毎年春になると、くしゃみや鼻水だけでなく、顔の赤みやかゆみ、乾燥など肌のトラブルに悩まされる方が増えています。「花粉が原因で肌荒れが起きている気がするけれど、いつまで続くのだろう」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。花粉と肌荒れの関係は、実はとても深いものがあります。花粉症の症状として鼻や目に注目が集まりがちですが、肌への影響も見逃せません。この記事では、花粉による肌荒れがいつまで続くのか、なぜ起こるのか、そしてどのように対処すればよいのかを、医学的な観点からわかりやすく解説します。
目次
- 花粉による肌荒れとはどのような状態か
- 花粉が肌荒れを引き起こすメカニズム
- 花粉の飛散時期と肌荒れが続く期間
- 花粉肌荒れの主な症状と特徴
- 花粉肌荒れに悩みやすい人の特徴
- 花粉シーズン中の肌荒れ対策
- 花粉シーズン後も肌荒れが続く場合の原因
- 肌荒れを早く改善するためのスキンケア方法
- 医療機関を受診する目安
- まとめ
この記事のポイント
花粉による肌荒れはスギ・ヒノキが主因なら2〜5月の約3〜4カ月が目安。保湿徹底と花粉接触の低減が基本対策で、シーズン後も症状が2〜3週間以上続く場合は皮膚科受診を推奨。

🎯 花粉による肌荒れとはどのような状態か
花粉による肌荒れは、医学的には「花粉皮膚炎(かふんひふえん)」や「季節性接触皮膚炎」とも呼ばれることがあります。毎年決まった季節に肌のトラブルが起きるという点が特徴で、特に春のスギ花粉やヒノキ花粉の飛散時期と重なることから、「花粉が原因かもしれない」と気づく方が多い状態です。
一般的に「花粉症」といえば、目や鼻の症状として認識されていますが、花粉は皮膚にも直接触れることで炎症反応を引き起こします。特に顔は衣類で覆われておらず、花粉が直接触れやすい部位であるため、肌荒れが出やすい場所です。目の周りや頬、口の周り、首といった露出している部位に症状が現れることが多いとされています。
花粉による肌荒れは、単なる乾燥肌や一時的な敏感肌と混同されやすいため、「なんとなく春になると肌の調子が悪くなる」と感じながらも、花粉との関連に気づかないまま過ごしている方も少なくありません。しかし、毎年同じ時期に繰り返すようであれば、花粉が肌に与える影響を真剣に考える必要があります。
Q. 花粉による肌荒れはいつまで続きますか?
スギ・ヒノキ花粉が主な原因の場合、2月から5月ごろまでの約3〜4カ月間が目安です。ただし、イネ科やブタクサなど複数の花粉に反応する方は夏や秋まで続くこともあります。花粉の飛散終了後もバリア機能の回復に数週間から数カ月かかる場合があります。
📋 花粉が肌荒れを引き起こすメカニズム
花粉が肌荒れを引き起こす理由は、大きく分けて二つのメカニズムが関与しています。一つは花粉が直接肌のバリア機能を傷つけることで起きる「刺激性接触皮膚炎」、もう一つはアレルギー反応によって起きる「アレルギー性接触皮膚炎」です。
スギ花粉にはCry j 1(クリジェイワン)やCry j 2といったアレルゲンタンパク質が含まれており、これらが皮膚の角質層(バリア層)を通過することで免疫反応が引き起こされます。健康な肌であれば、角質層がバリアとして働き、外からの異物が皮膚の内部に入り込むのを防いでくれます。しかし、乾燥や摩擦、紫外線などで角質層が傷んでいる場合、花粉のアレルゲンが皮膚の内部に侵入しやすくなり、炎症反応が起きやすくなります。
また、花粉に含まれる成分の中には、皮膚の表面に付着したときに刺激となり、直接的に炎症を引き起こすものもあります。これは花粉症(アレルギー)の有無に関係なく起こりうるため、「自分は花粉症ではないから大丈夫」と思っていても、肌荒れが起きる可能性は誰にでもあります。
さらに、花粉症の症状として鼻水や目のかゆみが出た場合、無意識に顔を触ったり擦ったりする機会が増えるため、その物理的な摩擦が肌荒れの悪化につながることもあります。花粉シーズンは室内外の乾燥、紫外線の増加なども重なるため、複合的な要因が積み重なって肌の状態が悪化することが多いのです。
💊 花粉の飛散時期と肌荒れが続く期間
「花粉による肌荒れはいつまで続くのか」という疑問に答えるためには、まず花粉の飛散時期を把握することが大切です。日本では年間を通じてさまざまな植物の花粉が飛散しますが、肌荒れとの関係が特に多く指摘されているのは以下の時期です。
スギ花粉は毎年1月下旬から3月にかけて飛散が始まり、ピークは2月から4月上旬となることが多いです。地域差があり、西日本では早めに始まり、東北や北海道では遅くなる傾向があります。続いてヒノキ花粉が3月から5月にかけて飛散します。スギとヒノキはアレルゲン構造が似ているため、スギ花粉症の人の多くがヒノキ花粉にも反応するとされており、この二つが重なる3月から4月が最も症状の出やすい時期です。
初夏から夏にかけてはカモガヤやオオアワガエリなどのイネ科植物の花粉が飛散します。これらは5月から8月にかけての飛散となります。秋にはブタクサやヨモギの花粉が8月から10月ごろに飛散し、秋の肌荒れの原因となることがあります。
これらを踏まえると、花粉による肌荒れが続く期間は花粉の種類と個人の反応によって異なりますが、スギ・ヒノキが主な原因であれば2月から5月の約3〜4カ月間が目安となります。ただし、花粉の飛散が終わった後も、肌のバリア機能が低下した状態が続いていれば、肌荒れがすぐには改善しないこともあります。
また、年によって花粉の飛散量は大きく異なります。前年の夏に気温が高く日照時間が長かった年は、翌年のスギ花粉が大量に飛散するとされており、そのような年は肌荒れの症状も重くなりやすく、回復に時間がかかることがあります。
Q. 花粉が肌荒れを引き起こすメカニズムは何ですか?
花粉による肌荒れには二つのメカニズムがあります。一つは花粉が直接バリア機能を傷つける「刺激性接触皮膚炎」、もう一つはアレルゲンタンパク質(Cry j 1など)が皮膚内部に侵入して免疫反応を引き起こす「アレルギー性接触皮膚炎」です。花粉症がない方にも起こりえます。
🏥 花粉肌荒れの主な症状と特徴
花粉による肌荒れはどのような症状として現れるのでしょうか。代表的な症状と特徴をまとめます。
最も多く見られる症状は、顔の赤みとかゆみです。特に目の周りや頬、鼻の周り、口の周りなど、花粉が直接触れやすい部位に強く出やすいのが特徴です。かゆみが強いと掻いてしまい、それによってさらに皮膚が傷ついて炎症が悪化するという悪循環に陥りやすいです。
乾燥と皮むけも花粉肌荒れの典型的な症状です。花粉が皮膚のバリア機能を低下させることで、肌の水分が蒸発しやすくなり、乾燥が進みます。カサカサとした質感になり、粉をふいたように見えることもあります。
ブツブツや小さな湿疹が出ることもあります。花粉によるアレルギー反応が引き金となり、肌に細かい発疹が現れることがあります。これは湿疹(皮膚炎)の一種で、かゆみを伴うことが多いです。
さらに、肌全体がくすんで見えたり、化粧のノリが悪くなったりすることも花粉シーズン特有の肌トラブルとして挙げられます。普段使っているスキンケア製品が急に刺激に感じられるようになるというケースも多く、バリア機能の低下がいかに肌に影響を与えているかがわかります。
首や耳の後ろにかゆみや赤みが出ることもあります。屋外で花粉が多く飛散している日に外出した後、衣服の襟元付近など花粉が積もりやすい部位に症状が出ることがあるのは、このためです。
⚠️ 花粉肌荒れに悩みやすい人の特徴
花粉による肌荒れは誰にでも起こりうるものですが、特に症状が出やすいとされる人の特徴があります。
アトピー性皮膚炎の既往がある方は、もともと皮膚のバリア機能が低下していることが多く、花粉による刺激を受けやすい状態にあります。アトピー性皮膚炎はフィラグリンというタンパク質の遺伝子変異と関連していることが知られており、この変異があると皮膚のバリア機能が不十分になりやすいため、外界の刺激に敏感になります。
花粉症(鼻炎・結膜炎)を持っている方は、免疫系がすでに花粉のアレルゲンに対して過剰に反応する状態にあるため、皮膚でも同様の反応が起きやすいといえます。特にスギ花粉症の方は、スギ花粉が皮膚に触れると免疫反応が起きやすく、肌荒れが出やすい傾向があります。
乾燥肌の方も花粉肌荒れのリスクが高いといえます。もともと角質層の水分量が少なく、バリア機能が弱い状態にある乾燥肌の方は、花粉が皮膚内部に侵入しやすく、炎症反応が起きやすくなります。
また、敏感肌の方や、過去に接触皮膚炎(かぶれ)を経験したことがある方も、花粉による肌荒れを起こしやすい傾向があります。肌が外からの刺激に過剰に反応しやすい体質であることが、花粉肌荒れのリスクを高めると考えられます。
睡眠不足やストレスが続いている状態、栄養バランスが偏っている場合なども、肌のバリア機能や免疫機能が低下するため、花粉の影響を受けやすくなります。生活習慣の乱れが花粉肌荒れを悪化させる一因となることも覚えておくとよいでしょう。
Q. 花粉シーズン中の肌荒れ対策で大切なことは何ですか?
花粉との接触を減らすことと、肌のバリア機能を高く保つことが重要です。外出時はマスクや眼鏡を活用し、帰宅後はぬるま湯で顔を優しく洗いましょう。スキンケアはセラミドやヒアルロン酸を含む低刺激な保湿剤を選び、洗顔後すぐに塗布することが基本的な予防策となります。
🔍 花粉シーズン中の肌荒れ対策
花粉シーズン中の肌荒れを防ぐためには、花粉との接触をできるだけ減らすことと、肌のバリア機能を高く保つことの両面からアプローチすることが大切です。
外出時の対策としては、マスクの着用が有効です。マスクは花粉の吸入を防ぐだけでなく、口や鼻の周りの皮膚への花粉の付着を軽減する効果もあります。また、花粉の飛散量が多い日には眼鏡をかけると目の周りへの花粉の付着が減り、目のかゆみによる摩擦も防げます。帽子や花粉ガードスプレーの活用も有効です。
帰宅時には、花粉を室内に持ち込まないようにすることが重要です。玄関に入る前に上着を払い、帰宅後はすぐに手と顔を洗いましょう。顔を洗う際はゴシゴシと強く擦らず、ぬるま湯で優しく洗い流すようにすると肌への刺激を最小限に抑えられます。
日常的な肌ケアとしては、保湿を徹底することが最も基本的で重要な対策です。角質層が十分に保湿されていれば、花粉のアレルゲンが皮膚内部に侵入するのを防ぐバリアとして機能します。洗顔後はできるだけ早く保湿剤を塗布し、肌が乾燥した状態をできるだけ長く続けないようにしましょう。
保湿剤を選ぶ際は、花粉シーズン中は特に刺激の少ないシンプルな成分のものを選ぶとよいでしょう。香料やアルコールが多く含まれた製品は、バリア機能が低下した肌に刺激になりやすいため避けるのが無難です。セラミドやヒアルロン酸、グリセリンなどの保湿成分を含む製品が適しています。
日焼け止めについては、紫外線が増える春に不可欠ですが、肌が敏感になっているときはノンケミカルタイプ(紫外線散乱剤を使用したもの)の方が刺激が少ないとされています。ただし、個人差があるため、自分の肌に合うものを選ぶことが大切です。
食事面では、腸内環境を整えることが免疫機能のバランスを保つうえで重要とされています。発酵食品や食物繊維を積極的に摂り、腸内の善玉菌を増やすことがアレルギー反応の過剰な発動を抑える助けになるという研究報告があります。また、肌のバリア機能を維持するために必要なビタミンB群やビタミンC、亜鉛などを含む食材をバランスよく取り入れることも大切です。
📝 花粉シーズン後も肌荒れが続く場合の原因
「花粉の季節が終わったはずなのに、肌荒れがなかなか改善しない」という悩みを持つ方も多くいます。花粉の飛散が収まった後も肌荒れが続く場合には、いくつかの原因が考えられます。
一つ目は、肌のバリア機能の回復に時間がかかっているケースです。花粉シーズン中に長期間にわたって炎症が続いていた場合、角質層が傷んだ状態がすぐには元に戻らないことがあります。バリア機能の回復には、適切なスキンケアを継続しながら数週間から数カ月かかることもあるため、焦らずケアを続けることが必要です。
二つ目は、イネ科やブタクサなど春以外の花粉への反応が続いているケースです。先述のとおり、スギ・ヒノキの花粉飛散が終わっても、初夏以降もさまざまな植物の花粉が飛散しているため、複数の花粉にアレルギーがある方は症状が年間を通じて続くことがあります。
三つ目は、花粉以外の原因による肌荒れが加わっているケースです。夏に向けて紫外線が強くなることによる日焼け後の炎症、汗による刺激、エアコンによる乾燥など、花粉シーズン後にも肌荒れを引き起こす環境要因は多くあります。花粉による肌荒れがあったところに、さらに別の刺激が加わることで肌荒れが続くことがあります。
四つ目として、実は花粉以外のアレルギーや皮膚疾患が潜んでいる可能性も考えられます。アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、酒さ(ロザセア)など、花粉とは無関係に起こる皮膚疾患が、花粉シーズンに悪化して気づかれることがあります。花粉の季節が終わっても症状が改善しない場合は、皮膚科を受診して原因を特定することが大切です。
また、使用しているスキンケア製品や化粧品が肌荒れの原因になっている場合もあります。普段は問題なく使えていた製品でも、バリア機能が低下した状態では刺激になることがあり、そのまま使い続けることで肌荒れが長引くケースがあります。
Q. 花粉シーズン後も肌荒れが続く場合はどうすればいいですか?
花粉飛散終了後も2〜3週間以上症状が改善しない場合は、皮膚科への受診を推奨します。バリア機能の回復遅延のほか、アトピー性皮膚炎や酒さなど別の皮膚疾患が隠れているケースもあります。アイシークリニックでも肌荒れ・皮膚トラブルのご相談に対応していますので、お気軽にご相談ください。
💡 肌荒れを早く改善するためのスキンケア方法
花粉による肌荒れを早く改善するためには、正しいスキンケアの方法を理解して実践することが重要です。炎症が起きている状態の肌は非常にデリケートなため、無理なケアをすると逆効果になることがあります。
洗顔は1日2回を基本とし、必要以上に洗いすぎないようにしましょう。洗いすぎは皮膚の天然保湿因子(NMF)や皮脂を過剰に取り除いてしまい、バリア機能をさらに低下させます。洗顔料は刺激の少ないものを選び、泡立てて肌の上に乗せるようにして洗い、すすぎはぬるま湯で十分に行います。洗顔後はタオルでゴシゴシと拭かず、優しく押さえるように水分を取ります。
化粧水や美容液、乳液などのスキンケアステップは、炎症が強い時期にはなるべくシンプルに絞ることが推奨されます。多くの製品を重ねると、それだけ刺激を与えるリスクが高まります。化粧水で水分を補い、乳液やクリームで蓋をするという基本的な保湿ケアを丁寧に行うことが最優先です。
スキンケア製品はできれば低刺激で、アレルギーテスト済みのものを選ぶとよいでしょう。「敏感肌用」や「低刺激」と表示されている製品でも、成分によっては合わないこともあるため、新しい製品を使い始めるときは少量を腕の内側などで試してから顔に使うことをお勧めします。
かゆみが強い場合は、冷たいタオルで患部を冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができます。ただし、患部を強く冷やしすぎると逆に刺激になることがあるため、程よい冷たさで優しく当てるようにします。かゆいからといって患部を掻いてしまうと皮膚が傷ついてさらに炎症が広がるため、できるだけ掻かないように注意することが大切です。
睡眠を十分にとることも肌の回復に欠かせません。成長ホルモンは睡眠中に多く分泌され、皮膚の修復や再生を促すため、質の良い睡眠を確保することが肌荒れの改善に直結します。特に夜10時から深夜2時ごろは皮膚細胞の修復が活発に行われるとされているため、この時間帯に眠れるよう生活リズムを整えることが理想的です。
ストレスの管理も重要です。ストレスがかかると体内でコルチゾールというホルモンが分泌され、これが皮膚のバリア機能の低下や免疫機能の乱れを引き起こすとされています。適度な運動やリラクゼーションを取り入れて、ストレスをためすぎないようにすることが肌の健康にもつながります。
食事については、抗炎症作用のある栄養素を意識して摂ることが肌荒れの改善に役立ちます。青魚に含まれるオメガ3脂肪酸、緑黄色野菜に含まれるビタミンCやビタミンE、豆腐や卵に含まれるビタミンB群などは、肌の修復や炎症の抑制に関わる栄養素として知られています。一方、糖質や脂質の過剰摂取は肌の炎症を悪化させることがあるとされているため、バランスの良い食事を心がけることが大切です。
✨ 医療機関を受診する目安

花粉による肌荒れは、適切なセルフケアで改善することが多いですが、症状によっては医療機関を受診することを検討すべきケースがあります。
まず、かゆみや赤みが強く、日常生活や睡眠に支障が出るほどの場合は、早めに皮膚科を受診することをお勧めします。市販の薬を試しても改善しない場合や、症状が悪化している場合も同様です。
花粉の飛散シーズンが終わっても2〜3週間以上改善しない場合は、花粉以外の原因が考えられるため、皮膚科で診察を受けることが重要です。アトピー性皮膚炎や酒さ、脂漏性皮膚炎など、他の皮膚疾患との鑑別が必要なことがあります。
皮膚科では、症状の原因を診断したうえで、ステロイド外用薬や非ステロイド性抗炎症薬(保湿剤を含む)、抗ヒスタミン薬(かゆみ止め)などが処方されることがあります。ステロイド外用薬は適切な強さのものを適切な期間使用することで、炎症を効率よく抑えることができます。自己判断で市販のステロイドを長期間使用し続けることはリスクが伴うため、医師の指示に従った使用が重要です。
アレルギー科や耳鼻科では、花粉症そのものの治療として抗アレルギー薬の内服やアレルゲン免疫療法(舌下免疫療法や皮下免疫療法)が選択肢となります。花粉症の根本的な体質改善を目指す場合は、これらの治療も検討に値します。舌下免疫療法はスギ花粉症に対して保険適用があり、毎日少量のアレルゲンを摂取することで体をアレルゲンに慣れさせ、アレルギー反応を軽減させる治療法です。治療効果が出るまでに時間がかかりますが、花粉症全体の症状軽減に効果があるとされており、肌への影響も改善することが期待されます。
皮膚科への受診を検討する際には、いつ頃から症状が出ているか、毎年同じ時期に繰り返すかどうか、どの部位にどのような症状が出ているか、使用しているスキンケア製品などの情報をまとめておくと診察がスムーズに進みます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、花粉シーズンになると「毎年この時期だけ肌が荒れる」とお悩みになって受診される患者様が多く、花粉と肌トラブルの関連に気づかないまま長期間セルフケアのみで様子を見ていたケースも少なくありません。花粉による肌荒れは、バリア機能の低下が根本にあることが多いため、保湿ケアの徹底と花粉との接触を減らす工夫を組み合わせることが改善への近道です。花粉シーズンが終わっても症状が続く場合はアトピー性皮膚炎など他の皮膚疾患が隠れていることもありますので、一人で抱え込まず、どうぞお気軽にご相談ください。」
📌 よくある質問
スギ・ヒノキ花粉が主な原因の場合、2月から5月ごろまでの約3〜4カ月間が目安です。ただし、イネ科やブタクサなど複数の花粉に反応する方は夏や秋まで続くこともあります。また、花粉の飛散が終わった後もバリア機能の回復に数週間から数カ月かかる場合があります。
はい、起こりえます。花粉には皮膚に直接触れると刺激となり炎症を引き起こす成分が含まれており、これはアレルギーの有無に関係なく起こります。そのため「自分は花粉症ではないから大丈夫」と思っていても、花粉による肌荒れが生じる可能性は誰にでもあります。
保湿の徹底と、花粉との接触を減らす工夫を組み合わせることが最も重要です。外出時はマスクや眼鏡を活用し、帰宅後は顔をぬるま湯で優しく洗い流しましょう。スキンケアはセラミドやヒアルロン酸を含む低刺激な保湿剤を選び、角質層のバリア機能を高く保つことが肌荒れ予防の基本となります。
主な原因として、バリア機能の回復に時間がかかっている場合や、イネ科・ブタクサなど別の花粉への反応が続いている場合が考えられます。また、紫外線や汗など季節的な要因、さらにアトピー性皮膚炎など他の皮膚疾患が隠れているケースもあります。2〜3週間以上改善しない場合は皮膚科への受診をお勧めします。
かゆみや赤みが強く日常生活や睡眠に支障が出る場合、市販薬を試しても改善しない場合、花粉シーズン終了後も2〜3週間以上症状が続く場合は、早めに皮膚科を受診することをお勧めします。アイシークリニックでも肌荒れや皮膚トラブルのご相談に対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
🎯 まとめ
花粉による肌荒れは、花粉が皮膚に直接触れることで起きる炎症反応と、アレルギーによる免疫反応が組み合わさって引き起こされます。いつまで続くかという点については、スギ・ヒノキ花粉が主な原因であれば2月から5月ごろまでが一般的な目安ですが、イネ科やブタクサなど他の花粉にも反応する方は夏や秋にも症状が続くことがあります。また、花粉の飛散が終わった後もバリア機能の回復に時間がかかることがあるため、花粉シーズン後しばらくは丁寧なケアを続けることが大切です。
花粉による肌荒れを防ぐためには、外出時に花粉との接触を減らす工夫をしながら、保湿を中心とした丁寧なスキンケアを継続することが基本となります。生活習慣の面では、十分な睡眠とバランスの良い食事、ストレス管理が肌の回復力を高めるうえで欠かせません。
セルフケアで改善しない場合や症状が強い場合は、早めに皮膚科やアレルギー科を受診することをお勧めします。自分の肌の状態や体質に合った適切な治療を受けることで、花粉による肌荒れのつらさを大幅に軽減できる可能性があります。アイシークリニック上野院では、肌荒れや皮膚トラブルに関する相談にも対応しておりますので、症状が気になる方はお気軽にご相談ください。花粉シーズンを快適に乗り越えるために、早めの対策と適切なケアを心がけましょう。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 花粉皮膚炎・接触皮膚炎・アトピー性皮膚炎の診断基準や治療ガイドライン、バリア機能に関する医学的根拠の参照
- 厚生労働省 – 花粉症の基礎知識・花粉飛散情報・予防対策および治療法(舌下免疫療法の保険適用を含む)に関する公式情報の参照
- PubMed – 花粉アレルゲン(Cry j 1等)による皮膚バリア機能低下メカニズム・フィラグリン遺伝子変異・季節性接触皮膚炎に関する査読済み学術論文の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務