  • 肉類(鶏肉、豚肉、牛肉)
  • キノコ類(しいたけ、えのきなど)
  • 豆類(大豆、ピーナッツなど)
  • 緑黄色野菜

効果を実感するまでの期間

症状別の改善目安

皮脂分泌の改善 使用開始から2-4週間で効果を実感される方が多くみられます。特に、日中のテカリや毛穴の目立ちの改善が期待できます。

シワや毛穴の改善 比較的時間がかかり、4-8週間程度の継続使用が必要です。肌のハリや弾力の改善、細かいシワの軽減が期待できます。

美白効果 既存のシミに対しては個人差がありますが、新しいシミの予防効果は比較的早期から実感できます。濃いシミの改善には3-6ヶ月以上の長期使用が必要な場合があります。

バリア機能の改善 乾燥肌や敏感肌の改善は、2-4週間で実感される方が多いです。

肌タイプ別の使用ガイド

敏感肌・乾燥肌の方

おすすめポイント

  • 低刺激性で安全性が高い
  • バリア機能強化により肌荒れを予防
  • 他の刺激的な成分の前に使用することで刺激緩和

使用方法

  • 1-2%の低濃度から開始
  • 夜のみの使用から開始し、慣れてから朝も使用
  • 十分な保湿を併用

脂性肌・ニキビ肌の方

おすすめポイント

  • 皮脂分泌抑制効果
  • 抗炎症・抗菌効果によるニキビ予防
  • 毛穴の改善効果

使用方法

  • 2-4%の濃度で使用
  • 朝夜2回の使用
  • サリチル酸やベンゾイルペルオキサイドとの併用も可能

エイジングケアが気になる方

おすすめポイント

  • コラーゲン生成促進によるシワ改善
  • 抗酸化作用による老化防止
  • 美白効果によるシミ予防

使用方法

  • 3-5%の高濃度使用
  • レチノールやビタミンCとの併用
  • 継続的な長期使用

最新の研究動向

2024年の最新研究

複合処方の効果 2024年12月に発表された研究では、ナイアシンアミド、ポストバイオティクス、ペプチドを組み合わせた美容液の効果が検証されました。1ヶ月間の使用により、肌の水分量の有意な増加と紅斑の減少が確認されています。

超音波導入との組み合わせ アスコルビルグルコシド2%とナイアシンアミド3.5%を組み合わせた処方を超音波導入で使用することで、従来の塗布のみと比較して優れた効果が得られることが報告されています。

皮膚がん予防に関する研究

大規模臨床試験の結果 ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌に掲載された2015年の研究では、非黒色腫皮膚がんの既往がある386名の患者を対象に、ナイアシンアミド500mgを1日2回、12ヶ月間服用した結果、新たな皮膚がんの発生リスクが23%減少したことが報告されています。

作用メカニズム この効果は、ナイアシンアミドが紫外線によるATPの枯渇を防ぎ、DNA修復に必要なエネルギーを確保することで実現されると考えられています。

ナイアシンアミド配合製品の選び方

濃度による使い分け

初心者向け(1-2%)

  • 敏感肌の方
  • 初めてナイアシンアミドを使用する方
  • 他の成分との併用を考えている方

標準濃度(3-5%)

  • 一般的な肌質の方
  • 美白・シワ改善効果を求める方
  • ニキビケアを目的とする方

高濃度(5%以上)

  • 肌に慣れた方
  • より高い効果を求める方
  • 皮膚科医の指導下での使用

製品選びのポイント

安定性の確認 ナイアシンアミドは比較的安定した成分ですが、適切に保存された製品を選ぶことが重要です。

他成分との配合 相乗効果を期待できる成分(ビタミンC、ヒアルロン酸、セラミドなど)が配合されているかチェックしましょう。

品質保証 信頼できるメーカーの製品や、第三者機関での品質検査を受けた製品を選ぶことをお勧めします。

よくある質問と回答

Q1. ナイアシンアミドはいつ使用するのが効果的ですか?

A. ナイアシンアミドは朝夜どちらでも使用できる成分です。光毒性がないため朝の使用も安全で、むしろ皮脂分泌抑制効果により日中のテカリ防止にも効果的です。使用順序は、洗顔→化粧水→ナイアシンアミド→保湿剤→日焼け止めの順番がお勧めです。

Q2. 他の美容成分と併用しても大丈夫ですか?

A. ナイアシンアミドは多くの美容成分と相性が良く、併用による相乗効果が期待できます。特に以下の成分との併用がお勧めです:

  • ビタミンC誘導体:抗酸化作用の相乗効果
  • ヒアルロン酸:保湿効果の向上
  • セラミド:バリア機能の強化
  • レチノール:エイジングケア効果の向上(使用順序に注意)

Q3. 妊娠中・授乳中でも使用できますか?

A. 外用のナイアシンアミドは一般的に安全とされていますが、妊娠中・授乳中の方は、使用前に必ず医師にご相談ください。経口摂取の場合は、適切な摂取量内であれば問題ありませんが、医師の指導を受けることをお勧めします。

Q4. ナイアシンアミドで肌が赤くなりました。どうすればよいですか?

A. 以下の対処法をお試しください:

  1. 使用を一時中止
  2. 冷たいタオルで患部を冷却
  3. 症状が続く場合は皮膚科を受診
  4. 回復後は低濃度から再開するか、パッチテストを実施

Q5. 効果を感じられません。どうすればよいですか?

A. 以下の点をご確認ください:

  • 使用期間:最低2-3ヶ月は継続使用が必要
  • 濃度:効果が感じられない場合は濃度を上げることを検討
  • 使用方法:正しい順序で使用しているか確認
  • 製品の保存状態:高温多湿を避けて保存しているか確認

継続使用しても効果が感じられない場合は、皮膚科専門医にご相談ください。

ナイアシンアミドを含む食品

含有量の多い食品

魚類(100gあたり)

  • カツオ:19mg
  • タラコ:15mg
  • サバ:10mg
  • マグロ:8mg

肉類(100gあたり)

  • 鶏胸肉:12mg
  • 豚ロース:7mg
  • 牛もも肉:5mg

その他

  • しいたけ:7mg
  • ピーナッツ:17mg
  • コーヒー:1mg

調理時の注意点

ナイアシンは水溶性のため、煮物やスープにする場合は汁も一緒に摂取することが重要です。揚げ物の場合、油に栄養素が溶け出してしまうため、蒸す、焼く、茹でるなどの調理法がお勧めです。

欠乏症と過剰摂取

ナイアシン欠乏症(ペラグラ)

症状

  • 皮膚:発疹、皮膚炎
  • 消化器:下痢、食欲不振
  • 神経系:認知症、精神症状
  • 全身:倦怠感、頭痛

現代での発生状況 先進国では稀ですが、極端な偏食や特定の疾患により発生する可能性があります。

過剰摂取

経口摂取での過剰症

  • 肝機能障害
  • 胃腸障害
  • 皮膚症状(かゆみ、発疹)

外用での過剰使用

  • 皮膚刺激
  • 一時的な赤み
  • かゆみ

アイシークリニック上野院での治療

医師による専門的なアドバイス

当院では、患者様一人ひとりの肌質や悩みに合わせて、ナイアシンアミドの最適な使用方法をご提案しています。皮膚科専門医による詳細な肌診断を行い、以下のようなパーソナライズされた治療プランを作成いたします:

肌質診断

  • マイクロスコープによる毛穴・キメの観察
  • 水分・油分バランスの測定
  • 色素沈着の詳細な評価
  • アレルギー歴の確認

治療プランの作成

  • 適切な濃度の選定
  • 他の治療法との組み合わせ
  • 使用スケジュールの設定
  • 経過観察の計画

組み合わせ治療

ケミカルピーリングとの併用 サリチル酸やグリコール酸ピーリング後のアフターケアとして、ナイアシンアミドを使用することで、ピーリング効果を高めながら刺激を軽減できます。

レーザー治療との併用 IPLやQスイッチレーザー治療後の色素沈着予防や、治療効果の維持にナイアシンアミドを活用しています。

イオン導入 ナイアシンアミドのイオン導入により、より深部への浸透を促進し、効果を高めることができます。

今後の展望

新しい投与方法

真皮内注射 従来の外用塗布では達成困難な高濃度でのナイアシンアミド投与を可能にする真皮内注射技術の研究が進んでいます。

ナノキャリア技術 リポソームやナノパーティクルを用いた新しい製剤により、皮膚への浸透性と効果の向上が期待されています。

複合成分の開発

マルチターゲット・アプローチ ナイアシンアミドと他の有効成分を最適な比率で組み合わせた製剤の開発が活発に行われており、より高い効果を期待できる製品が登場する予定です。

まとめ

ナイアシンアミドは、美白、シワ改善、ニキビケア、保湿など、多岐にわたる美容効果を持つ優れた成分です。科学的根拠に基づいた効果と高い安全性により、さまざまな肌質の方にお使いいただけます。

重要なポイントをまとめると:

効果について

  • 厚生労働省承認の美白・シワ改善効果
  • 抗炎症・抗酸化作用
  • 皮脂分泌抑制とニキビ予防
  • バリア機能強化と保湿効果
  • 皮膚がん予防の可能性

安全性について

  • 低刺激性で敏感肌でも使用可能
  • 光毒性がなく朝の使用も安全
  • 他の美容成分との併用が可能

使用方法について

  • 適切な濃度の選択が重要
  • 継続使用により効果を実感
  • パッチテストによる安全確認

アイシークリニック上野院では、ナイアシンアミドを含む最新の美容治療をご提供しています。皮膚科専門医による適切な診断と治療プランにより、患者様の美しい肌づくりをサポートいたします。

美しい肌は一日にして成らず。正しい知識と適切なケアにより、理想の肌を手に入れましょう。ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽にアイシークリニック上野院までお問い合わせください。

参考文献

  1. Bissett DL, et al. Niacinamide: A B vitamin that improves aging facial skin appearance. Dermatol Surg. 2005;31(7 Pt 2):860-5.
  2. Draelos ZD, et al. An evaluation of a polyhydroxy acid skin care regimen in combination with azelaic acid 15% gel in rosacea patients. J Cosmet Dermatol. 2006;5(1):23-9.
  3. Gehring W. Nicotinic acid/niacinamide and the skin. J Cosmet Dermatol. 2004;3(2):88-93.
  4. Wohlrab J, et al. Niacinamide – mechanisms of action and its topical use in dermatology. Skin Pharmacol Physiol. 2014;27(6):311-5.
  5. Chen AC, et al. A Phase 3 Randomized Trial of Nicotinamide for Skin-Cancer Chemoprevention. N Engl J Med. 2015;373(17):1618-26.
  6. Marques C, et al. Mechanistic insights into the multiple functions of niacinamide: Therapeutic implications and cosmeceutical applications in functional skincare products. Life. 2024;14(12):1677.
  7. 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2025年版). 2024.
  8. 化粧品成分オンライン. ナイアシンアミドの基本情報・配合目的・安全性. 2024.

ナイアシンアミド効果比較表

効果項目濃度期間エビデンスレベル
美白効果2-5%4-12週間高(厚労省承認)
シワ改善3-5%8-12週間高(厚労省承認)
ニキビケア2-4%2-8週間高(複数RCT)
皮脂抑制2-4%2-4週間高(複数RCT)
保湿効果1-2%2-4週間中(臨床研究)
毛穴改善4%8週間中(臨床研究)
皮膚がん予防500mg×2(経口)12ヶ月高(大規模RCT)

肌タイプ別推奨使用法

乾燥肌・敏感肌

  • 推奨濃度: 1-2%
  • 使用頻度: 夜のみから開始、慣れたら朝夜
  • 併用成分: セラミド、ヒアルロン酸
  • 注意点: パッチテスト必須、十分な保湿

脂性肌・ニキビ肌

  • 推奨濃度: 2-4%
  • 使用頻度: 朝夜2回
  • 併用成分: サリチル酸、ベンゾイルペルオキサイド
  • 注意点: 過度な皮脂除去は避ける

エイジングケア

  • 推奨濃度: 3-5%
  • 使用頻度: 朝夜2回
  • 併用成分: レチノール、ビタミンC、ペプチド
  • 注意点: 長期継続使用が重要

食品からのナイアシン摂取量目安

食品名100gあたりの含有量1日推奨量に対する割合
カツオ19mg約150%(女性基準)
タラコ15mg約130%(女性基準)
鶏胸肉12mg約100%(女性基準)
サバ10mg約85%(女性基準)
しいたけ7mg約60%(女性基準)

免責事項 本記事の内容は、一般的な医学的情報の提供を目的としており、個別の医学的アドバイスに代わるものではありません。肌トラブルや健康に関するご相談は、必ず皮膚科専門医にご相談ください。

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監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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