脂肪腫は自然に消える?「消えた」と感じる理由と正しい対処法を専門医が解説

皮膚の下に柔らかいしこりを見つけたとき、多くの方が不安を感じるものです。そのしこりは「脂肪腫」かもしれません。インターネットで検索すると「脂肪腫が消えた」という体験談を目にすることがありますが、本当に脂肪腫は自然に消えるのでしょうか。

本記事では、脂肪腫の基本的な知識から、なぜ「消えた」と感じるケースがあるのか、そして適切な診断と治療法について詳しく解説します。上野エリアで脂肪腫の診療をお考えの方にも役立つ情報をお届けします。


目次

  • 脂肪腫とは
  • 脂肪腫の原因と発症しやすい方の特徴
  • 脂肪腫の主な症状と特徴
  • 脂肪腫は自然に消える?「消えた」と感じる理由
  • 脂肪腫と間違えやすい疾患
  • 脂肪腫と脂肪肉腫の違い
  • 脂肪腫の診断方法
  • 脂肪腫の治療法
  • 脂肪腫を放置するとどうなるか
  • 手術後の経過と注意点
  • 上野エリアで脂肪腫治療を受けるには
  • よくある質問
  • まとめ
  • 参考文献

脂肪腫とは

脂肪腫とは、皮膚の下に発生する良性腫瘍の一種で、脂肪細胞が増殖して形成されるしこりのことです。軟部腫瘍の中では最も発生頻度が高く、1000人に1人以上が罹患すると考えられています。

脂肪腫は成熟した脂肪細胞で構成されており、通常は薄い被膜(カプセル状の膜)に包まれています。触ると柔らかく、皮膚の下でわずかに動くのが特徴です。多くの場合、痛みを伴わず、ゆっくりと成長していきます。

脂肪腫は幼少期から発生するとされていますが、ゆっくりと増大するため、実際に気づかれるのは40歳から60歳代が多いとされています。性別では、やや男性に多い傾向がありますが、女性にも見られます。通常は1つだけ発生しますが、5から10パーセントの方には複数の脂肪腫が発生することがあります。

脂肪腫の大きさは様々で、数ミリメートルの小さなものから10センチメートル以上に成長するものまであります。多くは1センチメートルから10センチメートル程度の範囲です。放置していると徐々に大きくなる傾向がありますが、成長のスピードは個人差が大きく、数年から数十年かけてゆっくり大きくなる方もいれば、比較的早く増大する方もいます。

発生部位については、脂肪組織が存在するあらゆる場所に発生する可能性がありますが、特に背中、肩、首、腕、太ももなどに多く見られます。まれに顔面、頭皮、手足の先端部分にも発生することがあります。さらに、皮下組織だけでなく、筋肉の中や筋肉の間に発生する深在性脂肪腫というタイプもあります。

脂肪腫にはいくつかの種類があります。最も一般的なのは通常型脂肪腫(単純脂肪腫)で、被膜を有していることが多く、手術で比較的容易に摘出できます。血管脂肪腫は脂肪成分に血管構成成分を含むタイプで、触ったり押したりすると痛みを感じることがあります。体幹や上下肢に多く発生し、多発することもあります。筋肉内脂肪腫は筋肉内に発生するタイプで、被膜が不明瞭な場合があり、摘出がやや難しいとされています。


脂肪腫の原因と発症しやすい方の特徴

脂肪腫がなぜ発生するのか、その正確な原因は現在の医学でも完全には解明されていません。しかし、いくつかの要因が発症に関与している可能性が指摘されています。

外傷との関連については、ぶつけやすい部位に脂肪腫ができることが多いため、外傷が発症のきっかけになる可能性が考えられています。ただし、すべての脂肪腫が外傷と関連しているわけではありません。

遺伝的要因も関与していると考えられています。複数の脂肪腫が発生する場合、家族性脂肪腫症という遺伝性疾患が関連していることがあります。また、ガードナー症候群やカウデン症候群など、いくつかの遺伝性疾患では脂肪腫が合併することが知られています。

生活習慣との関連については、肥満、高脂血症、糖尿病をお持ちの方にできやすい傾向があるとされています。ただし、痩せている方にも脂肪腫は発生しますので、肥満だけが原因というわけではありません。特に、太っていた方が痩せたときに、それまで気づかなかった脂肪腫に気づくこともあります。

多発性の脂肪腫については、遺伝的要因に加えて、飲酒との関連性も指摘されています。デルクム病という疾患では、体幹と四肢に痛みを伴う脂肪腫が複数発生します。この疾患は精神疾患を有する閉経後の女性に多く見られるとされています。

一方で、ストレスなどの心理的要因については、脂肪腫の発症との直接的な関連は特に認められていません。また、「脂肪分の多い食事をすると脂肪腫ができやすい」という質問をよく受けますが、食事内容と脂肪腫発症の因果関係を示す明確な証拠はありません。

発症しやすい方の特徴をまとめると、40歳から60歳代の中高年、男性(やや多い傾向)、肥満や生活習慣病をお持ちの方、家族に脂肪腫の方がいる方、過去にその部位を繰り返しぶつけたことがある方などが挙げられます。


脂肪腫の主な症状と特徴

脂肪腫の最大の特徴は、自覚症状がほとんどないことです。多くの場合、偶然触れたときや、見た目の変化に気づいて発見されます。典型的な脂肪腫には以下のような特徴があります。

触った感触としては、柔らかく弾力のあるしこりとして触れます。例えるなら、皮膚の下に柔らかいボールがあるような感覚です。押すとわずかに動き、可動性があることも特徴の一つです。皮膚の表面は正常で、色の変化や潰瘍などは通常見られません。

形状については、ドーム状に盛り上がることが多いですが、背中など圧迫されやすい部位では、それほど盛り上がりが目立たないこともあります。形は通常、円形から楕円形で、境界がはっきりしています。

痛みについては、通常は痛みを伴いません。ただし、血管脂肪腫というタイプでは、触ったり押したりすると痛みを感じることがあります。また、脂肪腫が神経を圧迫している場合には、しびれや痛みが生じることがまれにあります。

成長のスピードについては、基本的にゆっくりと増大します。数年から数十年かけて大きくなることも珍しくありません。「何十年も前からあるが、あまり大きさが変わらない」と診察でおっしゃる患者さんも少なくありません。

重要な点として、脂肪腫は自然に消失することがないという特徴があります。一度できた脂肪腫は自然に消えることはなく、放置すればゆっくりと大きくなっていきます。この点が、後述する「脂肪腫が消えた」という誤解につながる重要なポイントです。

注意が必要な症状としては、急速に大きくなる、硬い、痛みがある、境界が不明瞭、皮膚の下で動かない(周囲組織に癒着している)、5センチメートル以上の大きさなどが挙げられます。これらの特徴がある場合は、脂肪肉腫など悪性腫瘍の可能性を考慮して、早めに医療機関を受診することをお勧めします。


脂肪腫は自然に消える?「消えた」と感じる理由

インターネットで「脂肪腫 消えた」と検索すると、脂肪腫が自然に消えたという体験談を目にすることがあります。しかし、医学的には、真の脂肪腫が自然に消失することはありません。

では、なぜ「脂肪腫が消えた」と感じる方がいるのでしょうか。主に以下のような理由が考えられます。

第一に、もともと脂肪腫ではなかった可能性があります。慣習的に「粉瘤」という良性腫瘍を「脂肪の塊」と表現する医師もいます。そのため、「以前、他の病院で脂肪のできものと言われた」とおっしゃる患者さんの中には、実際には脂肪腫ではない疾患だったというケースがあります。粉瘤や炎症性の腫れなど、脂肪腫以外のできものであれば、自然に軽快することがあり得ます。

第二に、炎症や腫れが引いただけという可能性があります。皮膚の下にできるしこりには様々な原因があり、感染や炎症による一時的な腫れの場合、炎症が治まれば自然に小さくなります。このような場合、「脂肪腫が消えた」と感じることがあるかもしれませんが、そもそも脂肪腫ではなかったと考えられます。

第三に、脂肪腫が小さくなったように感じるケースがあります。体重の変動や姿勢の変化によって、脂肪腫の見え方や触れ方が変わることがあります。特に体重が増えると周囲の脂肪組織も増えるため、相対的に脂肪腫が目立たなくなることがあります。しかし、脂肪腫自体が縮小したわけではありません。

第四に、記憶違いの可能性もあります。長期間経過した場合、しこりの大きさや位置について記憶があいまいになることがあります。別の場所にあったしこりと混同している可能性も考えられます。

重要なことは、脂肪腫と診断されたしこりが本当に消えたと感じた場合、それは初期の診断が誤っていた可能性があるということです。逆に言えば、正確に脂肪腫と診断されたものが自然に消えることはありません。

そのため、皮膚の下にしこりを見つけた場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、正確な診断を受けることが大切です。「きっと脂肪腫だろう」「そのうち消えるだろう」と放置することは避けてください。


脂肪腫と間違えやすい疾患

脂肪腫に似た症状を示す疾患がいくつかあります。正確な診断のためには、これらの疾患との鑑別が重要です。

粉瘤(アテローム)は、脂肪腫と最も間違えやすい疾患の一つです。粉瘤は、皮膚の下にできた袋状の構造物に皮脂や角質がたまったものです。脂肪腫と同様にドーム状のしこりとして触れますが、以下のような違いがあります。粉瘤は中心部に小さな黒い穴(開口部)があることが多く、押すと悪臭のある内容物が出ることがあります。また、粉瘤は感染を起こすと赤く腫れて痛みを伴いますが、脂肪腫は通常炎症を起こしません。粉瘤は強く圧迫すると内容物が出てつぶれることがありますが、脂肪腫は押してもつぶれません。

ガングリオンは、関節の近くにできるゼリー状の液体が入った袋状の腫瘤です。手首や足首に多く発生します。脂肪腫より硬く感じることが多く、関節に近い場所に発生するという特徴があります。

リンパ節の腫れも、しこりとして触れることがあります。首や脇の下、鼠径部などリンパ節が存在する場所に発生し、感染症などに伴って腫れることがあります。炎症が治まれば小さくなることがあり、「しこりが消えた」と感じる原因の一つになることがあります。

脂肪組織の局所的な肥厚も、脂肪腫と間違えられることがあります。特に肥満の方では、皮下脂肪が局所的に厚くなっている部分が「しこり」のように感じられることがあります。

神経鞘腫や神経線維腫などの神経由来の腫瘍も、皮膚の下のしこりとして触れることがあります。押すと痛みや電気が走るような感覚が生じることがあります。

これらの疾患を見分けるためには、専門医による診察と適切な検査が必要です。自己診断は避け、気になるしこりがあれば医療機関を受診してください。


脂肪腫と脂肪肉腫の違い

脂肪腫と名前が似ている疾患に「脂肪肉腫」があります。脂肪腫が良性腫瘍であるのに対し、脂肪肉腫は悪性腫瘍(がん)です。両者は名前は似ていますが、性質は全く異なります。

脂肪肉腫は軟部肉腫の一種で、軟部肉腫の中では最も頻度が高い腫瘍です。年間発生率は人口10万人あたり約3人程度と非常にまれですが、脂肪腫との鑑別が重要な疾患です。

脂肪腫と脂肪肉腫の主な違いをまとめると以下のようになります。

成長速度については、脂肪腫が数年から数十年かけてゆっくり成長するのに対し、脂肪肉腫は数週間から数ヶ月で急速に大きくなることがあります。

硬さについては、脂肪腫が柔らかく弾力性があるのに対し、脂肪肉腫はやや硬く感じられることがあります。

境界については、脂肪腫は境界が明瞭で周囲組織との区別がはっきりしていますが、脂肪肉腫は境界が不明瞭で周囲組織に浸潤していることがあります。

可動性については、脂肪腫は皮膚の下で動かすことができますが、脂肪肉腫は周囲組織に癒着して動きにくいことがあります。

好発部位については、脂肪腫が背中、肩、首などに多いのに対し、脂肪肉腫は太ももなど四肢や後腹膜(お腹の後ろ側)に多く発生します。

大きさについては、脂肪肉腫は発見時にすでに5センチメートル以上であることが多いとされています。

ただし、見た目や触診だけで脂肪腫と脂肪肉腫を確実に区別することは困難です。特に初期の脂肪肉腫や高分化型脂肪肉腫は、良性の脂肪腫と非常によく似ています。そのため、5センチメートル以上の脂肪腫や、急に大きくなったしこりについては、画像検査や病理検査による詳しい検査が推奨されています。

脂肪腫が悪性化することは極めてまれですが、最初から悪性の脂肪肉腫であった可能性は否定できません。そのため、専門医による正確な診断を受けることが大切です。


脂肪腫の診断方法

脂肪腫の診断は、複数の方法を組み合わせて行われます。

視診と触診は、診断の第一歩です。経験豊富な専門医であれば、触診だけで約60パーセントの脂肪腫を診断できるとされています。柔らかさ、可動性、境界の明瞭さなどを確認します。しかし、確定診断や悪性腫瘍との鑑別のためには、画像検査が必要です。

超音波検査(エコー検査)は、外来で簡単に行える検査です。痛みを伴わず、脂肪腫と思われる部位にゼリーを塗って機械を当てるだけで、腫瘍の大きさ、深さ、内部構造などを確認できます。脂肪腫と粉瘤など他の皮膚腫瘍との鑑別にも有用です。超音波検査では、脂肪腫は比較的均一な低エコー像として描出されます。

MRI検査は、脂肪腫の診断において最も信頼性の高い検査方法です。特に脂肪抑制という技術を用いることで、良性と悪性の鑑別に役立ちます。MRI画像では、脂肪腫は脂肪と同様の信号強度を示し、脂肪抑制画像では信号が低下します。一方、脂肪肉腫では不均一な信号や脂肪以外の成分が混在することがあります。一般的には、直径5センチメートルを超える場合や、深部にある腫瘍についてはMRI検査が推奨されています。

CT検査は、骨への浸潤や肺転移の有無を確認する目的で行われることがあります。脂肪腫はCTで脂肪濃度(低吸収値)を示します。

病理検査(組織検査)は、最終的な確定診断のために行われます。摘出した腫瘍を顕微鏡で観察し、細胞の性質を詳しく調べます。悪性が疑われる場合には、手術前に針生検やコア生検で組織の一部を採取して検査することもあります。日本形成外科学会の診療ガイドラインでは、5センチメートル以上の脂肪腫については病理検査が推奨されています。

診断においては、腫瘍の大きさ、深さ、位置、周囲組織との関係を正確に把握することが、適切な治療計画を立てる上で重要です。


脂肪腫の治療法

脂肪腫の治療は、基本的に外科的な手術による摘出が唯一の根治的な治療法です。薬物療法や自然療法で脂肪腫を消すことはできません。

手術の適応については、脂肪腫は良性腫瘍であるため、必ずしも全例で手術が必要というわけではありません。以下のような場合に手術が推奨されます。美容的な観点から気になる場合、徐々に大きくなっている場合、神経を圧迫して痛みやしびれがある場合、日常生活に支障がある場合(服が引っかかる、動作の邪魔になるなど)、悪性腫瘍との鑑別が必要な場合などです。

一方、小さくて痛みもなく、生活に支障がない脂肪腫については、経過観察という選択肢もあります。

手術の方法としては、脂肪腫の直上を切開し、被膜ごと周囲の組織から剥離して摘出する方法が一般的です。脂肪腫は被膜に包まれていることが多いため、皮膚とは連続していないことが多く、皮膚の切開は最小限で済むことがあります。

小さな脂肪腫であれば、局所麻酔での日帰り手術が可能です。多くの医療機関で日帰り手術に対応しています。

スクイージング法やハイドロダイセクション法といった技術を用いることで、腫瘍の直径より小さい切開で摘出することも可能です。これにより傷跡を最小限にすることができます。

一方、大きな脂肪腫(目安として5センチメートル以上)や筋肉内に発生した脂肪腫、周囲組織と癒着している脂肪腫などでは、全身麻酔での手術や入院が必要になることがあります。

手術費用については、脂肪腫の摘出手術には健康保険が適用されます。3割負担の場合、数千円から1万円程度が目安ですが、腫瘍の大きさや部位、手術の難易度によって異なります。診察回数や検査内容によっても費用は変動します。

なお、脂肪吸引法で脂肪腫を摘出することは一般的にはできません。脂肪腫は被膜を有しており、脂肪吸引では被膜ごと摘出することができないためです。


脂肪腫を放置するとどうなるか

脂肪腫は良性腫瘍であり、生命に直接関わることはほとんどありません。しかし、放置することにはいくつかの問題点があります。

第一に、脂肪腫は自然に消えることがなく、放置すればゆっくりと大きくなっていきます。大きくなればなるほど手術の切開も大きくなり、傷跡が目立つ可能性が高まります。小さいうちに治療すれば、傷跡も小さく済みます。

第二に、大きくなった脂肪腫が神経や血管を圧迫し、痛みやしびれなどの症状を引き起こすことがあります。特に関節の近くや手足にできた脂肪腫では、動作の制限につながることもあります。

第三に、大きな脂肪腫の手術では、術後に血腫(血の塊)ができやすくなります。出血量も増え、ドレーン(液体を排出する管)を留置する必要が出てくることもあります。入院が必要になるケースもあります。

第四に、極めてまれではありますが、最初から悪性の脂肪肉腫であった場合、放置することで病状が進行してしまう危険性があります。脂肪腫だと思っていたものが実は脂肪肉腫だったというケースもあるため、専門医による診断が重要です。

第五に、筋肉内脂肪腫など特殊なタイプの脂肪腫では、周囲の筋肉に浸潤するように広がることがあり、完全に摘出しても再発することがあります。早期に治療すれば、再発のリスクも低くなります。

以上のことから、脂肪腫を見つけたら、まずは医療機関を受診して正確な診断を受けることをお勧めします。その上で、治療が必要かどうか、いつ治療するのが適切かを専門医と相談して決めるのがよいでしょう。


手術後の経過と注意点

脂肪腫の摘出手術後は、適切なケアと経過観察が重要です。

手術当日から翌日は、痛みを感じることがありますが、処方される痛み止めで対処可能です。脂肪腫は摘出後に空間(死腔)ができやすいため、血腫予防のために弾性包帯や腹帯などで圧迫固定を行うことがあります。

術後の入浴については、傷口の大きさや部位によって異なります。シャワーは傷口を濡らさないようにすれば当日から可能な場合もありますが、入浴は医師の指示に従ってください。

血行を促進する行為は出血のリスクを高めるため、術後数日間は飲酒や激しい運動は控えることが推奨されます。

抜糸は術後1週間から2週間程度で行われることが一般的です。傷の治りは個人差がありますが、適切にケアすれば傷跡は徐々に目立たなくなっていきます。

傷跡の色素沈着を防ぐためには、紫外線対策が重要です。傷口が治癒した後も、日焼け止めを使用して紫外線から肌を守るようにしてください。

再発については、脂肪腫がきれいに摘出されれば再発はまれです。ただし、筋肉内脂肪腫などでは再発することがあります。また、もともと多発する体質の方では、別の場所に新たな脂肪腫が発生することがあります。

術後に以下のような症状があれば、早めに医療機関に連絡してください。傷口から出血が止まらない、傷口の周囲が赤く腫れて熱を持っている、強い痛みが続く、膿が出るなどの症状です。


上野エリアで脂肪腫治療を受けるには

上野は、東京都台東区に位置し、JR、東京メトロ、京成電鉄など複数の路線が乗り入れる交通の要所です。埼玉県や千葉県、茨城県からのアクセスも良好で、多くの方が通院しやすいエリアです。

脂肪腫の診療は、主に皮膚科または形成外科で行われます。上野エリアにはこれらの診療科を有する医療機関が複数あり、脂肪腫の診断から治療まで対応しています。

受診の際には、以下の点について準備しておくと、スムーズに診察が進みます。しこりに気づいた時期、大きさの変化があったかどうか、痛みなどの症状の有無、過去に他の医療機関で診察を受けたことがあれば、そのときの診断内容などです。

多くの医療機関では、初診時に視診と触診を行い、必要に応じて超音波検査などの画像検査を行います。手術が必要と判断された場合は、手術の日程を相談して決めることになります。

小さな脂肪腫であれば日帰り手術が可能な医療機関が多いですが、大きな脂肪腫や深部にある脂肪腫については、設備の整った病院への紹介が必要になることがあります。

上野エリアは、大学病院や総合病院へのアクセスも良好です。より専門的な治療が必要な場合には、連携する医療機関への紹介もスムーズに行われます。


よくある質問

ここでは、脂肪腫についてよく寄せられる質問にお答えします。

Q1. 脂肪腫は自分で潰せますか?

A. 脂肪腫は自分で潰したり、押し出したりすることはできません。脂肪腫は被膜に包まれた脂肪細胞の塊であり、押しても内容物が出てくることはありません。無理に触ったり押したりすると、周囲の組織を傷つけてしまう可能性がありますので、自己処理は避けてください。

Q2. 脂肪腫があると癌になりやすいですか?

A. 脂肪腫自体が悪性化(癌化)することは極めてまれです。脂肪腫があるからといって、他の癌にかかりやすくなるということもありません。ただし、最初から悪性の脂肪肉腫であった可能性があるため、正確な診断を受けることが大切です。

Q3. 脂肪腫は何科を受診すればよいですか?

A. 脂肪腫の診療は、主に皮膚科または形成外科で行われています。どちらの診療科でも診断と治療が可能ですが、手術による摘出を専門とする形成外科を受診される方も多いです。大きな脂肪腫や深部にある脂肪腫については、整形外科での対応が必要になることもあります。

Q4. 脂肪腫は遺伝しますか?

A. 単発の脂肪腫については、明確な遺伝性は認められていません。ただし、複数の脂肪腫が発生する家族性脂肪腫症は遺伝性の疾患です。ご家族に脂肪腫が多い方がいる場合は、医師にお伝えください。

Q5. ダイエットをすれば脂肪腫は小さくなりますか?

A. ダイエットで体重を減らしても、脂肪腫自体は小さくなりません。脂肪腫は通常の皮下脂肪とは異なり、被膜に包まれた独立した腫瘍です。体重減少によって周囲の脂肪が減ると、相対的に脂肪腫が目立つようになることがあります。

Q6. 脂肪腫の手術は痛いですか?

A. 手術は局所麻酔下で行われるため、手術中に強い痛みを感じることはありません。麻酔の注射時にチクッとした痛みを感じることはありますが、極細針の使用や麻酔薬の工夫により、痛みを最小限に抑える努力がなされています。術後は痛み止めで対処可能な程度の痛みです。

Q7. 脂肪腫は再発しますか?

A. 通常の脂肪腫であれば、被膜ごときれいに摘出されれば再発することはまれです。ただし、筋肉内脂肪腫など一部のタイプでは再発することがあります。また、多発する体質の方では、別の場所に新たな脂肪腫ができることがあります。


まとめ

脂肪腫は、皮膚の下にできる良性の腫瘍で、軟部腫瘍の中で最も頻度が高い疾患です。脂肪細胞が増殖して形成され、通常は痛みを伴わない柔らかいしこりとして触れます。

脂肪腫は自然に消えることはありません。「脂肪腫が消えた」という体験談は、もともと脂肪腫ではなかった(粉瘤や炎症性の腫れなど)可能性が高いと考えられます。真の脂肪腫であれば、手術による摘出以外に根治的な治療法はありません。

脂肪腫は良性腫瘍であり、すぐに治療が必要というわけではありませんが、放置すると徐々に大きくなります。小さいうちに治療すれば、傷跡も小さく済みます。また、脂肪肉腫など悪性腫瘍との鑑別も重要であり、専門医による正確な診断を受けることが大切です。

皮膚の下にしこりを見つけた場合は、自己判断せずに医療機関を受診してください。上野エリアには脂肪腫の診療に対応した医療機関があり、診断から治療まで一貫した対応を受けることができます。

気になるしこりがある方は、お気軽にご相談ください。


参考文献

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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