粉瘤に初期症状はある?早期発見と正しい対処法について

粉瘤(アテローム)の初期症状とは

粉瘤(アテローム)は、皮膚の下に形成される良性の腫瘤で、角質や皮脂が内部に蓄積されることでできあがります。初期の段階では自覚症状が乏しく、目立った変化は見られないことが一般的ですが、小さな硬いしこりとして気づかれることもあります。痛みはほとんどなく、周囲の皮膚と色調の差もあまりありません。ただし、触れるとわずかに動く感覚がある場合や、中心に黒い点(開口部)が認められることもあります。感染が進行すると、赤みや腫れ、痛み、膿の排出といった症状が現れますが、これは進行後の状態です。

粉瘤に似た皮膚疾患との違い

粉瘤と似た見た目の疾患には、脂肪腫、皮膚嚢胞、にきび、毛包炎などがあります。脂肪腫は脂肪組織からなる軟らかいしこりで、粉瘤よりも皮膚の深層にできやすく、動きやすいのが特徴です。一方、にきびや毛包炎などは炎症を伴い、赤みや痛みが初期から見られることが多くあります。正確な診断には皮膚科の診察が必要で、必要に応じてエコー検査などの画像診断が用いられることもあります。

粉瘤の治療には外科的摘出が有効

粉瘤を根本的に治すには、外科的に袋状の嚢胞を完全に摘出することが必要です。感染のない状態であれば、局所麻酔下で短時間の日帰り手術によって安全に切除できます。感染を伴っている場合は、まず抗生物質による炎症のコントロールや切開排膿が行われ、炎症が落ち着いてから計画的な摘出手術が行われます。美容面への配慮や傷跡を目立たなくする縫合技術を提供する専門クリニックを選ぶことも、満足のいく治療結果につながります。

まとめ:早期の気づきと皮膚科受診がカギ

粉瘤は初期段階での自覚が難しいものの、小さなしこりとして現れることがあります。早期に発見し適切に対処することで、炎症や感染のリスクを回避することができます。見た目が似ている他の皮膚疾患との区別が難しい場合もあるため、気になる症状がある場合には早めに専門医を受診することが大切です。放置せず、初期の段階での対応を心がけましょう。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年東京逓信病院勤務
  • 2012年東京警察病院勤務
  • 2012年東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年当院治療責任者就任

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年東京逓信病院勤務
  • 2013年独立行政法人労働者健康安全機構横浜労災病院勤務
  • 2015年国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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