酒さの初期症状とは?早期対応で悪化を防ぐためのポイント

酒さの主な症状

酒さ(rosacea)は、顔に赤みやほてりが現れる慢性の皮膚疾患です。初期のサインとしては、一時的に顔が赤くなる「紅潮」が頻繁に見られるようになります。特に鼻、頬、額、顎といった顔の中心部に症状が現れやすく、時間の経過とともに赤みが定着していく傾向があります。

また、小さな赤いブツブツ(丘疹)や膿を含んだできもの(膿疱)が出現する場合もあり、見た目にはニキビに似ていますが、皮脂詰まりは伴いません。

副次的な症状に注意

酒さでは、主な皮膚症状に加えて以下のような副症状が現れることがあります。

– 乾燥やざらつき、皮膚が薄く敏感になる

– 刺激への過敏反応(化粧品や洗顔料など)

– 眼型酒さ:結膜炎、目のかゆみ、異物感、乾燥感などが生じる

特に眼に関する症状は、皮膚の変化に先立って出ることがあるため、見逃さないようにしましょう。

酒さの進行過程

放置された酒さは、数ヶ月から数年をかけて徐々に進行していきます。初めは一時的な紅潮だけだったものが、次第に常に赤い状態へと変わり、さらにブツブツ(丘疹・膿疱)が加わってきます。

進行すると、毛細血管が拡張して目立ち、最終的には鼻周辺の皮膚が厚くなり、隆起してしまう「鼻瘤(びりゅう)」と呼ばれる状態に至ることもあります。

酒さのタイプ別分類

酒さは症状のパターンによって以下のように分類されます:

1. 紅斑・毛細血管拡張型:顔の中心部に赤みと血管の拡張が目立つ

2. 丘疹・膿疱型:赤みに加え、ニキビ様の発疹が見られる

3. 鼻瘤型:鼻の皮膚が肥厚して隆起する重度のタイプ

4. 眼型:目のかゆみや乾燥、異物感などの症状が前面に出る

これらの型は単独で現れることもあれば、複数の症状が重なる場合もあります。

初期症状に気づいたら早めの受診を

酒さの初期症状である紅潮やほてりを軽く考えて放置すると、病状が進行しやすく、治療が難しくなるリスクが高まります。そのため、違和感を覚えた段階で皮膚科を受診することが大切です。

また、紫外線・温度差・アルコールや辛い食べ物など、症状を引き起こす要因(トリガー)を避ける生活習慣も、悪化を防ぐうえで有効です。