
はじめに:繰り返すニキビに悩む方へ
「何度も同じ場所にニキビができてしまう」「いろいろな治療を試したけれど効果が長続きしない」このようなお悩みを抱えている方は少なくありません。ニキビ(尋常性痤瘡)は日本人の約90%以上が経験するといわれる非常に一般的な皮膚疾患ですが、その悩みの深さは人それぞれです。思春期だけでなく、大人になってからも繰り返すニキビに苦しんでいる方にとって、根本的な解決策を見つけることは切実な願いではないでしょうか。
近年、美容皮膚科の分野では「皮脂腺破壊レーザー」という新しい治療アプローチが注目を集めています。これは従来の対症療法とは異なり、ニキビの根本原因である皮脂腺そのものに直接アプローチする画期的な治療法です。上野エリアでもこうした最新治療を受けられる医療機関が増えており、長年ニキビに悩んできた方々に新たな希望をもたらしています。
本記事では、皮脂腺破壊レーザー治療の仕組みから効果、治療の種類、適応となる方、治療の流れ、注意点まで、包括的に解説いたします。上野周辺でニキビ治療をお考えの方はもちろん、新しい治療法について情報を求めている方にとって、治療選択の参考となれば幸いです。
第1章:ニキビと皮脂腺の関係を理解する
1-1. 皮脂腺とは何か
皮脂腺は、私たちの皮膚の真皮層に存在する小さな分泌腺です。この腺は毛穴に開口しており、皮脂と呼ばれる油性の物質を分泌しています。皮脂はワックスエステル(約25%)、スクアレン(約12%)、トリグリセリド(約60%)などの脂質成分から構成されており、皮膚表面に薄い膜を形成することで重要な役割を果たしています。
皮脂の主な機能としては、まず皮膚の水分蒸発を防ぎ、うるおいを保つ保湿作用があります。また、外部からの刺激や異物に対する保護膜としての働きもあり、さらに皮脂膜はpH4~6の弱酸性を示すことで殺菌作用(酸外套)を発揮し、有害な微生物の増殖を抑制しています。
皮脂腺は手のひらと足の裏を除くほぼ全身の皮膚に分布していますが、特に頭皮、額、鼻周辺(いわゆるTゾーン)、胸、背中の中央部などに多く集まっています。これらの部位は脂漏部位と呼ばれ、1平方センチメートルあたり400~900個もの皮脂腺が存在するとされています。
1-2. 皮脂分泌のメカニズムとホルモンの影響
皮脂の分泌量は年齢やホルモンバランスによって大きく変動します。思春期以降から20代にかけて急激に増加し、その後は男女差がありますが、おおむね徐々に減少していきます。ただし、男性の場合は40代以降もテストステロンの減少が緩やかであるため、80歳くらいまで皮脂分泌が続く傾向があります。
皮脂腺の機能を制御する最も重要な因子はホルモン、特に男性ホルモン(テストステロン)です。テストステロンは皮脂腺に存在する5α-リダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)に代謝され、このDHTが皮脂分泌を促進すると考えられています。女性でも副腎皮質や卵巣から分泌される男性ホルモンの影響を受けるため、ストレスや睡眠不足、月経周期の変動などによって皮脂分泌が変化することがあります。
1-3. ニキビ発生のメカニズム
ニキビは医学的には「尋常性痤瘡」と呼ばれる慢性炎症性疾患です。その発生メカニズムは以下のような段階を経て進行します。
まず、ホルモンバランスの変化や生活習慣の乱れなどにより、皮脂腺からの皮脂分泌が過剰になります。次に、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)が乱れることで古い角質がはがれ落ちにくくなり、この角質と過剰な皮脂が混ざり合って毛穴を塞ぎます。これが「面皰(コメド)」と呼ばれる状態で、白ニキビや黒ニキビの段階です。
毛穴が塞がると、酸素を嫌うアクネ菌(Cutibacterium acnes)が毛穴内で増殖しやすい環境となります。アクネ菌は皮脂を栄養源として増殖し、炎症性物質を産生します。これにより赤く腫れた「炎症性ニキビ」が発生し、さらに悪化すると膿を持った「黄ニキビ」や深部に及ぶ「嚢腫性ニキビ」へと進行します。
このメカニズムからわかるように、ニキビの根本原因の一つは「過剰な皮脂分泌」にあります。そのため、皮脂腺そのものにアプローチして皮脂分泌を抑制することが、ニキビの根本的な解決策として注目されているのです。
1-4. 従来のニキビ治療の限界
日本皮膚科学会が策定した「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」では、ニキビ治療の基本として外用薬(アダパレン、過酸化ベンゾイル、抗菌薬など)や内服薬(抗菌薬、漢方薬など)が推奨されています。これらの治療は多くのケースで効果を発揮しますが、いくつかの限界も存在します。
外用薬による治療は、現在あるニキビの症状を改善する対症療法が中心であり、皮脂分泌そのものを根本的に抑制するものではありません。そのため、治療をやめると再発しやすいという問題があります。また、一部の患者さんでは外用薬の刺激により肌荒れを起こしたり、長期間の抗菌薬使用により耐性菌が出現したりするリスクもあります。
このような背景から、ニキビの発生源である皮脂腺を直接的に治療する「皮脂腺破壊レーザー」への関心が高まっているのです。
第2章:皮脂腺破壊レーザー治療とは
2-1. 治療の基本原理
皮脂腺破壊レーザー治療とは、特定の波長のレーザー光や高周波エネルギーを用いて、ニキビの原因となる皮脂腺を選択的に破壊または縮小させる治療法です。永久脱毛が毛根を破壊することで毛が生えなくなるのと同じ原理で、皮脂腺を破壊すれば、その部位からの過剰な皮脂分泌がなくなり、ニキビの再発を長期的に防止することができます。
この治療の画期的な点は、従来の対症療法とは異なり、ニキビの「根本原因」にアプローチすることにあります。皮脂腺が破壊されれば、そこから皮脂が分泌されることはなくなるため、同じ場所にニキビが繰り返しできることを防ぐことができます。
2-2. 選択的光熱分解の原理
レーザー治療の多くは「選択的光熱分解(Selective Photothermolysis)」という原理に基づいています。これは、特定の波長のレーザー光が特定の組織(クロモフォア)に選択的に吸収され、その部分だけに熱エネルギーを与えて破壊するという原理です。
皮脂腺を標的とするレーザーでは、皮脂に含まれる脂質成分に吸収されやすい波長が使用されます。これにより、周囲の皮膚組織にはダメージを与えずに、皮脂腺だけを選択的に破壊することが可能となります。理想的な治療では、表皮は保持されながら、真皮に存在する皮脂腺だけが熱損傷を受けて縮小または消滅します。
2-3. 治療の種類と特徴
現在、皮脂腺にアプローチするニキビ治療には主に以下のような方法があります。
アグネス(AGNES)
アグネスは韓国で開発された高周波(RF)治療機器で、極細の絶縁針を毛穴に挿入し、針先から高周波エネルギーを照射して皮脂腺を直接破壊する治療法です。針の根元は絶縁コーティングされているため、皮膚表面にはダメージを与えず、皮脂腺だけにピンポイントでエネルギーを届けることができます。
アグネスの特徴は、ニキビ一つ一つに対して確実に皮脂腺を破壊できる点にあります。そのため、繰り返し同じ場所にできる頑固なニキビや、深部に及ぶ嚢胞性ニキビなど、通常の治療で効果を感じにくいケースに特に効果を発揮します。一度の施術でもかなりの効果を実感できることが多く、施術した箇所からのニキビ再発率は非常に低いとされています。
平均的な治療回数は3~5回程度で、1回の施術でも効果を実感できる方が多いです。ただし、針を一つ一つの毛穴に挿入する必要があるため、顔全体を治療する場合は時間がかかり、また施術中に痛みを感じることがあります。多くのクリニックでは表面麻酔(クリーム麻酔)を使用して痛みを軽減しています。
アビクリア(AviClear)
アビクリアは2025年に日本に本格導入された最新のニキビ治療用レーザーで、米国FDA(食品医薬品局)において軽度から重度のニキビ治療用レーザー機器として世界で初めて承認を受けた画期的な機器です。米国のレーザー光学技術企業であるキュテラ社が開発しました。
アビクリアの最大の特徴は、1726nmという特殊な波長を使用していることです。この波長は皮脂に含まれる脂質成分に非常に高い吸収率を持ち、皮脂腺を選択的に標的として熱エネルギーを届けることができます。アグネスが針を使って直接皮脂腺にアプローチするのに対し、アビクリアは肌の表面からレーザー光を照射して内部の皮脂腺にダメージを与える「非侵襲的」なアプローチを採用しています。
治療は基本的に1ヶ月ごとに3回行い、1回の施術時間は約30分程度です。海外の臨床試験では、91%の患者が治療に満足し、80%の患者でニキビが半分以上改善したとの報告があります。さらに、治療終了後3年が経過しても効果が持続している症例が報告されており、長期的な効果が期待できます。
アビクリアには「AviCool」と呼ばれる冷却システムが搭載されており、レーザー照射時の痛みを抑えると同時に、皮膚表面の火傷を防ぐよう設計されています。そのため、治療中の痛みは脱毛レーザーと同程度かそれ以下とされ、麻酔なしでも施術可能なケースが多いです。ダウンタイムもほとんどなく、治療当日から日常生活に支障なく過ごせます。
PDT(光線力学療法)
PDT(Photodynamic Therapy:光線力学療法)は、光感受性物質を使用して皮脂腺にアプローチする治療法です。アミノレブリン酸(ALA)という物質を内服または塗布すると、ALAは選択的に皮脂腺に取り込まれ、内部でポルフィリンという光感受性物質に変化します。その後、特定の波長(630~635nm)の光を照射すると、ポルフィリンが反応して活性酸素を発生させ、皮脂腺内のアクネ菌を殺菌するとともに、皮脂腺構造にダメージを与えます。
PDTは難治性のニキビに対して強力な殺菌効果を発揮しますが、治療後に強い炎症反応が起きることがあり、数日間は紫外線を避ける必要があります。また、皮脂腺を永久的に破壊する治療ではなく、皮脂腺の活動をコントロールする治療という位置づけです。3~4週間間隔で4回以上の治療が推奨されています。
その他のレーザー治療
これら以外にも、皮脂腺へのアプローチを目的としたレーザー治療がいくつかあります。
1450nmダイオードレーザー(スムースビーム)は、水分や皮脂に吸収されやすい波長を持ち、皮脂腺に効率よく熱ダメージを与えることで、ニキビの改善とニキビのできにくい肌づくりを目指す治療です。米国FDAでニキビ治療レーザーとしての許可を得ています。
1320nm Nd:YAGレーザーは、理論的には表皮を保持しながら皮脂腺を破壊することが可能とされますが、治療中に痛みが出やすく、十分な出力を出すことが難しいという課題があり、日本ではあまり普及していません。
第3章:皮脂腺破壊レーザー治療の効果と適応
3-1. 期待できる効果
皮脂腺破壊レーザー治療では、以下のような効果が期待できます。
まず最も重要なのは、ニキビの根本的な改善と再発防止です。皮脂腺を破壊または縮小させることで、過剰な皮脂分泌が抑制され、ニキビの発生源そのものがなくなります。特に同じ場所に繰り返しできる頑固なニキビに対して高い効果を発揮します。
次に、皮脂分泌の抑制による肌質改善があります。テカリやベタつきが軽減され、毛穴の詰まりも起こりにくくなります。これにより、化粧崩れしにくくなったり、肌全体のキメが整ったりする効果も期待できます。
また、高周波やレーザーの熱作用により、真皮層のコラーゲン生成が促進されます。これにより、毛穴の引き締め効果や、ニキビ跡の改善、肌のハリ・弾力の向上といった美肌効果も得られることがあります。
さらに、長期的な効果の持続も大きなメリットです。破壊された皮脂腺は再生しにくいため、治療効果は長期間にわたって持続します。アビクリアでは治療終了後3年経過しても効果が持続している症例が報告されており、アグネスでも施術した箇所からのニキビ再発はほとんどないとされています。
3-2. 治療の適応となる方
皮脂腺破壊レーザー治療は、以下のような方に特におすすめです。
外用薬や内服薬などの保険診療で効果が不十分だった方、同じ場所に繰り返しニキビができてしまう方、思春期ニキビだけでなく大人ニキビにも悩んでいる方、皮脂分泌が多くテカリやベタつきが気になる方、ニキビの根本的な解決を望んでいる方、薬の副作用が心配な方(特にイソトレチノインなどの内服薬の副作用を避けたい方)、長期的な効果を求めている方などが挙げられます。
年齢や性別を問わず治療を受けることができますが、特に10代の思春期ニキビで悩んでいる方にも適した治療とされています。
3-3. 治療を受けられない場合
一方、以下のような方は治療を受けられない場合があります。
ペースメーカーや埋め込み型除細動器を使用している方、金属プレートや金の糸を挿入している方、妊娠中・授乳中の方、治療部位に活動性の皮膚感染症がある方、光線過敏症の方、てんかんの既往がある方(まぶしい光が発作の誘因になる場合)、ケロイド体質の方、強い日焼けをしている方(一部のレーザー治療の場合)などが該当します。
また、ディフェリン、デュアック、ベピオ、エピデュオなどのニキビ治療薬を使用している場合は、治療前後3日間は使用を中止する必要があるクリニックが多いです。既往歴や使用中の薬によっては治療できない場合もあるため、必ず事前のカウンセリングで医師に相談してください。
第4章:治療の流れと注意点
4-1. カウンセリングから治療まで
皮脂腺破壊レーザー治療を受ける際の一般的な流れをご紹介します。
まず初回カウンセリングでは、医師が肌の状態を丁寧に診察し、ニキビの悩みや治療歴について詳しくヒアリングします。その上で、皮脂腺破壊レーザー治療が適しているかどうかを判断し、他に適切な治療法がある場合はその提案も行います。治療内容、必要な回数、費用、リスク、副作用などについて詳しく説明を受け、納得した上で治療を開始します。
治療当日は、メイクを落とした状態で施術を受けます(クリニックでクレンジングを用意している場合もあります)。治療前に写真撮影を行い、その時の肌状態に合わせた最適な治療プランを確認します。
施術では、治療法によって手順が異なります。アグネスの場合は、まず表面麻酔(クリーム麻酔)を塗布し、約30分程度麻酔が効くのを待ちます。その後、ニキビの角栓や膿を丁寧に圧出してから、アグネス専用の極細針を毛穴に挿入し、高周波を照射して皮脂腺を破壊します。施術時間はニキビの個数や範囲によって異なります。
アビクリアの場合は、皮膚上の脱脂を行った後、1726nmレーザーを顔全体(または特定の部位)に照射します。施術時間は約30分程度です。冷却機能が搭載されているため、多くの場合麻酔は不要ですが、痛みに敏感な方には笑気麻酔などを併用することも可能です。
施術後は、軟膏の塗布や冷却を行い、施術終了となります。多くの場合、施術当日から洗顔やメイクが可能ですが、治療部位への刺激は避けるよう指導されます。
4-2. ダウンタイムと副作用
皮脂腺破壊レーザー治療のダウンタイムは、治療法や個人差によって異なりますが、一般的に比較的軽度です。
アグネスの場合、治療直後から赤みや腫れが出ることがありますが、多くは3日から1週間程度で落ち着きます。施術した箇所からリンパ液などの浸出物が出ることがありますが、清潔なガーゼで軽く拭き取れば問題ありません。首のニキビを治療した場合は、1~2ヶ月間色素沈着が続くことがあります。
アビクリアの場合、治療後の赤みやダウンタイムはほとんどなく、当日から日常生活に支障なく過ごせます。軽度の乾燥感や赤みが生じる場合がありますが、数日以内で改善することがほとんどです。一部の方では治療後2~4日に一時的にニキビが悪化することがありますが、これは治療への反応であり、その後改善していきます。
想定される副作用としては、赤み、腫れ、熱感、乾燥、かさぶた、皮下出血、炎症後色素沈着などがあります。これらはいずれも一時的なもので、適切なアフターケアを行えば数日から数週間で改善します。重大な副作用は非常にまれですが、万が一異常な赤みや腫れ、痛みなどが現れた場合は、すぐに医療機関に連絡してください。
4-3. 治療後のケアと注意点
治療効果を最大限に引き出し、副作用を最小限に抑えるために、以下の点に注意してください。
保湿については、施術後は肌が乾燥しやすくなるため、十分な保湿を心がけてください。セラミドやヒアルロン酸配合の保湿剤がおすすめです。
紫外線対策も重要です。治療後の肌は敏感になっており、紫外線の影響を受けやすい状態です。外出時は日焼け止めを使用し、帽子や日傘などで遮光することで、炎症後色素沈着を予防しましょう。
刺激を避けることも大切です。治療部位は極力触らないようにし、擦ったり引っ掻いたりしないでください。かさぶたができた場合も、無理に剥がさず自然に取れるのを待ちましょう。
洗顔は優しく行ってください。ゴシゴシ洗いは避け、泡で優しく包み込むように洗顔しましょう。スクラブ入りの洗顔料や、グリコール酸・サリチル酸などの酸を含むスキンケア製品は、治療前後数日間は使用を控えることが推奨されています。
メルティング(アグネス治療後の追加処置)については、アグネス治療を受けた場合、施術の翌日または翌々日にクリニックを再受診し、皮脂腺内の残渣物を圧出する「メルティング」という処置を行うことで、より高い治療効果が得られます。必須ではありませんが、特に重症のニキビの方には推奨されています。
第5章:治療の比較と選び方
5-1. アグネスとアビクリアの比較
皮脂腺破壊レーザー治療の代表的な2つの方法、アグネスとアビクリアには、それぞれの特徴があります。
治療原理について、アグネスは極細針を毛穴に挿入し、高周波を皮脂腺に直接照射して破壊する方法です。一方、アビクリアは肌の表面から1726nmレーザーを照射し、皮脂腺を選択的に破壊する方法です。簡単にいえば、アグネスは「中に針を入れて焼く」イメージで、アビクリアは「外から光で焼く」イメージです。
効果の現れ方については、アグネスは狙った皮脂腺をその場で確実に破壊するため、特定の部位のニキビ再発をピンポイントで防ぐ即効性があります。一度の施術で効果を実感できることが多いです。アビクリアは顔全体など広範囲の皮脂腺活動を穏やかに抑制するため、効果は徐々に現れ、時間とともに改善が進む傾向があります。
適した症例として、アグネスは同じ場所に繰り返しできる頑固なニキビ、深部に及ぶ嚢胞性ニキビ、しこりを伴うニキビなど、ピンポイントでの治療が必要なケースに特に効果的です。アビクリアは顔全体の皮脂量を抑えつつ、ニキビができにくい肌へ改善したい方や、広範囲に軽度~中等度のニキビがある方に向いています。
痛みについては、アグネスは針を刺すため痛みを感じやすく、表面麻酔が必要です。アビクリアは冷却機能があり、痛みは脱毛レーザーと同程度かそれ以下で、多くの場合麻酔なしで施術可能です。
治療回数については、アグネスは平均3~5回、アビクリアは3回(1ヶ月ごと)が標準的です。
ダウンタイムについては、アグネスは数日~1週間程度の赤み・腫れがあることが多く、アビクリアはほとんどなく、当日から日常生活可能です。
5-2. 治療法の選び方
どの治療法を選ぶかは、ニキビの状態、治療目的、痛みへの耐性、ダウンタイムの許容度、予算などを総合的に考慮して決定します。
ピンポイントの頑固なニキビを確実に治したい場合はアグネスが適しています。顔全体の肌質改善とニキビ予防を目指す場合はアビクリアが適しています。痛みに敏感な方やダウンタイムを最小限にしたい方にはアビクリアがおすすめです。針を刺すことに抵抗がある方にもアビクリアが向いています。
いずれの場合も、まずは医師のカウンセリングを受け、ご自身の肌状態やニキビの種類に最適な治療法を相談することが大切です。また、単一の治療法だけでなく、複数の治療法を組み合わせることで、より効果的な結果が得られることもあります。
5-3. 保険診療と自費診療の組み合わせ
皮脂腺破壊レーザー治療は自費診療(保険適用外)となりますが、保険診療で行うニキビ治療と組み合わせることで、より包括的なアプローチが可能です。
例えば、現在炎症を起こしているニキビに対しては保険診療の外用薬や内服薬で治療しながら、繰り返しできるニキビの根本治療として皮脂腺破壊レーザーを並行して行うという方法があります。また、レーザー治療後の維持療法として保険診療の外用薬を継続することで、長期的な効果の維持が期待できます。
第6章:上野エリアでのニキビ治療
6-1. 上野・台東区周辺の医療環境
上野エリアは、JR上野駅や御徒町駅、東京メトロ上野駅・上野広小路駅など複数の駅が集まる交通の要所であり、皮膚科・美容皮膚科も多数存在しています。保険診療を行う一般皮膚科から、最新の美容医療を提供する美容皮膚科まで、さまざまな選択肢があります。
上野エリアで皮膚科を選ぶ際には、皮膚科専門医が在籍しているかどうか、治療実績や症例数、使用している機器の種類、カウンセリングの丁寧さ、アフターケアの充実度、通院のしやすさ(診療時間、アクセス)などを確認することをおすすめします。
6-2. クリニック選びのポイント
ニキビ治療、特に皮脂腺破壊レーザー治療を受けるクリニックを選ぶ際には、いくつかのポイントを確認しましょう。
まず、専門性と経験については、ニキビ治療に精通した医師がいるかどうか、使用する機器の取り扱い経験が豊富かどうかを確認してください。症例写真やビフォーアフターを見せてもらえると参考になります。
カウンセリングの質も重要です。治療のメリットだけでなく、デメリットやリスクについてもきちんと説明してくれるクリニックを選びましょう。患者一人ひとりの肌状態を丁寧に診察し、最適な治療プランを提案してくれるかどうかが大切です。
治療費の透明性についても確認が必要です。施術費用だけでなく、麻酔代、アフターケア費用、追加治療が必要になった場合の費用なども含めて、トータルでいくらかかるのかを事前に確認しておきましょう。
アフターケア体制についても確認してください。治療後に万が一トラブルが起きた場合の対応体制が整っているかどうかも重要なポイントです。

第7章:よくある質問と回答
人の顔にはおおよそ20万個の毛穴(皮脂腺)があるため、数百個程度の皮脂腺を破壊しても、肌全体が乾燥することはありません。むしろ、過剰に分泌されていた皮脂だけが抑制されるため、適度な皮脂分泌が保たれ、肌バランスが整うことが期待できます。
治療法やニキビの状態によって異なりますが、アグネスの場合は平均3~5回、アビクリアの場合は3回(1ヶ月ごと)が標準的です。1回でも効果を実感できることが多いですが、より確実な効果を得るためには推奨回数の治療を受けることをおすすめします。
Q3. 治療中の痛みはどの程度ですか?
アグネスの場合は針を刺すため痛みを感じやすいですが、表面麻酔(クリーム麻酔)を使用することで軽減できます。アビクリアの場合は冷却機能があり、ゴムで弾かれたような感覚程度です。痛みの感じ方には個人差がありますので、不安な方は事前に医師に相談してください。
Q4. 治療後、すぐにメイクできますか?
多くの場合、治療当日から軽いメイク(パウダー程度)は可能です。ただし、治療部位への刺激を避けるため、ゴシゴシこすらないよう優しくメイクしてください。治療法やクリニックによって指導内容が異なる場合がありますので、担当医師の指示に従ってください。
Q5. 効果はいつ頃から実感できますか?
アグネスの場合は施術後1週間程度で効果が現れ始め、時間の経過とともに治療効果が高まります。アビクリアの場合は3回の治療を終えた後、数ヶ月かけて徐々に改善していきます。いずれも長期的な効果が期待でき、治療終了後も効果が持続します。
Q6. 思春期ニキビにも効果がありますか?
はい、思春期ニキビにも効果があります。思春期はホルモンの影響で皮脂分泌が活発になる時期ですが、皮脂腺にアプローチすることで根本的な改善が期待できます。10代の方でも治療を受けることが可能です。
Q7. 背中や胸のニキビにも治療できますか?
はい、顔だけでなく、背中、胸、首など、ニキビができやすい部位であれば治療可能です。ただし、顔以外の部位は皮膚の厚さや皮脂腺の分布が異なるため、治療法や条件が変わる場合があります。詳しくは医師にご相談ください。
Q8. 治療費用の目安はどれくらいですか?
治療費用はクリニックや治療法、治療範囲によって大きく異なります。アグネスの場合、ニキビの個数によって料金設定されていることが多く、1~5個で15,000円~20,000円程度から、顔全体で数万円~10万円程度が目安です。アビクリアの場合、3回セットで20万円~30万円程度が相場となっています。正確な費用は各クリニックにお問い合わせください。
おわりに:ニキビ治療の新たな選択肢として
ニキビは「青春のシンボル」として軽視されがちな時代もありましたが、現代では適切な治療を受けることで大きく改善できる皮膚疾患として認識されています。特に皮脂腺破壊レーザー治療は、従来の対症療法とは一線を画す「根本治療」として、長年ニキビに悩んできた方々に新たな希望をもたらしています。
日本皮膚科学会のガイドラインに基づく保険診療の治療を基本としながら、それでも改善が難しい場合や、より積極的な治療を希望される場合には、皮脂腺破壊レーザー治療という選択肢があることを知っておいていただければ幸いです。
大切なのは、ご自身の肌状態やニキビの種類を正確に把握し、最適な治療法を選択することです。そのためには、経験豊富な医師のカウンセリングを受け、メリット・デメリットを十分に理解した上で治療を受けることをおすすめします。
上野エリアにお住まいの方、通勤・通学で上野を利用される方にとって、アクセスしやすい立地で最新のニキビ治療を受けられることは大きなメリットです。繰り返すニキビにお悩みの方は、ぜひ一度専門の医療機関にご相談ください。
参考文献
- 日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」 https://www.dermatol.or.jp/modules/guideline/index.php?content_id=2
- 朝田康夫(2002)「皮脂腺の機能と構造」美容皮膚科学事典
- Mindsガイドラインライブラリ「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」 https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00827/
- 日本化粧品技術者会「脂腺」化粧品用語集 https://www.sccj-ifscc.com/library/glossary_detail/735
- MSDマニュアル家庭版「皮膚の構造と機能」 https://msdmanuals.com/ja-jp/home/17-皮膚の病気/皮膚の生物学/皮膚の構造と機能
- 花王スキンケアナビ「肌にあるその他の器官」 https://www.kao.com/jp/skincare/skin/structure-06/
- Wikipedia「皮脂腺」 https://ja.wikipedia.org/wiki/皮脂腺
- はなふさ皮膚科・美容皮膚科「ニキビのレーザーと光治療」美容コラム https://mitakabiyou.com/column/acne-laser
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務