多汗症のセルフチェック項目
多汗症は、必要以上の発汗が起こる疾患で、以下のようなチェックリストに該当する方は注意が必要です:
– 緊張時に手や足が汗で濡れるほどになる
– 季節や気温に関係なく大量の汗が出る
– 夜間の発汗はなく、日中の特定部位だけが汗をかく
– 家族にも同様の症状が見られる
これらのうち複数に当てはまる場合は、原発性局所多汗症の可能性が高いです。
多汗症の種類と原因
多汗症は大きく2種類に分かれます。
– 原発性多汗症:明確な病因がなく、交感神経の過剰な働きが関係するとされています。
– 続発性多汗症:糖尿病、甲状腺疾患、薬の副作用などによって生じるもの。
また、発汗の部位により「手掌多汗症」「足蹠多汗症」「腋窩多汗症」などにも分類されます。
多汗症の主な治療方法
症状の程度に応じて以下のような治療法があります:
1. 外用薬:塩化アルミニウム製剤などの制汗剤が基本。
2. 内服薬:抗コリン薬(例:プロバンサイン)によって発汗を抑える。
3. 注射療法:ボツリヌス毒素を用い、神経伝達を抑制。
4. 手術:ETS(胸腔鏡下交感神経遮断術)など。
5. 生活改善:ストレス管理や生活習慣の見直しも重要な補助療法となります。
多汗症の重症度評価(HDSS)
HDSS(Hyperhidrosis Disease Severity Scale)は、多汗症の影響度を次の4段階で評価します:
– 1点:生活に支障はなく、気にならない
– 2点:やや不快感があるが許容範囲
– 3点:生活の中で支障を感じる
– 4点:著しく日常生活に支障をきたす
自身の状態を客観的に評価し、治療の参考にする指標となります。
多汗症を自力で治すことは可能か?
軽症であれば、生活習慣の見直しやストレスの軽減、制汗剤の使用によって症状が緩和されることもあります。しかし、以下のようなケースでは医療機関の受診が推奨されます:
– 長期間症状が続いている
– 市販薬や制汗剤が効かない
– 学校や仕事、対人関係に悪影響が出ている
原発性の多汗症は神経系の異常が関与しているため、医師の専門的な治療が重要になります。