脇のイボが気になる方へ|種類・原因・治療法を皮膚科医が解説

はじめに

脇の下にできる小さなイボが気になっている方は少なくありません。衣類との摩擦で痛みを感じたり、見た目が気になったり、あるいは数が増えてきて不安を感じたりすることもあるでしょう。脇のイボは、多くの場合良性のものですが、種類によっては適切な治療が必要になります。

本記事では、脇にできるイボの種類や原因、診断方法、そして治療法について詳しく解説していきます。脇のイボでお悩みの方が、正しい知識を得て適切な対処ができるよう、専門医の視点からわかりやすくお伝えします。

脇にできるイボとは

脇の下は、汗をかきやすく、衣類との摩擦も多い部位です。このような環境的要因に加えて、皮膚が薄く柔らかいという特徴もあり、さまざまな皮膚の変化が起こりやすい場所といえます。

一般的に「イボ」と呼ばれる皮膚の突起には、実はさまざまな種類があります。医学的には、ウイルス感染によるものから、加齢による良性腫瘍まで、異なる原因で発生する複数の病変が含まれています。

脇にできやすいイボの特徴として、以下のような点が挙げられます。

  • 小さく柔らかい突起状の形をしていることが多い
  • 肌色から褐色まで、さまざまな色調を示す
  • 単発のこともあれば、複数個できることもある
  • 症状がないことも多いが、摩擦により痛みや出血を起こすこともある
  • 加齢とともに増加する傾向がある

脇にできるイボの主な種類

脇にできるイボには、いくつかの代表的なタイプがあります。それぞれ原因や特徴が異なるため、正確な診断が重要です。

アクロコルドン(軟性線維腫)

アクロコルドンは、脇の下に最もよくできるイボの一つです。医学的には軟性線維腫と呼ばれ、良性の皮膚腫瘍に分類されます。

アクロコルドンの特徴は以下の通りです。

  • 大きさは1〜5mm程度の小さな突起
  • 肌色から褐色を呈する
  • 柔らかく、細い茎でぶら下がったような形状
  • 痛みやかゆみはほとんどない
  • 中年以降に増加する傾向がある
  • 首や脇の下、鼠径部など、摩擦の多い部位に好発する

アクロコルドンは線維組織の増殖によって形成されます。皮膚の老化現象の一つと考えられており、加齢とともに増える傾向があります。特に女性に多く見られ、妊娠中や肥満の方にできやすいことも知られています。

スキンタッグ

スキンタッグは、アクロコルドンと非常によく似た皮膚病変です。実際、医学的にはアクロコルドンとスキンタッグを明確に区別しないこともあります。

スキンタッグの特徴は以下の通りです。

  • アクロコルドンよりもやや大きめ(5〜10mm程度)のこともある
  • 柔らかく、皮膚から突出している
  • 肌色から茶褐色
  • 摩擦により炎症を起こすことがある
  • 複数個できることが多い

スキンタッグもアクロコルドンと同様に、摩擦や加齢が関与していると考えられています。遺伝的な要因も指摘されており、家族内で複数の方に見られることもあります。

尋常性疣贅(ウイルス性イボ)

尋常性疣贅は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって生じるイボです。一般的に「イボ」というとこのタイプを指すことが多く、脇にもできることがあります。

尋常性疣贅の特徴は以下の通りです。

  • 表面がザラザラしている
  • 固く、盛り上がっている
  • 大きさは数mm〜1cm程度
  • 色は肌色から灰白色、時に黒い点々が見えることもある
  • 削ると出血しやすい
  • 感染性があり、他の部位や他人に広がる可能性がある

ヒトパピローマウイルスには100種類以上の型があり、尋常性疣贅の原因となるのは主にHPV-2、27、57などの型です。傷ついた皮膚からウイルスが侵入し、感染することで発症します。

脂漏性角化症(老人性イボ)

脂漏性角化症は、加齢に伴って生じる良性の皮膚腫瘍です。一般的に「老人性イボ」とも呼ばれますが、必ずしも高齢者だけに見られるわけではありません。

脂漏性角化症の特徴は以下の通りです。

  • 表面がやや盛り上がり、ザラザラしている
  • 色は淡褐色から黒褐色まで様々
  • 大きさは数mm〜数cm程度
  • 境界が比較的はっきりしている
  • 顔や頭部、体幹に多いが、脇にもできることがある
  • 角質が厚く、表面に油っぽい感じがある

脂漏性角化症は皮膚の老化現象の一つであり、紫外線の影響も関与していると考えられています。遺伝的な要因もあり、家族内で多発することもあります。

汗管腫

汗管腫は、汗を分泌する汗管の増殖によって生じる良性腫瘍です。主に顔面、特にまぶたの周りに多く見られますが、脇の下にできることもあります。

汗管腫の特徴は以下の通りです。

  • 1〜3mm程度の小さな半球状の隆起
  • 肌色から黄色がかった色調
  • 表面は滑らか
  • 複数個が集まってできることが多い
  • 特に症状はない

汗管腫は思春期以降の女性に多く見られ、女性ホルモンとの関連も指摘されています。

脇のイボができる原因

脇にイボができる原因は、イボの種類によって異なります。主な原因について詳しく見ていきましょう。

摩擦・刺激

脇の下は、腕の動きによって常に皮膚同士が擦れ合う部位です。また、衣類との摩擦も頻繁に起こります。このような慢性的な機械的刺激が、アクロコルドンやスキンタッグの発生に関与していると考えられています。

特に以下のような状況では、摩擦による刺激が強くなります。

  • きつい衣類を着用している
  • 運動などで脇の下が頻繁に動く
  • 肥満により皮膚のたるみが大きい
  • 脇毛の自己処理による刺激

日本皮膚科学会によると、機械的刺激は様々な皮膚病変の発生要因となることが知られています。

加齢

加齢は、多くのタイプの脇のイボの発生に関与する重要な要因です。特にアクロコルドン、スキンタッグ、脂漏性角化症は、年齢とともに増加する傾向があります。

加齢に伴う皮膚の変化として、以下のような点が挙げられます。

  • 皮膚の弾力性の低下
  • コラーゲンやエラスチンの減少
  • 皮膚のバリア機能の低下
  • 細胞の修復能力の低下
  • 紫外線などのダメージの蓄積

これらの変化により、皮膚に様々な良性腫瘍が発生しやすくなります。

ウイルス感染

尋常性疣贅の場合、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が直接的な原因となります。HPVは、傷ついた皮膚から体内に侵入し、表皮細胞に感染して増殖します。

ウイルス感染のリスクを高める要因として、以下が挙げられます。

  • 皮膚のバリア機能の低下
  • 免疫力の低下
  • 不衛生な環境
  • 感染者との接触

厚生労働省の資料でも、ウイルス性疾患の予防には適切な衛生管理が重要であることが示されています。

遺伝的要因

アクロコルドンや脂漏性角化症には、遺伝的な要因が関与していることが知られています。家族内で同様の皮膚病変が多く見られる場合、遺伝的素因が影響している可能性があります。

ホルモンの影響

妊娠中や更年期など、ホルモンバランスが変化する時期に、アクロコルドンやスキンタッグが増えることがあります。特に女性ホルモンの影響が指摘されています。

また、インスリン抵抗性との関連も報告されており、糖尿病や肥満の方に多く見られることも知られています。

肥満・メタボリックシンドローム

肥満は、脇のイボ、特にアクロコルドンの発生と関連があることが複数の研究で示されています。これは以下のような理由によると考えられています。

  • 皮膚の摩擦が増加する
  • インスリン抵抗性が高まる
  • 炎症性サイトカインの増加
  • ホルモンバランスの変化

実際、BMI(体格指数)が高い方ほど、アクロコルドンの数が多い傾向があることが報告されています。

紫外線

脂漏性角化症の発生には、紫外線の影響が大きく関与しています。長年にわたる紫外線曝露により、皮膚の細胞にダメージが蓄積され、良性腫瘍が発生すると考えられています。

脇の下は直接的な日光に当たることは少ないですが、散乱光や反射光による影響を受けることがあります。

脇のイボの症状と見分け方

脇にできるイボは、多くの場合無症状ですが、場所や種類によっては様々な症状を引き起こすことがあります。

無症状の場合

アクロコルドンやスキンタッグ、初期の脂漏性角化症などは、多くの場合痛みやかゆみなどの症状を伴いません。単に皮膚の突起として存在するだけで、本人も気づかないこともあります。

無症状であっても、以下のような点で気になる場合があります。

  • 見た目が気になる
  • 徐々に大きくなってきた
  • 数が増えてきた
  • 衣類に引っかかる

摩擦による症状

脇の下は、腕の動きや衣類との接触により、イボが摩擦や刺激を受けやすい部位です。この摩擦により、以下のような症状が現れることがあります。

  • 痛み
  • 赤み
  • 腫れ
  • 出血
  • かゆみ

特に、細い茎でぶら下がっているようなアクロコルドンは、ねじれたり引っ張られたりすることで、痛みや出血を起こすことがあります。

炎症を起こした場合

イボが細菌感染を起こすと、以下のような炎症症状が現れます。

  • 強い痛み
  • 赤み・腫れ
  • 熱感
  • 膿が出る

このような症状が現れた場合は、早めに皮膚科を受診する必要があります。

悪性との鑑別が必要な場合

脇のイボの多くは良性ですが、まれに悪性腫瘍との鑑別が必要になることがあります。以下のような特徴がある場合は、特に注意が必要です。

  • 急速に大きくなる
  • 不整な形をしている
  • 色が不均一で、黒色の部分がある
  • 表面が潰瘍化している
  • 出血しやすい
  • 硬い

このような特徴が見られる場合は、悪性黒色腫(メラノーマ)や基底細胞癌、有棘細胞癌などの可能性も考慮し、専門医による診断が必要です。

国立がん研究センターの情報によると、皮膚がんの早期発見には、皮膚の変化に注意を払うことが重要とされています。

イボの種類別の見分け方

それぞれのイボには特徴的な見た目があります。

アクロコルドン・スキンタッグの見分け方:

  • 小さく柔らかい
  • 細い茎でぶら下がっている
  • 肌色から褐色
  • 複数個できることが多い

尋常性疣贅の見分け方:

  • 表面がザラザラしている
  • 固く、盛り上がっている
  • 削ると点状出血が見られる
  • 黒い点々(血管の断面)が見えることがある

脂漏性角化症の見分け方:

  • やや盛り上がっている
  • 表面に油っぽい感じがある
  • 褐色から黒褐色
  • 境界がはっきりしている

ただし、見た目だけで正確に診断することは困難な場合も多く、専門医による診察が重要です。

診断方法

脇のイボの正確な診断は、適切な治療を行うために非常に重要です。診断は主に以下のような方法で行われます。

視診

最も基本的な診断方法は、皮膚科医による視診です。経験豊富な皮膚科医であれば、見た目の特徴から多くの場合、イボの種類を判断することができます。

視診では、以下のような点を観察します。

  • イボの大きさ
  • 形状
  • 色調
  • 表面の性状(滑らか、ザラザラ、油っぽいなど)
  • 境界の明瞭さ
  • 周囲の皮膚の状態

ダーモスコピー検査

ダーモスコピーは、特殊な拡大鏡を使って皮膚を詳しく観察する検査法です。肉眼では見えない皮膚の構造や色素の分布などを観察することができ、より正確な診断が可能になります。

ダーモスコピー検査は、特に良性と悪性の鑑別に有用です。日本皮膚科学会のガイドラインでも、色素性病変の診断にダーモスコピーの使用が推奨されています。

病理組織検査

診断が困難な場合や、悪性が疑われる場合には、病理組織検査が行われます。イボの一部または全部を切除し、顕微鏡で細胞や組織の構造を詳しく調べる検査です。

病理組織検査により、以下のことがわかります。

  • 細胞の種類や性質
  • 組織の構造
  • 良性か悪性か
  • 具体的な診断名

この検査は最も確実な診断方法ですが、侵襲的な検査であるため、必要性を十分に検討した上で行われます。

必要に応じた追加検査

場合によっては、以下のような追加検査が行われることもあります。

血液検査:

  • 糖尿病やメタボリックシンドロームの有無を調べる
  • 免疫状態を評価する

ウイルス検査:

  • HPVの型を特定する(尋常性疣贅の場合)

画像検査:

  • 深部への広がりを評価する(必要に応じて)

治療法

脇のイボの治療法は、イボの種類、大きさ、数、症状の有無などによって選択されます。治療の主な目的は、イボの除去と、症状の改善、そして美容的な問題の解決です。

経過観察

アクロコルドンやスキンタッグなど、良性で無症状のイボの場合、必ずしも治療が必要というわけではありません。特に小さく、数も少ない場合は、経過観察を選択することもあります。

ただし、以下のような場合は治療を検討します。

  • 見た目が気になる
  • 摩擦により痛みや出血がある
  • 衣類に引っかかる
  • 徐々に大きくなってきた
  • 数が増えてきた

切除術

イボを外科的に切除する方法です。局所麻酔を行った後、メスやハサミでイボを切り取ります。

切除術の特徴:

利点:

  • 確実にイボを除去できる
  • 病理組織検査が可能
  • 比較的大きなイボにも対応できる

欠点:

  • 麻酔が必要
  • 傷跡が残る可能性がある
  • 術後の管理が必要

アクロコルドンやスキンタッグのように、細い茎でぶら下がっているイボの場合、医療用のハサミで簡単に切除できることもあります。この場合、麻酔も不要で、出血もごくわずかです。

液体窒素療法(凍結療法)

液体窒素を用いてイボを凍結させ、破壊する治療法です。特にウイルス性イボの治療に広く用いられています。

液体窒素療法の手順:

  1. 液体窒素(-196℃)を含ませた綿棒やスプレーでイボを凍結する
  2. 凍結と融解を数回繰り返す
  3. 1〜2週間後にイボが脱落する
  4. 必要に応じて治療を繰り返す

利点:

  • 比較的簡便な治療
  • 外来で実施可能
  • 複数のイボを一度に治療できる

欠点:

  • 治療時に痛みを伴う
  • 水疱ができることがある
  • 色素沈着や色素脱失が残る可能性がある
  • 複数回の治療が必要なことが多い

日本皮膚科学会の尋常性疣贅診療ガイドラインでは、液体窒素療法が標準的な治療として推奨されています。

電気焼灼法

電気メスを使ってイボを焼き切る方法です。高周波電流により組織を凝固・蒸散させます。

電気焼灼法の特徴:

利点:

  • 出血が少ない
  • 比較的確実にイボを除去できる
  • 治療時間が短い

欠点:

  • 局所麻酔が必要
  • 痂皮(かさぶた)ができる
  • 傷跡が残る可能性がある

アクロコルドンや小さな脂漏性角化症の治療によく用いられます。

レーザー治療

炭酸ガスレーザーなどを用いてイボを蒸散させる治療法です。

レーザー治療の特徴:

利点:

  • 出血が少ない
  • 周囲組織へのダメージが少ない
  • 傷跡が目立ちにくい
  • 複数のイボを一度に治療できる

欠点:

  • 保険適用外のことが多い
  • 治療費が高額になる可能性がある
  • 局所麻酔が必要

アイシークリニック上野院では、レーザー治療も行っており、患者様のご希望や状態に応じて最適な治療法を提案しています。

薬物療法

イボの種類によっては、外用薬や内服薬による治療が行われることもあります。

サリチル酸外用:

  • 角質を軟化させ、イボを除去する
  • 尋常性疣贅の治療に用いられる
  • 比較的安全だが、効果が出るまで時間がかかる

ヨクイニン内服:

  • ハトムギの種子から抽出された漢方薬
  • イボ治療の補助療法として用いられる
  • 効果には個人差がある

その他:

  • ビタミンD3軟膏
  • イミキモド外用
  • 免疫療法

これらの薬物療法は、他の治療法と併用されることもあります。

治療法の選択

治療法は、以下のような点を考慮して選択されます。

  • イボの種類と大きさ
  • イボの数
  • できている場所
  • 症状の有無
  • 患者様のご希望
  • 治療にかけられる時間
  • 費用

皮膚科専門医と十分に相談した上で、最適な治療法を選択することが重要です。

治療後の経過とケア

イボの治療後は、適切なケアを行うことで、良好な治癒を促し、合併症を予防することができます。

傷の管理

切除術や電気焼灼法、レーザー治療後は、治療部位に傷ができます。適切な傷の管理が重要です。

傷の管理のポイント:

清潔を保つ:

  • 処方された軟膏を塗布する
  • 医師の指示に従って傷を洗浄する
  • 不潔な手で触らない

保護する:

  • 必要に応じてガーゼや絆創膏で保護する
  • 摩擦や刺激を避ける
  • 衣類との接触に注意する

経過を観察する:

  • 赤み、腫れ、痛みが強くなる場合は医師に相談
  • 出血や膿が出る場合は早めに受診

液体窒素療法後のケア

液体窒素療法後は、治療部位に水疱ができることがあります。

水疱ができた場合:

  • 自分で破らない
  • 清潔を保つ
  • 大きな水疱で痛みが強い場合は医師に相談

色素沈着の予防:

  • 紫外線対策を行う
  • 刺激を避ける

再発予防

尋常性疣贅の場合、ウイルス感染による病変のため、再発することがあります。再発予防のために以下の点に注意しましょう。

  • 治療部位を清潔に保つ
  • 免疫力を維持する(十分な睡眠、バランスの良い食事)
  • 他の部位や他人への感染を防ぐ
  • 皮膚のバリア機能を保つ

日常生活の注意点

治療後の日常生活では、以下の点に注意します。

入浴:

  • 医師の指示に従う
  • 治療部位を強くこすらない
  • 長時間の入浴は避ける

運動:

  • 激しい運動は控える
  • 脇を大きく動かす動作は慎重に
  • 汗をかいたら清潔にする

衣類:

  • きつい衣類は避ける
  • 清潔な衣類を着用する
  • 吸汗性の良い素材を選ぶ

受診が必要な場合

治療後に以下のような症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診してください。

  • 強い痛みが続く
  • 赤み・腫れが広がる
  • 発熱がある
  • 膿が出る
  • 出血が止まらない
  • 傷が開く

予防法と日常のケア

脇のイボの中には、予防が可能なものもあります。日常生活での工夫により、イボの発生を減らしたり、悪化を防いだりすることができます。

摩擦を減らす

摩擦はアクロコルドンやスキンタッグの主要な原因の一つです。摩擦を減らすことで、これらのイボの予防につながります。

具体的な対策:

適切なサイズの衣類を選ぶ:

  • きつすぎる衣類は避ける
  • 縫い目が脇に当たらないデザインを選ぶ
  • 柔らかい素材の衣類を選ぶ

脇毛の処理に注意:

  • カミソリによる処理は皮膚を傷つけやすい
  • 電気シェーバーやクリームの使用を検討
  • 処理後は保湿する

体重管理:

  • 肥満は皮膚の摩擦を増やす
  • 適正体重を維持する
  • バランスの良い食事と適度な運動

保湿ケア

皮膚のバリア機能を保つことは、様々な皮膚トラブルの予防に重要です。

保湿ケアのポイント:

適切な保湿剤の使用:

  • 入浴後すぐに保湿する
  • 脇の下も忘れずに保湿
  • 刺激の少ない製品を選ぶ

過度な洗浄を避ける:

  • 強くこすり洗いしない
  • 刺激の強い石鹸は避ける
  • 洗いすぎに注意

紫外線対策

脂漏性角化症の予防には、紫外線対策が重要です。脇の下は直接日光に当たることは少ないですが、散乱光による影響もあります。

紫外線対策:

日焼け止めの使用:

  • 外出時は日焼け止めを塗る
  • 脇の下にも塗ることを忘れずに

適切な衣類の選択:

  • UVカット機能のある衣類を選ぶ
  • 肌の露出を減らす

日中の外出を控える:

  • 紫外線の強い時間帯(10〜14時)の外出を避ける

厚生労働省も、紫外線対策の重要性について情報提供を行っています。

免疫力の維持

ウイルス性イボの予防には、免疫力を維持することが重要です。

免疫力維持のための生活習慣:

十分な睡眠:

  • 質の良い睡眠を7〜8時間確保
  • 規則正しい生活リズム

バランスの良い食事:

  • 野菜や果物を十分に摂取
  • タンパク質、ビタミン、ミネラルをバランス良く
  • 過度なダイエットは避ける

適度な運動:

  • 定期的な運動習慣
  • 無理のない範囲で継続する

ストレス管理:

  • 適度な休息
  • リラックスする時間を持つ
  • 趣味や好きなことを楽しむ

清潔を保つ

脇の下は汗をかきやすく、細菌が繁殖しやすい環境です。清潔を保つことで、感染や炎症を予防できます。

清潔を保つための工夫:

適切な洗浄:

  • 毎日入浴またはシャワー
  • 優しく洗う
  • 汗をかいたらこまめに拭く

制汗剤・デオドラントの使用:

  • 清潔な肌に使用する
  • 刺激の少ない製品を選ぶ
  • 過度な使用は避ける

定期的な皮膚チェック

自分の皮膚の状態を定期的にチェックすることで、イボの早期発見や変化に気づくことができます。

セルフチェックのポイント:

鏡を使って確認:

  • 月に1回程度、脇の下をチェック
  • 新しいイボができていないか
  • 既存のイボに変化はないか

記録をつける:

  • 写真を撮って記録する
  • 大きさや数の変化を記録

気になる変化があれば受診:

  • 急に大きくなった
  • 色が変わった
  • 出血や痛みが出た

よくある質問

イボは自分で取っても大丈夫ですか?

自分でイボを取ることは推奨されません。以下のようなリスクがあります。

  • 出血や感染のリスク
  • 痛みを伴う
  • 傷跡が残る可能性が高い
  • 悪性腫瘍の場合、転移のリスクがある
  • 不完全な除去により再発する

特に、ウイルス性イボの場合、自己処理により他の部位や他人に感染を広げてしまう可能性もあります。安全かつ確実な治療のため、必ず医療機関を受診してください。

イボは放置しても大丈夫ですか?

良性のイボであれば、健康上の問題を引き起こすことは少ないため、放置しても問題ないことが多いです。ただし、以下のような場合は治療を検討すべきです。

  • 見た目が気になる
  • 痛みや出血がある
  • 大きくなってきた
  • 数が増えてきた
  • 悪性の可能性が否定できない

また、自分では良性と思っていても、実は悪性腫瘍である可能性もあります。気になるイボがある場合は、一度皮膚科を受診して診断を受けることをお勧めします。

イボは人にうつりますか?

イボの種類によって異なります。

ウイルス性イボ(尋常性疣贅):

  • ヒトパピローマウイルスによるため、感染する可能性がある
  • 直接接触や間接接触(タオルなど)で感染
  • 他の部位への自家感染も起こりうる

アクロコルドン、スキンタッグ、脂漏性角化症:

  • ウイルス性ではないため、人にうつることはない
  • 遺伝的要因はあるが、感染性はない

イボの治療は痛いですか?

治療法によって痛みの程度は異なります。

液体窒素療法:

  • 凍結時にピリピリとした痛み
  • 数秒〜数十秒程度
  • 麻酔は通常不要

切除術、電気焼灼法、レーザー治療:

  • 局所麻酔を使用するため、治療中の痛みは少ない
  • 麻酔の注射時に痛みを感じる
  • 治療後に軽い痛みが残ることがある

アクロコルドンの簡易切除:

  • 小さなものは麻酔不要で切除可能
  • ほとんど痛みを感じないことも多い

痛みの感じ方には個人差があります。痛みに不安がある場合は、医師に相談してください。

治療費はどのくらいかかりますか?

治療費は、イボの種類、治療法、保険適用の有無などによって異なります。

保険適用の治療:

  • 液体窒素療法:数百円〜数千円程度(3割負担の場合)
  • 切除術:数千円〜1万円程度(3割負担の場合)
  • 電気焼灼法:数千円程度(3割負担の場合)

保険適用外の治療:

  • レーザー治療:1個あたり数千円〜数万円
  • イボの大きさや数によって変動

正確な費用については、受診時に医療機関にお問い合わせください。

治療後の傷跡は残りますか?

傷跡の残り方は、治療法やイボの大きさ、個人の体質などによって異なります。

一般的な傾向:

小さなアクロコルドン:

  • ハサミで切除した場合、ほとんど傷跡は残らない
  • 時間とともに目立たなくなる

液体窒素療法:

  • 色素沈着や色素脱失が残ることがある
  • 多くは時間とともに改善する

切除術:

  • 縫合した場合、線状の傷跡が残る
  • 時間とともに徐々に目立たなくなる

レーザー治療:

  • 比較的傷跡が目立ちにくい
  • 個人差がある

傷跡を最小限にするためには、治療後の適切なケアが重要です。また、傷跡が気になる場合は、治療法の選択時に医師に相談してください。

イボの治療は何回必要ですか?

治療回数は、イボの種類、治療法、イボの大きさや数などによって異なります。

アクロコルドン・スキンタッグ:

  • 切除術やレーザーの場合、通常1回で完了
  • 複数ある場合は数回に分けることも

尋常性疣贅(ウイルス性イボ):

  • 液体窒素療法の場合、複数回(3〜10回以上)必要なことが多い
  • 1〜2週間に1回のペース
  • 個人差が大きい

脂漏性角化症:

  • 通常1回の治療で完了
  • 大きなものや数が多い場合は数回に分ける

治療回数については、診察時に医師から説明があります。

まとめ

脇にできるイボは、その多くが良性の皮膚病変です。アクロコルドン、スキンタッグ、尋常性疣贅、脂漏性角化症など、様々な種類があり、それぞれ原因や特徴が異なります。

脇のイボの主な原因には、摩擦・刺激、加齢、ウイルス感染、遺伝的要因、ホルモンの影響、肥満などがあります。多くの場合、無症状ですが、摩擦により痛みや出血を起こすこともあります。

治療法には、切除術、液体窒素療法、電気焼灼法、レーザー治療、薬物療法などがあり、イボの種類や状態、患者様のご希望に応じて選択されます。治療後は適切なケアを行うことで、良好な治癒を促すことができます。

日常生活では、摩擦を減らす、保湿ケア、紫外線対策、免疫力の維持、清潔を保つなどの予防策が有効です。また、定期的な皮膚チェックにより、イボの早期発見や変化に気づくことができます。

脇のイボが気になる場合は、自己判断で処理せず、必ず専門医を受診して、正確な診断と適切な治療を受けることが大切です。アイシークリニック上野院では、経験豊富な医師が丁寧に診察し、患者様一人ひとりに最適な治療法を提案いたします。お気軽にご相談ください。

参考文献

  1. 日本皮膚科学会「皮膚科Q&A」 https://www.dermatol.or.jp/qa/
  2. 日本皮膚科学会「尋常性疣贅診療ガイドライン」 https://www.dermatol.or.jp/
  3. 厚生労働省「紫外線環境保健マニュアル」 https://www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2020/matsigaisen2020.pdf
  4. 国立がん研究センター「がん情報サービス」 https://ganjoho.jp/
  5. 日本臨床皮膚科医会 https://www.jocd.org/

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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