危ないほくろの見分け方 – 写真で学ぶ皮膚がんの早期発見

はじめに

「ただのほくろだと思っていたら、実は皮膚がんだった」— このような話を聞いたことはありませんか?ほくろは私たちの身体にとって非常に身近な存在ですが、時として命に関わる重大な病気のサインでもあります。

皮膚がんは体の表面にできるため、他のがんと比べて早期発見が可能ながんです。しかし、その見た目が普通のほくろやシミと似ているため、多くの人が見過ごしてしまい、進行してから医療機関を受診するケースが少なくありません。

本記事では、アイシークリニック上野院の専門医として、「危ないほくろ」の特徴と見分け方について、写真を交えながら詳しく解説いたします。正しい知識を身につけることで、あなた自身やご家族の健康を守ることができるでしょう。

ほくろと皮膚がんの基本知識

ほくろとは何か

ほくろは医学的には「色素性母斑」や「母斑細胞母斑」と呼ばれる良性の皮膚病変です。メラニン色素を産生する細胞(メラノサイト)や母斑細胞が集まってできています。

一般的に、ほくろは以下のような特徴を持ちます:

  • 左右対称的な形:きれいな円形や楕円形
  • 境界が明瞭:周囲の皮膚との境界がはっきりしている
  • 均一な色調:茶色や黒色が均一に分布
  • 大きさが安定:急激に大きくなることはない
  • 表面が滑らか:凹凸が少ない

多くの人は20歳頃までにほくろの数が増え、その後は基本的に変化しないのが正常です。既存のほくろががん化することは極めて稀とされており、長年存在するほくろは一般的に問題ありません。

皮膚がんの種類と特徴

皮膚がんには様々な種類がありますが、主要なものは以下の通りです:

1. 悪性黒色腫(メラノーマ)

最も悪性度が高い皮膚がんで、「ほくろのがん」とも呼ばれます。メラニン色素を作る色素細胞(メラノサイト)ががん化したもので、進行が早く、転移しやすいという特徴があります。

2. 基底細胞がん

日本人に最も多い皮膚がんです。表皮の最下層にある基底細胞から発生し、主に顔面に現れます。転移することは稀ですが、放置すると周囲の組織に深く浸潤していきます。

3. 有棘細胞がん

表皮の中間層を構成する有棘細胞から発生するがんです。日光にさらされる部位に多く発生し、進行すると転移の可能性があります。

4. 乳房外パジェット病

主に外陰部や肛門周囲に発生する皮膚がんで、湿疹のような症状を示すため見過ごされやすいのが特徴です。

悪性黒色腫(メラノーマ)について

メラノーマの基本的特徴

悪性黒色腫は皮膚がんの中で最も注意が必要な疾患です。日本では年間約1,500〜2,000人が新たに診断されており、決して珍しい病気ではありません。

メラノーマの特徴的な症状:

  • 急速な成長:1〜2ヶ月で見た目が急激に変化
  • 不規則な形状:左右非対称で境界が不明瞭
  • 色調の多様性:黒、茶、青、赤、白などが混在
  • 大きな直径:6mm以上(鉛筆の消しゴム部分の大きさ)
  • 表面の変化:隆起、潰瘍、出血

日本人特有の「末端黒子型メラノーマ」

日本人のメラノーマの約50%は足の裏に発生する「末端黒子型メラノーマ」です。これは欧米人には少ない特徴的な病型で、以下の部位に好発します:

  • 足の裏(特にかかと部分)
  • 手のひら
  • 指や爪の周囲

これらの部位は自分では見えにくく、発見が遅れやすいため特に注意が必要です。足の裏に黒い斑点や線条を見つけた場合は、すぐに皮膚科専門医の診察を受けることをお勧めします。

メラノーマの進行と予後

メラノーマは病期(ステージ)によって治療法と予後が大きく異なります:

  • ステージ0〜1(早期):外科的切除により95〜100%の治癒率
  • ステージ2(局所進行):適切な治療により良好な予後
  • ステージ3〜4(転移あり):集学的治療が必要

早期発見の重要性は数字からも明らかです。表皮内に留まっている段階(表皮内黒色腫)であれば、切除のみでほぼ100%の治癒が期待できます。

ABCDEルール – 危険なほくろの見分け方

メラノーマの早期発見のために、国際的に「ABCDEルール」という指標が使用されています。これは5つのアルファベットで危険なほくろの特徴を表したものです。

A(Asymmetry)- 非対称性

正常なほくろ: 左右対称の形 危険なほくろ: 左右非対称で不規則な形

正常なほくろは中央で線を引いたときに左右がほぼ同じ形になりますが、メラノーマでは左右が非対称になります。全体的にいびつで不規則な外観を示すのが特徴です。

B(Border irregularity)- 境界の不整

正常なほくろ: 周囲の境界が明瞭で滑らか 危険なほくろ: 境界がギザギザしており不明瞭

メラノーマでは境界部分がぼやけていたり、ギザギザとした不規則な輪郭を示します。また、境界の一部が鮮明で他の部分が不鮮明という特徴もあります。

C(Color variegation)- 色調の多様性

正常なほくろ: 均一な茶色や黒色 危険なほくろ: 複数の色が混在

メラノーマでは一つの病変内に以下のような様々な色調が混在します:

  • 黒褐色
  • 青色
  • 赤色
  • 白色
  • 灰色

特に真っ黒な部分と薄い茶色の部分が混在している場合は要注意です。

D(Diameter enlargement)- 直径の拡大

正常なほくろ: 6mm未満で安定 危険なほくろ: 6mm以上または急速に拡大

直径6mm(鉛筆の消しゴム部分)以上の色素斑は注意が必要です。また、サイズ自体は小さくても急速に拡大している場合は危険です。

E(Evolution/Evolving)- 経過の変化

正常なほくろ: 長期間変化しない 危険なほくろ: 大きさ、色、形が変化

これは最も重要な指標とされています。以下のような変化が見られた場合は要注意:

  • 急速な拡大
  • 色調の変化
  • 形状の変化
  • 表面の隆起
  • 潰瘍形成
  • 出血
  • かゆみや痛み

新しいD(Darkness)- 暗さ

近年、「直径」に加えて「暗さ(Darkness)」も重要な指標として注目されています。非常に暗い(真っ黒な)病変は、たとえ6mm未満でもメラノーマである可能性が高いとされています。

その他の皮膚がんの特徴

基底細胞がん

基底細胞がんは日本人に最も多い皮膚がんですが、転移することは極めて稀です。しかし、放置すると局所で深く浸潤し、筋肉や骨まで破壊することがあります。

特徴的な症状:

  • 顔面(特に鼻周辺)に好発
  • 黒いほくろのような外観
  • 表面に光沢がある(テラテラした感じ)
  • 中央部分がへこんで潰瘍化
  • 周囲が堤防状に盛り上がる

典型的な経過:

  1. 小さな黒い点として出現
  2. 徐々に複数の黒い点が集まる
  3. 円形や楕円形に広がる
  4. 中央がへこんで潰瘍化

有棘細胞がん

有棘細胞がんは紫外線の影響を受けやすい部位に発生します。早期では湿疹や炎症と見間違えられることが多いのが特徴です。

特徴的な症状:

  • 顔面や手背などの日光露出部に好発
  • 初期は赤いガサガサした皮疹
  • 進行すると肉芽様に盛り上がる
  • 表面がジクジクして出血しやすい
  • カリフラワー様の外観
  • 悪臭を伴うことがある

危険因子:

  • 長期間の紫外線曝露
  • やけどや外傷の痕
  • 慢性的な皮膚炎
  • 免疫力の低下

乳房外パジェット病

乳房外パジェット病は外陰部に好発する皮膚がんで、湿疹と見間違えられやすいのが特徴です。

特徴的な症状:

  • 外陰部、肛門周囲、腋の下に好発
  • 赤い湿疹様の皮疹
  • かゆみを伴う
  • 外用薬で改善しない
  • 年単位でゆっくり拡大
  • 部分的に白色や褐色を呈する

70〜80歳代の高齢者に多く、恥ずかしさから受診が遅れがちです。治らない湿疹は皮膚がんの可能性も考慮する必要があります。

セルフチェックの方法

皮膚がんの早期発見には、定期的なセルフチェックが欠かせません。月に1回、以下の手順で全身の皮膚をチェックしましょう。

チェックに必要な道具

  • 明るい照明
  • 全身鏡
  • 手鏡
  • 椅子またはスツール
  • ドライヤー(頭皮チェック用)
  • 記録用のメモやスマートフォン

チェックの手順

1. 正面のチェック

全身鏡の前に立ち、以下の部位を観察します:

  • 顔全体(特に鼻周辺)
  • 首の前面
  • 胸部
  • 腹部
  • 腕の前面
  • 手のひら
  • 指と爪

2. 側面のチェック

両腕を上げ、体の側面を観察します:

  • 腋の下
  • 体の側面
  • 腕の側面

3. 背面のチェック

手鏡を使って背中側をチェックします:

  • 首の後ろ
  • 背中
  • 臀部

4. 下半身のチェック

椅子に座って以下をチェックします:

  • 太ももの前面・後面
  • すねと膝
  • 足首
  • 足の甲
  • 足の裏
  • 足の指と爪
  • 足の指の間

5. 頭皮のチェック

ドライヤーを使って髪をかき分けながら頭皮をチェックします。家族に協力してもらうとより確実です。

6. 生殖器・肛門周囲のチェック

手鏡を使って以下をチェックします:

  • 外陰部
  • 肛門周囲

チェックすべきポイント

セルフチェックでは以下の変化に注意します:

新しくできたもの:

  • 新しいほくろやシミ
  • 新しい隆起
  • 色の変化

既存のものの変化:

  • 大きさの変化(拡大)
  • 色の変化
  • 形の変化
  • 表面の変化(隆起、潰瘍)

症状の変化:

  • かゆみ
  • 痛み
  • 出血
  • 分泌物

受診が必要なサイン:

  • ABCDEルールに該当する変化
  • 3週間以上治らない傷
  • 急激な変化(1〜2ヶ月で変化)
  • 直径6mm以上の新しい色素斑

セルフチェックの記録

変化を正確に把握するため、以下の方法で記録を残しましょう:

  • 気になる部位の写真撮影
  • 大きさの測定(定規を併用)
  • 変化の日付記録
  • 症状の記録

医療機関での診断方法

セルフチェックで気になる所見を見つけた場合、速やかに皮膚科専門医を受診することが重要です。

診察の流れ

1. 問診

医師は以下の点について詳しく聞き取ります:

  • 症状が現れた時期
  • 変化の経過
  • 家族歴
  • 既往歴
  • 職業歴(紫外線曝露など)
  • 薬剤使用歴

2. 視診

医師が肉眼で皮膚の状態を詳しく観察します。経験豊富な皮膚科医による視診は、診断において極めて重要な役割を果たします。

3. ダーモスコピー検査

ダーモスコピーは皮膚科特有の診断機器で、皮膚の表面を10〜40倍に拡大して観察できます。

ダーモスコピーの特徴:

  • 痛みを伴わない検査
  • 短時間で実施可能
  • 診断精度の大幅な向上
  • 保険適用(月1回まで)

観察できる所見:

  • 色素の分布パターン
  • 血管の構造
  • 表面の性状
  • 境界の詳細

ダーモスコピーにより、肉眼のみの診断と比較して皮膚がんの診断精度が大幅に向上することが科学的に証明されています。

4. 皮膚生検

視診とダーモスコピーで確定診断が困難な場合、皮膚生検を行います。

生検の種類:

  • パンチ生検:小さな円筒状に切除
  • 切開生検:病変の一部を切除
  • 切除生検:病変全体を切除

生検の手順:

  1. 局所麻酔
  2. 病変部の切除
  3. 縫合
  4. 病理組織検査(1〜2週間で結果)

5. 病理組織検査

切除した組織を顕微鏡で詳しく調べ、最終的な診断を確定します。これが皮膚がん診断のゴールドスタンダードです。

進行度評価

皮膚がんと診断された場合、治療方針決定のために以下の検査を行います:

画像検査

CT検査:

  • リンパ節転移の評価
  • 遠隔転移の検索

MRI検査:

  • 局所浸潤の詳細評価
  • 神経浸潤の評価

PET-CT検査:

  • 全身の転移検索
  • 治療効果の判定

超音波検査

  • 所属リンパ節の評価
  • 皮膚病変の深さの測定

センチネルリンパ節生検

メラノーマでは、最初に転移する可能性があるリンパ節(センチネルリンパ節)を同定し、転移の有無を調べます。

治療法について

皮膚がんの治療は病型、進行度、患者さんの状態に応じて選択されます。

外科的治療

1. 広範囲切除術

皮膚がん治療の基本は外科的切除です。

切除範囲の決定:

  • 病変から一定の距離を保った切除
  • 皮膚がんの種類により切除マージンが決定
  • 深さも十分な範囲で切除

メラノーマの切除マージン:

  • 表皮内黒色腫:5mm
  • 浸潤径1mm以下:1cm
  • 浸潤径1〜2mm:1〜2cm
  • 浸潤径2〜4mm:2cm
  • 浸潤径4mm以上:2cm

2. リンパ節郭清術

リンパ節転移が確認された場合、所属リンパ節を一括して切除します。

3. 再建手術

広範囲切除により生じた皮膚欠損に対し、以下の方法で再建します:

植皮術:

  • 他部位から皮膚を移植
  • 比較的簡単な手術
  • 色調の違いが生じることがある

皮弁形成術:

  • 周囲の皮膚を移動
  • 血流を保ったまま移動
  • より自然な仕上がり

遊離皮弁術:

  • 他部位から血管も含めて移植
  • 大きな欠損に対応可能
  • 高度な技術が必要

薬物療法

1. 化学療法

従来の抗がん剤による治療です。メラノーマでは効果が限定的でしたが、他の皮膚がんでは一定の効果があります。

2. 免疫チェックポイント阻害薬

近年、メラノーマ治療に革命をもたらした新しい治療法です。

主な薬剤:

  • ニボルマブ(オプジーボ)
  • ペムブロリズマブ(キイトルーダ)
  • イピリムマブ(ヤーボイ)

作用機序: がん細胞が免疫細胞にかけている「ブレーキ」を外すことで、本来の免疫力を回復させます。

特徴:

  • 従来の化学療法より高い効果
  • 副作用が比較的少ない
  • 効果が長期間持続する可能性
  • 自己免疫疾患様の副作用に注意が必要

3. 分子標的薬

がん細胞特有の分子を標的とした治療薬です。

BRAF阻害薬:

  • ベムラフェニブ(ゼルボラフ)
  • ダブラフェニブ(タフィンラー)

MEK阻害薬:

  • トラメチニブ(メキニスト)

これらは併用することで相乗効果が期待されます。

4. 外用薬

表皮内がんや前がん病変に対して使用されます。

イミキモドクリーム:

  • 免疫を活性化してがん細胞を攻撃
  • 日光角化症に適応
  • 局所の炎症反応を利用

放射線療法

以下の場合に実施されます:

  • 手術が困難な部位の腫瘍
  • 高齢で手術リスクが高い場合
  • 術後の再発予防
  • 転移病変に対する緩和治療

放射線感受性の高い皮膚がん:

  • 有棘細胞がん
  • 基底細胞がん
  • メルケル細胞がん
  • 血管肉腫

新しい治療法

光免疫療法

「第5のがん治療法」として注目されている最新の治療法です。

治療の流れ:

  1. 光感受性薬剤の点滴投与
  2. 20〜28時間後に光を照射
  3. 薬剤が光に反応してがん細胞を破壊

特徴:

  • がん細胞のみを選択的に攻撃
  • 正常組織への影響が少ない
  • 免疫活性化作用も期待
  • 現在は頭頸部がんのみ保険適用

重粒子線治療

従来の放射線治療より精密で強力な治療法です。

  • 深部の腫瘍に対して効果的
  • 副作用が少ない
  • 現在は先進医療(約300万円)

予防法

皮膚がんの最も確実な予防法は、原因となる因子を避けることです。

紫外線対策

1. 日焼け止めの使用

選び方のポイント:

  • SPF30以上、PA++以上
  • 肌質に合ったタイプを選択
  • ウォータープルーフタイプも考慮

使い方のポイント:

  • 適量を均一に塗布
  • 2〜3時間ごとに塗り直し
  • 曇りの日も使用
  • 年間を通じて使用

2. 物理的遮蔽

帽子:

  • つばの広い帽子(7cm以上)
  • UVカット機能付き

衣服:

  • 長袖・長ズボン
  • UVカット機能付き素材
  • 濃い色の衣服

サングラス:

  • UV400またはUVカット99%以上
  • 顔にフィットするもの

3. 行動の工夫

時間帯の調整:

  • 午前10時〜午後2時の外出を避ける
  • 日陰を積極的に利用

環境の理解:

  • 雪面、水面、砂浜は反射により紫外線が強い
  • 高度が高いほど紫外線が強い

定期的なセルフチェック

  • 月1回の全身チェック
  • 変化の記録
  • 気になる所見の早期受診

健康的な生活習慣

栄養バランス

抗酸化作用のある食品:

  • ビタミンC(柑橘類、野菜)
  • ビタミンE(ナッツ類、植物油)
  • β-カロテン(緑黄色野菜)
  • ポリフェノール(お茶、赤ワイン)

適度な運動

  • 免疫機能の維持・向上
  • ストレス軽減効果

禁煙

  • 免疫機能の改善
  • 創傷治癒の促進

リスクファクターの管理

遺伝的要因:

  • 家族歴がある場合は定期的な皮膚科受診
  • 遺伝カウンセリングの検討

既往歴:

  • やけどや外傷の痕の経過観察
  • 慢性皮膚炎の適切な治療

気をつけるべき部位と症状

特に注意が必要な部位

1. 足の裏

日本人のメラノーマの約50%が足の裏に発生します。

チェックポイント:

  • 黒い線や斑点の有無
  • 既存の色素斑の変化
  • 爪の黒い線条

注意すべき症状:

  • 急激な拡大
  • 色調の変化
  • 境界の不整

2. 顔面

基底細胞がんが最も多く発生する部位です。

チェックポイント:

  • 鼻周辺の小さな黒い点
  • 光沢のある隆起
  • 中央がへこんだ病変

3. 手背・前腕

紫外線曝露により有棘細胞がんが発生しやすい部位です。

チェックポイント:

  • 赤いガサガサした皮疹
  • 治らない傷
  • カリフラワー状の隆起

4. 外陰部・肛門周囲

乳房外パジェット病の好発部位です。

チェックポイント:

  • 治らない湿疹
  • かゆみを伴う赤い皮疹
  • 外用薬で改善しない症状

受診すべき症状

以下の症状がある場合は、速やかに皮膚科専門医を受診してください:

緊急性の高い症状:

  • 1〜2ヶ月で急激に変化するほくろ
  • 直径6mm以上の新しい黒い病変
  • 出血を伴うほくろ
  • 潰瘍を形成した皮膚病変

注意が必要な症状:

  • 3週間以上治らない傷
  • かゆみや痛みを伴うほくろ
  • 色調に変化があるほくろ
  • 形状が変化したほくろ

その他の気になる症状:

  • 新しくできたほくろ(30歳以降)
  • 家族にメラノーマの既往がある場合の皮膚の変化
  • 免疫抑制剤使用中の皮膚病変

まとめ

皮膚がんは早期発見により高い治癒率が期待できるがんです。特にメラノーマ(悪性黒色腫)は最も注意が必要な皮膚がんですが、表皮内に留まっている段階で発見できれば、ほぼ100%の治癒が可能です。

重要なポイントの再確認

  1. ABCDEルールの活用
    • A(非対称性)、B(境界の不整)、C(色調の多様性)、D(直径の拡大)、E(経過の変化)
  2. 定期的なセルフチェック
    • 月1回の全身皮膚チェック
    • 変化の記録と写真保存
  3. 早期受診の重要性
    • 気になる症状があれば速やかに皮膚科受診
    • 自己判断による放置は危険
  4. 予防の徹底
    • 適切な紫外線対策
    • 健康的な生活習慣の維持
  5. 日本人特有の特徴
    • 足の裏のメラノーマに特に注意
    • 基底細胞がんが最も多い皮膚がん

アイシークリニック上野院からのメッセージ

私たちアイシークリニック上野院は、皮膚がんの早期発見と適切な治療を通じて、患者様の健康と美容の両立を目指しています。皮膚に関する些細な変化でも、遠慮なくご相談ください。

皮膚は私たちの健康状態を映す鏡です。日頃からのセルフチェックと定期的な専門医による診察により、健康な皮膚を維持していきましょう。


参考文献

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス「メラノーマ(悪性黒色腫)」 https://ganjoho.jp/public/cancer/melanoma/index.html
  2. 日本皮膚科学会「皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン」
  3. 徳洲会グループ「病気のはなし149 鑑別のABCDEルール ほくろと皮膚がん」 https://www.tokushukai.or.jp/media/newspaper/article.php
  4. 日本医科大学武蔵小杉病院「皮膚がん(癌、悪性腫瘍)と治療のやさしい解説」 https://www.nms.ac.jp/kosugi-h/section/hihugan/
  5. がん研有明病院「悪性黒色腫(メラノーマ)」 https://www.jfcr.or.jp/hospital/department/clinic/disease/dermatological/
  6. 日本皮膚悪性腫瘍学会「皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第3版」
  7. 愛知県がんセンター「皮膚がん」 https://cancer-c.pref.aichi.jp/about/type/skin/
  8. 大阪医療センター「悪性黒色腫」 https://osaka.hosp.go.jp/cancer/cancer-type/akusei/

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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